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派遣社員は退職金を受け取れる?4種類の退職金制度について解説

公開日:2023.11.15

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派遣社員

派遣社員として働くにあたり、退職金を受け取れるのかは大切です。

適用される退職金制度を確認していく必要があります。

今回は、派遣社員は退職金を受け取れるのか、4種類の退職金制度について解説していきます。

派遣社員でも退職金は受け取れる

2020年における派遣法の改正により、派遣社員の待遇は改善されてきました。

 

正規雇用者との差を無くすべく見直しが行なわれ、正規雇用者と同じ要件を満たしている場合、基本的に退職金の支払いは義務です。

一方で、賃金の支払い方式や、適用になる退職金制度により異なる部分があるので、注意していかなければなりません。

2020年派遣法の改正

2020年4月に開始された、新たな派遣法では「同一労働同一賃金」の考え方が求められています。

 

「同一労働同一賃金」の考え方とは、同じ内容の労働をしている場合には、同じ賃金を支払うべきという考え方です。

退職金についても例外ではなく、正規雇用者と同じ待遇ではない場合、説明が必要になっています。

 

派遣社員は、待遇差に疑問を感じた際に説明を求めることが可能となり、説明義務が強化されたのも特徴です。

賃金の決定方式により考え方が異なるので、両者の考え方について理解していかなければなりません。

派遣先均等・均衡方式と労使協定方式

賃金を決定する考え方は2つあり「派遣先均等・均衡方式」と「労使協定方式」です。

 

「派遣先均等・均衡方式」は、派遣先会社で働く正規労働者と待遇を同じにする方式を言います。

派遣会社に対して、派遣先会社は正規労働者の待遇等を開示しなくてはいけません。

異なる取り扱いをする場合には、合理的な理由が必要です。

 

これに対して「労使協定方式」は、派遣会社と派遣社員との間の労使協定で賃金を決定する方式です。

能力や業務内容などの平均賃金を基準に、平均賃金以上とすることで、派遣先会社の正規労働者と全く同じ待遇にする必要はありません。

一方で、給食施設や休憩室など最低限の情報に関しては、派遣会社へ提供することが義務付けられています。

適用になる退職金制度に注意

派遣社員も退職金を受け取れるようになりましたが、どのように支払われるかは退職金制度により異なります。

それぞれの退職金制度におけるメリットとデメリットを把握して、自分が働く環境でどの退職金制度が適用になるのか確認しておかなければなりません。

ライフスタイルに合った、働き方を選択して、損をしないように行動していく必要があります。

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派遣における退職金制度

派遣社員でも退職金を受け取れますが、あくまでもそれぞれに合った要件を満たしていなければなりません。

 

派遣の形態によっては、満たせない場合もあるので、事前に確認していくのが賢明です。

退職金制度は4種類に分けられるので、自分に合った退職金制度の働き方を実現していけるように行動していく必要があります。

派遣会社や派遣先会社の退職金制度を適用する場合や、中小企業退職金共済制度、退職金前払い制度など4種類に分けられるので、それぞれの特徴を理解していくことが大切です。

派遣先会社の退職金制度

「派遣先均等・均衡方式」が採用され、派遣先会社の退職金規定により支給される制度です。

 

派遣先会社の正規雇用社員と同様に、退職金規定による要件を満たせば、退職金を受け取れます。

派遣会社の退職金制度

「労使協定方式」により、退職金の支給方法を、派遣会社の退職金規定による制度です。

 

派遣会社の正規雇用社員と同様に、退職金規定による要件を満たせば、退職金を受け取れます。

中小企業退職金共済制度

「労使協定方式」により、会社で退職金制度を設けることが難しい中小企業が、国の援助により退職金制度を設ける仕組みです。

 

会社が掛け金を支払うことで、退職金を受け取ることができるようになります。

掛け金を国が援助してくれるので、会社側としても利用しやすいのが特徴です。

退職金前払い制度

「労使協定方式」により、退職時に退職金を支払うのではなく、給与や賞与に退職金相当額を上乗せする制度です。

退職金制度のメリット・デメリット

退職金制度にはそれぞれ特徴があるので、メリット・デメリットを把握していく必要があります。

 

派遣社員側から退職金制度を選択することはできません。

ですが、自分の働き方に適用される退職金制度の特徴を理解することが大切です。

派遣先会社の退職金制度

派遣先会社の退職金制度は、派遣先の正規雇用の社員と同様の要件であり、待遇に差がないのが特徴です。

メリット

退職時に、まとめて退職金が受け取れるだけではなく、派遣先会社の退職金規定によっては、周りの退職金制度よりも多額に貰える可能性があります。

デメリット

勤続年数の要件がある場合、有期雇用は3年間が勤務可能な最大年数であり、要件を満たせない場合も考えられます。

 

また、そもそも退職金規定がない場合もあるので、注意が必要です。

派遣会社の退職金制度

派遣会社の退職金制度は派遣先会社とは異なる待遇ですが、派遣会社の正規雇用社員と同様の要件で退職金が支給されます。

メリット

労使協定方式によるので、平均的な待遇以上に設定しなければならず、要件や金額ともに不利にはなることはありません。

デメリット

派遣先会社の退職金制度の場合と同様に、勤続年数などの要件がある場合や退職金規定がないケースでは退職金を受け取れない可能性もあるので、注意が必要です。

中小企業退職金共済制度

自社で行うのではなく、外部の機関と退職金共済契約を結ぶことになるのが特徴であり、外部機関から退職金が支給されます。

メリット

会社が倒産した場合でも、退職金が支払われるだけではなく一時金払いや分割払いなど、受け取り方法を自分で選択できます。

 

転職時に、転職先で中小企業退職金共済制度を利用する場合、一定の要件を満たしていれば通算することも可能です。

デメリット

受け取り手続きを自分で行わなければならず、手間がかかると言えます。

退職金前払い制度

他の退職金制度と異なり、退職時ではなく在職期間を通じて退職金相当額が支払われるのが特徴です。

メリット

時給アップなどにより在職期間に退職金相当額を受け取れることから、転職をしながらキャリアアップを目指す場合も多く、昨今の働き方に合っているとも言われています。

 

在職期間を通じて退職金相当額を受け取れるので、毎月の受取額が増えて自分で融通をきかせられるのがポイントです。 

デメリット

退職時にまとまった金額を受け取ることが出来ず、自己管理が必要と言えます。

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退職金制度の計算方法

退職金について考えるとき、まずは退職金がどのように計算されるのか計算方法を理解していかなければなりません。

 

どの程度退職金を受け取れるのかを概算で考えられるので、計画的に私生活を送っていけるようになります。

自分に適用される退職金制度の計算方法を把握しておくことが大切です。

派遣先会社の退職金制度

派遣先会社の退職金制度を利用する場合、派遣先会社の退職金規定により計算されます。

 

原則として給与×支給率により計算しますが、基礎となる給与の種類も様々です。

最終給与に連動する計算から、全期間の平均給与を基に計算する方法まであります。

 

退職の理由が自己都合なのか、会社都合なのかにより支給率が変わってくる場合も考えられるので、注意しなければなりません。

派遣会社の退職金制度

派遣会社の退職金制度を利用する場合は、派遣会社の退職金規定に従い計算されます。

 

派遣先会社の退職金制度と同様に、自己都合と会社都合による違いは大きいです。

給与が基となる計算方式だけではなく、積み立てを行い勤続年数に応じる方式や、ポイント制による方式まで、さまざまな計算式があるので、確認しておく必要があります。

中小企業退職金共済制度

中小企業退職金共済制度の場合、掛金と納付月数で計算される基本退職金に付加退職金を加えた額により計算されます。

 

12月以上加入していれば退職金は支給されますが、長期加入で運用利息が加算される仕組みです。

43月以上から運用利息が加算されるようになっているので、約4年間以上加入するのが有利な制度と言えます。

退職金前払い制度

退職金前払い制度の場合、時給に退職金に相当する一定率を乗じて計算する方法や、1時間当たりの退職金に毎月の勤務時間を乗じて計算する方法があります。

まとめ

派遣社員は退職金を受け取れるのか否か、そして4種類の退職金制度について解説してきました。

理解は進んだでしょうか?

 

派遣社員は、退職金を受け取れるようになりましたが、正規雇用社員同様に要件を満たさなければ受け取れません。

また、計算方法を把握して、退職金の概算を算出することで、計画的に行動するのが大切です。

 

退職金制度により要件が異なるので、自分に適用される退職金制度を確認していくのが賢明と言えます。

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