正社員の仕事内容
「正社員」とは法律用語ではありません。
一般的には「雇用期間を定めないで雇用主と労働契約を結んだ労働者のこと」です。
勤務地や職務内容に限定はありませんので、会社の制度や業務命令に従うことになります。
このため、業種や職種によっては遠隔地での勤務になることもあり、例えば東京本社で採用された方が、一定期間の間、地方の工場で経験を積むことや、海外の支社・子会社で働くことを命じられることもあります。
もちろんこれらには会社側にも目的があり、適切な人員配置によって売上の最大化をめざし、会社の成長発展につなげています。
また、正社員にさまざまな経験を積ませることで、それぞれのキャリア開発を支援し、長期的展望に立って企業に貢献することを期待しています。
経理・財務の職種では、会社の財産を保全し、企業経営の内部情報に関わることから、責任のある業務は正社員が対応することがほとんどです。
例えば、会計仕訳の作成は非正規社員が対応し、その承認を正社員が実施するなどの例があります。
月次決算や年次決算のとりまとめ、債権債務の管理、業務プロセスの改善活動、関連部門とのコミュニケーション維持等、業務を効率的に進められるように改善していくことも、正社員がリードする立場で関わる大切な業務です。
正社員は、人件費管理の役割も担うこともあります。
非正規社員(契約社員、派遣社員、アルバイト等)を管理して、労働生産性を上手に引き上げるようにすることも求められています。
この役割がとくに大きいのは店舗を持つ小売業や飲食等のサービス業です。
売上に占める人件費率が他の業種よりも高い傾向にあるため、適切に維持していくことが大切です。
正社員のメリット
正社員のメリットは、会社のさまざまな制度を利用して働き方を選択できることがあります。
近年は働き方改革が進み、非正規社員の場合でも制度を利用できますが、同じ業務をしているかどうかという論点があり、利用できる制度に差があるのが実情です。
昇進・昇格を狙う場合、重要な業務や決裁権は正社員が担当することがほとんどのため、正社員が有利となります。
非正規として入社し、この会社でステップアップしたいと決意した方は正社員への転換をめざすと良いでしょう。
経理・財務のポジションでも同様です。
与えられた業務をしっかりとこなすだけでなく、必要な知識を自ら学んで、新たな業務にチャレンジすることが可能です。
例えば、海外支社や子会社を持つグローバル企業では、英語力の高い社員を海外に駐在させ、世界で戦っています。
英語スキルもキャリアップにつながっていきます。
また、国内にある工場や支店、社内の他部署にて新たな業務を経験することで、マネジャーを目指していくキャリア・プランもあります。
※2020年4月1日から同一労働同一賃金(パートタイム・有期雇用労働法)の制度が適用され、この制度により、同じ職場で、同じ仕事をする正社員と契約社員や派遣社員との待遇や賃金格差が是正されることになりました。
このため福利厚生や給与等の待遇は、正社員と非正規社員とで大きな差が無くなるようになっています。
正社員の活躍するポジション
正社員は非正規社員と比べて、権限と責任を任されます。
経理・財務業務では、ジョブローテーションや配置転換を通じて、より幅広く業務を経験することができます。
この経験により正社員は、与えられた職務を遂行でき、新たな場所で活躍していきます。
経営企画部門や事業管理では、経営に関わる重要なミッションを遂行するため、正社員が対応することがほとんどです。
内部情報は非常に重要ですので、適切な情報管理をしなければなりませんので、正社員がこれを対応します。
上場企業や大手企業での内部監査では、関係部署のキーマンに対するヒアリングなどを通して課題の発見をしていきます。
これには、監査の一般的な知識だけでなく、自社業務やルールについての深い理解が必要です。
さまざまな部署を経験した正社員が就くことの多いポジションです。
部門をまたぐ課題やプロジェクトベースで大きな案件に携わる場合も、基本的には正社員が対応します。
例えばM&Aや事業再編は、社内外でも機密事項とされる重要項目のため、正社員の中でも限られた人員だけが関わります。
働く立場と環境は、企業の業種業態によってさまざまですが、一般的なキャリア・プランとして、 長く働き昇進昇格をするには正社員が有利で、会社を担っていくことになります。