コンサルティング・税理士の仕事内容
税理士は税務の専門家として、会計のプロとして、クライアントに対して様々なサービスを提供しています。
コンサルティングファームにおける税理士の役割・仕事の1つに、富裕層向けの資産税アドバイス、相続税対策、資産の譲渡課税対策等、税務を中心としたものがあります。
また、税理士でもM&Aが未経験の方は少なくありませんが、コンサルティングファームにおいて、業務フローやマニュアルに従って働くことで、M&Aの経験を積むことも可能です。
最初は中小規模の案件のプロジェクトマネジャーとなり、そこで案件の開始からクロージングまでをマネジメントする機会もあります。
中堅規模の事業承継に関しては、税理士の得意分野である税務・会計を活用した最善のストラクチャーを提案し、さらに実行管理を担当することもあります。
中小規模〜中堅規模の企業に関して、法人税務の他にも創業者オーナーの意向を汲み取った総合的な税務対策を提案することもあります。
特に後継者不足に頭を悩ませる企業のオーナーにとって、事業継続を目的としたM&A仲介、あるいは助言業務はとても重要です。
そのほかには会計コンサルタントの役割を担って、経理体制の維持改善支援、各種デュー・デリジェンス、内部統制の構築支援を担当することもあります。
コンサルティング・税理士に求められるスキル・人材像
コンサルティング業務は専門性が高く、税理士が関わる場合は経営や財務、経理が中心ですが、ほかの専門家と協力してほかのプロジェクトに関わることもあり、非常に広範囲な対応をする職種です。
コンサルティングファームに転職する際には、必要スキルとして、少なくとも 3年以上の実務経験が必要とされています。
M&Aにかかる経験としては下記のようなものがあげられます。
・プロジェクト実行管理
・投資銀行や会計事務所等での企業再生のアドバイザリー経験
・企業や事業に関する価値評価(バリュエーション)
・財務や税務のデュー・デリジェンス
・前職がコンサルティングファームであれば、事業企画・経営企画等の経験
コンサルティング業務は、一定の経験があることで、税理士のような有資格者でなくても対応することが可能ですので、税理士は差別化を図るためにも、より高度なスキルを身につけるようにすべきでしょう。
外資系クライアント対応や、海外事業案件を手掛けるのであれば、ビジネス遂行が可能な英語力(TOEICで900点前後が望ましい)が必要です。
税務も最新の税法についてキャッチアップすることが必要ですが、コンサルティング業務においても相応の経験と業界の知識や情報を理解し、常にアップデートする努力が欠かせません。
コンサルティング業務で税理士の活躍できる場
コンサルティング業務は主にコンサルティングファームが主戦場となります。
クライアント企業の成長を支援し、発展に貢献することを目的に、税務や会計のみならず、広い領域の業務を遂行していきます。
経営の視点を持ち、とくにバックオフィス系を横断的に対応することが税理士には求められています。
専門家としての知見を持ちつつ、ゼネラリストとして、企業の経営全体を見直してアドバイスをしていきます。
会計系コンサルティングファームというと、一般的には公認会計士が活躍しているというイメージがありますが、税理士もクライアントの企業価値を向上させるために、税務及び会計の領域に強みを持つ高度なサービスを提供することが可能です。
下記のようなサービスがあります。
・事業再編、企業再生、事業承継、上場支援に関するコンサルティング
・TAXサービス(タックスプランニング、事業再編、国際税務、資産税・相続税対策等)
・グローバルを目指す日系企業の海外支援サポート(現地の会計・税務対応、移転価格税制、租税条約対応等)
・SPE(Special purpose entity 特別目的事業体)のマネジメント業務、ファンドの組成とそのストラクチャーに関する会計および税務面の支援
また、コンサルティングファームと会計事務所や税理士法人がグループを形成していることもあります。
このような場合には、税務申告書の作成代理、一般的な税務相談等も通常業務の一環として対応しています。