行政書士事務所とは？仕事内容や向いている人の特徴、転職のコツを紹介！

行政書士事務所とは行政書士が運営する事務所の事です。

行政書士以外にも行政書士補助者や事務員等のスタッフが在籍する事務所もあります。

今回は行政書士事務所の仕事内容や向いている人、転職のコツを紹介します。

はじめに、行政書士事務所の概要を紹介します。

行政書士事務所とは名前の通り、行政書士が運営する事務所です。

正確には行政書士が運営する個人事務所を意味しますが、行政書士法人も行政書士事務所と呼ばれることがあります。

行政書士事務所は、行政書士業務を専門とする事務所とイメージして良いでしょう。

行政書士が独立して行政書士業務を行う場合、行政書士事務所を設立する必要があります。

実際のところ、行政書士の資格が活かせる職場は行政書士事務所だけではありません。

建設業や不動産業等の許認可が必要な一般企業や、法務部・総務部のように法律を扱う部署に在籍する行政書士も多くみられます。

行政書士事務所の主な仕事内容について、行政書士の独占業務・行政書士補助者の業務・事務職員の3つに分けて紹介します。

行政書士法において、行政書士の独占業務は以下のように定められています。

1. 官公署に提出する書類その他権利義務または事実証明に関する書類作成
2. 1に該当する内容でも、その業務を行うことが他の法律で制限されている業務は実施できない
   ※主に税理士や社労士等、他の士業の独占業務が挙げられます。
3. 行政書士が作成できる契約その他に関する書類は、代理人としての作成が可能
4. 書類作成に関する相談対応が可能

簡単にいうと、官公署に提出する書類や事実証明・権利義務に関する書類の作成代行、および書類作成に関する相談が行政書士の独占業務です。

官公署に提出する書類とは、いわゆる許認可に関する書類を意味します。

許認可が必要な業種の開業にあたって、行政書士に許認可関係の依頼をするケースが多いです。

事実証明・権利義務に関する書類として、以下の例が挙げられます。

• 相続関係
  例：遺言書や遺産分割協議書
• 契約書
  例：売買契約書や賃貸借契約書
• 会社関係
  例：定款や株主総会の議事録、会計帳簿
• ビザ関係
  例：帰化申請書や永住許可申請書

行政書士補助者とは、行政書士の監督のもとで各種書類作成や顧客対応ができる資格です。

行政書士事務所における補助者の業務内容として、以下の例が挙げられます。

• 官公署に提出する書類や事実証明・権利義務に関する書類の作成
• 顧客対応や相談サポート
• 官公署への書類提出や役所での証明書取得等、行政書士業務のサポート

1の書類作成は、前項で挙げた行政書士の仕事内容と非常に似ています。

あくまでも「行政書士の監督のもと」という条件付きであるため、補助者が独自に仕事の受注や業務の遂行をすることはできません。

行政書士補助者として業務を行うには、所定の手続きを行い行政書士会へ補助者として登録する必要があります。

行政書士試験を含め、特に何かの試験を受ける必要はありません。

補助者の登録が完了すると補助者バッジや補助者証が付与されます。

補助者証は官公署の窓口で提示が求められるケースも多いです。

事務職員は、前項で紹介した行政書士補助者と違い行政書士の監督下でも書類作成等は実施できません。

そのため事務職員は一般事務をはじめとした、いわゆるバックオフィスを担います。

行政書士事務所の円滑な運営や快適な職場環境を作るため、事務所のサポート全般を担当するイメージです。

行政書士が扱える書類の種類は1万点以上と膨大であり、書類によって求められる場面や必要な知識が大きく異なります。

そのため、特定の分野をメインとする行政書士事務所も多くみられます。

行政書士事務所の公式サイトや募集要項から、取り扱い分野を確認するのが良いでしょう。

続いて、行政書士事務所に向いている人の特徴を紹介します。

今回は有資格者だけでなく、行政書士補助者や事務職員にも共通する内容を取り上げました。

コミュニケーション能力は、行政書士事務所の仕事に欠かせないスキルです。

行政書士や行政書士補助者は、多くの顧客と対応するためコミュニケーション能力が欠かせません。

行政書士の業務に直接携わることがない事務職員も、電話やメールの一次対応や来客対応等で顧客と関わる場面は多いです。

事務職員はバックオフィスを担当するため事務所内の人と接する機会も多く、いずれにせよコミュニケーション能力が求められます。

コミュニケーション能力に自信がある・人と接するのが苦にならない人におすすめです。

デスクワークが得意、もしくは苦にならない人も行政書士事務所に向いています。

行政書士事務所の仕事は書類作成やリサーチ等のデスクワークが多いです。

事務職員が担当するバックオフィス業務も、デスクワークが大半を占めます。

そのため、デスクワークに向いている人は行政書士事務所にも向いているといえるでしょう。

責任感も行政書士事務所の仕事に欠かせない要素です。

行政書士事務所では、許認可や事実証明・権利義務に関する重要な書類を扱います。

行政書士事務所での書類の扱い方によって、顧客に大きな影響を及ぼすケースは珍しくありません。

書類の内容はもちろん、提出するタイミングや提出先についても注意する必要があります。

重要な書類を扱う事務所だからこそ、行政書士事務所で働く人には責任感が必要不可欠です。

行政書士事務所への転職で押さえたいポイントについて、行政書士・行政書士補助者を目指す人・事務職員に共通する特徴について紹介します。

行政書士事務所に限らず、転職において志望動機は非常に重視されます。

そのため、行政書士事務所を志望する理由を明確にすることが大切です。

説得力のある志望動機を作るため、業界研究を十分に行いましょう。

また、行政書士事務所全体に共通する志望動機だけでなく、実際に応募する事務所ならではの志望動機も作る必要があります。

応募した理由や他の事務所と比較して、魅力的に見えたポイントなどを説明できれば好印象を与えやすくなります。

仕事で活かせる経験やスキルをアピールすることも大切です。

行政書士事務所で活かせる経験の具体例を紹介します。

• 一般企業におけるバックオフィス業務全般
  例：一般事務、経理、人事労務
• 会計事務所や司法書士事務所など、他士業の事務所
• 法務部や総務など法律を多く扱う部署
• その他事務や法律関係の経験

活かせるスキルは前章で紹介したように、コミュニケーション能力やデスクワークのスキルが挙げられます。

特にPCスキルは行政書士事務所で働くために必須のスキルといえるでしょう。

行政書士事務所での経験がなくても、関連する経験やスキルがあれば十分なアピールポイントになります。

行政書士事務所の仕事に関連する資格を取得することで、転職活動の際により強くアピールできます。

行政書士事務所で仕事するのに行政書士の資格は必須ではなく、行政書士補助者や事務職員であれば、行政書士の資格がなくても問題なく働けます。

行政書士事務所で活かせる資格は行政書士資格だけではありません。

主な例として以下の資格が挙げられます。

• MOS（マイクロソフトオフィススペシャリスト）
• 日商PC検定
• ビジネスキャリア検定
• ビジネス実務法務検定
• 秘書検定

一般事務や総務といったバックオフィスで活かせる資格は、行政書士事務所でも活かせる可能性が高いです。

行政書士事務所は行政書士が運営する、行政書士業務を専門とする事務所といえます。

行政書士の有資格者だけでなく、行政書士の監督下で書類作成等を行う行政書士補助者や、バックオフィスを担当する事務職員が在籍する事務所もあります。

行政書士事務所では、コミュニケーションが発生する機会が多いです。

そのためコミュニケーション能力がある人は、行政書士事務所に向いている可能性があります。

また、デスクワークが苦にならない・責任感がある等の要素も必要です。

行政書士事務所へ転職するには、行政書士事務所を志望する理由を明確にしましょう。

仕事で活かせる経験やスキルのアピールも大切です。

行政書士事務所の仕事に関連する資格を取得することで、転職活動をより有利に進められると期待できます。

今回紹介した内容を、行政書士事務所を志望する人の参考にしていただければ幸いです。