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行政書士試験での受験資格の有無は受験する上で気になる事項の1つです。
また試験の出題科目や難易度についても押さえておく必要があります。
今回は行政書士試験の受験にあたって押さえたいポイントを解説します。
行政書士の受験資格
はじめに、行政書士試験の受験資格について詳しく解説します。
行政書士試験に受験資格は無し
結論として、行政書士試験に受験資格の定めはありません。
年齢や国籍、学歴等を問わず誰でも試験を受けられます。
行政書士登録の年齢制限は存在する
前述のように、行政書士試験に受験資格の定めはないため誰でも受験できます。
ただし、行政書士登録の年齢制限は存在します。
行政書士法第2条の2において、未成年者は行政書士となる資格を有しないと定められています。
すなわち未成年者でも行政書士試験を受けることはできるものの、合格しても成人までは行政書士登録ができないのです。
なお、年齢以外にも行政書士登録の欠格事由が複数定められています。
- 成年被後見人または被保佐人
- 破産者であり、復権を得ていない者
- 禁固以上の刑に処せられた者で、執行終了もしくは執行を受けなくなってから3年が経っていない者
- 公務員として懲戒免職処分を受け、それから3年が経っていない者
- 行政書士登録の取り消しの処分を受け、処分の日から3年が経っていない者
- 業務の禁止の処分を受け、処分の日から3年が経っていない者
行政書士試験を受ける前に念のため確認しておくと安心です。
【参考】受験が免除される要件
以下1、2のどちらかに該当する場合、行政書士試験が免除されます。
1.以下いずれかに該当する者
- 弁護士となる資格を有する
- 弁理士となる資格を有する
- 公認会計士となる資格を有する
- 税理士となる資格を有する
2.最終学歴が中卒の場合は20年以上、高卒の場合は17年以上、行政事務(または行政書士に相当する事務)経験を有する
この場合、受験をしなくても行政書士の登録が可能です。
行政書士に登録する際は、行政書士となる資格を証する書面を提出する必要があります。
必要書類は有する資格や登録する行政書士会によって異なるため、事前に案内を確認しましょう。
行政書士試験の受験資格以外に押さえたいポイント
この章では行政書士試験について押さえたいポイントとして、出題科目や試験の難易度、独学で合格できるか否かについて解説します。
出題科目
行政書士試験の出題科目および内容は以下の通りです。
試験科目 |
内容 |
出題形式 |
行政書士の業務に関し必要な法令等 (46題) |
憲法 行政法 (一般的な法理論、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法および地方自治法が中心) 民法 商法 基礎法学 |
択一式および記述式 ※記述式は40字程度での記述 |
行政書士の業務に関連する一般知識等 (14題) |
政治・経済・社会 情報通信・個人情報保護 文章理解 |
択一式 |
以下の3つすべてを満たした場合に合格となります。
- 「行政書士の業務に関し必要な法令等科目」の得点が満点の50%以上
- 「行政書士の業務に関連する一般知識等科目」の得点が満点の40%以上
- 試験全体の得点が満点の60%以上
試験全体の得点が60%を超えていても、科目ごとの基準を満たさなければ不合格になってしまうため注意が必要です。
参考として、令和5年度行政書士試験当日のスケジュールを紹介します。
- 集合時刻:午後0時20分
午前11時50分から試験室への入室開始、午後0時30分から受験上の注意事項の説明 - 試験時間:午後1時~午後4時
試験開始から午後2時30分まで、および試験終了前10分間の退室は不可
試験科目は2つに分かれていますが、試験時間の区切りは設定されていません。
試験の難易度
行政書士試験の難易度について、合格率と必要な勉強時間の2点から考えます。
まずは行政書士試験の合格率です。
一般財団法人行政書士試験研究センターの公式サイトで、過去に行われた試験の合格率が公開されています。
年度 |
合格率 |
令和4年度 |
12.13% |
令和3年度 |
11.18% |
令和2年度 |
10.72% |
令和元年度 |
11.48% |
平成30年度 |
12.70% |
引用元|一般財団法人行政書士試験研究センター「試験結果分析-試験結果の推移」
参考として、行政書士と比較される場面が多い士業の合格率の平均を紹介します。
資格 |
合格率 |
弁護士 |
予備試験:4%程度 司法試験:30~40%程度 |
司法書士 |
4~5%程度 |
税理士 |
全科目10%台 ※5科目合格で税理士試験合格となります。 |
社会保険労務士 |
6~7%程度 |
弁理士 |
8~10%程度 ※短答式・論文式・口述式を総合して考えた場合 |
行政書士試験の難易度は決して低くはないものの、他士業の試験に比べると合格率は高めです。
続いて必要な勉強時間を紹介します。
行政書士試験の合格に必要な勉強時間は、600〜1,000時間がひとつの目安です。
法律の予備知識がある人や予備校に通う場合は、500時間程度で合格できるケースもみられます。
法律初学者や独学の場合、最低でも800時間は必要といわれています。
独学での合格は可能?
前項で、法律初学者や独学での行政書士試験に必要な勉強時間の目安は最低でも800時間と紹介しました。
言い換えると、独学では必要な勉強時間が多くなるものの、独学でも合格できる可能性は十分にありえます。
ただし、独学ではわからない部分を自分で解決しなければならないため、予備校に通うよりも必要な勉強量が多くなるのは事実です。
自分ですべて対応しようとした結果、誤った理解をしてしまうリスクもあります。
特に法律初学者の場合、基礎的な部分や法律の解釈については詳しい知識を持つ人から習った方が無難でしょう。
独学ではモチベーション維持がしにくいと感じる人も少なくありません。
以下のケースに当てはまる人は、予備校を利用するのがおすすめです。
- 法律初学者
- 1人で勉強するのが苦手
- なるべく効率良く勉強したい・勉強時間を短くしたい
一方、以下のケースに当てはまる人は独学の方が適している可能性があります。
- スケジュールの変動が大きく日によって確保できる勉強時間が異なる
※予備校はスケジュールが決まっているため、スケジュールの変動が大きい人は通いにくいといえます。 - 周りに人がいると集中できない
- 出題範囲のうち勉強したことのある部分が多い
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行政書士試験に関するよくある質問
最後に、行政書士試験についてよくある質問2つを紹介します。
受験にかかる費用はいくら?
行政書士試験の受験手数料は10,400円です。
以下いずれかの方法で払込を行う必要があります。
- 本人名義のクレジットカードで支払う
- コンビニエンスストアで支払う
※コンビニ払いのシステム手数料370円は受験申込者の負担です。
どちらの方法でも、行政書士試験研究センターが指定する日までに支払う必要があります。
コンビニエンスストア窓口払いの場合、払込期間は申込入力を完了した日の翌日から起算して3日間です。
たとえば、申込入力日が8月1日の場合、払込期日は8月4日の23時59分となります。
ただし、インターネット申込受付最終日の23時59分以降の払込はできません。
令和5年度試験を例にすると、インターネット申込受付最終日は令和5年8月22日でした。
この場合、仮に8月20日に申込入力が完了した場合、払込期間は21日と22日の2日間のみとなります。
受験に向けて行うべき準備はある?
行政書士試験の受験に向けて、勉強以外に行うべき準備として以下の5つが挙げられます。
- 試験場所の確認
- 受験票に記載された内容に誤りがないかの確認
- BかHBの黒鉛筆またはシャープペンシル、プラスチック消しゴムの用意
- 腕時計の用意
※試験会場には時計の用意がないため、時間管理のために腕時計が必須です - 試験当日の注意事項の確認
たとえ勉強量が十分で試験の正答率が高くても、試験当日に忘れ物やミスをしてしまっては不合格となってしまう恐れが大きいです。
また、必要な持ち物に不足があると気付くのが試験直前や当日になってしまうと、動揺して試験に影響を与える恐れもあります。
試験当日に実力を発揮できるよう、持ち物の準備や当日の注意点の確認は早いうちに済ませておきましょう。
まとめ
行政書士試験には受験資格の定めがありません。
年齢・学歴・国籍等を問わず誰でも試験を受けられます。
ただし行政書士登録については年齢要件をはじめ欠格事由があるため、事前に確認しておくと安心です。
受験資格の定めはありませんが、受験に向けて事前に確認しておくべき事項は存在します。
今回は、行政書士試験に向けて押さえたいポイントを紹介しました。
行政書士試験を受ける人の参考にしていただければ幸いです。
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