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中小企業診断士試験の試験科目について解説します。
第1次試験と第2次試験の関連性を有する企業経営理論・財務会計・運営管理は特に重要です。
本記事では試験科目や各科目の特徴、重要性について説明します。
中小企業診断士試験の概要と必要な経営の基礎知識とは
中小企業診断士試験は、第1次試験と第2次試験に分かれています。
第1次試験に合格しないと第2次試験を受けることは出来ず、第2次試験では口述試験もあるので特別に対策をしていかなくてはなりません。
科目が多いので計画的に学ぶ必要があり、効率を考えながら科目に優先順位をつけていくのが鍵を握ります。
第1次試験と第2次試験がある
中小企業診断士の第1次試験は知識があるのかを把握する試験であり、第2次試験は覚えた知識を活用できるのかをチェックします。
経営の診断から助言までできる知識を学んでいかなければならず、暗記しているだけでは合格することは出来ません。
覚えている内容を実践的に活用して、クライアントの経営課題解決に向けて提案できるかがポイントです。
試験の全体像を把握することで、得意不得意をなくせるように学んでいきましょう。
科目に優先順位をつけるのが鍵
中小企業診断士試験の肝は、科目により優先順位を意識していくことです。
重視するべきなのは第2次試験との関連性であり、企業経営理論、財務・会計、運営管理の3科目を優先するべきと言えます。
企業経営理論は企業における成長戦略であり、最優先で学んでいかなければなりません。
中小企業診断士試験では、科目の優先度を把握して勉強を行っていくことが効率的な学習に繋がります。
第1次試験は7科目で構成されている
第1次試験の試験時間は、企業経営理論、運営管理、中小企業経営・中小企業政策が90分でその他科目は60分です。
出題科目が7科目あり各科目100点満点で、経済学や企業経営理論、法務や経営情報システムなど多岐に渡ります。
学習量は多いですがマークシート多肢選択式のため、深い理解やすべての暗記が求められているわけではありません。
第2次試験までを視野にいれて、効率的に学んでいくのを意識していきましょう。
経済学・経済政策
国全体にわたるマクロ経済学と、企業や個人を対象としたミクロ経済学が学習の軸です。
中小企業診断士が経営について考える際には、経済の動向も注視していかなくてはなりません。
為替相場やマーケティングなどは経営に関連しており、学んでおかなくてはならない知識です。
数式やグラフを読み取らなくてはならないので、日々意識して学習していきましょう。
財務・会計
ファイナンスや会計に関して出題される分野であり、会計には財務会計と管理会計があります。
ファイナンスは未来のお金について、会計は過去のお金について考えていくのがポイントです。
2次試験の事例Ⅳに関連していて重要性が高い分野であり、財務分析における指標の意味と計算方法について覚えるのが大切です。
企業経営理論
企業を経営する上で、どのような意思決定を行っていくのが最適なのかを学びます。
経営戦略やマーケティングだけではなく、組織としてどのようにモチベーションをコントロールしていくのかについても学習可能です。
中小企業診断士に関する知識の幹であり、企業経営理論がなくては経営コンサルティングはできません。
第2次試験を解いていくにあたって必要な経営の基礎知識について学べるので、事例Ⅰや事例Ⅱ対策としてもしっかり学んでいかなければならない科目です。
運営管理(オペレーション・マネジメント)
企業は商品の生産又は仕入れをして販売することで経営を行っており、生産や販売の管理について学ぶのが運営管理です。
生産形態や方式の種類、在庫や品質の管理等について学び、企業の運営における管理方法を身につけなくてはなりません。
経営課題についてアドバイスを行っていく場合、戦略だけではなく実際にどのように商品の管理をするのか説明することもあります。
暗記を中心とした科目ですが、第2次試験のⅡとⅢに関連している科目です。
経営法務
経営を行っていくにあたり、関連した法律や諸制度について理解していかなければなりません。
中小企業診断士は経営コンサルティングを行う際に、弁護士・司法書士・行政書士とコミュニケーションを行うこともあります。
企業経営に関連した会社法や商標法などについて学び、法律用語にも慣れていくことです。
第2次試験との直接的な関連性はありませんが、実務に役立つ知識でありしっかり学んでいきましょう。
経営情報システム
昨今の経営においてはITの進展が著しく、基礎知識は勿論として運用していく能力が求められています。
情報システムの開発・運用・評価などを行い、経営上に関する管理をしていかなければなりません。
経営にITが欠かせないものとなっている以上、中小企業診断士にもしっかり学んでいくことが求められているのです。
中小企業経営・中小企業政策
中小企業診断士試験は経営の中でも「中小企業」に焦点を当てており、中でも経営や政策は学習の課題です。
中小企業とはどのような企業を指すのか、政府がどのように中小企業に対応しているのか、法規や施策について学びます。
第2次試験に直接的な関連性はありませんが、中小企業診断士にとって大切な基礎知識であり押さえていかなければなりません。
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第2次試験(筆記試験)は事例問題4科目で構成
第2次試験(筆記試験)は第1次試験の合格者が受験できる試験であり、各科目80分の試験で100点満点です。
事例問題がⅠ〜Ⅳに分けて出題されますが、第1次試験とは異なる点がマークシート形式ではなく、筆記しなければならない部分と言えます。
事例で出題された企業の経営課題を解決するために、経営診断・提案を行うスキルが試される試験です。
暗記するだけではなく理解しながら学んでいき、実際に活用できるように練習していかなければなりません。
中小企業診断士の診断及び助言に関する実務の事例Ⅰ
組織や人事について出題される科目であり、組織力の強化をどのようにしていくのか考えさせられる問題です。
従業員がある程度多い企業における強みを見付けたり、ビジネスモデルや事業戦略について問われることもあり多角的な視点で考察します。
一方で、あくまでも組織や人事に関する問題であり、人を中心とした解答を心掛けなければなりません。
中小企業診断士の診断及び助言に関する実務の事例Ⅱ
マーケティング戦略に関する出題であり、小規模企業を対象にどのようにマーケティングを行っていくべきなのかが問われます。
第1次試験における企業経営理論や運営管理における知識を利用して、企業の市場における戦略の策定を行っていかなけれなりません。
対策としては与件文が長い傾向にあるので、ターゲティングや強みを明確にしていくことです。
中小企業診断士の診断及び助言に関する実務の事例Ⅲ
生産管理に関する出題であり、問題を抱えている製造業に関して出題されることが多いです。
第1次試験における運営管理の知識を利用して、問題解決方法を模索します。
コストや品質、計画など問題の所在を明らかにして、適切な提案を行っていかなければなりません。
製造業に馴染みのない受験生は苦手とする科目であり、日々対策をしていくのが賢明です。
中小企業診断士の診断及び助言に関する実務の事例Ⅳ
財務会計に関する出題であり、損益計算書や貸借対照表を読み取り、財務分析を行う出題です。
企業の分析を通じて、強みや弱み、投資の経済性について解答していくことになります。
他の科目と異なり計算を行った結果の金額や比率を利用する為、計算ミスに注意していかなければなりません。
第2次試験(口述試験)は4問程度の出題
第2次試験(口述試験)は、第2次試験(筆記試験)の合格者が受験することができますが、落とす試験ではないので合格率は9割を超えています。
中小企業診断士は、実際にクライアントに経営課題の解決策を提案するので、口述していかなければならずこれを試すのが第2次試験(口述試験)です。
第2次試験(筆記試験)に関する問題から4問程度出題されるので、与件文をしっかり読んでおくことがポイントになります。
緊張し過ぎないように注意しながら、落ち着いて口述できるように練習をしていきましょう。
第2次試験(口述試験)の合格率は99%
第2次試験(口述試験)は、中小企業診断士試験における最後の試験であり、経営コンサルティングに関する知識を有していることは試験官も既に分かっています。
あくまでも、適切な提案を口述できるかを問う試験であり、合格率は99%を超えているのが事実です。
緊張し過ぎないようにして、練習を重ねることで落ち着いて口述出来れば問題はないでしょう。
第2次試験(筆記試験)に関する問題
基本的には第2次試験(筆記試験)に関する問題の中から事例が2つ各2問出題されます。
経営に関するアドバイスや技術向上の方法などについて、どのように顧客に対応するのか見られているのが特徴です。
闇雲に発言しないように注意して、適切な解決方法について助言をできるように心掛けましょう。
与件文を読み解く
与件文をとにかく読み込んでおき、会社の情報について理解しておきましょう。
どのような質問がされそうか予想しておき、解答の練習をしていくことで本番で自信を持って口述できるようになります。
実際に声に出して自分の声に慣れておくと、緊張せず相手に伝えていけるでしょう。
まとめ
中小企業診断士試験における試験科目や各科目の特徴、重要性について解説してきました。
第1次試験と第2次試験の関連性を有する企業経営理論・財務会計・運営管理は特に重要です。
覚えるだけではなく理解しながら学習をすることで、アドバイスとしてどのように活用できるのか考えていく必要があります。
また口述試験の合格率は高いですが、緊張して応えられなくなってしまわないようにしっかりと対策をしていきましょう。
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