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財務・会計は中小企業診断士試験において重要性が高く、優先的に学んでいくべき科目です。
財務・会計はファイナンスや会計について出題されます。
その重要性や受験する際のポイントや注意点について解説します。
財務・会計とは
まず、財務・会計について解説します。
会社におけるお金に着目した分野です。
ファイナンスや財務会計から出題されるので、分野ごとに目的を理解して学んでいくことがポイントになります。
会社における数字に強くなるためには、財務・会計を学んでいかなければならず、中小企業診断士には必須の知識です。
財務・会計と財務会計との違いが分かりづらいので、注意して見ていきましょう。
会社のお金に関する知識
会社は営利目的であり、利益を得るために業務を行っています。
利益を得るために、経営資源の1つであるお金に関する知識を身に付けていかなければなりません。
中小企業診断士は、中小企業における問題をお金の動きからも考察していくからです。
財務・会計において、利害関係者への報告や利益の追求、資金の調達・運用方法などを学んでいきます。
財務会計より広義
財務・会計で理解しづらいのが、財務会計との違いです。
財務・会計は
- 財務
- 会計(財務会計・管理会計)
から成り立ち、財務会計を包含します。
財務と財務会計の区別が分かりづらく、財務をファイナンスと言い換えることも多いです。
会社において、ファイナンスは将来のお金について、会計は過去のお金について考察します。
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中小企業診断士試験における財務・会計の重要性
中小企業診断士試験において、財務・会計は重要性が高いです。
1次試験と2次試験どちらも出題されるだけではなく、専門性が高く合格点を得点できるまでに学習時間がかかってしまいます。
出題内容を詳しく知り、効率的な学習を心掛けていかなくてはなりません。
中小企業診断士試験の中でも時間をかけて丁寧に学んでいくべき科目です。
1次試験だけではなく2次試験でも出題される
財務・会計は1次試験と2次試験共通の論点であり、学習する優先順位は高いです。
1次試験は、1時間の試験で25問100点の配点があり、多肢選択マークシート形式(4肢または5肢択一式)による内容になっています。
一方で2次試験の「事例Ⅳ」は、財務・会計分野からの出題であり、80分の試験において100点の配点が与えられており記述式です。
1次試験では結果だけを求められれば十分ですが、2次試験では記述できなければならず、実際に文章を書く練習を積んでいかなくてはなりません。
科目別合格率が低く学習時間がかかる
財務・会計の令和4年度における科目合格率は13.3%であり、中小企業診断士試験の中でも比較的低い水準を推移しています。
これは、財務・会計の専門性の高さによる学習の難しさにあると考えられるでしょう。
簿記や税理士、公認会計士の勉強をしたことがある人にとっては、効率的に学んでいけますが初学者にとっては厄介な科目と言えます。
本試験までに確保できる学習時間を逆算して、十分な学習時間で計画を立てていくことが大切です。
財務・会計の具体的な学習内容について
財務・会計における分野では、ファイナンスと会計が出題されます。
会計には財務会計と管理会計があるので、両者の違いを押さえていくことが重要です。
簿記の基礎的な理解から、経営分析、証券投資など幅広く出題されるのが特徴と言えます。
1次試験だけの学習ではなく、2次試験を意識して経営分析から記述できるように学んでいくと、体系的な理解ができるようになります。
ファイナンス
ファイナンス分野では、会社の資金調達、証券投資、意思決定や配当政策について学習していきます。
会社は経営を行っていくにあたって資金を調達・運用しており、企業価値を最大化するための方法について学ぶのがファイナンスです。
財務の視点から管理を行うことで、会社における最適な意思決定を実現できるようになります。
CAPM・WACC・MM理論など、難解に感じる部分もあるので練習による慣れが鍵を握ってくる分野です。
財務会計
財務会計は、金融商品取引法・会社法・税法の要請に基づき、外部利害関係者に対して財政状態・経営成績・キャッシュフローの状況を財務諸表等で報告します。
財務会計には利害調整機能や情報提供機能があるので、会計基準や企業会計原則などの一定ルールに従い、日々の帳簿を作成しなければなりません。
簿記による仕訳や帳簿の作成について、認識時点や測定金額、表示方法に至るまでが出題されます。
学習範囲が広く時間をかけ過ぎてしまうのも問題であり、効率的な学習が必要になってくる分野です。
管理会計
管理会計は財務会計とは異なり、法令による制限がなく利益を追及するために内部経営管理者への報告を目的とした会計です。
製品の製造に伴う原価計算だけではなく、財務諸表分析を行うのも管理会計分野と言えます。
収益性や流動性、成長性や安全性など中小企業診断士が経営における問題の発見・改善をする際に役立つ知識です。
管理会計の中でも、経営分析は中小企業診断士試験では頻出であり、重要性を意識した学習を行っていかなければなりません。
財務・会計を受験する際の注意点
財務・会計を解いていくにあたっては、いくつかの注意点を把握していくことです。
試験における各分野の特徴を理解しながら、最適な対策を講じていくのが賢明と言えます。
特に2次試験においては記述式であり、内容を覚えているだけでは解けないことも多いです。
実際に知識を活用するために、日々の学習を通じてアウトプットを意識していく必要があります。
1次試験は電卓が使えない
1次試験でも財務・会計は出題されますが、電卓が使えないので注意しなければなりません。
暗算で解いていくことになりますが、数学の試験ではないので難しい計算は出題されません。
一方で、簡単な計算ほど暗算で行うので間違ってしまう可能性は少なくないでしょう。
心配な場合には暗算で計算を済ませるのではなく、実際に書きながら可視化していくと確実です。
財務指標を覚えるだけでは解けない
中小企業診断士試験において、経営分析は肝になってきます。
経営分析をする際には財務指標を覚えていかなければなりませんが、暗記しているだけでは解けない問題も多いです。
1次試験では指標を算出するだけで済む場合もありますが、2次試験では算出した指標が悪化しているのか改善しているのか分からなければなりません。
財務指標ごとに基準値を把握して、良し悪しを判断することで原因を記述させる問題も出題されます。
財務指標の名称や数値を算出できるだけでは、得点を積み重ねていくことはできません。
40点未満は足切り
原則として、総得点の60点以上を得点することができれば合格です。
しかし、本試験では足切りが設定されており、1科目につき40点未満がある場合にはその時点で不合格が確定してしまいます。
1次試験には科目合格がありますが、1つの科目だけ落としてしまうことにより次回の1次試験を受験しなくてはなりません。
偏った勉強にならないように意識して、満遍なく点数を取れるように日頃から練習していきましょう。
まとめ
中小企業診断士試験における財務・会計の重要性や受験する際のポイントや注意点について解説してきました。
中小企業診断士試験における財務・会計は、会社のお金について学ぶ分野であり、ファイナンスや会計について出題されます。
1次試験と2次試験でも出題されることから、重要性が高く優先的に学んでいくべき分野です。
中でも経営分析は、財務指標によって問題発見・改善していけるので、理解しながら学習していかなければなりません。
専門的分野であり、足切りにならないように学習時間をしっかり確保して、計画的に学んでいきましょう。
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