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USCPAとは?働きながら取得はできる?難易度や合格率などわかりやすく解説!

更新日:2024.07.12

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USCPAとは?働きながら取得はできる?難易度や合格率などわかりやすく解説!

グローバル経済において、USCPAの資格はとても有益な職業です。
社会人として働きながらUSCPAを取得出来れば、仕事の幅は大きく広がってくるので、収入UPにもつながります。
そこで、USCPAとはどのような職業なのか、働きながら取得はできるのか、難易度や合格率などについてわかりやすく解説していきます。

USCPA(米国公認会計士)とは?

USCPA(United States Certified Public Accountant)は、米国において各州が認定する公認会計士資格です。
アメリカだけではなく各国で受験できるので、公認会計士としてグローバルに活躍したい人に人気があります。
就職や転職における評価が上がるのはもちろん、キャリアアップにも繋がるので、会計のプロフェッショナルを目指す人にとって保有しておくと有益な会計資格です。
グローバル経済においては英語ができるだけでなく、+αの専門的知識が求められています。
その中でもUSCPAは、会社において発生した取引の会計処理や監査ができるので、海外の専門家とコミュニケーションも円滑に行うことが可能であり、市場価値も高いです。

USCPAの魅力とは?

①監査法人・コンサルティングファームへのキャリアアップができる

USCPAで獲得できる知識は、専門的で希少性が高く、監査法人・コンサルティングファームにキャリアアップしていけるようになります。
海外の人と英語でコミュニケーションできる人材は需要があり、就職や転職で有利です。
監査法人・コンサルティングファームでは、グローバルに活躍している会社も多いので、米USCPAの学習で学ぶ英語×会計の知識がなくてはなりません。
グローバル経済が加速していくと考えられる昨今において、英語で会計処理や監査できるスキルは、今後も需要が増えていくと予想できます。
会計や監査の知識を実践的に活用するために、監査法人・コンサルティングファームに就職・転職して、グローバルに活躍していく機会を得られるのも、USCPAの魅力です。

②働きながらでも試験合格を目指せる

日本の公認会計士のように、すべての科目合計により合否が決まるのではなく、科目合格制なので、働きながら目指している人も多いです。
すべての科目合計で合否が決まる場合には、少しづつ学んでいくのに限界を感じ、専念して取得を目指している人や時間を自由に使える学生もいます。
働きながら時間がある人と同様の試験を受けるのは難しく、なかなか合格できない危険が伴うのも事実です。
働きながらだと時間が確保できないので、専念して学習できず、学習範囲が多いと忘却との戦いになります。
USCPAの試験制度は、科目合格制であり学習範囲を細切れにして学んでいけるので、働いている人に適しているのです。

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USCPAになるための5つの流れとは

ステップ1:独学や予備校に通い勉強する

USCPAの学習方法には、独学で学ぶ方法と予備校に通う方法があります。
独学の場合、マイペースで学んでいけますが、試験日までを逆算して学習計画を組み、自律しながら勉強を継続していかなければなりません。
事前に英語や会計に関する知識があれば、スムーズに学習を進めていけるようになります。
一方で、初学者の場合には専門的内容から学習が非効率になるだけではなく、継続するのが難しいです。
予備校を利用すれば、USCPAにおける学習のプロが組んだカリキュラム通りに学習を進めていけるので、勉強に専念していくことができます。

ステップ2:試験の出願をする

USCPAの受験資格は、州により異なります。
自分の経歴や受験資格、合格後のキャリアプランを考えながら受験する州を選択するのが大切です。
出願には「英文成績証明書」などが必要であり、事前に学歴審査機関に審査を依頼しておかなければなりません。
審査は1.5カ月~2カ月ほどかかるので、想定している受験日から逆算して余裕を持った申請を行いましょう。
審査完了の連絡がきてはじめて出願できるようになるので、自分の受験する科目を事前に考えておく必要があります。
同時に多くの科目を受験してしまうと、知識が分散されてしまうので、勉強の進捗状況に応じた科目数を選択するのが望ましいです。

ステップ3:試験会場の選択をする

要件を満たして出願申請をすると受験票が届くので、試験会場の選択をします。
日本では、東京都と大阪にあるプロメトリックテストセンターで受験できるので、近い受験会場を選択しましょう。
日本で受験する場合には、追加料金を科目ごとに支払う必要があるので、忘れないようにしなければなりません。
毎日受験することはできますが、先着順であり土日は混みあう傾向にあります。
受験科目と日時が決まっている場合には、出来る限り早めに申し込みを行い、受験日に合わせて勉強を進めていくのが大切です。

ステップ4:受験をする

実際にプロメトリックセンターに行き、コンピューターによる試験を受けます。
試験自体は4科目あり、4択問題や総合問題による出題形式により、75点が合格基準点です。
不合格になってしまった場合でも、直ぐに再受験できるので、間隔を空けて知識を忘れてしまう前に、受験して科目合格を狙っていきましょう。
どの科目を受験するかは自由なので、自分に合った科目の組み合わせで、計画的に受験していくのが賢明です。
ですが、科目合格には30カ月の期限があるので、30カ月以内にすべての科目に合格できるように注意しておかなければなりません。

ステップ5:ライセンス申請・取得をする

受験日の約1カ月後に合格発表ですが、全科目に合格したとしてもUSCPAを名乗ることは出来ません。
ライセンス申請を行い、取得することではじめて正式なUSCPAとなり、ライセンスを取得した州で会計事務所も開業可能です。
全科目合格後3年以内に申請・取得していない場合には、合格実績が失効してしまうかもしれないので、早めに手続きを行いましょう。
州によっては実務経験が必要になるので、事前に確認しておくのが賢明です。

USCPAの難易度について

USCPAの試験難易度・合格率

USCPAの合格率は、約50%であり比較的努力が報われやすい資格と考えられます。
会計と英語を勉強した経験のある人からすれば、難易度はそこまで高くありませんが、会計や英語の学習をした経験のない人にとっては、難易度は高く感じるかもしれません。
簿記で言えば、日商簿記2級程度の知識が必要であり、会計の初学者は手こずるレベルと言えます。
英語に関しても高校レベルができれば問題ありませんが、問題文や解答も英語であり会計用語が沢山あるので、特殊です。
会計用語を英語で理解できるようになっていけば、文章が徐々に分かるようになり、問題が解けるようになっていきます。

合格に必要な学習時間とは?

USCPA合格までの学習時間は1,500時間程度であり、1日3時間確保出来れば、1.5年で終えられるので、無理なく学習していけます。
学習経験や専門学校利用の有無により、学習時間は大きく異なるので、自分が必要と考えられる学習時間を確保していかなければなりません。
社会人の場合には、時間確保や仕事による疲労の関係から勉強をするのが難しくなりがちなので、平日は勉強ができなくなってしまう場合もあります。
休日にまとめて勉強できる場合には、積極的に学習をしていく意気込みが必要であり、合格への鍵を握る部分です。

試験科目について

2024年1月より新制度が採用されており、試験科目については必須科目と選択科目に分かれているので注意が必要です。
必須科目は、FAR(財務会計)・AUD(監査)・REG(税法、商法)であり、3科目すべてに合格しなければなりません。
選択科目は、BAR(ビジネス分析と報告)・ISC(情報システムとコントロール)・TCP(税務コンプライアンスとプランニング)の中から、好きな科目を1科目選択して受験します。

USCPAの受験資格について

4年制大学卒業あるいは在学中などの学歴要件や、会計・ビジネスに関する単位を一定数以上取得していることという単位要件があります。
日本の大学でも問題がなかったり、専門学校で不足単位を補填できるなど、要件を満たすのはそこまで難しくありません。
自分の卒業あるいは在学している学校、取得単位、キャリアプランを考慮しながら、どの州に出願するのか考えていくことが大切です。
どの州に出願しても、試験の内容自体は同一なので、州による難易度の差はありません。
アラスカは、比較的受験資格の要件を満たすのが容易であり、人気な州ですがライセンス取得の条件に実務経験があります。
受験資格だけではなく、ライセンス取得の条件までを考慮して受験する州を決定しておくのが賢明です。

USCPAの受験料について

USCPAの受験料は、1科目当たりで支払うもので、$344.80 ~ $364.80です(2024年7月現在)。
その他にも出願料や、再出願料など毎試験かかってくる費用もあるので、合格できる自信がある場合、できる限りまとめて受験するのがお得と言えます。
また、日本の会場で受験することもできます。
その場合は会場手数料として1科目ごとに$390.00がかかり、受験料よりも高いので侮れません。
しっかり勉強をして確実に合格をしていきたいですね。

USCPA・公認会計士の違いとは?

日本の公認会計士は、合格率が約1割であり、合格までの勉強時間は3,000時間程度と言われます。
USCPAの試験が科目合格制なのに対して、日本の公認会計士試験は1次試験・2次試験ともにすべての総合得点で合否が決まるので、難易度が高いです。
日本の公認会計士は、1次試験である短答式試験が年2回、2次試験である論文式試験が年1回なのに対して、USCPAは年中受験できます。
原則として日本の公認会計士は日本で、USCPAはアメリカの承認を受けた州または国際相互承認協定参加国でしか、正式な公認会計士として監査調書にサインできません。
また、日本の公認会計士の受験費用は19,500円であり、USCPAと比較するとかなり安く、受験資格もないので受験しやすいです。
両者の違いを正確に理解して、自分にあったキャリアプランを形成できる資格取得を目指す必要があります。

USCPAを取得して選べる転職先とは?

USCPAは、多方面から需要があるので資格を取得すると職業選択の幅が広がり、海外との取引がある会社はもちろん、金融機関やコンサルティングファームへの転職も可能です。
監査法人や会計事務所に関しても、USCPAで学習する会計や監査に関する知識を活用して働くことができます。
会計の視点から、具体的に会社の意思決定を行えるようになり、CFOやCEOとして会社を経営していく立場で働くのも会社にとって有益です。

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USCPAの年収はどれくらい?

USCPAの年収は、業種や職種、年齢や役職によっても大きく異なります。
監査法人やコンサルティングファームだと、500万円を超えることもあり、マネージャクラスは1,000万円程度貰っている人も多いです。
アメリカでUSCPAとして働いた場合には、5年目位で1,000万円に到達すると考えられます。
年収をあげるためには、市場規模を考慮することや、USCPAで学んだ専門性を活用できる会社を選択するのが大切です。

USCPAの資格を取るのにおすすめの人とは?

USCPAの資格は、大手の監査法人やグローバルに展開している会社で働きたい人にはおすすめです。
大手の監査法人はクライアントに米国系企業がいる場合もあるので、コミュニケーションをスムーズに行えるUSCPAは重宝されます。
グローバル展開している会社では、現地調査のみならず在外支店や在外子会社とのコミュニケーションを行うので、有益な資格です。
その他にも、海外で働きたいと考えている場合には、英語の勉強だけではなく、会計や監査の専門知識を身につけておくと、就職・転職しやすくなります。

まとめ

USCPAとはなにか、働きながら取得はできるのか、難易度や合格率などわかりやすく解説してきましたがいかがだったでしょうか。
USCPAは、英語×会計監査という専門性の高い組み合わせで、幅広く需要がある資格です。
グローバルに展開している会社が多い昨今において、キャリアアップを考えている人は取得しておくと有利になります。
日本の公認会計士試験よりも費用はかかりますが、試験自体の難易度は安定しているので、おすすめできる資格です。

 

Profile レックスアドバイザーズ

公認会計士・税理士等の有資格者をはじめとする会計人材専門特化した人材紹介会社。
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