転職お役立ち情報
簿記2級は、企業側から求められている資格で、合格すると就職や転職に有利になります。
学習範囲が増えて難易度も高くなってきているので、合格までに必要な勉強時間を把握して効率的な勉強方法で学習していかなければなりません。
そこで、簿記2級合格に必要な勉強時間、試験難易度や効率的な勉強方法をわかりやすく解説していきます。
日商簿記2級の取得に最低限必要な勉強時間とは?
日商簿記2級の取得に最低限必要な勉強時間は、簿記経験者か簿記初心者により異なります。
自分の学習状況により必要な勉強時間を把握しておきましょう。
簿記経験者が2級取得に必要な勉強時間
簿記経験者の場合、合格までに必要な勉強時間は300時間程度です。
事前知識により効率的に学習を進めていけるため、簿記初心者より勉強時間が少なくなる場合が多いと言えます。
300時間であれば、1日2時間程度を半年間で学習範囲が終わる計算です。
簿記3級を取得している人は、効率的に学習を進めていけますが、2級からは工業簿記が出題範囲に含まれてきます。
商業簿記と異質の学習が必要になるので、苦手な人は思っているよりも多くの時間を要するかもしれません。
簿記経験者でも、余裕を持って学習時間を確保していくのが賢明です。
簿記初心者が2級取得に必要な勉強時間
簿記初心者の場合、合格までに必要な勉強時間は、400時間程度です。
学習内容の専門性が高く、勉強を効率的に進めていくのが難しく感じてしまう簿記初心者も沢山います。
簿記経験者と比較すると、100時間程度多めに見積もっておくのが賢明です。
独学で学習していく自信がない場合には、専門学校に通うと勉強の道筋が見えてくるので、勉強しやすくなります。
学習計画は、簿記のプロである講師に任せられるので、学習に専念していけるのが強みです。
専門学校を利用すると、効率的に学習できて勉強時間を大幅に削減していけるようになり、最短で合格できます。
日商簿記2級試験の難易度・合格率はどれくらい?
日商簿記2級は、紙による統一試験とネット試験があります。
統一試験の合格率は、162回〜166回までの5回で11.9%〜24.8%ですが、157回は8.6%、133回は47.6%と開きが大きいのも特徴です。
これに対してネット試験は、2020年12月〜2024年3月までの間で35.2%〜46.6%と比較的安定して高い水準を維持しています。
直近の合格率的に考えれば、ネット試験のほうが難易度は低いと考えられるかもしれません。
一方で、3級と比較して工業簿記が追加されることや、試験時間が120分から90分に変更されるなど難易度が高くなってくる側面もあります。
工業簿記は、製造業を主とした会計であり、商業簿記と比較して馴染みがない人もいるので学習に手間取ってしまう場合も多いです。
試験時間が90分に短縮されたことと相まって、本試験の状況を鑑みた学習が必要になってきています。
仮に合格率が25%の回を想定すると、4人に1人しか合格できない試験であり、4人に3人は不合格になると考えれば、難易度は決して簡単とは言えません。
日頃より学習計画を立てて、本試験における時間配分を考えながら、点数を取れるような実践的な学習を心掛けていくのが大切です。
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日商簿記2級の試験概要について解説
日商簿記2級の試験科目は、商業簿記と工業簿記(原価計算含む)の2科目です。
試験時間90分で、70%以上得点することができれば合格できます。
試験科目 | 試験時間 | 合格基準 |
商業簿記 | 90分 | 70%以上 |
工業簿記(原価計算含む) |
出典:商工会議所の検定試験
試験の形式は、紙による統一試験とネットによるCBT試験に分けられます。
統一試験は、毎年2月・6月・11月に実施されるのに対して、CBT試験は年間を通じて受験可能です。
統一試験 | CBT方式 |
毎年2月・6月・11月 | 年間を通じて受験可能 |
統一試験・CBT方式どちらにおいても受験資格はないので、誰でも申し込めば受験できます。
日商簿記2級と日商簿記3級との違いとは?
日商簿記3級は、業種や職種問わず社会人として必要な「会計の基礎知識が身に付く」資格であり、小規模企業が対象です。
日商簿記2級は、「財務諸表が読めて分析できる」・「取引から会計処理を行える」など、中小企業のみではなく大企業も対象になってきます。
商業簿記における商取引による帳簿や決算書の作成のみだけではなく、工業簿記の勉強で製造業における会計も学んでいくのが特徴です。
製品1個あたりの原価を計算したり、工業における仕訳も体系的に捉えていく必要があり、違いを把握して適切に対策を講じていかなければなりません。
日商簿記2級に必要な勉強の準備とは?
①テキストを選ぶ
テキストは、自分が見やすくて理解しやすい本を選択すると読むのが楽しいです。
有名なテキストであったとしても、学習の進捗状況によっては難しく感じてしまいます。
背伸びするのではなく、実際に読んでみて自分に合っている本を選択していくのが賢明です。
視覚的に見づらかったり、自分に合っていない場合、テキストを読むのが苦痛になってしまいます。
テキストに記載されている内容は、基礎的な内容がまとめてあるので、とても重要です。
難解な内容も少なからずあり、分かりやすく簡単に記してあるテキストだと、また読みたくなります。
②電卓を用意して操作に慣れる
簿記では電卓を使用するので、資格取得を目指す決意をした段階で早めに購入しておかなければなりません。
簿記の学習をするにあたり日々使用することから、耐久性に優れている電卓がおすすめです。
計算方法が合っていても、操作ミスにより誤った数値を叩き出してしまう危険もあるので、少し大きめな電卓にしておきましょう。
出来れば実際に使用してみて、自分の手のサイズに合わせたモデルを選択していくと、最適な電卓が見付かります。
日商簿記2級の取得に効果的な勉強方法とは?
日商簿記2級は、工業簿記が入ってきて範囲が広くなり専門性も高いので、効率的な学習が必要になってきます。
闇雲な勉強では、なかなか点数を上げていけないので、勉強の手順を明確にして戦略的な学習を心掛けていくのが重要です。
基礎から点数を積み上げていくために、テキストによるインプットから過去問を通じたアウトプットまで計画して学んでいきましょう。
改正がある場合には新たな会計処理を迅速に理解して、問題を解けるようになっていかなければなりません。
①何回もテキストを読んで記憶に定着させる
テキストの内容は1度読んだだけでは理解できない場合も多いです。
理解して覚えたとしても、時間が経てば忘れてしまうので、何度も繰り返し読んで記憶に定着させていきましょう。
問題を解くにあたって、テキストの基礎的な内容は当然理解していなければなりません。
問題を見た時にテキストで理解した内容が、直ぐに頭に出てきて応用できるようなレベルに持っていくことが大切です。
②模擬試験を利用して時間配分のシミュレーションをする
専門学校では、より試験に近い環境で受けられるように模擬試験を実施しています。
内容を理解して解けるような状態にもっていたとしても、制限時間で合格基準点を得点できなければ合格はできません。
実際の時間配分を考えて実践するためにも、模擬試験によるシミュレーションは有効です。
問題によっても時間配分が変わってくるので、柔軟に対応できるように練習を積んでいきましょう。
③過去問を利用してミスの傾向を見つける
過去問は、本試験で実際に出題されている問題であり、応用問題も多数あるので有益です。
積極的に触れていくと、自分が把握できていない内容や、間違えやすい部分が見えてくることが多いです。
事前にミスの傾向を把握しておけば、間違えないように工夫していけるので、過去問を解きながらミスを見付ける作業が必要になってきます。
④得点源になる工業簿記を中心に勉強を進める
日商簿記2級では、商業簿記3問・工業簿記2問で各20点です。
中でも工業簿記は、原価計算も出題されCVPなど頻出論点があり、得点しやすい内容も多いと言えます。
工業簿記で40点得点できればかなりのアドバンテージになるので、工業簿記中心に勉強を進めて、効率的に得点できるようになっていくのがおすすめな勉強方法です。
⑤過去問を使用して出題のパターンを覚える
日商簿記2級では、全く同じ出題ではなくても類似している問題は沢山あります。
内容を事細かに覚えていくよりも、出題のパターンを覚えて感覚で解けるようになっておくのも大切です。
本試験で見たことのあるパターンを発見できれば、着実に点数を積み上げていけるようになります。
出題のパターンを覚えておくと、少し変化が加わった出題でも感覚で解ける場合もあるので、丁寧に押さえておきましょう。
⑥追加論点を狙っていく
日商簿記2級では、会計基準の改正や経済における取引形態の多様化に伴い、新たな追加論点が設けられます。
追加論点は、新たに設けられた出題区分であり、出題者からしても押さえておいて欲しい論点が多いです。
見たことのない内容なので難しく感じてしまいがちですが、出題可能性が高いのを考えれば確実に押さえておきたいところです。
簿記2級の取得は公認会計士に有利?
公認会計士は、試験に合格しなければなることができず、日商簿記2級は公認会計士試験の基礎部分です。
商業簿記や工業簿記、原価計算は公認会計士試験でも出題されるので、学習しておけば有利になります。
簿記2級取得で、公認会計士試験に合格できるレベルに達することは出来ませんが、公認会計士試験の学習基礎を身につけられるので重要です。
まとめ
簿記2級合格に必要な勉強時間、試験難易度や効率的な勉強方法について解説してきましたがいかがだったでしょうか。
簿記2級は社会的に必要とされている資格であり、合格できれば就職や転職にも有益な資格です。
学習範囲に工業簿記が加わり、専門性も高くなるので、効率的かつ戦略的な学習を行っていくのが合格への鍵を握ります。
工業簿記を中心に基礎から点数を積み重ねて、合格基準点を獲得できるように勉強を継続していきましょう。
Profile レックスアドバイザーズ
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