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行政書士試験の難易度は高いと言われますが、なぜ難しいのかを理解して具体的な対策を講じていくのが重要です。
そこで当記事では、行政書士試験の合格率はどのくらいなのか、難しいとされる理由や科目、対策について解説していきます。
行政書士試験の合格率(2023年以前)
一般財団法人行政書士試験研究センターより2024年1月に公表された「令和5年度行政書士試験実施結果の概要」によると、2023年度における行政書士試験は、受験者数46,991人で合格者は6,571人、合格率13.98%でした。
合格までの勉強時間は、800時間程度と言われているので、闇雲な勉強では合格することは出来ません。
1年で学習を終えられるように計画すると、1日あたり2.5時間程度勉強しなければならず、勉強を習慣化できるかが鍵を握っています。
勉強スケジュールを考えて、効率的な学習を継続していくのが大切であり、戦略を考えていくのが大切です。
1. 過去10年間の行政書士試験の合格率推移
行政書士試験の平均的な合格率は、10%前後と言われ、10人に1人しか合格できない難関資格です。
過去10年間で1番合格率が高いのは、平成29年度の15.72%、1番低いのは平成26年度の8.27%と開きはありますが、基本的に10%程度なのが見て取れます。
受験者数は、平成26年度の48,869名より徐々に減少していき、平成30年度には39,105名になっていました。
一方で、令和3年度より47,000名以上で安定しており、合格率も10%を超えているので合格者も多くなっている印象です。
2. 行政書士試験の合格者の年齢区分
2023年度行政書士試験の受験者が最も多い年代は、40歳代の11,954人で最も少ないのは10歳代の573人です。
合格者も同様に40歳代が1,736人で最も多く、10歳代が47人で最も少ない結果となっています。
年代別の合格率が最も高いのが30歳代の17.8%、次いで20歳代の16.9%であり、20歳代・30歳代の努力が実っている結果です。
一方で、10歳代以下や60歳代以上でも合格している人はいるので、継続的な学習が大切になってきます。
行政書士試験の合格率が低い理由
行政書士試験の合格率は、低い水準で安定しており、合格率が低いのにはいくつかの理由があります。
行政書士試験の合格率が低い理由は以下の通りです。
・試験範囲が広い
・合格基準点が科目ごとにも設置されている
・問題形式が複数ある
・働きながら受験する人が多い
上述の理由について、1つ1つ解説していきます。
1. 試験範囲が広い
行政書士試験は、業務に関連して必要な科目からの出題ですが、法令科目と基礎知識科目に分けることができます。
試験範囲が多岐に渡るので、広範囲の勉強が必要であり、学習範囲を網羅するのが大変です。
社会人や主婦(主婦)など時間を取るのが難しい人にとっては、細切れの時間を上手に使って勉強しなければなりません。
一方で、試験範囲が広いので効率的に学習を進めていかないと、覚えていた内容を忘れてしまう危険があります。
忘れないように計画的な学習を心掛けていく為にも、学習スケジュールをしっかり組んでいく必要があるのです。
2. 合格基準点が科目ごとにも設置されている
合格基準点は、法令科目で244点中122点以上、基礎知識科目56点中24点以上で、試験全体の得点が180点以上と設定されています。
試験全体で300点中180点である6割取れていれば合格と思いがちですが、実際は足切りが設定されているので注意です。
つまり、試験全体で180点を超えていたとしても法令科目と基礎知識科目の要件を満たしていなければ合格はできません。
得意科目を伸ばす勉強も大切ですが、足切りにならないように苦手科目からも得点していく必要があるのです。
3. 問題形式が複数ある
5肢選択式・多肢選択式・記述式と問題形式が複数あるので、問題を解くにあたって少々戸惑ってしまいます。
内容を理解していても、初見だと分からなくなってしまいがちなので、日頃より過去問に触れていくのが賢明です。
中でも記述式の場合には、5肢選択式・多肢選択式と異なり、内容を理解していなければ解答できません。
正しいものを選ぶのか、誤っているものを選ぶのかなど、問題の内容を間違えないように読み取っていきましょう。
4. 働きながら受験する人が多い
行政書士試験は、時間的制約があるものの働きながら受験する人も多く、働いているからこそのメリットもあります。
金銭面で余裕があれば専門学校に通うことも出来ますし、周りの目が気になる人にとっては専念するよりも精神的不安は少ないです。
また、資格を取得出来れば社内における評価が上がるだけではなく、転職する際の武器として利用できます。
それぞれの科目ごとに少しずつ学習できるのも、行政書士試験を働きながら受験する人が多い理由です。
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行政書士の試験内容
行政書士試験は、受験資格がないので誰でも受験可能です。
例年11月第2日曜日に行われており、受験手数料は10,400円となっています。
行政書士の業務に必要な法令科目と基礎知識科目からの出題で、合計で180点かつ法令科目122点以上、基礎知識科目24点以上で合格の絶対評価です。
法令科目と基礎知識科目それぞれの特徴を把握して、最適な学習方法を行っていくのが賢明と言えます。
行政書士の業務に必要な法令等科目
法令科目は、憲法・行政法・民法・商法基礎法学から46題で構成されています。
行政書士として業務を行うにあたって必要な法令等を学ぶ科目であり、積極的に押さえていきたい部分です。
法改正があるので、アンテナを張っておき随時情報をアップデートしていけるように注意しなければなりません。
5肢択一式と多肢選択式、記述式それぞれによる出題があり、配点も高いので日頃より問題を解く練習をして、問題に慣れていく必要があります。
行政書士の業務に必要な基礎知識(令和5年度以前は行政書士の業務に関連する一般知識等科目)
基礎知識科目は、一般知識・行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令・情報通信・個人情報保護及び文章理解から14題で構成されています。
従来「一般知識等」と呼ばれてきた分野ですが、令和6年度より「基礎知識」に名称を変更しました。
「政治・経済・社会」と呼ばれていた部分が「一般知識」になり、さらに「行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令・情報通信・個人情報保護」の科目が新たに追加されたのが変更点です。
基礎知識科目は、出題範囲が広いので得点するのが難しく配点も多くはないので、重要性はあまり高くありません。
一方で、得点しやすい情報通信・個人情報保護や文章理解を落とさないようにするために、ニュースを見るなどの対策を講じていく必要があります。
行政書士試験に合格するためのポイント
行政書士に合格するためには、闇雲な学習ではなくポイントを捉えた学習を継続していくのが重要であり、効率的に学習するためにはどのような方法が良いのか模索していかなければなりません。
行政書士試験に合格するためのポイントは以下の通りです。
・配点の高い科目に勉強時間を多く割く
・過去問を解く
・行政書士試験の対策講座を受講する
1つ1つ解説していきます。
1. 配点の高い科目に勉強時間を多く割く
例年通りであれば法令科目は300点中244点、基礎知識科目は56点であり法令科目を中心に学んでいくのが肝心です。
法令科目の中でも、行政法と民法で総合得点の過半数を占めているので、得意にしておくとアドバンテージになります。
得点比率に応じて重要性を加味して、重要な科目から優先的に学んでいけば、効率的な学習が可能です。
一方で、科目ごとに足切りが設定されているので、全く勉強をしなくても良いわけではありません。
得意な科目や得点しやすい科目を伸ばしていくとともに、苦手な科目や得点しづらい科目で足切りにならないように注意することが大切です。
日頃から得点を意識しながら勉強をしていけるようになると、実際に試験形式で解いた時に得点が伸びていくので面白くなります。
2. 過去問を解く
得点できるようになるためには、問題集や過去問に挑戦していきましょう。
テキストによりインプットするだけでは、理解は深まりますが、問題が解けるようになるとは限りません。
過去問は、実際に本試験で出題された問題であり、出題者の意図がわかるようになっています。
問題を解くための実践的知識をつけていくのが重要であり、ミスをする部分を把握していくと有益です。
自分がよくミスをする部分に対して、ミスをしないための工夫をしていき、確実性を高めていきましょう。
3. 行政書士試験の対策講座を受講する
独学で絶対に合格できないわけではありませんが、行政書士試験の専門学校に通い対策講座を受講できれば、効率的な学習が可能になります。
専門学校では、受験のプロである講師陣がどうしたら合格させられるのかを逆算して、カリキュラムを組んでいます。
受講生は、カリキュラム通りに学習すれば本試験に合わせて効率的に合格点が取れるようになり、合格への近道を歩んでいける状況です。
自分で学習スケジュールを組む必要がないので、勉強することに集中していけるのが大きなメリットと言えます。
2024年度の行政書士試験日程は?
2024年度の行政書士試験は、令和6年11月10日(日)午後1時から午後4時までの日程で行われます。
申込期間は、郵送の場合令和6年7月29日(月)~令和6年8月30日(金)消印有効で、インターネットの場合令和6年7月29日(月)午前9時 ~ 令和6年8月27日(火)午後5時までです。
インターネットでは、日付だけではなく時間まで決められているので、注意していかなければなりません。
行政書士試験の日程から逆算して学習スケジュールを決めて、計画的な学習をしていけるようにする為にも、しっかり把握しておきましょう。
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まとめ
今回は、行政書士試験の合格率はどのくらいなのか、難しいとされる理由や科目、対策について解説してきましたがいかがだったでしょうか。
行政書士試験は、合格率10%程度の難関試験ですが、昨今における合格率は比較的安定しています。
重要性を加味した上で、本試験から逆算して学習計画を立てることで、効率的な学習を心掛けていかなければなりません。
専門学校を利用すれば学習をサポートして貰えて、自然に効率的な学習に繋がるのでおすすめです。
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