転職お役立ち情報
キャリアコンサルタントで気になるのが、試験の難易度や合格率、勉強時間です。
難易度が高い場合には、独学では難しいのではないかと考えてしまいます。
そこで今回は、キャリアコンサルタントの難易度、合格率や独学の勉強時間を解説していきます。
キャリアコンサルタントという国家資格の概要
キャリアコンサルタントは、就職や転職したい人のキャリアについてコンサルティングを行い、アドバイスをする職業です。
平成28年4月より国家資格となり、キャリアコンサルタントと正式に名乗れるのは資格を保有した者だけになりました。
キャリアコンサルタント資格は、学科試験と実技試験があり、合格後登録手続きを行うことで資格として認められます。
受験資格が限定されているので、受験資格の要件を満たしていなければ受験することができないので注意が必要です。
【2024年版】第25回キャリアコンサルタントの試験結果/合格率
キャリアコンサルタント試験は、厚生労働省により認定を受けているキャリアコンサルティング協議会と日本キャリア開発協会の2種類があります。
2024年に行われた第25回キャリアコンサルタントの試験結果や合格率についてご紹介していきます。
キャリアコンサルティング協議会
キャリアコンサルティング協議会は、キャリアコンサルタントの養成・試験の実施・研究などに携わる団体により構成されている協議会です。
それぞれの団体が協力しながら、キャリアコンサルタントの発展に寄与する努力を行っています。
試験種別の結果/合格率
申込者数 |
受験者数 |
合格者数 |
合格率 |
|
学科 |
4,356人 |
4,117人 |
2,684人 |
65.2% |
実技 |
4,186人 |
4,003人 |
2,716人 |
67.8% |
第25回キャリアコンサルタント試験は、学科試験の申込者数4,356人、受験者数4,117人で合格者数2,684人の合格率65.2%、実技試験の申込者数4,186人、受験者数4,003人で合格者数2,716人の合格率67.8%です。
学科試験と実技試験ともに合格率は、65.0%を超えており安定した試験だったことが窺えます。
年代別の結果/合格率
学科 |
年代 |
30歳未満 |
30~39歳 |
40~49歳 |
50~59歳 |
60~69歳 |
70歳以上 |
受験者数 |
407人 |
945人 |
1,144人 |
1,221人 |
388人 |
12人 |
|
合格者数 |
292人 |
706人 |
736人 |
735人 |
212人 |
3人 |
|
合格率 |
71.7% |
74.7% |
64.3% |
60.1% |
54.6% |
0.25% |
|
実技 |
年代 |
30歳未満 |
30~39歳 |
40~49歳 |
50~59歳 |
60~69歳 |
70歳以上 |
受験者数 |
413人 |
907人 |
1,105人 |
1,172人 |
394人 |
12人 |
|
合格者数 |
270人 |
647人 |
775人 |
786人 |
233人 |
5人 |
|
合格率 |
65.3% |
71.3% |
70.1% |
67.0% |
59.1% |
41.6% |
30歳未満から70歳以上まで幅広い年齢層が受験しており、中でも40代〜50代の受験者が多い印象です。
学科・実技ともに30〜39歳の合格率がもっとも高く、70%を超えているので努力次第で合格できる試験と言えます。
平均点
第25回の平均点は、学科100点満点中72.2点、実技150点満点中92.2点、論述50点満点中33.1点、面接100点満点中60.2点という結果でした。
第24回の平均点が、学科100点満点中68.9点、実技150点満点中91.9点、論述50点満点中32.6点、面接100点満点中60.6点という結果だったので、学科が3.3点落ち込んだものの変化は少なく平均点も安定しており、適切な対策が出来ていれば合格可能な試験だったと言えます。
出典関連リンク:第25回キャリアコンサルタント試験 試験結果
日本キャリア開発協会
「キャリアカウンセリングを社会システムとして構築する」というビジョンを掲げて、9つの支部と33の地区で企画・運営している団体です。
試験種別の結果/合格率
申込者数 |
受験者数 |
合格者数 |
合格率 |
|
学科 |
1,697人 |
1,581人 |
943人 |
59.6% |
実技 |
1,563人 |
1,498人 |
944人 |
63.0% |
第25回キャリアコンサルタント試験は、学科試験の申込者数1,697人、受験者数1,581人で合格者数943人の合格率59.6%、実技試験の申込者数1,563人、受験者数1,498人で合格者数944人の合格率63.0%です。
キャリアコンサルティング協議会の65.0%超えとまではいかないものの、2人に1人は合格している結果であり、合格率は高い水準と言えます。
年代別の結果/合格率
学科 |
年代 |
30歳未満 |
30~39歳 |
40~49歳 |
50~59歳 |
60~69歳 |
70歳以上 |
受験者数 |
143人 |
340人 |
424人 |
503人 |
169人 |
2人 |
|
合格者数 |
98人 |
212人 |
259人 |
293人 |
80人 |
1人 |
|
合格率 |
68.5% |
62.3% |
61.0% |
58.2% |
47.3% |
50.0% |
|
実技 |
年代 |
30歳未満 |
30~39歳 |
40~49歳 |
50~59歳 |
60~69歳 |
70歳以上 |
受験者数 |
146人 |
311人 |
411人 |
463人 |
162人 |
5人 |
|
合格者数 |
98人 |
200人 |
270人 |
289人 |
85人 |
2人 |
|
合格率 |
67.1% |
64.3% |
65.6% |
62.4% |
52.4% |
40.0% |
30歳未満から49歳までの人が学科・実技ともに合格率60.0%を超えており、他の年代でも合格率は50%前後なので、年代別でもそこまでの差は見受けられません。
平均点
第25回の平均点は、学科100点満点中71.1点、実技150点満点中91.8点、論述50点満点中32.2点、面接100点満点中60.9点という結果でした。
第24回の平均点が、学科100点満点中68.6点、実技150点満点中92.0点、論述50点満点中33.0点、面接100点満点中60.6点という結果だったので、第25回と比較してあまり差はなく、キャリアコンサルティング協議会のコンサルタント試験同様に安定している結果です。
総合結果
年代別の結果/合格率
キャリアコンサルタント試験の結果について考える際には、キャリアコンサルティング協議会と日本キャリア開発協会の結果を総合していくのが肝心であり、それぞれご紹介していきます。
試験種別の結果/合格率
申込者数 |
受験者数 |
合格者数 |
合格率 |
|
学科 |
6,053人 |
5,698人 |
3,627人 |
62.4% |
実技 |
5,749人 |
5,501人 |
3,660人 |
65.4% |
2つの機関における第25回キャリアコンサルタント試験における結果を総計すると、学科試験の申込者数6,053人、受験者数5,698人で合格者数3,627人の合格率62.4%、実技試験の申込者数5,749人、受験者数5,501人で合格者数3,660人の合格率65.4%です。
年代別の結果/合格率
学科 |
年代 |
30歳未満 |
30~39歳 |
40~49歳 |
50~59歳 |
60~69歳 |
70歳以上 |
受験者数 |
550人 |
1,285人 |
1,568人 |
1,724人 |
557人 |
14人 |
|
合格者数 |
390人 |
918人 |
995人 |
1,028人 |
292人 |
4人 |
|
合格率 |
70.9% |
71.4% |
63.4% |
59.6% |
52.4% |
28.5% |
|
実技 |
年代 |
30歳未満 |
30~39歳 |
40~49歳 |
50~59歳 |
60~69歳 |
70歳以上 |
受験者数 |
559人 |
1,218人 |
1,516人 |
1,635人 |
556人 |
17人 |
|
合格者数 |
368人 |
847人 |
1,045人 |
1,075人 |
318人 |
7人 |
|
合格率 |
65.8% |
69.5% |
68.9% |
65.7% |
57.1% |
41.1% |
40歳〜59歳において受験者数は、学科・実技ともに1,000人を超えており、合格率も良い傾向にあるので、1,000人前後の合格者が出ています。
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キャリアコンサルタントの難易度:合格率
キャリアコンサルタント試験の合格率は、第18回・第20回・第22回・第23回で75%を超えており、その他の回でも60%前後になっています。
実技試験は、合格率が極端に良い回はなく安定しているので学科試験よりもやや低い傾向ですが、それでも60%前後の回が多いです。
学科・実技ともに、合格率が高い水準を推移しており、落とす試験ではなく日々合格を目指して学習を継続していけば、努力が報われやすい試験と言えます。
参照リンク:厚生労働省「キャリアコンサルタントになりたい方へ」
キャリアコンサルタントの難易度:資格ランキング
キャリアコンサルタント試験の難易度は、高すぎるレベルではありません。
合格率が、学科と実技ともに60%程度なので、合格率1桁台の司法書士・中小企業診断士・行政書士・社労士・弁理士などと比較した場合、合格率は高いです。
一方で、受験資格を得るのに手間がかかるので、資格を取得して登録するまでの難易度は高いと言えます。
試験のみで短期的に資格取得を狙うのではなく、着実に知識や経験を得て資格を取得していきたい人に向いている資格です。
キャリアコンサルタントの難易度:キャリアコンサルティング技能士との比較
キャリアコンサルタント試験と似ている試験として、キャリアコンサルティング協議会が実施しているキャリアコンサルティング技能士試験があります。
キャリアコンサルティング技能士は、国家検定としてキャリアコンサルティングに必要な能力やスキルを評価する資格です。
キャリアコンサルタントが、キャリアコンサルティングにおける高度なスキルや能力を照明するために利用できます。
キャリアコンサルティング技能士試験は、1級と2級がありそれぞれ学科と実技に分かれているのが特徴です。
2級は相談者に1対1で支援ができるレベル、1級はキャリアコンサルタントに指導・アドバイスが行えるレベルに設定されています。
直近第31回における2級の合格率は、学科74.05%で実技15.14%なのに対して、直近第13回における1級の合格率は、学科35.66%で実技8.97%です。
学科の合格率はそこまで低くありませんが、実技の合格率が低いので2級でもキャリアコンサルタント試験より難易度が高いです。
キャリアコンサルタントに合格するためにどれくらい勉強すべき?
キャリアコンサルタントに合格するためには、300時間程度の勉強が必要です。
年に3回の試験から逆算して6カ月程度の勉強期間を設けておくのが適切であり、受験資格であるキャリアコンサルタント養成講座の受講が必要な場合は、計画に組み入れて勉強を開始しましょう。
キャリアコンサルタント養成講座は、通信講座とスクーリング合わせて150時間かかるので、3カ月程度を見込んでおく必要があります。
事前知識がない人でも、キャリアコンサルタント養成講座の受講で専門知識を獲得していけますが、それだけでは不十分です。
復習や予習を行いながら、本試験に向けて日々知識を獲得していけるように、学んでいかなければなりません。
6カ月前より300時間勉強すると仮定した場合、1日2時間程度確保出来れば達成可能です。
一方で、毎日安定して勉強時間を確保するのは難しく、平日に足りなかった勉強時間を休日に補う形で行う事も多く、生活の中に勉強を組み込み習慣化していかなければなりません。
事前の学習経験や得意不得意によっても勉強時間は大幅に増減する可能性があるので、出来る限り余裕を持っていきましょう。
日々の勉強を通じて自習をどの程度行わなければならないのか、模索しながら学習を継続していくのが重要です。
キャリアコンサルタントの受験資格:独学で取得は可能?
キャリアコンサルタントは、独学でも取得は可能ですが、実務経験が3年以上ない場合には養成講座を受講しなければなりません。
また、実技試験の対策は必須になってくるのでしっかり対応していくことが必要であり、独学するためのポイントについてご紹介していきます。
実務経験が3年未満の場合、養成講座受講が必要
キャリアコンサルタント試験を受験するには、受験資格があり以下のいずれかを満たしていなければ受験できません。
・厚生労働大臣より認定された講習を修了した者
・労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上のいずれかに関する相談に関し3年以上の経験を有する者
・技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験又は実技試験に合格した者
・上記の項目と同等以上の能力を有する者
つまり、実務経験が3年未満の場合や技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験又は実技試験に合格していなければ、基本的に養成講座受講が必要です。
養成講座は専門学校が行っており、講座費用やサポート体制が異なってくるので、自分に合った講座を受講するのが大切になってきます。
実技試験の対策は必須
キャリアコンサルタント試験には、学科試験だけではなく実技試験もあるので、実務経験があっても最適な対策をしていかなければなりません。
実技試験は「論述試験」と「面接試験」で構成されており、「論述試験」は、試験時間50分で事例記録を読み設問に記述式で解答する試験です。
これに対して、「面接試験」は試験官が相談者役として15分のコンサルティングをロールプレイで行った後、5分間の口頭試問が行われます。
実技試験は、4肢択一式の学科試験と異なり、記述や口頭で解答しなければならないので、独自の対策をしていく必要があります。
独学の場合には、どのように対応すれば良いのかを客観的に判断するのが難しく、早い段階から個別に対策していくのが重要です。
独学では難しいと判断した場合には、専門学校の養成講座や対策講座を受講していくと効率的な対策ができるようになります。
出題傾向や評価対象になる部分を知ることができれば、客観的な対策を講じていけるので有益です。
キャリアコンサルタントは役に立たない?
キャリアコンサルタントには、独占業務がなく受験費用とメリットが合わないので役に立たないと言われる場合があります。
キャリアコンサルタントを取得しても役に立たないと言われる理由について具体的にご紹介していきます。
キャリアコンサルタントには独占業務がない
キャリアコンサルタントは、国家資格とされているので、キャリアコンサルタントとして正式に名乗れるのは資格取得者だけです。
資格を取得する過程で講習の修了・実務経験・試験の合格などが求められているので、キャリアコンサルタントとして学習を行い、能力や知識を獲得した人という信用は得られます。
一方で、独占業務がなく誰でも同じ業務ができてしまい、資格による差別化が図れないので取得する意味がないと言われることがあるのも事実です。
実質的に知識を活用したり、独自のサービスを行い差別化を図っていくしかありません。
独占業務はありませんが、資格取得の過程で得た能力やスキルを活かして業務を行っていけるので資格自体も実際は有益です。
受験費用とメリットが見合わない
キャリアコンサルタントになるためには、学科試験8,900円と実技試験29,900円がかかります。
受験費用自体は、そこまで高くないかもしれませんが、受験資格である講習を受講する場合には30~50万円準備しなければなりません。
また、キャリアコンサルタントとして名簿に登録するためには、登録免許税と登録手数料17,000円が必要です。
キャリアコンサルタントの資格を取得して登録するまで、総合的に費用が嵩んでしまいますが、独占業務がなく資格により得られるメリットが限定的で役に立たないと考える人も少なからずいます。
ですが、資格によるメリットをしっかり享受出来れば、自身のキャリア形成にも役に立てられる社会的に有用な資格です。
キャリアコンサルタントのメリット
キャリアコンサルタントは、国家資格として正式に登録することによるメリットがあります。
転職や就職に有利になるだけではなく、年収やキャリアアップに繋げていくことが可能であり、キャリアコンサルタントのメリットについて具体的にご紹介していきます。
転職や就職に有利になる
キャリアコンサルタント資格を保有していれば、募集要項に「キャリアコンサルタント」と記載があっても応募できるようになります。
同様の業務を行ってきていたとしても、正式な過程で知見を積み重ねてきた資格保有者は会社からの信用が異なるのです。
どのような会社においても人事業務を行えるので、積極的に狙っていきたい部署であり、専門性が活用できます。
また、ハローワークや人材派遣業者など、就職や転職を支援する会社がキャリアコンサルタントに向いている会社です。
年収やキャリアのアップにつながる
キャリアコンサルタントになれば、社会的に信用性が上がり年収やキャリアアップにつなげていけるようになります。
キャリアコンサルタントは働き方も多様にあり、コンサルタントとしての正規社員は勿論、非正規社員やフリーランスとしても活動可能です。
資格により多様な業務を任されるようになり、キャリアを形成できる機会が増えます。
ダブルライセンスとなれば、フリーランスとして独自のサービスを構築できるので、更なる年収アップも見込めるのです。
キャリアコンサルタントの年収は?
キャリアコンサルタントの平均年収は、551.4万円であり、すべての産業における平均年収は472.8万円なのですべての産業計よりキャリアコンサルタントは78.6万円高いです。
キャリアコンサルタントによるコンサルティングにより、専門的な視点で自分の適性を把握できるので、自分に合った会社や仕事を探せるようになります。
自分に合った会社が分かれば、必要な能力やスキルを事前に獲得していくことにもつながるので有益であり、社会的なニーズも高いです。
まとめ
今回は、キャリアコンサルタントの難易度、合格率や独学の勉強時間を解説してきましたがいかがだったでしょうか。
キャリアコンサルタント試験の難易度は、難関資格ほど難しい水準にはありませんが、学習を継続していく必要があるのには変わりません。
受験資格が必要なので、3年の実務経験がない場合、計画的に養成講座を受講していきましょう。
独学の場合には、実技試験の対策が特に注意しなければならない部分であり、評価される基準を把握する必要があります。
キャリアコンサルタントは、今後活躍が期待できる資格であり、就職や転職、キャリアアップにもおすすめです。
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