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弁理士とは?仕事内容や年収、試験内容を徹底解説

更新日:2024.09.18

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弁理士とは?仕事内容や年収、試験内容を徹底解説

弁理士は知的財産に関するスペシャリストであり、国家資格の1つです。

そんな弁理士について「具体的にどのような仕事をするの?」「年収はどれくらい?」など疑問をお持ちの人も多いでしょう。

 

今回は弁理士の仕事内容や年収、試験の内容・難易度などを詳しく解説します。

 

弁理士とは?

弁理士は国家資格の1つで、特許権・意匠権・商標権などの知的財産に関するスペシャリストです。

クライアントが産業財産権を保護・活用できるよう、代理人としての立場から手続きやサポートを行います。

知的財産に関する法律知識をはじめ、デザインやブランドに関する専門知識や、海外における知的財産の知識も必要です。

参考:弁理士について 特許庁

 

弁理士の主な仕事内容

弁理士の主な仕事は、クライアントの知的財産権の適正な保護や権利化のサポートです。

 

そもそも知的財産とは、知的活動によって生み出されたアイデアや無形の創作物で、財産的価値があるものを指します。

知的財産はそれ自体に価値があるものです。しかし単に生み出しただけの状態では、第三者に奪われる・財産化できないなどの恐れがあります。

このような事態を防ぐためには、対象の知的財産を権利化して保護する必要があります。

 

知的財産の権利化については厳格なルールが定められている上、複雑な手続きが必要です。

弁理士は知的財産を正しく権利化するため、各種手続きの代行や知的財産に関するコンサルティングなど行うことが求められます。

 

弁理士は知的財産に関する幅広い業務を行いますが、今回は代表的な業務3つについて詳しく解説します。

 

参考:弁理士とは? 日本弁理士協会

特許関連の手続き

特許関連の手続きは、弁理士の業務の中でも特に大きなウエイトを占める仕事です。

具体的な仕事内容として以下の例が挙げられます。

 

  • 先行案件の調査
    類似性の有無や権利化の正当性など、特許申請における問題がないかのチェックを行います
  • 出願書類の作成
    特許出願では膨大な書類を扱うため、専門知識のない人が行うのは容易ではありません。専門知識や経験をもつ弁理士が作成するのが一般的です
  • 手続きの代理
    書類作成以外にも必要となるさまざまな手続きを代行します

拒絶後の再審査の対応

特許は出願すれば必ず申請されるわけではありません。審査官によって1件ずつ審査が行われます。

審査に通過できなかった場合、出願を拒絶する旨の審査結果報告である「拒絶理由通知」が出される仕組みです。

 

弁理士には、拒絶後の再審査に向けた対応が求められます。

具体的な仕事内容として主に以下の3つが挙げられます。

 

  • 拒絶理由について専門的な検討を行う
  • 拒絶理由通知が解消するよう意見書や補正書を作成する
  • 必要に応じて不服申し立てを行い、訴訟代理人として企業・個人の立場を主張する

海外での特許申請

日本国内で取得した特許権・意匠権・商標権などの権利は、あくまでも日本国内のみでしか使えません。

海外でも権利を発生させるためには、国ごとに特許申請を行い権利化の手続きをとる必要があります。

 

近年はグローバル展開をする企業が多く、海外での特許申請にも高い需要があります。

海外での特許申請を行うためには、現地の法律知識や英語力など、より広い知識・スキルが必要です。

 

反対に、日本での権利化を希望する外国のクライアントに対して特許関連のサポートを行うケースもあります。

弁理士の働き方:企業内と独立の違い

弁理士の働き方は主に以下2つのパターンに分けられます。

 

  • 一般企業に勤める(企業内弁理士)
  • 独立開業する
    ※いきなり独立開業するのではなく、まずは特許事務所に勤務して経験を積むのが一般的です

 

企業内弁理士と独立の特徴やメリット・デメリットをまとめました。

 

企業内弁理士

独立開業

仕事内容

  • 競合他社の特許等に関する情報収集
  • 自社製品やサービスの特許出願
  • 特許戦略の立案
  • 特許関連業務全般
    (手続き代行、コンサルティングなど)

メリット

  • 安定した働き方ができる
  • 自社および同業他社関連という特定の範囲に専念できる
  • 特許関連業務に限らず、セミナー、執筆、メディア出演など幅広い仕事ができる
  • より自由度の高い働き方ができる

デメリット

  • 独立開業に比べて年収が低めの傾向
  • 仕事の範囲が限られる
  • 事務所運営に関する業務を含め、すべての業務を自身でこなす必要がある
  • 経営スキルや営業力が必要

それぞれ異なるメリット・デメリットをもつため、どちらが良いと一概にはいえません。

自身の理想とする働き方に合う職場を選ぶことが大切です。

弁理士資格を取得するメリット

弁理士資格を取得する主なメリットとして以下の4つが挙げられます。

 

  • 高年収につながる
  • キャリアの選択肢を広げられる
  • さまざまな業界で求められる
  • 独立開業が可能

 

この章ではそれぞれのメリットについて詳しく解説します。

高年収につながる

弁理士は比較的高年収を得やすい資格です。

 

弁理士の年収は勤務先や働き方によって大きく異なります。勤務先別の平均年収は以下の通りです。

勤務先・働き方

平均年収

特許事務所

500~1,500万円 平均700万円程度

一般事業会社

(企業内弁理士)

700万円ほど

独立開業

1,000万円~

参考として、日本の平均年収を紹介します。

国税庁の「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると、日本全体の平均給与は458万円です。

弁理士の平均年収は、どの勤務先・働き方であっても、日本の平均年収を上回る金額といえるでしょう。

 

弁理士は知的財産に関するプロフェッショナルであり、高度な専門知識が必要です。

その上、特許関連の手続きは業界・業種問わず発生する可能性があります。

したがって、特許関連の手続き代行やコンサルティングができる弁理士は常に需要があり、高年収を得やすいのです。

 

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キャリアの選択肢を広げられる

キャリアの選択肢を広げられる点も、弁理士資格を取得するメリットの1つです。

 

前章で紹介したように、弁理士の働き方には以下のようにさまざまな選択肢があります。

 

  • 特許事務所に勤務する
  • 一般事業会社で企業内弁理士として勤務する
  • 独立開業する

 

特許事務所にしばらく勤務してから企業内弁理士になる、自身で開業ではなくパートナー(共同経営者)になるなどのキャリアプランも可能です。

一般的な会社員に比べて選べるキャリアが多いため、自分の理想とする働き方がしやすいでしょう。

自己実現がしやすい、働き方の自由度が高いとも表現できます。

さまざまな業界で求められる

弁理士はさまざまな業界で求められる資格です。

知的財産に関する唯一の専門家であるため、各種権利の出願・保護・相談を行う役割として常に需要があります。

 

また、近年は業界問わずグローバル展開をする企業が増えており、国際的な出願件数も増加傾向です。

前述のように、知的財産に関する権利は出願した国でしか使えません。そのためグローバル展開を進めるにつれ、海外でも特許等の申請が必要になります。

 

業界・業種問わず需要があり、かつ、世界的にニーズが高まっているため、活躍の場が多い資格といえます。

独立開業が可能

前述のように、弁理士は独立開業が可能です。

独立開業すれば、仕事内容や働き方などすべて自由に決められます。

特許関連業務に限らず、セミナー講演や本の執筆、メディア出演など幅広い仕事が可能です。

仕事内容や案件の難易度にもよりますが、平均を大きく上回る高年収を得られるケースもあります。

弁理士試験の内容と試験日程

弁理士資格を得るためには、弁理士試験に合格する必要があります。

弁理士試験は全部で3つの試験から構成されており、いずれも年に1回のみの開催です。

この章では弁理士試験の概要や試験日程、合格率などについて詳しく解説します。

試験の詳細と合格基準

弁理士試験の基本情報は以下の通りです。

受験資格

特になし

出願方法

郵送による願書提出のみ

受験料

12,000円

(受験願書の所定に特許印紙を貼付して支払う)

試験日程

  • 願書受付:3月下旬~4月上旬
  • 短答式試験
    試験日程:5月中旬~下旬
    合格発表:6月上旬
  • 論文式試験
    試験日程:必須科目は6月下旬~7月上旬、
    選択科目は7月下旬

  • 合格発表:9月下旬

  • 口述試験
    試験日程:10月上旬~下旬
    合格発表:11月上旬

 

参考として、令和6年度試験の日程を紹介します。

  • 願書受付:3月7日~4月4日
  • 短答式試験
    試験日程:5月19日
    合格発表:6月10日

  • 論文式試験
    試験日程:必須科目6月30日、選択科目7月21日
    合格発表:9月24日

  • 口述試験
    試験日程:10月19日~10月21日のいずれかの日
    合格発表:11月11日

受験地

  • 短答式試験:東京、大阪、仙台、名古屋、福岡
  • 論文式試験:東京、大阪
  • 口述試験:東京

参考:令和6年度弁理士試験受験案内

 

弁理士試験全体に共通する注意点として以下の2つが挙げられます。

  • 出願方法は郵送のみのため、早めに願書の取り寄せや書類作成を行う必要がある
  • 論文式試験を受験できるのは短答式試験の合格者のみ、口述試験を受けられるのは短答式試験・論文式試験の両方に合格した者のみ

※一定の要件を満たす場合は免除制度あり

短答式試験の試験概要

試験日程

  • 試験日程:5月中旬~下旬
  • 合格発表:6月上旬

令和6年度の日程は以下の通りです。

  • 試験日程:5月19日
  • 合格発表:6月10日

試験科目

  • 特許・実用新案に関する法令 20題
  • 意匠に関する法令 10題
  • 商標に関する法令 10題
  • 工業所有権に関する条約 10題
  • 著作権法及び不正競争防止法 10題

試験時間

3.5時間

試験形式

五肢択一:マークシート方式

※「いずれにも該当しない」という選択肢は無し

合格基準

総合得点の満点に対して65%の得点を基準とし、工業所有権審議会が相当と認めた得点以上であること。

※満点の40%を下回る科目がある場合は不合格

参考:令和6年度弁理士試験受験案内

 

総合得点が合格基準を上回っている場合でも、満点の40%を下回る科目がある場合は不合格となる点に注意が必要です。

論文式試験の試験概要

試験日程

  • 試験日程:必須科目は6月下旬~7月上旬、選択科目は7月下旬
  • 合格発表:9月下旬

 

令和6年度の日程は以下の通りです。

  • 試験日程:必須科目6月30日、選択科目7月21日
  • 合格発表:9月24日

試験科目

  • 必須科目:工業所有権に関する法令(特許・実用新案、意匠、商標)
  •  選択科目:以下のうち1科目を選択
    理工Ⅰ(機械・応用力学)
    理工Ⅱ(数学・物理)
    理工Ⅲ(化学)
    理工Ⅳ(生物)
    理工Ⅴ(情報)
    法律(弁理士の業務に関する法律)

※選択科目は各科目から選択問題1つを選ぶ仕組みです。選択問題の詳細は受験案内をご確認ください。

時間

  • 特許・実用新案:2時間
  • 意匠:1.5時間
  • 商標:1.5時間
  • 選択科目:1.5時間

試験形式

論文式

※試験の際に「弁理士試験用法文」が貸与されます

合格基準

標準偏差による調整後の各科目の得点の平均が54点を基準として、工業所有権審議会が相当と認めた得点以上であること。

※47点を下回る科目がある場合は不合格

参考:令和6年度弁理士試験受験案内

 

論文式試験も足切り制度があり、1科目でも47点を下回ると不合格になるためご注意ください。

口述試験の試験概要

試験日程

  • 試験日程:10月上旬~下旬
  • 合格発表:11月上旬

 

令和6年度の日程は以下の通りです。

  • 試験日程:10月19日~10月21日のいずれかの日
  • 合格発表:11月11日

試験科目

工業所有権に関する法令

  • 特許・実用新案に関する法令
  • 意匠に関する法令
  • 商標に関する法令

時間

各科目とも10分程度

試験形式

面接方式

※受験者が各科目の試験室を順次移動する方法となります。

合格基準

採点基準をA、B、Cのゾーン方式とし、C評価が2つ以上ない場合に合格となります。

A:答えが良くできている場合

B:答えが普通にできている場合

C:答えが不十分である場合

参考:令和6年度弁理士試験受験案内

 

口述試験の合格によって、弁理士となる資格が与えられます。

試験の免除制度

短答式試験・論文式試験・口述試験いずれの試験にも免除制度が導入されています。

それぞれの免除要件は以下の通りです。

試験の種類

免除要件

短答式試験

  • 短答式筆記試験合格者(2年間)
    ※全科目免除となります
  • 工業所有権に関する科目の単位を修得し、大学院を修了した(2年間)

※工業所有権に関する法令、工業所有権に関する条約の試験科目が免除されます

  • 特許庁において審判または審査の事務に5年以上従事した者

※工業所有権に関する法令、工業所有権に関する条約の試験科目が免除されます

論文式試験

【必須科目】

  • 論文式筆記試験(必須科目)合格者(2年間)
  • 特許庁において審判または審査の事務に5年以上従事した者

 

【選択科目】

  • 論文式筆記試験(選択科目)合格者
    ※選択科目の合格は生涯有効です
  • 選択科目・選択問題に関する研究による修士または博士の学位を有しており、かつ、学位授与に係る論文の審査に合格した者
  • 選択科目・選択問題に関する研究により、専門職大学院で修了要件とする論文の審査に合格した者
  •  一定の公的資格を有する者

口述試験

特許庁において審判または審査の事務に5年以上従事した者

試験の免除を受けるには、願書提出時にその旨の記載および免除要件を満たすことを証明する書類の添付が必要です。

試験の合格率

弁理士試験の合格率を紹介します。

 

短答式試験合格率

論文式試験合格率

口述試験合格率

最終合格率

令和5年度

12.4%

28.0%

94.3%

6.1%

令和4年度

10.3%

26.3%

96.4%

6.1%

令和3年度

11.3%

25.1%

90.2%

6.1%

令和2年度

18.2%

25.0%

98.6%

9.7%

令和元年度

18.3%

25.5%

95.6%

8.1%

出典:特許庁公式サイト「過去の試験統計

 

最終合格率は6.0〜9.0%と非常に低い数値です。

それぞれの試験で比較すると、一次試験である短答式試験の合格率が最も低く、論文式試験以降に進める受験者は非常に少ないことがわかります。

また、令和元年度・令和2年度は直近5年間の中では合格率が比較的高めでした。

令和3年度以降の3年間は短答式試験の合格率が大幅に下がっており、最終合格率も6.1%にとどまっています。

過去5年分の受験者数・最終合格者数・最終合格率は以下の通りです。

 

受験者数

最終合格者数

最終合格率

【参考】

合格者平均受験回数

令和5年度

3,065人

188人

6.1%

2.8回

令和4年度

3,177人

193人

6.1%

3.4回

令和3年度

3,248人

199人

6.1%

3.7回

令和2年度

2,947人

287人

9.7%

4.1回

令和元年度

3,488人

284人

8.1%

4.1回

出典:特許庁公式サイト「過去の試験結果

 

受験者数に大きな違いはなく、毎年3,000人前後が受験していることがわかります。

また、合格者平均受験回数は2.8回〜4.1回、3回以上の受験が一般的です。

最終合格率の低さや合格者平均受験回数の多さから、短期合格は難しい試験といえるでしょう。

弁理士試験の難易度と勉強時間

試験合格を目指すためには、試験の難易度や必要な勉強時間の目安について知っておくことが大切です。

この章では弁理士試験の難易度と勉強時間について詳しく解説します。

試験の難易度について知る

前章で紹介したように、弁理士試験の最終合格率は6.0〜9.0%、合格者平均受験回数は2.8回〜4.1回です。

また、短答式試験の合格率が12.0〜19.0%であり、一次試験の突破そのものが非常に難しい試験とわかります。

2次試験である論文式試験の合格率も20%台で、決して高くはありません。

したがって、弁理士試験の難易度は非常に高いといえるでしょう。

効果的な勉強時間

一般的に、弁理士試験の合格までに必要な勉強時間の目安は3,000時間といわれています。

1日4時間の勉強を毎日続けても2年はかかる計算です。

必要な勉強時間や合格率の低さ、合格者平均受験回数から、年単位での勉強が前提の試験といえるでしょう。

 

参考として、難関資格といわれる国家資格3つの合格に必要な勉強時間の目安を紹介します。

資格名

勉強時間の目安

公認会計士

3,500時間

弁護士

5,000~6,000時間

税理士

4,000時間

 

弁理士を目指す人の特徴

特許庁の公式サイトでは、過去に行われた弁理士試験の統計が公開されています。

弁理士試験の統計は受験者の種別や合格までの受験回数、出身系統などのさまざまな情報が掲載された資料です。

今回は同サイトで公開されている「令和5年度弁理士試験志願者統計」から、志願者(出願者)の特徴を紹介します。

 

  • 志願者の大半は理工系の出身
    令和5年度試験は、理工系が70.0%、法文系が1%、その他が7.9%でした
  • 30~40代が多い
  • 職業別内訳で最も大きな割合を占めるのが会社員、次いで特許事務所
  • 学生は全体の4%程度、無職が10%程度
    年齢や職業別内訳から、ほとんどの人が働きながら勉強していることがわかります

 

また、同じ資料で選択科目免除が保有している資格の内訳も紹介されています。

それぞれの割合は以下の通りです。

資格

割合

修士・博士

59.9%

技術士

5.1%

一級建築士

0.5%

電気主任技術者

1.0%

薬剤師

2.7%

電気通信主任技術者

3.7%

情報処理安全確保支援士

1.0%

情報処理技術者

14.7%

司法試験合格者

0.3%

司法書士

0.3%

行政書士

2.0%

弁理士試験選択科目合格者

8.6%

以上の情報から、以下のような特徴をもつ人は弁理士の適性があると考えられます。

 

  • 働きながら勉強を続ける継続力や忍耐力がある
  • 情報処理系や技術系の資格、もしくは知識等を保有している
  • 理工系出身である
  • 理工系や法律系に苦手意識がない

弁理士の年収と将来性

弁理士試験は非常に難易度が高く資格取得が難しいからこそ、資格取得後の年収や将来性について気になる人も多いのではないでしょうか。

この章では弁理士の年収と将来性、高収入を得るための戦略について詳しく解説します。

 

関連記事:弁理士の年収は?

弁理士の年収はどれくらい?

弁理士の年収は勤務先や働き方によって異なります。「弁理士資格を取得するメリット」で用いた表を改めて紹介します。

勤務先・働き方

平均年収

特許事務所

500~1,500万円 平均700万円程度

一般事業会社

(企業内弁理士)

700万円ほど

独立開業

1,000万円~

最も高年収が期待できるのは独立開業です。

ただし独立開業は案件数や単価が年収に直接影響するため、年収が伸びないケースもあります。

特許事務所や一般事業会社は平均年収や狙える年収の上限はあるものの、安定して高年収を得られるといえるでしょう。

 

年収を左右する要因として以下の例が挙げられます。

 

  • 弁理士としての経験
  • 対応できる案件の種類、得意分野
    専門的な内容や海外案件の対応ができれば、より高年収が期待できます
  • (勤務の場合)勤務先の規模や扱う分野
  • (独立開業の場合)受注する案件数、案件の単価

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高収入を得るための戦略

弁理士の年収アップにつながると期待できる方法として以下の4つが挙げられます。

 

  • 弁理士としての経験を多く積む
  • 規模が大きい事務所や難しい案件を得意とする事務所など、高年収が期待できる職場へ転職する
  • 英語力や海外の法律知識を身につけ、国際案件に対応できるようになる
  • 独立開業する

 

前項で紹介したように、弁理士の年収は経験やスキルによる影響を受けやすいです。

それだけではなく、勤務先によって期待できる年収の上限に違いがみられます。

そのため、弁理士として経験を積む・多くのスキルを身につける・高年収を得られる職場に勤務もしくは独立開業するのが効果的です。

 

弁理士の将来性についての見解

結論として、弁理士の需要がなくなることはないでしょう。それどころか、弁理士の需要は今後さらに高まると考えられています。

 

弁理士の需要が高まると思われる主な理由は以下の3つです。

 

  • 科学技術の進歩により競争が激化していることで、権利保護の必要性が高まっているため
  • グローバル化により日本から海外、海外から日本それぞれの特許申請が増え続けると考えられるため
  • 知的財産に関する法律や手続きは複雑であり、AIによる代替可能性が低いため

 

弁理士は今後も必要とされ続ける仕事と考えられます。

少なくとも、弁理士資格の取得が無駄になってしまう恐れはないでしょう。

独立開業のポイント

弁理士は独立開業ができる資格であると紹介しました。

そして特許事務所や一般企業に勤務する弁理士に比べて、独立開業した弁理士の方が高年収を得られる可能性が高いです。

この章では弁理士として独立開業する際のポイントについて解説します。

独立開業した場合の年収は?

独立開業した弁理士の年収は勤務弁理士よりも高めの傾向です。年収1,000万円以上は珍しくありません。

上手くいけば、2,000万円、3,000万円とかなりの高年収を得られる可能性もあります。

 

ただし、独立開業した場合の年収は受注した案件の数や報酬額によります。

すなわち、個人の実力が年収に直接的な影響を与えるのです。

そのため平均年収に届かない弁理士が少なくないのも事実です。

 

独立開業によって高年収を期待できる一方で、勤務弁理士の年収を大きく下回るケースもあります。

事業安定のポイント

独立開業の弁理士が事業を安定させるために押さえるべきポイントとして以下の5つが挙げられます。

 

  • 営業力やコミュニケーション能力を伸ばす
  • 営業や新規開拓を積極的に行う
  • 弁理士として多くの実績を積む
  • 新技術の開発状況など、知的財産に関する動きに注目する・情報収集を行う

国際出願の対応ができるよう、語学力や海外の法律知識を身につける

特許事務所としての将来性はある?

弁理士という資格そのものは今後も高い需要があると考えられます。

しかし、弁理士の需要が高いからといって、すべての特許事務所が成功するわけではないのが事実です。

特許事務所として成功するか否かは、本人の努力によって決まる部分が大きいといえるでしょう。

 

独立開業して特許事務所を運営し成功させるためには、前項の「事業安定のポイント」で紹介した内容を押さえることが大切です。

また、ビジネスチャンスを逃さないように世の中の動きに意識を向ける必要もあります。

努力を続けビジネスチャンスを掴めば、良い結果を得られるでしょう。

まとめ

弁理士とは特許をはじめとした知的財産に関するプロフェッショナルです。

弁理士資格の取得には、高年収につながる・キャリアの選択肢を広げられるなど複数のメリットがあります。

独立開業をすれば1,000万円を超えるケースも珍しくありません。

 

そんな弁理士ですが、資格を取得するためには試験に合格する必要があります。

短答式試験・論文式試験・口述試験の3つによって構成されており、免除制度を使う場合を除き、すべてに合格する必要があります。

最終合格率は10%未満、直近3年間は6.1%程度と非常に低い数値です。

必要な勉強時間の目安が3,000時間と多いことからも、難易度が高い試験であるとわかります。

 

弁理士試験に合格するため、そして弁理士として充実した働き方をするためには、まず弁理士について知ることが大切です。

今回紹介した内容を押さえ、弁理士に対する理解を深めましょう。

Profile レックスアドバイザーズ

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