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フリーランス経理とは?必要な勉強やスキル、年収について紹介

更新日:2024.11.11

経理の転職お役立ち情報

フリーランス経理とは?必要な勉強やスキル、年収について紹介

近年は経理を含むバックオフィス職のフリーランス需要が高まっています。

フリーランス経理には様々なメリットがある一方で、フリーランスならではの注意点も存在します。

フリーランス経理として満足度の高い働き方をするには、フリーランス経理についての理解を深めることが大切です。

この記事ではフリーランス経理の仕事内容やメリット・デメリットなど、フリーランス経理として働く上で知っておくべき情報を紹介します。

フリーランス経理の主な仕事内容

フリーランス経理の仕事内容として以下の例が挙げられます。

 

  • 仕訳入力(記帳業務)
  • 伝票・領収書・請求書などの資料整理
  • 入出金管理
  • 売掛金や買掛金の管理
  • 給与計算業務
  • 決算や税務申告関連業務
  • 年末調整業務

 

雇用関係に基づいて働く経理職とフリーランス経理で、仕事内容に特別大きな違いはありません。

 

どのような仕事を行うかは、フリーランスという働き方よりも個人のスキルによって異なります。

例えばこれまでの経験やスキルによっては、予算管理や課題分析、解決策の提案などの財務関連業務を行うこともあります。

一口にフリーランス経理といっても案件によって仕事内容は様々なため、自分に合う案件を選ぶことが大切です。

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フリーランス経理の需要が高まっている背景

経理人材の確保や育成が難しいため

近年は以下のような理由から、経理人材の確保や育成が難しくなっています。

 

  • 労働人口の減少
  • 働き方の多様化による正社員採用の難化
  • 採用や研修にコストがかかる
  • 自社内に経理に詳しい人がいないため社内での人材育成ができない

 

一方フリーランスとして働く人は増加傾向にあり、フリーランス関連の法整備も進んでいます。

すなわち、フリーランス人材の確保はしやすくなっているのです。

そのため社内で経理人材を確保・育成するのではなく、フリーランスに外部委託するケースが増えています。

IT技術の発展により外部委託がしやすくなったため

かつて経理関連は紙ベースの業務が多くクラウド等のサービスも一般的ではなかったため、社内で行う必要性がありました。

外部委託をする場合も税理士に依頼するケースがほとんどで、特に資格を持たない個人に委託する選択肢はほぼ存在しなかったのです。

 

近年はクラウドサービスの登場や書類・取引の電子化等IT技術が発展しており、経理業務もオンラインでできるものが増えています。

経理業務の外部委託がしやすくなったために、フリーランス経理の需要も高まっています。

コスト削減につながる可能性があるため

フリーランス経理の活用は企業にとってコスト削減につながる可能性もある方法です。

コスト削減につながる可能性がある理由として以下の3つが挙げられます。

 

  • 採用費や研修費がかからない
  • 社会保険料の負担が発生しない
  • デスクや椅子、パソコンなどの備品を用意する必要がない

 

業務委託報酬の支払いは発生しますが、自社で経理人材を採用する場合に比べればコストを抑えられるケースが多くみられます。

フリーランス経理の4つのメリット

時間や場所の制限なく働ける

フリーランス経理は依頼された仕事さえこなせば、時間や場所の制限なく働けるケースがほとんどです。

通勤の負担なく自分に合う時間や場所での仕事ができます。

「朝早い時間から仕事を初めて昼までに終わらせる」「夕方〜深夜の遅い時間に仕事をする」という働き方も可能です。

月数回の出勤やコアタイムが定められているケースもありますが、それでも雇用契約に比べれば働き方の自由度が高いといえます。

仕事量を調整できる

仕事をする時間や場所だけでなく、仕事量そのものを自身で調整できる点もフリーランス経理のメリットです。

たとえばスケジュールに余裕のある時期は仕事を多く受け、プライベートが忙しい時期は量を減らすような働き方ができます。

フリーランス経理であれば、仕事量が多すぎる・少なすぎるといった理由で負担が生じるリスクを最小限に抑えられます。

プライベートとの両立がしやすい

フリーランス経理はプライベートとの両立がしやすい働き方です。

前述のように仕事する時間や場所の制限がないため、家事や育児など家庭の仕事に充てる時間を自身で好きに決められます。

また、プライベートの急な用事が発生した場合も柔軟な対応が可能です。

ライフイベントによりキャリアが左右されることなく、安心して経理として働き続けられます。

受注する案件を選択できる

フリーランス経理では仕事を受けるか否かを自分で決めます。

仕事量を調整しやすいだけでなく、自分のスキルや経験、興味に合った仕事を選ぶことも可能です。

 

また、仕事内容は似ていても報酬額や求められるレベルが異なるケースもあるでしょう。

その場合はそれぞれの案件の条件を比較し、より自分に適している方の仕事を選択するといった方法がとれます。

フリーランス経理の3つのデメリット

収入が安定するまでに時間がかかる

フリーランス経理の活動を始めたばかりの頃はアピールできる実績がなく、なかなか案件を受注できない可能性があります。

また、一度仕事を受注できたとしても契約が継続するとは限らず、打ち切りによって収入が途絶えるケースも珍しくありません。

長期契約を締結できる、もしくはフリーランス経理として高評価を得て案件確保が容易になるまで、収入は不安定となりやすいです。

社会保険や雇用保険に加入できない

フリーランスには社会保険の加入資格がありません。自身で国民健康保険や国民年金保険に加入する必要があります。

国民健康保険料や国民年金保険料は全額被保険者の自己負担のため、社会保険に比べて支払保険料の額が高くなりがちです。

 

また、フリーランスは雇用契約に基づかない働き方のため、雇用保険も対象外です。

仮に仕事を失い収入が途絶えても失業手当は受けられません。

自分で仕事の管理をする必要がある

フリーランスは自分で仕事の管理をする必要があります。

ミスや漏れを起こさずすべての仕事をこなせるよう、期日や優先順位などを考慮した上で仕事の進め方を決めなければなりません。

また、納品書や請求書の発行など事務作業も必要です。

本業である経理業務以外にも必要な作業が多い上に、ミスがすべて自分の責任になる点に注意が必要です。

フリーランス経理の年収相場は?

フリーランス経理の年収は受注する案件の内容や業務量によって大きく異なります。そのため、年収相場を一概には表せません。

ただしフリーランス経理の料金の決まり方や業務ごとの報酬相場を知ることで、年収の大まかな計算ができます。

 

フリーランス経理の料金設定の方法として、大きく以下の3つが挙げられます。

料金設定の方法

特徴

相場

業務単価制

業務内容に応じて細かく報酬額を定める。基本料金+業務単価のケースも多い

例:記帳業務、給与計算等

記帳業務:1仕訳につき50円~100円

給与計算:1人当たり1,000円~2,000円

※5,000円~10,000円の基本料金を設定するケースも一般的

時給制(時間単価制)

1時間当たりの単価が決まっている。案件に幅広い業務が含まれる場合は時給制のケースが多い。

1,000円~2,000円

業務内容や難易度による

プロジェクトごとに設定

1つのプロジェクトに報酬を設定する方法。年末調整や決算期など限られた期間のみの稼働や、会計システム移行のような一回限りの業務などで多くみられる

業務内容による

 

フリーランス経理に求められるスキル3選

経理のスキルや実務経験

フリーランス経理は文字通り経理職を専門とするため、経理に関するスキルや実務経験が必須です。

契約の判断においても、経理スキルや実務経験の有無は特に重視される部分といえます。

 

また単に「経理職の経験がある」ではなく、以下のように具体的な要素をアピールすることで正確なスキルや経験が伝わりやすいです。

 

  • 経理職を勤めた企業の業種や規模
  • 経理職の経験年数
  • 実際に経験した仕事内容の具体例
    (記帳、給与計算、決算書作成、年末調整など)
  • 使用したことのある会計ソフト
  • 経理関係の資格の有無

 

なおフリーランスは即戦力となるのが前提のため、未経験分野の案件を受けるのは難しいです。

誤って対応できない案件を受けてしまうと、依頼者・受注者の双方に大きな負担が発生してしまうでしょう。

自分が対応できる仕事のみを受注するためにも、スキルや実務経験の明確化を徹底する必要があります。

コミュニケーション能力

フリーランス経理にはコミュニケーション能力も必須です。

 

コミュニケーション能力が必要な理由として以下の5つが挙げられます。

 

  • 案件の受注や営業などをすべて自身で行う必要がある
  • 無理なく仕事を進めるため、不利な条件を避けるための交渉が必要になる場面も発生し得る
  • トラブルを防ぐため定期的かつ適切な進捗報告が欠かせない
  • バックオフィスの性質上チームで業務するケースも多い
  • 万が一契約先とのトラブルが発生した場合も、外部に助けを求めるためには自分で動くしかない

 

経理に限らず、フリーランスとして安定した収入を得るためには高度なコミュニケーション能力が必要といえるでしょう。

ITスキル

フリーランス経理の仕事や作業はPCで行うものがほとんどです。そのためある程度のITスキルも求められます。

 

一口にITスキルといっても幅広く、業務によって必要なスキルはさまざまです。

フリーランス経理に求められるITスキルの具体例を紹介します。

 

  • 基本的なPC操作スキル
  • チャットツールやビデオ会議ツールなどコミュニケーションツールのスキル
  • 会計ソフトのスキル
    ※会計ソフトの操作性は使用するツールによって異なるため、特定の会計ソフトの使用経験が必須要件となっている求人も多くみられます。
  • 請求書の発行や送付に関するスキル

経理に向いている人の特徴とは

フリーランス経理は幅広い業務をすべて自分1人で行う必要があります。

そのため経理が向いている人、経理の適性が高い人ほど、フリーランス経理という働き方での負担を抑えられる可能性が高いです。

 

経理に向いている人の特徴として以下の4つが挙げられます。

 

  • 数字に対する苦手意識がない
    数字を扱う場面が多いため、数字に関する苦手意識の有無は働きやすさを大きく左右します
  • PC操作や事務作業が得意、もしくは苦手意識がない
    バックオフィス全般に共通する要素です
  • 責任感がある
    1円単位のズレが影響する恐れがあり、期日が明確な仕事も多いため、強い責任感が求められます
  • コミュニケーション能力がある
    前章で紹介したように、経理にはコミュニケーション能力が必須です

フリーランス経理が案件を獲得する方法は?

フリーランス経理が案件を獲得する方法として以下の例が挙げられます。

 

  • フリーランス案件を扱う求人サイトやエージェント
    特に経理に強みを持つサービスを利用するのがおすすめです
  • クラウドソーシングサービス
  • マッチングサイト
  • 知人からの紹介

 

案件探しを効率的に行うため、フリーランス経理向けのサービスを上手く活用しましょう。

 

また、フリーランス経理が安定して案件を獲得するために押さえたいコツとして以下の3つが挙げられます。

 

  • 自身のアピールポイントを明確にする
  • 複数の案件に応募する・長期契約の案件を獲得する等、高収入を得るための工夫をする
  • 高度な案件を受注できるよう、経験を積むことや専門性の高い資格取得を目指す

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まとめ

フリーランス経理の主な仕事内容は、雇用契約に基づいて働く経理職と大きな違いはありません。

しかし働き方は全く異なります。フリーランス経理であれば、場所や時間の制約を受けず自由に働けます。

受注する案件を選択でき、仕事量の調整やプライベートとの両立がしやすい点もメリットです。

一方で収入が不安定、社会保険に加入できない、仕事の管理を自分で行う必要があるなどのデメリットがあります。

 

フリーランス経理として求められる存在になるには、フリーランス経理に必要なスキルを身につけることが大切です。

また、フリーランスが案件を獲得するには自分で動く必要があります。仕事を効率良く探すには、フリーランス経理向けのサービスを活用するのがおすすめです。

 

今回紹介した内容を押さえ、フリーランス経理としてより良い働き方を実現しましょう。

Profile レックスアドバイザーズ

公認会計士・税理士等の有資格者をはじめとする会計人材専門特化した人材紹介会社。
■公認会計士・税理士・経理の転職サイトREX
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■株式会社レックスアドバイザーズ
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