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経営企画に向いている人の特徴・スキルとは?仕事内容や事業企画との違いを徹底解説

更新日:2025.01.10

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経営企画に向いている人の特徴・スキルとは?仕事内容や事業企画との違いを徹底解説

経営企画は経営戦略の立案・策定や、企業のビジョンを実現するための各種施策などを行う職種です。

企業経営の根幹を担う仕事であり、会社の舵取りのような役割も果たします。

 

経営企画は重要な役割であり仕事内容も幅広いため、求められるスキルのレベルも高いです。

経営企画を目指すのであれば、経営企画に向いている人の特徴やスキルを押さえた上で、転職活動を戦略的に進める必要があるでしょう。

 

今回は経営企画に向いている人の特徴や求められる経験、仕事で活かせる資格などを解説します。

経営企画とは?

経営企画とは経営戦略の立案・策定や、企業のビジョンや経営方針を実現するための施策を行う職種です。

経営層の意向を汲みつつ、戦略立案やビジョン実現に向けてさまざまな業務を行います。

企業経営の根幹を担う役割であり、会社のブレーンといえる立場です。

また、部門間の連携や調整にも携わるため、会社の舵取り役・旗振り役とも表現できます。

 

本来、経営戦略の立案や経営方針を実現するための施策は、社長をはじめとした経営層の役割といえるでしょう。

実際のところ、中小企業やスタートアップ企業のような規模が小さい企業では社長が行うケースも多いです。

 

しかし規模が大きい企業の場合には、経営層がすべてを対応するのは難しくなります。

そのためある程度規模が大きい会社では、独立した経営企画職や経営企画部が設けられるケースが多くなります。

経営企画と事業企画の違いについて

経営企画は経営戦略の立案・策定や経営方針を実現するための施策など、企業全体を対象とした職種です。

一方で事業企画は、文字通り事業単位の企画職を指します。

事業戦略の立案や策定、事業戦略を実現するための各種業務などを行います。

経営企画の主な仕事内容

経営企画は企業の現況や経営戦略の内容などにあわせて柔軟な対応を行う必要があります。

そのため仕事内容は多岐にわたり、ルーチン業務の割合は低めです。

今回は経営企画の仕事内容を大きく3つに分けて解説します。

経営戦略の立案

経営企画の主な仕事の1つが、経営戦略の立案です。

 

経営戦略とは会社の経営目標を達成するために定める方針であり、企業全体の戦略の柱ともいえます。

経営戦略を軸に、新規事業の企画や事業戦略の立案、営業活動などを行います。

 

経営戦略を立案するためには、以下のようにさまざまな細かい仕事が必要です。

 

  • 市場や競合の調査
  • 自社の現状把握
  • 各種データの収集や分析

 

経営戦略を立案して終わりではありません。

各部門・部署の人達が実践できる状態にするため、具体的な行動計画に落とし込む必要もあります。

 

ほかにも、経営戦略実行のために以下のような業務が必要です。

 

  • 進捗状況の把握
  • 効果検証・改善
  • 異なる部署間の連携サポート

 

経営戦略の立案から管理まで、幅広い範囲に携わります。

予算策定

予算策定とは会社の利益目標を達成するための売上予算や経費予算を決める作業です。

財務部や経理部が担当する企業もありますが、予算は経営戦略に深く関係する要素のため、経営企画職がメインで携わるのが一般的です。

 

予算策定の方法は大きく2種類に分けられます。

 

  • トップダウン方式
    経営陣が全体の目標利益を策定し、それに基づいて各部門の具体的な予算を決める
  • ボトムアップ方式
    各部門で予算を決め、それらをもとに企業全体の予算を決める

 

会社全体の利益目標は、会社の株主や経営層の意向に基づいて決定されます。

 

予算策定における経営企画の主な役割は以下の通りです。

 

  • 予算策定に必要な情報の収集やデータ分析
  • 経営層への説明用資料の作成
  • 全体利益と各部門の予算の調整

コーポレートガバナンスやIR関係の業務

コーポレートガバナンスやIR関係の業務を経営企画が担当するケースも多いです。

 

コーポレートガバナンスとは、企業が公正な判断や健全な経営を行えるよう、企業経営を監視する仕組みです。

「企業は経営者ではなく、資本を投下する株主のものである」という考えに基づきます。

 

コーポレートガバナンスの強化により透明性が確保されれば、投資家からの信頼獲得にもつながります。

すなわち投資家からの出資を受けるためには、コーポレートガバナンスの強化が必須です。

経営戦略に沿った活動を行い企業のビジョンを実現するために欠かせない工程のため、経営企画が携わるケースが多くみられます。

 

そのほかに経営企画が担当するIR関連業務として、株主や投資家に対するディスクロージャー(情報開示)が挙げられます。

経営企画に向いている人の特徴

経営企画の仕事内容は多岐にわたるため、どのような人に適した仕事かイメージしにくいかもしれません。

今回は経営企画に向いている人の特徴を10個紹介します。

経営企画に向いていると考えらえる理由や、実際に活かせる場面についても詳しく解説します。

論理的思考ができる

論理的思考とは物事を体系的にとらえ、筋道を立てて考える思考法です。

 

経営企画の主な仕事である経営戦略の立案や予算策定は、経営目標の達成を実現するために行います。

企業戦略の柱ともいえる部分のため、客観的な根拠に基づく現実的な内容にする必要があります。

 

感情や直感に左右されず論理的思考ができる人は、経営企画の適性が高いといえるでしょう。

情報収集スキルが高い

経営企画では以下のように情報収集を行う場面が多いです。

 

  • 市場や競合の調査
  • 自社の現状把握
  • 効果検証 など

 

そのため情報収集スキルが高い人も、経営企画の仕事に向いているでしょう。

 

なお情報収集スキルが高いとは、以下のような人を指します。

 

  • 必要な情報が何かを正しく把握できる
  • 正しい情報・誤った情報の取捨選択ができる
  • 必要な情報に合わせて適切な情報収集方法の判断および実施ができる

分析能力が高い

前述のように、経営企画の仕事では情報収集を行う場面が多いため、情報収集スキルが求められます。

しかし経営企画の役割は、情報収集をして終わりではありません。

戦略立案や改善策の実施など、収集したデータを基にした施策の実行まで求められます。

そのため分析能力が高い人も経営企画の仕事に向いていると考えられます。

財務会計および管理会計の知識・経験がある

経営企画では自社の現状把握や予算策定など、財務諸表を使用する場面が多く存在します。

そのため、財務会計や管理会計といった会計全般の知識や経験がある人も経営企画に向いている可能性が高いです。

 

なお財務会計とは、自社の財務状態や経営成績を外部の利害関係者に報告するための会計を指します。

対する管理会計は社内向けの会計で、自社の状況を適切に把握するために必要なものです。

コミュニケーション能力が高い

コミュニケーション能力が高い人も経営企画に向いていると考えられます。

理由として以下の3つが挙げられます。

 

  • 経営層から一般社員、さらには社外の関係者までさまざまな人とのコミュニケーションをするため
  • 自社の現況や提案する戦略の内容など、正確な説明が必要な場面が多いため
  • 部署間の調整や合意形成など高度なコミュニケーション能力が求められる場面も存在するため

 

相手との関係性や状況を問わず、常に冷静かつ最適なコミュニケーションを行うための能力が必要です。

プレゼンテーション能力が高い

経営企画では以下のように、提案・プレゼンテーションを行う場面も多いです。

 

  • 提案する戦略について経営層に説明する
  • 経営戦略の実行に向けた具体的な行動計画を他部署に共有する
  • 株主や投資家などの外部関係者に説明する

 

論理的な説明ができる・提案をして人を動かすのが得意といったプレゼンテーション能力が高い人も、経営企画に向いているでしょう。

行動力がある

経営企画の仕事は行動力がある人にも向いていると考えられます。

理由として以下の3つが挙げられます。

 

  • ルーチン業務の割合が低く、主体的な行動を求められる場面が多いため
  • 戦略立案をして終わりではなく、戦略や計画を実行に移すことまで求められるため
  • 会社のブレーンとして全体をリードする力が求められるため

 

考えて終わりではなく、その先の行動に移す力がある人は、経営企画の適性が高いです。

責任感が強い

責任感が強い人も経営企画に向いているでしょう。

 

経営企画は経営戦略の立案・策定およびビジョン実現に向けた各種施策を実行する役割であり、会社の根幹を担う職種です。

経営企画の提案や行動が、会社の将来を大きく左右する可能性もあります。

そのため自身の提案や行動に責任感をもち、仕事に対して真摯な姿勢を保てる人に適性があると考えられます。

周囲の人を巻き込むのが得意

周囲の人を巻き込むのが得意な人も、経営企画に向いているでしょう。

該当する人の具体例を紹介します。

 

  • リーダーシップがあり、人の前に立つ・人を引っ張るのが得意
  • 説得力のある提案や説明ができる
  • 自分の意見をしっかり主張できる

 

経営戦略の立案自体は経営企画の担当者が行いますが、戦略を実行するためには多くの人を巻き込む必要があります。

そのため、人を巻き込む力がある人は経営企画として大いに活躍できるでしょう。

マルチタスクが得意

経営企画は1つの仕事に集中するというより、複数のプロジェクトや業務を並行して進める場面が多いです。

すべての業務をバランス良く進めることが求められるため、優先順位の設定やタスクの管理をしっかりこなす必要があります。

 

したがって経営企画は、複数の業務や作業を同時進行で行うマルチタスクが得意な人に向いている仕事といえます。

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経営企画に求められる経験・キャリア

転職活動をスムーズに進めるには、応募した企業や職種で活かせる経験・キャリアをアピールするのが効果的です。

今回は、経営企画に求められる経験・キャリアの例を3つ取り上げました。

それぞれ求められる理由や仕事での活かし方について詳しく解説します。

企画職の経験

経営企画に求められる経験・キャリアの1つが、企画職の経験です。

 

経営企画の主な仕事である「経営戦略の立案・策定」は、企業全体を対象にした企画策定とも表現できます。

そして、業種や対象の規模を問わず企画立案の流れ自体は共通点が多いです。

 

経営戦略の立案で必要な仕事の例として以下の3つを紹介しました。

 

  • 市場や競合の調査
  • 自社の現状把握
  • 各種データの収集や分析

 

これらはいずれも、新事業の企画・新商品の企画・新サービスの企画などでも必要な工程です。

他の企画職で必要な仕事は、経営企画の仕事にも必要といえます。

 

したがって、経営企画には企画職の経験・キャリアをもつ人が求められます。

財務会計の経験

財務会計の経験も、経営企画への転職活動で高評価につながる要素の1つです。

 

「経営企画に向いている人の特徴」で紹介したように、経営企画では財務諸表を使用する場面が多く存在します。

そのため経営企画職に就くためには、財務諸表を読める・活用できるのは必須です。

 

経営企画では経営層をはじめ社内の関係者に提案する場面も多いため、管理会計のスキルも必要ではあります。

しかし管理会計は企業によって進め方に違いがある上、管理会計にも財務諸表を活用するスキルが必須です。

 

そのため財務会計・管理会計どちらのスキルも求められますが、より優先されるのは財務会計の知識・経験といえるでしょう。

マネジメントの経験

経営企画にはマネジメントの経験も求められます。

 

経営企画では複数の部門の人と連携しながら仕事をする場面が多いです。

また、経営戦略の立案者として先頭に立ち、ほかの人達を引っ張る必要もあります。

部門や部署単位ではなく、会社という組織全体を動かす必要があるのです。

 

マネジメントではリーダーシップを発揮しつつ、時には調整役や仲介役を果たすべき場面もあります。

このようなマネジメント経験は、会社全体を動かす経営企画の仕事でも直接活かせるでしょう。

経営企画の仕事に役立つおすすめ資格3選

経営企画に必須の資格はありませんが、関連する資格を保有していれば転職活動でアピールポイントとして活かせる可能性があります。

今回は経営企画の仕事に役立つおすすめの資格を3つ紹介します。

①MBA(経営学修士)

MBAとは日本語で経営学修士と呼ばれる学位です。経営学の修士課程を修了した人に授与されます。

経営学の修士課程では、組織戦略や経営戦略、財務・会計などの経営に関連する幅広い分野について学びます。

MBA取得までの過程で身につける知識は、経営企画の仕事でも直接活かせるものが多いです。

②公認会計士

公認会計士は日本の会計関連資格の中でも最難関といえる資格です。

会計・財務・税務に関する広く深い理解が求められます。

経営企画の仕事では会計関連の高度な知識が必要な場面も多いため、公認会計士のもつ知識やスキルを活かせます。

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③中小企業診断士

中小企業診断士は中小企業の経営に関する国家資格です。

中小企業の経営課題の診断や助言など、中小企業に対するコンサルティングを行います。

 

中小企業診断士には、現状を分析し経営課題を見つける力や、解決策・戦略を立案する力が求められます。

これらの力は、経営企画の主な仕事である「経営戦略の立案」で大いに活用できるでしょう。

経営企画の将来性・キャリアパス

経営企画職に就くことで、以下のような成果が期待できます。

 

  • 市場調査、情報収集、データ分析、さまざまな部署とのコミュニケーションなど幅広い能力を身につけられる
  • 経営層や株主がどのような考えを持っているかを直接知ることができる
  • 経営の専門用語や法律に関する知識、高度な財務会計の知識などを身につけられる
  • 経営層や利害関係者との人脈をつくれる

 

経営企画自体が花形と呼ばれるポジションではありますが、経営企画で得られる知識や経験を活かし、さらなるキャリアアップもできるでしょう。

 

経営企画のキャリアパスとして以下の例が挙げられます。

 

  • 自社内で昇進・昇格する(経営層に加わる、役員に就任する等)
  • 他社の経営企画職に転職する
  • 他社の経営層や役員、およびそれらの候補となる人材の求人に応募する
  • コンサルタントとなり、クライアントの戦略立案をサポートする立場になる

 

経営を担うポジションへの就任や条件の良い企業への転職など、さまざまなキャリアパスが期待できます。

経営企画は未経験でも応募できる?

経営企画に必須の資格や経験はありません。

しかし実際のところ、経営企画で未経験者歓迎の求人は少ないと考えられます。

 

未経験者の応募が難しい理由として、以下の2つが挙げられます。

 

  • 企業の成長やビジョン実現の可否のカギを握るポジションのため、高いスキルや仕事で活かせる経験が求められる
  • 教わる・指示されるといった場面よりも、主体的に考えて行動するべき場面が多い

 

経営企画自体の経験がない場合、「経営企画に求められる経験・キャリア」で紹介した経験を有しているのが理想です。

また、経営企画の仕事に役立つ資格があれば、経験がない・浅い場合でも評価される可能性があるでしょう。

 

未経験で応募するのであれば、アピールポイントをなるべく多く用意することが大切です。

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まとめ

経営企画は経営戦略の立案や予算策定、企業のビジョンを実現するためのさまざまな施策などを行う職種です。

企業経営の根幹を担う立場のため、幅広い知識やスキルが求められます。

 

今回は経営企画に向いている人の例として、論理的思考ができる・情報収集スキルが高い等10個の特徴を挙げました。

経営企画への転職を目指すのであれば、経営企画の適性がある旨をアピールするのが良いでしょう。

経営企画に求められる経験・キャリアや仕事で活かせる資格があると、より高評価につながります。

 

経営企画への転職を成功させるため、経営企画に求められる要素を押さえ、戦略を立てた上で転職活動を行いましょう。

Profile レックスアドバイザーズ

公認会計士・税理士等の有資格者をはじめとする会計人材専門特化した人材紹介会社。
■公認会計士・税理士・経理の転職サイトREX
https://www.career-adv.jp/
■株式会社レックスアドバイザーズ
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