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法務部の主な仕事内容とは?きついって本当?就く方法や必要なスキルを解説

更新日:2025.01.24

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法務部の主な仕事内容とは?きついって本当?就く方法や必要なスキルを解説

法務部は、会社において法律を取り扱う部門であり、専門的な業務がきついと聞く場合もあるかもしれません。

一方で、法務部の仕事内容は法律を学習した経験のある人にとって、やりがいを感じられる業務が多いのも事実です。

どのような方法をとれば法務部で働けるのかを仕事内容から理解して、実際に働いていく際のキャリアプランを決めて行動していきましょう。

 

今回は、法務部の主な仕事内容や就職方法、必要なスキルについて詳しく解説していきます。

法務部の仕事内容とは?

法務部は、法律に関する仕事を多種多様に行っていますが、仕事内容を把握している人は少ないかもしれません。

どのような業務を日々遂行しているのか、1つ1つ理解していくと法務部という職種を理解していけるようになります。

1,法律相談

会社が経営を行っていくには、多くの人間が携わっていくので日々法的な問題が生じてきます。

法務部は、法律に関する専門的な部門であり法的観点から見解を求められることが少なくありません。

社内における法律相談には、契約に基づく労務や人事、問題となる従業員の勤務態度や勤務状況などがあります。

法的な問題は、社内のみならず経営に関する権利侵害や誹謗中傷、クレーム対応に至るまで多様に存在しているのです。

法的視点でどのように対応していくべきなのか、従業員や役員からの相談を受けて適時適切に対処していくことが求められています。

2,契約法務

契約は、法律の視点から確認していかなければならず法的な問題が生じないよう、事前に対応していく予防法務が契約法務です。

手書きの書面による契約だけではなく、昨今ではスムーズに契約できるように電子契約も普及しています。

会社が日々事業を遂行する過程において、契約は多様な場面で行っていかなければなりません。

商品の売買、従業員の雇用、物件の賃貸借、業務の委任、秘密保持、ライセンス保証などの契約が必要です。

契約書の内容に、不備や不利な状況がないか法務部による法的な視点でリーガルチェックを行います。

ひな形をそのまま利用するのではなく、曖昧な表現による解釈の不一致を出来る限り排除していくのが理想です。

曖昧な表現があると、契約後の条件に不備があったとして問題に発展してしまう可能性があります。

契約を円滑に行うだけではなく、トラブルを未然に防いでいくのが契約法務の重要な役割です。

3,機関法務(ガバナンス)

基本的重要事項の意思決定や、業務執行に関する意思決定は取締役や株主総会が役割を担っています。

会社法に基づいて機関の意思決定、業務執行を適法に行っていく必要がある為、機関法務には法律の知識が必要であり法務部が担当する場合も多いです。

コーポレートガバナンスの体制を強化していくため、事業活動に関わる法令等の遵守が求められています。

機関法務は、法令遵守等の予防法務としての側面だけではなく、戦略法務にも渡る位置づけです。

4,紛争(訴訟)対応

法務部では、社内外に関わらずトラブルが発生した際に紛争に対応していかなければなりません。

紛争は、早期に発見して交渉などで対応していけば、深刻化するのを防いでいけます。

事前に防いでいければ、紛争がこじれていくのを避けられるので、仕組みをつくっていくのも大切な業務です。

ですが、深刻になっていけば訴訟に発展してしまう場合も少なくないので、訴訟の対応も法務部が行います。

法務部のみで業務を行うだけではなく、弁護士事務所と連携して業務を遂行する場合もあり、適宜適切なコミュニケーションをしていかなければなりません。

5,コンプライアンス

コンプライアンス違反が発生してしまうと、職場環境が崩れてしまい生産性に影響を及ぼしていきます。

社員教育を通じて、守秘義務を徹底するなどコンプライアンス違反を防いでいく役割も法務部の業務です。

社内におけるルールとして社内規定を定め、違反している従業員を通報する仕組みづくりをするのもコンプライアンスには重要になってきます。

社内規定は、状況に応じて相対的に改訂していくことで、より実践的な規定として機能するので有益です。

6,法令調査

法令は、社会的な状況に応じて変化していく為、自社にどのように関係してくるのか把握していかなければなりません。

法務部では、常にアンテナを張り法令の改正に対応していく必要があり、状況によっては従業員に周知することが求められてきます。

いち早く対応していくには、国内外問わず日頃より自社の状況に応じて法令を学び続けるのが肝心です。

7,労務・労働問題

従業員を雇用している場合には、労働基準法などの関連法令に基づき、適法に取り扱わなければなりません。

法務部では、雇用関係が法律に従って適正に行われているかリーガルチェックを行う役割があります。

従業員の残業代未払いなどの問題について、不満を抱えて問題が拡大化していかないように迅速な対応が求められているのです。

会社と従業員との関係においては、法令に遵守していないことによる問題だけではありません。

法的な問題は、従業員のロイヤルティを失うだけではなくモチベーションに影響を与えて生産性の低下に繋がりかねないからです。

また、昨今では会社においてセクハラ・パワハラ・モラハラなど多様なハラスメントが横行しています。

ハラスメントは、訴訟問題や従業員の退社を引き起こす危険があるため、適切に対処していかなければなりません。

1人で悩んでしまわないように、気軽に相談できる窓口を設置して個々の問題に随時対応していく必要があります。

8,知的財産権

知的財産権は、創作者の権利を守るためにありますが、侵害される危険もあるため対処が求められます。

自社の知的財産権を侵害されてしまった場合、中長期的に大きな機会損失をもたらす為、迅速に対応していかなければなりません。

逆に、知的財産権の侵害として訴訟を起こされた場合、闇雲な対応で多額の損害賠償金の支払いが生じてしまう可能性もあるので注意が必要です。

知的財産権に関する知識がなければ、従業員が他社の権利を侵害してしまう可能性もあるので、研修などを開き知識を周知していくのも大切です。

知的財産権には、特許権・商標権・意匠権・著作権など種類は多いですが、それぞれ専門性の高い内容と言えます。

法務部において、法律に関する知識を活用して対応したり、外部の弁護士と連携していくことが会社の命運を分ける場合も多いです。

また、知的財産権の登録には手続きが必要であり専門家である弁理士に相談や助言、コンサルティングを受けながら遂行していくこともあります。

弁理士に依頼する場合、法務部が協力しながら手続きを遂行して、適法に登録していかなければなりません。

知的財産権については、自社の権利を守り他社の権利を侵害しないように行動していくのが重要です。

9,債権回収・債権管理

商品の販売を行ったとしても、債権の回収ができなくては運転資本の確保が難しくなってきます。

基本的には、販売を行った部署において債権を回収しますが、法的な知識が必要な場合には法務部がアドバイスを行わなければなりません。

管轄している部署で、回収できれば問題ないですが支払期限が近づいて回収に疑念が生じてくると法務部が対応する場合も多いです。

法務部は、回収が難しくなっている債権について法的な知識を活用して、適法に回収を図っていく役割を担っているのです。

会社で債権を適切に管理して、支払期限が過ぎた債権については速やかに支払って貰えるように対応しなければなりません。

時効期間が定められているので、時効時期が近づいている場合には回収できなくならないように、事前に延長手続きなどを行っていきます。

支払いがされない債権については、債務者と交渉を行っていく必要があり、交渉が決裂した場合には法的な手続きにより請求していくのが大切です。

弁護士と連携を行いながら、差し押さえなどの強制執行を法律に遵守して実行していく必要があります。

10,その他、法律に関連する業務

法務部の仕事は、決められた業務だけではなく法律に関連する業務全般が法務部の仕事とされています。

各部署で、対処しきれなくなった法的な問題について相談される場合も多いので、柔軟に対応していかなければなりません。

経営を行うにあたって、発生する法的なリスクをできる限り早期に発見し、事前に排除していくことで、実際に起こりうる損害を最小限に抑えていくことが求められています。

企業法務では、会社法・税法・金融商品取引法だけではなく、独占禁止法や個人情報保護法など幅広く知識を獲得しておくと柔軟に対応できるようになります。

一方で、法務部においてもすべての法律について事細かに詳しくなる必要はなく、実務においてよく利用する知識を獲得していくのが賢明です。

また、遭遇したことのない法的な問題が生じてしまう場合も多いので、日頃から業務を通じて知見を得ていくのが大切になってきます。

法務部のみで対応するのは難しいと判断する場合には、外部の弁護士と連携を図っていかなければなりません。

状況に応じて、法的な問題が生じている各部署の人とも適宜コミュニケーションを取っていくのが重要です。

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法務部の仕事に求められるスキル

法務部では、法律知識を活用した多様な業務があり、求められているスキルも専門的な内容が多いです。

事前に把握していれば、日頃よりスキルを獲得していけるので法務部が必要としている人材になっていけるようになります。

法令の継続的な学習

法務部員は、会社において法律を取り扱う部署であり法令の学習をしていかなければなりません。

実務でよく使う法令について学び、得た知識を業務に活用していくことが求められています。

法令知識を獲得したとしても、社会的な環境に応じて改正される場合もあるので、改正前と比較して変更内容を学んでいくのが必須です。

法令の学習は終わりがなく、法律知識を活用して業務を行っている限り、学習を継続していかなければなりません。

能動的な行動

法務部で取り扱う内容は、専門性が高く人に支持を受けてから行動するだけでは、最適な意思決定ができない場合も多いです。

多忙な状況では、人に教えてもらえるとも限らないので、自己解決が求められる場合もあります。

法的な理解がわからない内容に遭遇した際に、裁判例の調査を行って調書にするなど能動的に行動していくことが大切です。

能動的に行動していくのに必須となる、文書作成能力や調査力も合わせて獲得しておくと有益なスキルと言えます。

コミュニケーション能力

法務部では、経営者や各部署において法的な対処が必要と判断した場合に、相談を受けます。

法的な対処をしていく場合、経営者や各部署の人材、外部の弁護士と連携を取って問題解決に向けて活動していかなければなりません。

自らの意見を押し付けるのではなく、人の話をよく聞いて冷静に判断していく能力も必要と言えます。

能動的に行動したとしても、最終的な判断は協力しながら行うので、協調性を持って話せるのは法務部で求められるスキルのひとつです。

洞察力

法的な問題は、顕在化した時には既に大きな問題になっている場合が多く、早い対処が求められます。

常に、物事を冷静に分析して潜在的に法的な問題がないか洞察できると、リスクを少なく解決できるので大切なスキルです。

訴訟などの紛争に発展すると、解決に時間を多く取られてしまうので、先見していけると有益と言えます。

洞察力を身につけるためには、近視眼的にならないように注意しながら、俯瞰して物事を捉えていかなければなりません。

法務部はきついって本当?

法務部は、きついと言われる場合もありますが会社の状況や法務部の体制によって異なってきます。

仕事量に対して、対応できる人員の割合により1人が行う仕事量が決まってくるので、一概には言えないのが実情です。

訴訟やリーガルチェックが増えていたり、海外企業との契約に語学力や海外の法令理解が必要になったりすると多忙になりやすくなります。

休日出勤や残業が増えてくると、給料が支払われない法的問題が法務部においても生じてくるかもしれません。

激務になってきて給料が支払われないと、ライフワークバランスが崩れてきて、きついと感じるでしょう。

法務部の業務は、残業が少なく給与が適切に支払われていても、法令知識を必要とした専門性によってきつく感じることがあるかもしれません。

一方で、会社の命運を分ける場合もある重要な業務が多く、やりがいを感じられる仕事が多いです。

実践的な知識を日々の業務を通じて獲得していければ、多様な仕事にチャレンジしていけるようになります。

専門知識を活用した業務を行った実務経験は、転職の際にも武器になるのでキャリアアップの機会にも恵まれてくるので有益です。

実務経験を身につけておけば、一度仕事から離れても再度復帰する際に自分の強みになります。

弁護士や司法書士の資格取得を目指して、独立を目指す際にも実務で行った法律の学習方法が活用できるので法務での実務経験は重要です。

法務部や法務関連の仕事に就く方法

法務部や法務関連の仕事は、法律の知識を活用していかなければならないので、実務経験がないと採用されるのが難しくなります。

法務の仕事に就きたい場合、どのような方法があるのか事前に把握して、行動していくことが大切です。

法学部で学び就職

大学や大学院において法律に関する知識を獲得して、企業の採用試験を受けることで法務部に配属されるのを目指します。

法務は、中小企業では外部の弁護士事務所などに依頼するので、そもそも法務部がない場合も多いです。

法務部で働きたい場合、法務部のある比較的大規模な企業を目指していかなければなりません。

ですが、大規模な企業は法務部で働くことを希望していても、他の部署に配属される可能性もあるので注意が必要と言えます。

法務部に活用できる資格を取得

法務部では、専門知識を活用して業務を行っていくので法律の知見を有していないと有意義に業務を行うことができません。

法務部に活用できる関連資格を取得することで、専門知識を有している証明ができるようになります。

他の部署で働いていても、弁護士や司法書士などの専門資格を取得したことで、法務部に異動になるかもしれません。

正しい知識を身につける場合や法務部への配属を目指すのに資格は大切ですが、実際に働いていくためには、知識の活用が重要になります。

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まとめ

今回は、法務部の主な仕事内容や就職方法、必要なスキルについて解説してきましたがいかがだったでしょうか。

 

法務部では、会社における法律を取り扱う部署として多様な仕事があり、業務を覚えるのが大変かもしれません。

就職するのに、法律知識や必要なスキルがあると有利になるので、日々獲得していく必要があります。

難しい仕事のように感じますが、実務経験を積んでいけば専門性を身につけられるので有益です。

会社で発生した法的な問題を解決に導き、発生しないように予防するのが法務部の重要な業務と言えます。

誰でもできる仕事ではなく、会社を持続的に発展させるため従業員や会社自体を法的に守っていかなければなりません。

法律を活用してキャリアを形成したい人にとって、やりがいを感じられる業務であり、働くためにどうしたら良いのか日々考えながら行動していくことが重要です。

 

Profile レックスアドバイザーズ

公認会計士・税理士等の有資格者をはじめとする会計人材専門特化した人材紹介会社。
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