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公認会計士から税理士になるには?登録方法・費用・必要書類を徹底解説

更新日:2025.04.11

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公認会計士から税理士になるには?登録方法・費用・必要書類を徹底解説

公認会計士は税理士試験に合格しなくても所定の手続きを踏めば「公認会計士から税理士」へとスムーズに転身できます。

今回は公認会計士が税理士登録するためのプロセスや必要書類、公認会計士資格をもつ人が税理士として働くメリットなどを詳しく解説します。

公認会計士から税理士への転職は可能か?

結論として、公認会計士から税理士への転職は可能です。

公認会計士資格をもつ人は税理士試験を受けることなく、所定の手続きを行えば税理士として働けます。

税理士登録を済ませた上で、監査法人から税理士法人へ転職する公認会計士も多くみられます。

公認会計士が税理士になるための条件と方法

公認会計士が税理士になるためには税理士登録が必要です。

税理士登録が完了し税理士証書や税理士バッジの交付を受けてから税理士として働けるようになります。

 

なお、公認会計士試験に合格したのが平成29年4月1日以後の場合、実務補習団体等が実施する、税法に関する研修を受ける必要があります。

かつては公認会計士試験なら誰でも税理士登録が可能でしたが、平成26年の税理士法改正によって税法に関する研修が必要となりました。

参考:日本税理士会連合会「公認会計士への税理士資格付与に係る国税審議会による税法研修の指定について(会長コメント)

監査法人から税理士法人への転職が多い理由とは?

監査法人から税理士法人への転職が多い理由として、以下の3つが考えられます。

 

  • 理由1:会計知識が共通している
    監査と税務は分野こそ違いますが、どちらも会計が基盤となっているため、監査法人出身者は税理士業務にも適応しやすいです。
  • 理由2:税務の専門知識を深めたい
    監査法人での経験を活かしつつ、より実務的な税務知識を習得できる点に魅力を感じる人が多いです。
  • 理由3:税理士法人での需要が高まっている
    税務の高度化・複雑化により、公認会計士の知識やスキルを求める税理士法人が増えています。

 

監査法人出身の公認会計士は、税理士として働くことへの意欲が高い傾向にある上、税理士法人からのニーズもあります。

以上の理由から、監査法人から税理士法人へ転職する公認会計士が多いといえるでしょう。

 

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公認会計士の税理士登録方法とは?

公認会計士が税理士登録をするまでの流れは、公認会計士試験に合格したのが平成29年4月1日より前か否かで異なります。

平成29年4月1日より前の場合は「公認会計士が税理士になるための条件と方法」で紹介したように、税法に関する研修を受ける必要があります。

税理士登録の流れと必要なステップ

公認会計士が税理士登録をするまでの流れは大きく5つの工程に分けられます。

 

  1. 税法に関する研修の修了(税務の考査で基準点以上の得点取得も必要)
  2. 登録申請書および添付書類を税理士会に提出
  3. 税理士会における調査(面接調査を含む)
  4. 日税連における調査・審査
  5. 登録通知が届いた後、税理士証票交付式で税理士証書や税理士バッジを受け取る

 

公認会計士試験に合格したのが平成29年4月1日より前の場合は、1の税法に関する研修の工程は不要です。

税理士登録の面接とその内容

税理士登録の申請をすると税理士会の登録調査員による調査が行われます。

調査の内容は複数ありますが、そのうちの1つが面接調査です。

面接で質問される内容として以下の例が挙げられます。

 

  • 税理士登録の申請に至った動機
  • 過去の業務経験や職歴
  • 税理士としてどのような仕事をしていきたいか

 

なお面接調査を含む調査の終了後、調査結果を踏まえて税理士会の登録調査委員会でさらに調査が行われます。

その後さらに日税連における調査が行われた上で、登録審査会で登録の適否が決定される仕組みです。

公認会計士が税理士登録に必要な書類とは?

税理士登録の申請時に必要な書類は、すべてのケースで必須の書類と、希望する働き方によっては必要となる書類に分けられます。

この章では公認会計士が税理士登録を行うために必要となる書類についてケース別に解説します。

税理士登録に必須の書類

税理士登録をする際にすべてのケースで必要となる書類は以下の12点です。

 

  • 税理士登録申請書
  • 登録免許税領収証書(6万円)
  • 登録手数料(5万円)
  • 写真3枚
  • 本籍地の記載がある住民票の写し
    ※世帯全員のもの、個人番号の記載はなし
  • 身分証明書
  • 税理士となる資格を証明する書類
    ※公認会計士の場合は登録証明書の原本
  • 履歴書
  • 誓約書
  • 税理士会会長宛の誓約書
  • 直近2年分の確定申告書のコピー
    ※確定申告をしていない場合は住民税の課税証明書もしくは非課税証明書
  • 税理士会が配布する日税連所定のはがき

 

書類の様式や各種手数料の納付方法については、日本税理士会連合会の案内をご確認ください。

 

開業税理士・税理士法人設立時に必要な書類と手続き

税理士として独立開業する場合や、税理士法人を設立する場合には、税理士事務所(税理士法人)の設置に関する書類が必要です。

該当する書類として以下の例が挙げられます。

 

  • 建物の登記事項証明書
  • 税理士事務所設置同意書
  • 賃貸借契約書のコピー

 

これらの書類は、事務所の設置場所が実態を伴うかを確認する目的で使用されます。

どの書類が必要になるかはケースによって異なるため、日税連の案内をご確認ください。

税理士事務所・法人に所属する際の必要書類と手続き

既存の税理士事務所や税理士法人に所属する場合には「社員税理士・所属税理士同意書」が必要です。

所属先となる税理士法人の代表者または開業税理士が、申請者を社員もしくは所属税理士とすることに同意している旨を証明する書類となります。

 

なお社員税理士(税理士法人の共同経営者)になる場合は、「税理士法人の社員資格証明申請書」の提出も必要です。

名前の通り「税理士法人の社員資格証明書」の発行を申請するために必要となります。

税理士法人の社員資格証明書は法務局へ社員税理士として登記申請を行う際に提出が必要です。

税理士法人への転職後の業務内容と特徴とは?

監査法人と税理士法人はどちらも会計・税務を扱いますが、業務内容には大きな違いがあります。

税理士法人の業務内容の例は以下の通りです。

 

  • 税務申告・納税・節税などの税務相談
  • 税務申告書の提出や税務調査の立ち合い等の税務代行
  • 各種税務書類の作成
  • 記帳代行
  • 経営コンサルティング
  • 資金調達のサポート
  • その他会計・経理・税務に関する業務全般

 

監査法人と税理士法人を比べると、以下のような特徴がみられます。

 

監査法人

税理士法人

クライアント

上場企業や大会社など規模の大きい企業

中小企業、個人事業主、事業主でない個人

繁忙期

4~5月

※日本の企業は3月決算が多く、4~5月頃に財務諸表が完成し監査できる状態になるケースが多いため

12月~翌年3月

※12月は年末調整、1月~3月は個人所得税の確定申告のため業務量が多くなる

働き方の傾向

公認会計士によるチームで働くことが多い

税理士、税理士補佐、一般スタッフが連携して働くことが多い。複数人の税理士が1つの案件に取り組むケースは少ない

公認会計士から税理士に転職する方法とその強み

公認会計士は税理士試験を受けなくても税理士登録が可能ですが、税理士への転職がスムーズにいくとは限りません。

公認会計士から税理士に転職する際には、公認会計士ならではの強みのアピールが大切です。

この章では公認会計士から税理士に転職する方法や、公認会計士がもつ強みについて解説します。

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公認会計士の業務スキルを税理士業務で活かす方法

公認会計士ならではの強みの1つが、会計に関する高度な知識および実務経験です。

監査法人と税理士法人では業務内容が異なるものの、どちらも会計という同じ枠組みのため似ている部分も多く存在します。

そのため税理士法人での勤務経験がゼロの状態からでも、慣れるまでにかかる時間は比較的短く済むでしょう。

 

転職後の業務を税務関連に限定せず、会計・税務分野両方の専門的なサービスも提供するという方法もあります。

監査法人での経験を活かせるのはもちろん、他の税理士との差別化にもつながります。

公認会計士の税務習得が速い理由とそのメリット

前述のように監査法人での業務経験がある公認会計士は、税理士法人の未経験スタートでも、比較的早く慣れることができると考えられます。

監査と税務の業務内容は異なりますが枠組みとしては同じであり、親和性が高いためです。

 

実務に慣れるという意味だけでなく、税務に関する専門知識の習得も速い傾向にあります。

税務習得が速ければ、それだけ新しい業務や難易度の高い業務をこなせるようになるまでの時間も短縮できます。

税務未経験者であっても、転職後すぐに即戦力になれる可能性が高いでしょう。

税理士法人に転職後のキャリアパスと成長の可能性

監査法人から税理士法人に転職して、そこでキャリアが終わるわけではありません。

納得のいくキャリアを実現するためには、常に先のキャリアプランについて考えるのが理想です。

そのため本格的な転職活動を始める前に、税理士法人へ転職した後のキャリアについても考えるのが良いでしょう。

 

公認会計士が税理士法人へ転職した後のキャリアとして、以下の例が挙げられます。

 

  • 転職先の税理士法人で実績を積み、昇進・昇格を実現する
  • FASや会計・経営系のコンサルティングファームに転職する
  • 独立開業し、自身で会計事務所を立ち上げる

 

自分に合うキャリアプランを考えるには、入念な自己分析を行う必要があります。

1人ではどうしても主観のみで考えが偏ってしまいやすいため、転職エージェントをはじめとした第三者に相談するのも1つの手段です。

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まとめ

公認会計士から税理士へ転職するためには税理士登録が必要です。

税理士登録ではさまざまな書類が必要な上に面接調査も行われるため、登録手続きについて事前にしっかり把握する必要があります。

 

また、監査法人から税理士法人への転職を成功させるためには、税理士法人に対する理解を深めることも大切です。

 

公認会計士から税理士への転職を検討している人は、ぜひ今回紹介した内容を参考にしてください。

Profile レックスアドバイザーズ

公認会計士・税理士等の有資格者をはじめとする会計人材専門特化した人材紹介会社。
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