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監査法人に未経験でも転職できる?規模から見る公認会計士の転職

更新日:2023.11.16

会計士の転職お役立ち情報

ビジネスマン

監査法人は、未経験でも転職できるのでしょうか。

公認会計士の多くは監査法人からキャリアをスタートさせます。

 

会計のプロフェッショナル集団である監査法人。

未経験でも転職可能なのかどうか、監査法人の規模などから見ていきましょう。

 

 

1.監査法人への転職事情は?

まずは、監査法人について解説します。

 

監査法人とは公認会計士法に基づいて、公認会計士が5人以上集まって設立された法人のことです。

主に大手企業や上場企業などのクライアントの依頼に応じて、財務書類の監査業務または監査証明を行うことを主たる業務(法定業務)としています。

 

国内の監査法人は、採用している公認会計士の数に応じてBig4と呼ばれる外資系の最大手監査法人から、中堅規模の監査法人まで様々です。

 

一般的に大手の監査法人の求人ハードルは高く、たとえば20代から30代の採用が中心となること、原則として公認会計士の論文試験合格者、あるいは有資格者であることとされています。

外資系クライアントがあるため相当の英語力が必要とされる場合もあります。

 

業務範囲は大手と中堅規模で異なる場合があります。

大手では大企業をクライアントとするため数名から十数名のチームで対応することになります。

ここの担当者は個別項目を深く掘り下げて理解し課題を抽出することに専念します。

 

 

中堅規模の監査法人では、大手の監査法人と異なり、チームの人数は少なくなることから、個々の担当者が幅広く業務を請け負うことになります。

監査法人の業務区分を知ろう

監査法人の業務は、監査業務と非監査業務に区分されます

監査は主たる業務であり、監査は会計監査、システム監査などクライアントの目的に応じて複数の公認会計士およびその補助者がチームを組んで対応します。

非監査業務に区分されるアドバイザリー業務は

 

  • コーポレートガバナンス
  • 内部統制の構築
  • システム構築
  • 上場準備に関するコンサルティング

 

などがあります。

 

なお、アドバイザリー業務が監査業務と抵触しないよう、中立性の維持が求められています。

たとえば監査法人がクライアントの財務諸表の作成を直接手伝うことはできません。

監査法人の採用動向

近年、監査法人は積極的に採用を行っています。

この背景には、上場企業で四半期決算の開示がある(レビュー業務)、内部統制(J-SOX)の拡充、IPO(新規公開)件数の増加などがあり、対応する人員が不足しがちなためです。

 

監査法人の採用は定期採用、不定期採用が混在しています。

 

転職サイトを確認すると大手Big4監査法人では公認会計士、会計士補助者、コンサルティング向けの専門的な経験を保有する方にむけて常時採用活動を続けています。

これが不定期採用にあたります。

 

定期採用は、主に公認会計士の論文試験合格者を一斉に採用するもので、合格発表にあわせて各法人が説明会や選考会を実施して決定し、1~3月に一斉に入社します。

2.監査法人へ転職するには

公認会計士の資格があることが前提

監査法人の主業務である法定監査業務は、公認会計士法にもとづく独占業務です。

その業務の都合上、公認会計士の有資格者あるいは公認会計士の論文試験合格者が積極的に採用されます。

 

一般企業で公認会計士の資格を取得したという人もいるかもしれません。

監査法人へ転職を目指す場合は会計業務の未経験者に比べて実務経験がある点で採用が有利になる可能性があります。

 

ただし、監査業務は未経験で、他の候補者と比べて年齢面でもハンデがある場合、書類選考の通過が難しくなることが考えられます。

公認会計士の資格がなくても転職が可能な場合

監査法人にはアドバイザリー業務のように、公認会計士資格がなくても可能な業務があります。

高度な専門領域(M&A、企業統合、買収など)の実務経験が求められる傾向です。

 

公認会計士やUSCPA(米国公認会計士)の資格がなくても転職が可能になる時もありますが、採用後に一定期間の間でこれらの資格を取得することが要求されます。

監査法人のハードな業務環境で試験勉強を継続することは易しくありませんので留意が必要です。

監査法人の位置づけを知ろう

最大手の監査法人(EY新日本有限責任監査法人、有限責任監査法人トーマツ、有限責任あずさ監査法人、PwCあらた有限責任監査法人)は、全て世界的な会計ネットワークと提携しています。

監査法人の中でも「最大手(Big4)」と呼ばれ、事務所の公認会計士職員は数百人単位規模で所属しています。

 

「公認会計士・監査委員会」は、大手監査法人の定義を「上場企業の担当100社以上・常勤監査実施者1000名以上」としており、これらに合致する規模の監査法人です。

国内の最大手企業、外資系の世界的な企業で日本に進出している子会社、個別の案件を取り扱います。

クライアントから支払われる監査報酬は高額になり、その扱う業務の難易度も高いです。

優秀な公認会計士を欲していることは間違いないでしょう。

中堅~中小規模の監査法人では、大手の監査法人が対応する大手上場企業とは異なり、より規模の小さな企業の監査業務を対応しています。

もちろん上場企業の金商法監査も多いですが、会社法監査、上場準備のための非上場企業の任意監査、上場企業の子会社に対する任意監査などの割合も多くなります。

 

中堅~中小規模の監査法人は大手の監査法人のようにほぼ常時採用活動を実施していません。

欠員補充など必要に応じて採用しているのが実情です。

 

この規模の監査法人では長年働いているベテラン、他の監査法人で経験を積んだ人が転職しているなど、様々なバックグラウンドを持つ人達で組織が構成されていることが多いです。

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3.監査法人へ転職後のキャリアプランは?

最大手の監査法人の場合

最大手Big4の監査法人や大手監査法人に転職した公認会計士は、監査法人のネームバリューが経歴として含まれることで、一般企業でも他の監査法人でも注目されるようになります。

この規模の監査法人で働くメリットは、高度な案件に対応できること、年収水準が比較的高いことが挙げられます。

 

誰もが知る日本を代表する企業との関わり合いや、業界で世界最大手の外資系企業の日本法人に携わる機会を得ることで、グローバルな視野で業務を対応しより大きな活躍の場を期待することができるでしょう。

監査法人内部で無事に昇進昇格を繰り返すことでパートナーにたどり着けば、魅力的な年収を手にする可能性が高いです。

 

大手の監査法人で働くデメリットは、クライアントの案件を多人数のチームで分担して監査するゆえに、特定分野に対しての業務の掘り下げになる傾向があります。

ジョブローテーションがあれば幅広く業務に対応することができるようになりますが、マネージャーやさらに上の立場にならないと案件全体像が把握しにくく、クライアントの責任者(CFOなど)との接点はほとんどありません。

中小規模の監査法人の場合

中小監査法人では、非常に複雑なビジネスモデルを持つクライアントは多くなく、監査業務が効率的に進められる場合があることから、大手監査法人と比べて業務量が少なくて済む傾向があります。

他のチームメンバーとの業務按分なども組織的に対応することができるため、女性の公認会計士が結婚や出産などで一時的に離職する場合でも、復職が難しくないことが多いです。

業務担当としてのメリットは、監査チームが比較的少人数であるため、様々な監査スキルを経験することが可能です。早い段階から裁量を与えられることでチームの責任者やマネージャーに昇格することを期待できるでしょう。

 

また、中小監査法人である程度経験を積んだ後に、大手監査法人に転職する人もいます。

大手監査法人では実務経験を持つ優秀な公認会計士をいつでも募集していますので、監査法人から監査法人へのキャリアアップにつながる可能性もあります。

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まとめ

監査法人への転職には、公認会計士試験に合格していることが基本になります。

そのうえで、自分が求める業務の幅や内容、業務量に見合った年収レンジを総合的に鑑みて、どの規模の監査法人へ転職すべきか検討することになります。

 

一般企業から最大手の監査法人へ転職する場合は、会計や実務経験のほかに、組織のマネジメント経験やM&Aの実務対応経験など、一定の経験が求められることに注意しましょう。

中堅監査法人は大規模な監査法人ほど募集要件を厳しくしていません。

査法人に勤めてみたいという方が最初に検討すべき事業者になるでしょう。

 

その場合に職位はスタッフレベルであったとしても、年収はシニア相当になることもあります。

監査法人内での役職や地位にこだわらず、何がやりたいのか、これまでの経験に照らしてどれくらいの年収を希望するのか、改めて整理整頓しておくことが大切です。

Profile レックスアドバイザーズ

公認会計士・税理士等の有資格者をはじめとする会計人材専門特化した人材紹介会社。
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