転職お役立ち情報
公認会計士として転職しても「失敗した!」と感じるときがあるかもしれません。
こう考えてしまうのはどのような背景があるのでしょうか。
公認会計士が転職を失敗したと感じる理由やリカバリーの方法などについて解説します。
公認会計士が転職に失敗する背景
公認会計士が転職に失敗したと考える場合の多くは、転職先の企業文化に合わなかったことや、期待される役割の方向性が自らの得意とする部分と合致していなかったこと、あるいは公認会計士が期待していた業務に就くことができなかった等が挙げられます。
誰でも、慣れ親しんだ現職から転職することに不安はあります。
新たに人間関係を築き、周りの信頼を勝ち取りながら、仕事の成果を出し続けていくことは、考えているよりも大変なことです。
転職先で企業の文化や組織に最初からうまくなじむことができることの方が珍しいかもしれません。
人間関係に何らかのギャップを感じ、期待される役割に着手することができないなど、不満が募ることもしばしばです。
転職先の企業文化に合わない場合
企業文化は、企業ごとに醸成された組織の動き方であり、その企業が属する業種の特殊性等、 様々な要因が背景にあります。
組織単位で見れば、直属の上長の考え方、チームメンバーの働き方等の 総意であり、特に経歴が長い企業では顕著に見られる傾向にあります。
例えば尊敬する経営者の大企業で、魅力的な新規事業部門に転職したとしても、その新規部門をまとめる事業部門長が他の企業から転職してきた方のため、転職した企業の文化とギャップが発生することがあります。
あるいは、その新規事業部門のために、他の部門から異動してきたスタッフ等が、その企業に勤める経験が長いことで、そのスタッフの動向に左右されることもあります。
このような場合、転職先でチームをまとめていくことに困難がつきまとい、パフォーマンスを挙げることができない苦しさを経験するかもしれません。
期待される役割と実際の業務が大きく異なっている場合
監査法人やコンサルティングファームでは、業種柄その専門性が高いことから、ほぼ誰もがお互いの考え方を理解しやすい環境にあります。
しかし、一般企業では、公認会計士の専門性あるいは経験を活かすための土壌が整っていないことが多いです。
その環境にうまく適合させていくことは易しくありません。
例えば、マーケティング部門を重要視する企業では、新規顧客の獲得に高い興味があることから、様々な最新のマーケティングツールを駆使する傾向があります。
そのためコスト効率が不透明になることも起きます。
公認会計士が財務部門で、企業全体の視点からコスト管理を徹底することを役割として期待される場合には、マーケティングの世界で効率性を表す指標が、企業経営の観点からどのような成果をもたらしているのかを理解しなければなりません。
また、一定のマーケティングコストをかけて、新規顧客を目的通りに獲得できたとしても、それら顧客が企業収益に結びつくには、顧客のロイヤリティを獲得するための別の投資が必要です。
どれくらいのコストをかければ満足するのかは、マーケティング部門の説明次第ということもあります。
首尾一貫したコスト効率を検討する場合、新規顧客の獲得と、既存顧客の収益化にどれだけの手間暇がかかっているかを見極めることは非常に難しく、販売部門等も関わるため、企業全体として挑まなければなりません。
そのため、経営者の強いリーダーシップ無しに、財務部門を主体としてコスト効率を検討するような状況下では、多くの場合、期待されるコスト効率を達成することが非常に難しく、成果を挙げることができない状況に直面し続けることになります。
自分自身が求めるゴールと現況に大きなギャップがある
公認会計士はその専門性の高さから、会計や財務のみならず、企業経営に関与することがありますが。
実際には現場の課題解決や日々の雑務に忙殺されることのほうが多いかもしれません。
プロジェクト単位での意思決定から、企業の経営に影響を及ぼす事業の意思決定を適切に実行するためには、そのための環境が用意されている必要があります。
有用な意思決定をするには、周到な準備が必要です。
一方で、公認会計士としての専門性を活かすことができず、基本的な業務に追われる日々が続くことで、自分自身が満足できるパフォーマンスを出すことができないと感じることがあります。
また日々の業務の積み重ねで一歩一歩成果を出し続けていても、その個々の成果が所属する部門内で留まっていることがあります。
部門内で一定の評価を受けたとしても、その評価が一般職員と同程度であるため、そこから先にある責任者への昇格や、より高いポジションへの挑戦までに、非常に長い道のりになっているかもしれません。
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公認会計士が転職先に期待される役割は
公認会計士は会計に関する専門家ですので、経理・財務部門に所属して、チームマネジメントや部門の責任者としてその責務を果たしていくことが期待されています。
経営者や事業部門長に、 予算実績の状況、将来の見通し等を数字面から説明して、経営リソースの再配分という重要な意思決定を支援することも大切な役割です。
一般企業においては、公認会計社はマネジャーあるいはシニアマネジャーのポジションで転職する機会が多くなります。
そこで経験を積んでからより高いポジションになること、例えば管理部門の責任者、中堅規模の企業であればCFO候補になることが想定されるでしょう。
公認会計士がコンサルティングファームでM&Aや企業再生等のファイナンシャル・アドバイザリー(FAS)として勤める場合は、公認会計士としての専門性・経験をより高く評価されるとともに、各プロジェクトをまとめるための利害関係者との調整力も望まれます。
公認会計士が転職に失敗した後のリカバリーは
公認会計士は会計、財務および税務の専門家として、一般企業から監査法人、会計系コンサルティングファーム等、様々な業種で高い需要があります。
転職先で思ったように働くことができない等、転職が失敗したと考えるようになったら、まずは現職で、次の転職に向けて何ができるかを考えましょう。
できる限り経験を積んでから転職活動をする方が、より選考が有利になる可能性が高まるためです。
公認会計士として魅力的な人材になる努力を
公認会計士としての得意分野である会計の知識やスキルを、企業の経理部門でおおいに発揮しながら、マネジメント能力を磨いていくことが大切でしょう。
また、どのような組織であってもチームメンバーとの交流、他部門との調整、上司や経営陣に対する説明能力の高さは非常に重要なスキルです。
出来る限り弱点を補強しながら、強みを伸ばす努力を継続することで、現職での活躍の可能性が広がり、また、希望する転職先に就職できる確率も高まるでしょう。
できれば現職で複数年働くことを検討しよう
できれば、少なくとも2年間から3年間働いてから、転職を検討したいところです。
日系企業では転職が複数回ある方、転職してからすぐに転職を考えている方を敬遠する傾向にあるためです。
合理的な理由を説明することができれば、転職回数をあまり気にしない外資系企業に飛び込むことも一考されます。
とはいえ、能力を発揮できないまま複数年働くのはもったいないことですし、停滞していると強く感じる方も多いでしょう。
早めの転職が奏功する場合もあります。
さまざまな条件や状況を考慮して決断しましょう。
まとめ
公認会計士が「転職に失敗した」と考え始める背景には、企業文化と自分自身の考え方が合わなかった、組織に馴染めなかった等、根本的な問題に起因している場合があります。
しかし、ビジネスの方向性が自分自身の考え方に近かったり、企業の将来性を感じていたり、ビジネスそのものに興味がある場合には、転職してから数年間の困難な時期を乗り越える努力を続けてみましょう。
それが出来れば、大変な時期であるにも関わらず努力を続けたことを組織側からも認められるかもしれません。
より多くの成果を出す機会に恵まれるようになる可能性があります。
早期に再転職するにしても、とどまるにしても、検討が必要です。
ときには会計士の先輩や監査法人時代の同期、転職エージェントなどに相談してみてください。
ひとりで考えるよりも多くの情報収集ができますし、決断の材料が増えます。
Profile レックスアドバイザーズ
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