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経理志望者の転職:動機や要因から転職成功をめざす

更新日:2021.11.10

経理の転職お役立ち情報

計算機と1万円札 経理

どのような業種・規模であっても必ず存在する部門である経理は、景気の動向に左右されず比較的安定的な職業とされています。
経理職に携わる方のバックグラウンドは、資格を持っているかどうか、どのような経験を積んできたかによって、とても多様です。
経理の未経験であれば、資格を取ってから経理職へ応募することが現実的な選択肢になるでしょう。
経理の経験がある方は、一般的な経験に基づいた転職も可能ですが、事業部の採算性改善やコスト削減の成果等、企業経営に何らかの形で関わった経験を活かすことができそうな企業を検討することで、その後のキャリアプランがより充実することを期待できるようになります。

ここでは、経理職志望の方がどのような動機や要因で転職するのかを分析していきます。

経理職の転職

経理職への転職の魅力とは何でしょうか?
まず、会社の財務状況を数字面から把握し、経営層にレポーティングすることで間接的に経営の舵取りに関わっている実感がもてることがあげられます。
あるいは、 請求書処理や入金管理、固定資産等の設備投資のように、 企業経営の血流である、お金回りを管理する部門として責任感を持って働くことをあげる方もいます。
もしくは、経理職に関する資格の多様さ、キャリアプランの組み立てやすさが自分自身のバリューアップに役立つという面もあります。

関連資格を取得して転職する

例えば、日本商工会議所の簿記検定で1級から3級が用意されている等、経理の知識をどれだけ持っているかを体系化した認知度の高い資格があるため、これらの資格を取得する目標が立てやすいことも、経理職を目指す方の動機の1つになるでしょう。
資格の勉強をすることで、あるいは経理業務の経験の中から、より高度な経理や会計の専門性を追求するようになり、上位の関連資格として、税理士や公認会計士を目指す方もいます。
このような上位の資格を保有していれば、さまざまな規模の企業への転職が可能になる自由度を手に入れることができる魅力、年収が高くなる可能性がある等、努力が実ることを期待しやすいといえるでしょう。

経理経験者が転職する動機

経理経験者が他の企業の経理職に興味を持つ場合の多くは、内的要因と外的要因に区分することができます。

内的要因による転職動機

内的要因とは、同じ組織で長い間勤めていることで知的好奇心が満たされなくなり、より高度な案件に関わりたいという欲求があります。
中小企業の経理部門(あるいは多くの場合、管理部門の中に経理機能が含まれています)において、企業の発展に伴い新しい経理環境の構築をした経験に充実感を覚え、より大きな組織・企業でその経験を活かしてみたいと考えるようなケースです。
中堅規模から大規模企業の経理部門では、経営の安定化により、経理業務もよほどのことがなければ、ほぼルーティンワークで処理できるようになっています。
将来のキャリアプランを考え、 新たな経験を積むことを希望するようになり、スキルアップ・キャリアアップをめざす転職といえます。

上位資格取得をきっかけにした転職

簿記検定の受験をきっかけに、より上位の税理士等の資格を目指すようになることで、職務の幅を広げようと考える方もいます。
多くの企業の人事評価において、経理部門では資格を持っているかどうかで高い評価を受けることはありません。
資格を利用してどのような業績を達成することができたかが大事ですので、業績を達成することができる可能性のある外部の企業へ転職を考えるようになります。
例えば税理士の資格までいかなくとも科目の合格をした場合、税務に関わる仕事ができる企業への転職を考えるでしょう。
BATICやUSCPAを取得した場合は、英語を使って会計処理をするような仕事を目指す方が多くなります。

経理組織層の厚さから逆算して転職を考える

少なくないケースですが、経理部門の中で昇進昇格が難しいと感じて他社に活路を見出す方もいます。
背景として、管理部門の中でも経理は安定している職種の1つであるため、10年、20年と同じ部門に勤める傾向があります。
ベテランがいることで、昇進タイミングが順番待ちになっているような場合があります。

このような環境は社歴の長い企業や伝統的な日本企業によく見られますので、一定の業績を上げてきたとしても、その評価は組織全体の中で薄められ、自分自身が満足の出来る評価を受け取ることができないことが多くなります。
安定した部門で長く働きたい方は引き続き同じ部門に留まりますが、自己成長を目指すことを強く希望する方は、外の企業に可能性を考えるようになります。

外的要因による転職動機

外的要因とは、経済環境・経営状況の変化により、企業の組織に変革が起こることで、経理で働く気持ちに変化が生じることです。
最も多いケースの1つとして、組織の合理化によるリストラクチャリングです。
企業経営の経営資源の再配分という観点から、 経理部門の人件費コストをより必要とする部門に割り当てることは一定の合理性がありますが、経理職から離れたくないと考えている人は、新しい部門へ慣れることを選ぶよりも、ほかの会社の経理部門を志向する場合があります。

「経理から異動」が転職の動機となるケースですが、転職せずに異動した場合のメリットについても触れておきます。
人材の再配置があることで、短期的には経理としてのキャリアが中断されることになりますが、他の部門で異なる業務を得た経験 、例えば営業管理や、事業管理等は企業の収益活動に貢献する部門での経験になります。
経理職を引き続き希望する方にとって、企業のフロントラインで働いてきた経験は、ビジネスを理解した方として重宝される可能性があります。

システムの導入による経理業務の合理化の影響

中堅規模以上の企業に見られる傾向として、これまで人の手によって処理していた請求書管理や入金処理を、システムを組み込むことで自動化することにより、経理部門の人員数・人件費を抑制しようとする動きがあります。
大手IT企業や外資系の上場企業等では、このようなシステムを高度に運用することで、これまでの経理業務をスリム化して、管理会計や内部統制を重視するケースもあります。
この場合、経理職としては日次・月次・年次の会計業務をするだけにととまらず、経理システム機能の 維持・向上あるいは、経理業務の外注先をコントロールする役割を担うことになります。
会計伝票を起票する、請求書を管理する、のような基本的な経理業務を好まず、むしろ会社全体の経理業務をシステム運用により合理化することを得意とする方にとっては、働きやすい職場になるでしょう。
このような変化は会計業務の発展でもありますので、やり方が変わったから転職という選択をするのではなく、新しい業務に慣れてノウハウを吸収し、スキルアップしたうえでの転職をするほうがおすすめです。

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経理経験者が他の職種へ転職を志望する動機

一般的に経理の経験者は、数字面に強く、高い倫理観を持って業務に遂行すると期待されています。
このことから、経理に直接あるいは間接的に関わる職種への変更として、経理職から財務職への異動、または経理職から税務関連職への異動等がよく見られています。
ただこれらのケースは一般的に社内ローテーションで実施されることが多く、転職をすることでこれらの職務に関わろうとするのは、先述した資格取得をきっかけとするケースに該当します。
他の職種にチャレンジしたいと考える場合は、経験に加えて知識(資格)を積んでおくと、転職の成功率が高まるでしょう。

経理でのスキルアップをきっかけとした転職

経理業務でどのような経験を積んできたのかによっても他の職務に対する興味が変わってくることがあります。
中小企業の経理業務の目的の多くは、月次で試算表を作成し、期日までに支払処理を確実に実行し、売掛金の回収遅延があるかどうかを入金期日毎に確認する、という経営資源の管理と経営成績のレポーティングに集中しています。
いっぽう、上場企業の経理業務はより多様な業務を担当することになります。
例えば、投資家に向けて作成する四半期毎の決算短信や報告書、年次の有価証券報告書の作成等はIRに関わる職種といえます。
あるいは、管理会計を目的に、日々の取引状況をシステムで把握して、日次単位あるいは週次単位で経営状況を報告するためのレポーティングを担当することもあります。
すべての企業ではありませんが、M&Aや事業再編等、会社の経営にとって重要な影響を及ぼす案件にプロジェクトとして関わることもあります。

このような経験をすることで、引き続きチャレンジングな案件を手掛けたいと考えるようになり、キャリアアップを視野に入れて転職を検討することがあります。

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まとめ

日本政府は政策目標として、垣根を超えた行政のデジタル化を推進しています。
これを受けて行政改革担当相は、脱印鑑・脱書類を掲げ、業務の効率化を進めています。
民間レベルにおいてもより一層の業務効率化が進められていく流れが加速しています。

人の手によって処理されてきた経理業務の多くはルーティンワークのため、合理化をしやすく、ソフトウェアを介した自動化処理が積極的に進められるようになりました。

経理に転職を考えている方、今後も経理に勤める方は、これからの経理に求められる資質として、ITやシステム等の情報処理の知識、経営資源の最適化を目標とした合理的な経理機能の運用ができることが期待されています。

転職の動機は人それぞれで、前向きなきっかけもあれば、残念ながらやむを得ない事情のこともあります。
これまで解説した中に、ご自身にあてはまる動機や要因はありましたか?
いずれにおいても、すこしでもキャリアアップ・スキルアップを視野に入れることで自分自身の姿勢も変化しますし、面接におけるアピールも積極的に行うことができます。
動機や要因を分析し、どのような転職活動を展開すればいいかを考えていきましょう。

Profile レックスアドバイザーズ

公認会計士・税理士等の有資格者をはじめとする会計人材専門特化した人材紹介会社。
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