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公認内部監査人の平均年収は?仕事内容から資格取得方法、難易度も解説!

更新日:2023.01.27

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公認内部監査人

近年、世界的に内部統制やコンプライアンスが重要視されるようになったことから、公認内部監査人という仕事が注目されるようになってきています。

 

そこでこの記事では、公認内部監査人の魅力、年収、仕事内容などを詳しく解説します。

公認内部監査人の仕事

公認内部監査人(Certified Internal Auditor: CIA)とは、日本内部監査協会(IIA-Japan)によって内部監査人としての能力を認定された監査人のことを言います。

CIAの資格は、内部監査の世界的な基準に則った内部監査を実行できることの証明であり、世界のどこでもあらゆる監査を実施することができるようになります。

CIAを学べば、内部監査の理論や国際基準を含む中核的なフレームワークについて学ぶことで、内部監査業務の計画や実施方法について知ることが可能です。

また、内部統制、リスク、ガバナンス、テクノロジーなどの概念も学ぶことができます。

 

ここでは、そんな公認内部監査人について詳しく解説していきます。

公認内部監査人の仕事内容

公認内部監査人の仕事は、企業の運営と財務が法律に準拠していることを確認することにあります。

この仕事の多くについて、現在では会計士が担っていますが、会計士は監査の専門家であるため、企業の運営と財務が法律に準拠しているかどうかをチェックする能力があるかどうかは別問題です。

 

公認内部監査人の資格は、監査の概念と原則を高度なレベルで習得していることを証明するものとなっています。

公認内部監査人となることで次の事項を高いレベルで実現できることの証明となります。

・豊富な経験と高い職業意識の証明になる

・同業者との差別化ができる

・業界におけるベストプラクティスの知識を身につけている

・継続的な改善と進歩のための基礎を身につけている

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公認内部監査人の必要性

公認内部監査人は、内部監査の専門家です。

内部監査人としての仕事は、公認会計士が担っているケースも少なくありません。

しかし、公認会計士との重要な違いの1つは、公認会計士の資格は特定の国内でのみ認められることが多いのに対して、公認内部監査人は国際的に認められた資格であることです。

 

公認会計士は監査役として企業に直接雇用されることもありますが、外部(社外)から企業に入って監査機能を果たすことの方がはるかに一般的です。

そのため、公認内部監査人は企業に直接雇用される可能性が高くなります。

公認内部監査人の資格と一緒に持っていると良いスキルや資格

内部監査人は、業界の知識を増やし、キャリアを向上させるために、複数の専門的な資格を保有することが推奨されます。

特に、公認会計士の資格は、会計、税務申告、および監査のスキルを身につけることができる資格です。

この資格は、CIAと組み合わせることで、候補者の監査および一般会計のスキルを証明することができます。

 

その他にも、IIAは、以下のような認定資格も提供しています。

(1)内部監査プラクティショナー

この資格は、入門レベルの内部監査人がCIAプログラムに参入するための準備資格として位置づけられるものです。

資格だけではなく、知識を活かせることを認定してもらえます。

(2)リスク管理保証の認定資格

加えて、リスク管理保証の認定資格(Certification in Risk Management Assurance)もおすすめです。

(3)CRMAプログラム

CRMAプログラムは、リスクマネジメントと品質保証のスキルセットを向上させるものとなっています。

 

内部監査リーダーシップの資格です。

CIAの認定を受けたプロフェッショナルで、指導的な立場を希望する人は認定を受けることもできます。

この資格を取得することで、業界特有の管理手法を学ぶことも可能です。

公認内部監査人の試験概要

ここからは、公認内部監査人の試験概要を簡単に説明していきます。

公認内部監査人の試験内容

公認内部監査人の資格は、内部監査に貢献できることを示すものであり、この分野での信頼性を実証するものです。

そのため、公認内部監査人は、非認定会計士よりも高い賃金を得ることができ、より高度な仕事の機会を追求することができます。

 

試験の合格率は非公開ですが、パート別で35%〜40%、最終的には10~15%ほどと言われていて、公認内部監査人の試験が簡単なものではないことを示しています。

 

内部監査人試験の厳しい認定要件は、公認内部監査人の信用と尊敬を高めるものです。

 

CIA受験者は、認定内部監査員になるための試験に合格する必要があります。試験は3つのセクションからなり、合計6.5時間、325問の多肢選択式問題で構成されています。

 

パート1では、内部監査の要点が強調されています。

このセクションでは、基本的なスキルの習熟度と、ガバナンス、リスク管理、統制を含む内部監査のコンセプトの理解度が試されます。

また、業界の基準や原則、コンサルティング、品質保証についても評価されます。

IIAでは、パート1に最大150分という、どのセクションよりも長い時間が割り当てられています。

 

パート2は、内部監査の実践をカバーしています。監査結果の管理、計画、伝達がこのセクションの内容の60%を占めています。

残りの40%は、内部監査の実施に関する能力を問うものです。

 

パート3では、監査に関連するビジネスに焦点を当てた問題が出題されます。

トピックとしては、ビジネスセンス、財務管理、情報セキュリティ、情報技術などがあります。

 

パート2とパート3は、それぞれ120分以内に終了する必要があります。

 

受験者は、各パートを順番に終了する必要はありません。
また、1日で3つのパートをすべて終了させることも可能です。各試験の申し込み後、180日間が試験期間となります。

 

CIA試験の合格点は、受験者が内部監査に関する深い知識を有していることを証明するものです。

公認監査人からなるIIA試験開発チームが、CIA試験の問題を作成しています。

IIAのプロフェッショナルな認定委員会は、CIAシラバスの基準に基づいて合格点を決定します。

受験者は、総合点ではなく、CIA試験の各パートの個別の点数を受け取ります。

受験者は、各問題を空欄にせず、論理的に推測して解答する必要があり、不正解は減点されることはありません。

正解のみが生得点としてカウントされます。

 

完成したパートの生得点は、250点から750点の間の評点になります。

合格するには、各セクションで少なくとも600点以上のスコアを取得する必要があります。

もし、いずれかのパートで600点未満だった場合、そのセクションを再受験する前に最低60日間待たなければなりません。

公認内部監査人の合格率

IIAは年に一度、全世界のCIA試験の合格率を発表しています。

しかし、CIA試験の全体的な合格率しか公表しておらず、各パートの合格率は公表していません。

そのため、個々のCIA試験パートの合格率は知ることができません。

 

2014年以降、IIAはCIA試験の合格率を次のように発表しています。

 

年度 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020
合格率 42% 39% 40% 42% 43% 42% 41%

参考:https://ipasstheciaexam.com/cia-exam-pass-rate/

 

これは全世界の合格率です。

 

つまり、コンピュータ・ベースド・テスト(CBT)で実施される試験のうち、すべての国で、すべての言語で実施されるすべての試験を反映したスコアとなります。

IIAの認定プログラムでは、試験は第三者による独立した検証を含む厳格なプロセスによって採点・検証されています。

IIAは、試験形式や時間の経過に関わらずスコアが比較可能であることを保証するために、尺度採点プロセスを使用しており、試験のスコアは、ある時点における受験者の準備態勢を反映したものに過ぎません。

スコアの変化は、試験の難易度が上がった、下がったということではなく、単に個人の準備態勢が整った、下がったということを意味しています。

 

公認内部監査人の資格取得後の年収

公認内部監査人の資格を取得したあと、年収はどのように変化するでしょうか?

以下では、公認内部監査人の年収について解説していきます。

公認内部監査人の平均年収

公認内部監査人の平均年収は500万円〜1,000万円程度と想定されます。

 

公認内部監査人の資格を取得しても独立できるわけではありません。

そのため、公認内部監査人の給与体系は、勤務先の規模に応じて変化します。

 

ただし、公認内部監査人を必要とする企業は大手の企業であるケースがほとんどです。

したがって、公認内部監査人の年収は、上場企業の年収平均よりも少し高い程度であると考えるのが妥当です。

このように考えた場合の平均年収が、500万円〜1,000万円程度となります。

公認内部監査人の将来性

公認内部監査人は、金融、製造、および医療を含むさまざまな業界で活躍しています。

公認内部監査人のキャリアは多岐にわたり、副社長、監査最高責任者、ディレクターなどのエグゼクティブ・ポジションに昇進することも可能です。

内部監査人、監査マネージャー、コンプライアンス監査人、調査監査や情報技術監査などを専門にすることができるため、会社内での地位は高くなる傾向にあります。

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まとめ

公認内部監査人に対する需要は近年急速に高まっています。

内部統制やコンプライアンスの重要性に伴い、公認内部監査人に対する需要が高まっているのです。

公認内部監査人は、日本に限らず、世界中で必要とされる仕事です。

公認内部監査人の資格は、世界中で統一されたものとなっているため、資格保有者は、公認内部監査人として世界中どこでも働く機会を得られます。

日本に限らず、世界中で働けるキャリアパスが用意されていることが、公認内部監査人として働く魅力です。

Profile レックスアドバイザーズ

公認会計士・税理士等の有資格者をはじめとする会計人材専門特化した人材紹介会社。
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