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税理士として登録し仕事をするためには、税理士試験の合格と2年の実務経験が必要です。
税理士試験に合格したことは合格証書等で容易に証明できますが、実務経験についてはどのように証明するかご存知でしょうか。
税理士登録に必要な実務経験を終えていることも、書類で証明します。
実務経験の証明書類は職場の上司に記載してもらわなければなりません。別途必要書類が求められるケースもあります。
この記事では、税理士登録に必要な実務経験の証明方法について解説します。
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税理士に必要な実務経験の証明方法
税理士登録には2年の実務経験が必要です。
2年の実務経験を積んでいることは書類で証明します。
実務経験の証明方法について具体的に解説します。
もっとも一般的なのは「在職証明書」
実務経験を証明する書類としてもっとも一般的かつ絶対に必要なのが在職証明書です。
日本税理士会連合会の公式サイトにフォーマットがあるため、そちらをダウンロード・印刷して使用します。
勤務先の代表者または上司による記入と代表者印が必要です。
在職証明書には在職期間や勤務内容といった税理士登録の申請をおこなう本人の情報だけでなく、勤務先の業種や資本金なども記入します。
2年の実務経験が必要ですが一箇所である必要はなく、たとえば1年の在職証明書を二箇所分提出するのであっても、証明として問題ありません。
また、在職証明書に押印した印鑑を証明するために、印鑑登録証明書の提出も必須です。
一般事業会社の場合は「職務概要説明書」も必要
会計事務所や税理士法人などが勤務先であれば、税理士登録に求められる実務経験を積んだことは容易に証明できます。
しかし一般事業会社で勤務していた場合、税理士登録に適した職務経験を積んだと証明するためには、職務概要説明書の提出も必要です。
職務概要説明書は特別なフォーマットがありませんが、以下の必要事項を漏れなく記載しなければなりません。
- タイトル「商務内容証明書」
- 宛名「◯◯税理士会長殿」
- 申請者の氏名
- 在職時の所属部署
- 具体的な職務内容
- 勤務時間
- 会計業務とその他の業務の従事割合
- (代表者)記載内容に相違がない旨の一文
- 証明日
- 法人名・代表者氏名の署名
- 押印
繰り返しになりますがフォーマットの用意がないため、自身で用意が必要です。
万が一提出後に書式の不備や内容の漏れが発覚したら余計な時間がかかるため、事前に税理士会からのチェックを受けられると安心です。
非正規雇用では勤務時間数の積み上げ計算書類が必須
正規雇用でフルタイム勤務であれば、在籍期間がそのまま実務経験期間となります。
しかし非正規雇用の場合は2年の在籍期間では実務経験の必要年数を積んだとは認められません。
非正規雇用の場合は、実際の勤務時間数を積み上げ、2年相当に達する必要があります。
その判断のために用いられるのが、勤務時間の積み上げ計算書という書類です。
こちらの書類には、勤務先の名称や勤務期間・勤務日数・勤務時間などを詳しく記載します。
日本税理士会連合会の公式サイトにExcelとPDFのフォーマットがあるため、ダウンロードして利用します。
勤務時間の積み上げ計算の方法については、税理士会の公式サイトで説明されていることが多いので、そちらを見て自身の勤務時間が基準を満たしているかを確認すると安心です。
税理士の実務経験証明に認められる経験
自身の経験してきた業務が、税理士登録に必要な実務経験として認められるかを確認しておくべきです。
そこで、実務経験証明の際に認められる業務について解説します。
会計事務や経理事務
実務経験としてもっとも代表的な業務は、会計事務や経理事務などです。
ただし簿記の知識が必要ないような単純な事務作業は認められません。ある程度の知識が必要とされる業務が、実務経験として使用できます。
他にも以下のような業務が当てはまります。
- 税務事務
- 決算手続き関連事務
- 帳簿組織の立案・原始記録と帳簿記入の照合点検事務
基本的に会計事務所業務のほとんどは、実務経験として認められるという認識で問題ありません。
複数勤務先での勤務経験があったり、各業務に従事していた期間がそれぞれ2年未満という場合も、通算で2年以上となれば実務経験として認められます。
事業会社の経理も該当
実務経験として記入される業務や勤務先は会計事務所であることが多いです。
しかし勤務先が会計事務所でなくても実務経験を積むことはできます。
事業会社の経理はその代表例です。
経理部所属や会計事務担当などであれば、税理士登録に必要な実務経験として問題なく活用できます。
先ほど紹介した他の業務を事業会社で経験していた場合も問題ありません。
ただし、事業会社は別の業務と兼任するケースが多いです。
そのため在職証明書とは別に職務概要説明書という書類が求められます。
職務概要説明書には特別なフォーマットがありません。
そのため登録を予定している税理士会へ事前に記載内容の相談や確認をしておくと安心です。
公認会計士・弁護士であれば実務経験不要
税理士登録には実務経験が必要と解説してきましたが、こちらは試験合格者や試験免除者が税理士登録をする場合です。
公認会計士や弁護士資格を有する人は税理士登録をする場合には、実務経験の証明書類は必要ありません。
その代わりに公認会計士や弁護士資格を証明する書類が必要です。
名簿に登録されている旨の証明書や修了証書など、必要とされる書類を用意します。
税理士の実務経験は書類だけで証明可能?
実務経験の証明には必要書類の提出が求められます。
しかし書類のみで問題ないのでしょうか。
実務経験が認められるまでの流れについて解説します。
税理士会による調査がおこなわれる
提出書類に記載された実務経験に相違・問題がないかは、税理士会によって調査がおこなわれます。
なお調査の具体的な内容や進め方について、詳しいことは公開されていません。
この調査でなんらかの不備が発覚した場合には登録に至らず、確認や修正指示が入ると考えられます。
必要に応じて面接する場合も
税理士登録の際には書類提出のあとに面接や審査がおこなわれます。
この面接において、実務経験に関する質問がされる場合が多いです。
- 面接では主に以下の内容を質問されます。
- 税理士資格の取得を目指した動機
- 経験してきた業務内容
- 税理士登録後にやりたいと思っている仕事
税理士登録に関連するさまざまな内容を、過去・現在・未来といった視点から聞かれ、それぞれに対して明瞭な回答が必要です。
提出した実務経験書類の内容によっては、経験してきた業務内容に関する質問が多くなります。
試験合格前の経験年数もカウントされる
実務経験を積んだ時期について特別な指定はありません。
試験合格前であっても実務経験として使用できます。
税理士試験の受験者には働きながら勉強をする人が非常に多いです。
そのような場合は勉強と並行して実務経験となる業務をおこない、試験合格後すぐに税理士登録の申請をします。
もし勉強と業務を並行していても、試験合格時点での経験年数が2年に達していなければ登録できません。
自身の経験年数についてしっかりと把握しておきましょう。
まとめ
税理士登録をするには税理士試験の合格だけでなく、2年以上の実務経験が必要です。
試験合格すれば必ず税理士登録できるとは限らないため注意します。
実務経験を証明するためには必要書類の提出をします。
すべての試験合格者・試験免除者に在職証明書の提出が求められますが、勤務先や勤務形態によっては追加書類が必要になる場合もあるためしっかりと確認しましょう。
必要書類を確実に用意することが、スムーズな税理士登録につながります。
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