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公認会計士の人数は推移しているのでしょうか。
難関の国家資格である公認会計士。
試験の合格率が低いことでも知られます。
そんな公認会計士が総勢、何人くらいいるのか、気になるところでしょう。
公認会計士の人数について解説します。
日本における公認会計士の人数を知る前に
公認会計士の人数の前にまずは公認会計士が何なのかをみていきましょう。
証券市場において上場している会社は投資家によって会社の中身を判断され、株式が売買されています。
その際の判断で財務諸表が使われます。
財務諸表は会社の財政状態や損益状況を示した書類にです。
財務諸表を見ることで儲かっている会社かそうでない会社か、潰れそうな会社かなどを判断することができます。
投資家からすれば、当然儲かっている会社の株式を買いたいと思うでしょう。
投資家に株式を買ってもらうため、会社としては財務諸表をよく見せたいと考えるのが自然な流れです。
しかし、そのようなことが平然と行なわれるようになってしまえば投資家は正しい判断ができなくなります。
そこで登場するのが公認会計士です。
公認会計士は財務諸表の適正性を判断することで、会社の財務諸表が正しいことを保証しています。
そうすることで証券市場で安心して取引をすることができるのです。
公認会計士とは、会計監査のプロフェッショナルであり、上記のような監査以外にもさまざまな業務が可能です。
会計に興味がある人はもちろん、会社経営に興味がある人も公認会計士を目指すことで財務面に詳しくなり、安定した経営を目指せるよう助言などができるようになります。
公認会計士ですが、四半期レビューや内部統制監査が導入されることを想定して2006年に試験制度が改正され一時会計士の合格者は増加しました。
しかし、想定より需要が伸びず、その後減少しました。
減少したといっても、改正前よりも少し多い水準に落ち着いた状態です。
また、公認会計士というと短答式試験と論文式試験が有名ですが、その後、実務経験を積むことと修了考査合格という二つの要件を満たさなければ公認会計士になることができません。
試験合格者=公認会計士ではないのです。
資格を取得する目的によってですが、修了考査を受験せず、公認会計士登録をしない人もいます。
公認会計士の登録についてはこちらの記事もご覧ください。
公認会計士の人数の推移
では、公認会計士の人数の推移をみていきましょう。
2000年ぐらいまで公認会計士の合格者数は少なく、公認会計士の人数は17,000人程度でしたが、その後試験制度が改正され、合格者も増えました。
試験制度改正の目的が平成30年に公認会計士を50,000人にすることでしたが、先述した通り、合格者が減りました。
減少はしたものの、毎年コンスタントに合格者が出ています。
2024年8月現在、準会員も含めると日本公認会計士協会には約44,000人の会計士がいます。
参考:日本公認会計士協会
20年の間で公認会計士の人数は倍以上に増加しているわけです。
なお、公認会計士自体は変わらないのですが、試験制度の改正前と改正後で論文式試験合格したのち、公認会計士の登録するまでの名称は変わっています。
試験制度の改正前までは「会計士補」と呼ばれていましたが、試験制度の改正後は「日本公認会計士協会準会員」となっています。
制度変更された直後は準会員という名が浸透していなかったため、違和感があり監査先の会社からも質問がよく出ていたものです。
公認会計士の仕事についてはこちらの記事もご覧ください。
公認会計士試験の合格者・受験者数推移
では、公認会計士になる前の公認会計士の試験合格者数を見ていきましょう。
試験制度改正前は難関資格と呼ばれていた通り、合格者数は1年で1,000人を切っていました。
合格率も7〜8%とかなり低い水準でした。
試験制度が変わった2006年からの3年間は合格者を増加させるという当初目標を達成するため、3,000人を超える合格者が出ていました。
しかしその後、リーマンショック、就職難民などの問題もあり、合格者は減少。
過去最高の合格者数を出した、2007年(4,041人)をピークにその5年後の2012年には1,347人に減少しています。公認会計士の試験制度は激動の10年となりました。
その後は1,000人を少し超える1,100人から1,300人程度で推移しています。
合格率も一時6.5%に下がりましたが、10%から11%程度となり、現在では公認会計士の試験制度は落ち着いています。
受験者・合格者・合格率はどのように推移している?
平成の終わりから令和にかけて、公認会計士試験の人数はどう変化したのでしょうか。
近年のデータは以下の通りです。
受験者数 | 最終合格者数 | 合格率 | |
2018年 | 11,742人 | 1305人 | 11.1% |
2019年 | 12,532人 | 1337人 | 10.7% |
2020年 | 13,231 人 | 1335人 | 10.1% |
2021年 | 14,192 人 | 1360人 | 9.6% |
2022年 | 18,789 人 | 1456人 | 7.7% |
2023年 | 20,317 人 | 1544人 | 7.6% |
受験者の人数はやや変動していますが、合格率が著しく高くなるといった変化は起きていません。
今後公認会計士の人数が爆発的に増加するということは考えにくいといえるでしょう。
公認会計士の社会的需要についてはこちらもチェック→
【公認会計士・公認会計士試験合格者対象】
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公認会計士の男女比は?さまざまな人数
合格者や会計士の人数をみてきました。
次は公認会計士のいろいろな側面から数を見ていきましょう。
まずは公認会計士の男女比です。
公認会計士制度の開始後は公認会計士は男性が圧倒的な割合を占めていましたが、現在では女性が15%を超えてきました。
また、試験合格者についても現在では25%を超えてきており、今後も女性比率は上がっていくことが想定されます。
次に年齢ですが、ここは先述した試験制度の改正の影響もあり、35歳から40歳の割合が高くなっています。
現在の合格者の学歴の割合は圧倒的に大学卒あるいは大学在学中の人数が占めています。
大学卒あるいは大学在学中がそれぞれ4割を占めており、全体の8割を占めています。
そして、これらの結果から会計士試験の勉強に専念している人でなければなかなか合格が難しいと考えられます。
公認会計士の人数を弁護士など他の士業と比較
では、最後にその他の士業の人数などを比較していきましょう。
他の士業でいえば、弁護士や税理士があります。
公認会計士が約44,000人に対して、弁護士は約40,000人、税理士に関しては約78,000人となっています。
税理士が公認会計士や弁護士と比較して多いのは単純に試験合格者だけが登録しているわけではない点があげられます。
税理士は弁護士や公認会計士が登録できたり、税務署に長年勤めていると老徳の権利が与えられたりと他の資格から登録もできるため、人数としては多くなっています。
合格までの勉強時間
公認会計士試験は難関資格と言われており、三大国家資格となっています。
ただ、三大国家資格の中では難易度は一番低いとされています。
三大国家資格の中では簡単な部類ではありますが、公認会計士に合格するには4,000時間の勉強が必要と言われています。
弁護士はそれよりも多く、多い人では8,000時間に達すると言われています。
いずれの試験も試験範囲が広く、かなりの時間をかけて勉強する必要があります。
対して税理士は3,000時間程度となっており、公認会計士に比べて勉強時間はやや少なめです。
また、公認会計士は全ての科目を一定年数以内で合格する必要があるのに対して、税理士試験は科目合格制度となっており、全てを一気に合格する必要がありません。
これらは、公認会計士と税理士の試験制度が少し違う点です。
それぞれの資格の特性があります。
自分のなりたい職業、試験への対応などを考慮して受験していきましょう。
公認会計士の就職活動についてはこちらもご覧ください。
まとめ
ここまで公認会計士の人数についてみてきましたが、いかがでしたでしょうか。
制度改正後、試験制度の見直しや簡素化により、公認会計士試験の合格者が増えました。
また、監査法人全体の働き方改革を行ったことで、女性にとっても活躍しやすい環境に変化し、結果女性の受験者数も増えています。
ただし、受験者にとっていいことばかりではありません。
公認会計士の人数増加により、合格したとしてもその後の競争環境は厳しいことを理解しておきましょう。
試験合格がゴールではなく、あくまで通過点なのは他の資格の同様で、スタートラインに立つため、試験合格をめざしましょう。
Profile レックスアドバイザーズ
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