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会計士になるには、試験に合格する必要があります。
それで終わりではありません。
修了考査をパスして初めて公認会計士として働けます。
修了考査について解説していきます。
会計士になるため修了考査で必要な準備
①会計士登録に必要な実務経験
業務補助に携わる期間は、公認会計士試験の前でも後でも時期は問われません。
業務補助の要件は3年間になるので、会計事務所や監査法人で3年以上勤務することが一般的です。
会計事務所や監査法人以外にも業務補助の3年間にカウントされる場合があります。
- コンサルティングファーム
資本金5億円以上の法人等の原価計算・財務分析に関する業務 - 一般事業会社
資本金5億円以上の事業会社における経理業務 - 金融機関
金融機関や保険会社で、貸し付けや債務保証に従事する業務
以上は一例になりますが、公務員などでも実務経験にあたる場合があります。
なお、上記の実務経験は単なる経理事務ではなく、経理業務の本丸である決算や、開示業務に携わる業務が対象となります
②実務経験は3年以上が必要
前述で記載した通り、修了考査に必要な実務経験は3年です。
実務経験は試験前に済ませてしまってもよいので、会計事務所や企業の経理、財務部門で仕事をしながら公認会計士を受けることもできます。
社会人であれば、全くの異業種から公認会計士を目指すことは稀で、会計事務所や一般事業会社の経理部門に所属し、実務経験を積みながら公認会計士試験に挑戦する方がほとんどにります。
③監査法人への就職
学生で公認会計士試験に合格した人は、社会人のように実務経験を得る機会がありません。
よって多くは監査法人に就職することで実務経験の条件をクリアするケースが多いです。
ただし、監査法人もすべての学生を受け入れるわけではありません。
通常の採用試験と同様に書類選考、面接があります。
面接では一般的な質問とともに、「当監査法人を選んだ理由」「公認会計士を目指した理由」などが聞かれますので、好印象を得られるように、事前に自分自身を振り返って回答を用意しておくようにしましょう。
また、一般会社でも同様ですが、自身のキャリアプランなども回答できるようにしましょう。
面接で質問されなかったとしても、自分自身のキャリアプランを持っている人の受け答えは客観的に見てしっかりとした考え方を持っているように見えます。
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会計士登録前の修了考査
①修了考査の内容
修了考査は、実務補習で学習した内容をもとに問題が出題されます。
具体的には、会計、監査、税務、経営・IT、法規職業倫理の5科目となります。
試験期間は2日間と非常にタイトなスケジュールとなっています。
2日間で12時間程の試験を受けるので、体力的にも精神的にも非常にハードな試験となります。
②修了考査の実施時期
修了考査の試験は通常12月の第2週目の土日に実施されます。
監査法人に務めている場合は、試験休暇が10日間与えられ、有給休暇と併せて3~4週間ほど試験勉強期間を設ける方が多いです。
ただし、関与先であるクライアントの決算期によっては全く休みを取れない場合もあります。
また、社会人や会計事務所勤務の方は、監査法人のような試験休暇やまとまった休みを取ることは難しいため、修了考査の段階まで進んでいる方は、退職して試験に専念する方も少なくありません。
③修了考査に落ちた場合
一般的に、修了考査の難易度は公認会計士試験ほど高くはないと言われています。
平均的には毎年60%~70%ほどの受験者が修了考査に合格しています。
合格率が10%ほどと言われている公認会計士試験と比べると、修了考査の合格率は高いと言えます。
修了考査に落ちた場合は、次年度に再度修了考査を受験することになるため、1年間悔しい思いをすることになります。
1年間は短いようで非常に長い期間です。自分自身のキャリアプランが1年遅れることの損失ははかり知れません
会計士の修了考査合格後
修了考査合格後は、晴れて公認会計士として登録することができます。
監査法人に勤務している場合は、特段問題はありませんが、社会人の方にはある決断が必要です。
それは、公認会計士として監査法人に転職するか、現在の事業会社での地位を上げてもらうかです。
これは人それぞれのキャリアプランになりますが、後者である事業会社では今での人間関係や地位があります。
監査法人に転職すると、その地位や人間関係はリスタートになります。
社会人の方は、ここで自分の置かれている状況を整理し、将来の選択をする必要があります。
①会計士登録に必要な書類
公認会計士の登録には必要な書類がいくつかあり、全部で17種類あります。
※詳細は、日本公認会計士協会WEBを参照してください。公認会計士開業登録
その必要書類の中でも大きく2つに分けられます。
1つは市役所などで入手する「証明書」や「住民票」です。
もう1つは金融庁や法務局、監査法人に書類作成を依頼して入手する「業務補助等の報告書受理番号通知書の写し」「「勤務証明書」などです。
申請から発行までに時間のかかるケースもあるので、余裕をみて1ヶ月程度は時間がかかる見込んでおきましょう。
②会計士登録の登録料
公認会計士の登録料は150,000円かかります。
また、年会費が102,000円〜120,000円(年額)かかります。
これを個人が負担すると考えると非常に大きな出費になります。
ただし、監査法人に勤めている方であれば、監査法人が登録料や年会費を法人負担として支給ないし負担してくれるケースがほとんどです。
一般企業の場合は、負担してくれる会社も少なくはないですが、負担することが当然という認識ではないため注意が必要です。
③会計士登録後の選択肢
公認会計士の9割以上が監査法人へ就職します。
また、その中でも大半は4大監査法人と呼ばれるEY新日本、トーマツ、あずさ、PwCあらたに就職します。
ただし、活躍の場はそれだけにとどまりません。
監査法人でキャリアを重ねてから、独立して公認会計士事務所を開く道もあります。
また、税理士法人やコンサルティング会社、一般企業・金融機関などに転職する人も多くなっています。
まとめ
公認会計士の修了考査は、公認会計士になるための最終関門です。
試験の難易度は、短答式や論文式をクリアしている方であれば問題ない範囲でしょう。
よって、公認会計士になるために実務経験で現場を知り、実務補習で公認会計士としての知識と教養を習得することで、公認会計士としての入口に立つことができます。
公認会計士になることは決して簡単な道のりではないですが、苦労して得た資格は、それ以上に自身の大きな武器になることでしょう。
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