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【初心者必見!】管理会計の仕組みをわかりやすく簡単に解説

更新日:2021.11.15

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財務会計と管理会計の違い

①財務会計とは会計基準に基づいた会計処理

財務会計と管理会計は、それぞれ違う目的をもっています。
財務会計は、外部の関係者に対して企業の財政状況や経営業績を開示することを目的としています。
管理会計は、外部の関係者ではなく企業内部のために、ある一定の組織単位、部門等で損益を管理することで、経営者が経営判断を行うことを目的としています。
具体的に作成する資料として、財務会計は「貸借対照表」「損益計算書」「株主資本等変動計算書」などになります。
管理会計は、会社独自の資料となりますが、一般的には「部門別損益計算書」などがそれに当たります。
管理会計を理解する上で、財務会計と管理会計の目的が違うことを再度理解しておきましょう。

②管理会計は会社独自のルールで作成する指標

管理会計の目的は、経営者が経営判断するためと説明しました。
企業の経営者それぞれで、その経営判断するための指標は様々です。
また、管理会計は財務会計のように全ての企業が同じルールである必要はありません。
よって管理会計のルールは、企業毎に独自のルールが制定されています。
一般的に共通した処理としては、企業内の部門毎に損益を管理する仕組みを導入し、経理部や人事部等の販売管理費を各事業部に配賦する仕組みです。
これは大半の企業が同じ仕組みとなっていますが、これに時間軸や商品別など様々な指標を作成して、経営判断に活かしています。
例えば、ある企業では、収益に対し総労働時間で割ることで、一人1時間あたりいくらの収益を生んでいるかを算出し、経営判断の指標としています。

③管理会計と予算の関係

管理会計は、予算管理と密接な関係になります。
予算は通常、3ヵ年などの中期計画を予算として決定し、それを外部の利害関係者にも開示します。
この策定した予算の基礎となる数値は、将来の管理会計の数値を部門別に集計した結果が、予算数値に繋がっています。
これにより、企業では予算数値と実績数値が乖離した場合、管理会計で管理している単位や指標により乖離の原因分析を行うことができます。
予算は会社を運営する上で、経営者、従業員ともに共通の目標となります。
その共通目標を達成するために、年度毎ではなく、四半期、月単位といった短いスパンでリアルタイムに数値を部門別等で把握することは非常に重要となります。
よって、管理会計と予算管理は切っても切れない関係にあります。

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管理会計は部門などの単位で損益を管理

①部門の単位と集計範囲

管理会計における集計する単位は必ずしも部門だけとは限りません。
例えば、部門以外の単位として、支社や支店、営業所といった単位で管理する企業もあります。また小売業であれば、1店舗が単位になりますし、関東や関西といったエリアで管理している場合もあります。
ここで、小売店のように、1店舗の1層上でエリアを管理したりなど、1店舗を基準として様々な集計単位を設定することで、地域別の特性などを把握することができます。
このように、管理会計を有効活用することにより、様々な分析や検討をすることが可能となります。

②販売管理費や人件費の配賦

管理会計を行う上で、決めなければならないのが、配賦基準です。
これは、販売管理費に含まれる人件費や消耗品、事務所家賃などの経費を一定の基準を設けて各部門に配賦します。
配賦を行うことにより、粗利だけでなく販売管理費も含めた部門別の損益を把握することができます。
一般的には、売上高基準や従業員数などの基準で配賦しますが、事務所賃借料などは該当部門の占有面積などで按分する場合もあります。
この配賦基準は年度ごとに見直す必要はあるものの、大きく毎年変動することはありません。毎年大きく基準を変更させてしまうと前年対比などの比較が困難になるためです。

③予算と実績との差額検証(予実管理)

前述で説明した通り、管理会計を行うことで予実管理も容易に行うことができます。
会社全体で予算乖離の原因を特定しようとすると膨大な取引データから分析する必要がありますが、損益単位を部門等にすることで、どの部門で予算乖離が発生しているかを見える化することができます。
原因の部門が特定できれば、深掘りして個別案件への分析も効率的に行うことができます。
ただし、細かい単位にしすぎると経理業務が煩雑となり、業務量が多くなるため単純に細かい方が良いというわけではありません。
予算管理と管理会計の目的を意識して集計単位を決定するようにしましょう。

管理会計の必要性

①部署単位での売上、コスト意識の向上

管理会計の目的は、経営者の経営判断指標ですが、一方で副産効果として、部門単位の業績を見える化する効果があります。
具体的には、自部門の収支を把握することで、従業員個人が自部門の業績を確認することができ、売上やコスト削減の意識付けになります。
一部の企業では、従業員個人の評価プラス、部門別の業績を併せて人事考課の基準としている企業もあります。

②不採算部門等の見える化

管理会計の副産効果として、不採算部門の見える化があります。
これは、先ほどの従業員の意識向上とも繋がりますが、経営者目線からも不採算部門を見える化することが非常に重要です。
不採算部門を見える化することで、該当部門の従業員は収益を向上させようと意識します。
また、経営者は、不採算部門を継続的に把握することで、不採算部門の事業撤退や、大きな事業転換などの判断をしなければなりません。
管理会計により、常に部門別の数値を見える化することは、普段からの意識づけにもなるため、非常にメリットが高いです。

③管理会計のデメリット

今までで解説した通り、管理会計には様々なメリットがあります。
ただし、メリットばかりではありません。デメリットも存在します。
デメリットは、管理会計を行うことで、経理処理の業務量が増加します。
前述でも説明した通り、管理会計の集計単位を細かくすることで、より汎用性のある管理ができます。
ただし、細かく集計単位を細分化することにより、経理業務も比例して増加することになるため、企業の目的に合った管理会計を構築することが非常に重要となります。
管理会計のメリットだけでなく、デメリットも把握してバランスのとれた管理会計を導入することが大切です。

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まとめ

管理会計は、経営者にとっても従業員にとっても非常に有効な仕組みです。
管理会計を導入することで、経営者はスピーディーに経営判断を決定することができます。
また、上場企業の経理業務では管理会計が必須となっています。
管理会計の本質を理解することができれば、自身の非常に大きな武器となります。
これから導入を検討してる方は、管理会計の目的、メリット、デメリットを十分理解し、、管理会計を経営判断の有効な1つのツールとして、有効活用するようにしましょう。

Profile レックスアドバイザーズ

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