転職お役立ち情報
税理士事務所はさまざまな業種や職種のクライアントを多数抱えています。
事務所の考え方や傾向にもよりますが、正社員は複数のクライアントの担当者となり担当クライアントにおける業務の大部分を請け負うことになります。
税理士事務所が抱えるクライアント数や自身が任される担当件数は、業務の忙しさに直接関係する部分です。
入所後のイメージをより明確にしたいのであれば、担当件数についての情報を得られると良いでしょう。
この記事では、税理士事務所で担当として請け負うクライアントの件数について詳しく解説します。
税理士事務所における担当件数とは
税理士事務所の規模によって大きく異なる
まずは税理士事務所における担当件数が持つ意味について概要を解説します。
担当件数の傾向や平均などを取り上げました。
税理士事務所における担当件数は事務所全体で抱えるクライアント数によって異なります。
一般的に税理士事務所の規模が大きいほど、事務所が抱えるクライアント数も多くなります。
しかし、規模が大きくても税理士の人数が少ない税理士事務所であれば、事務所全体の抱える担当件数は少ない傾向です。
資格を持たないスタッフが作成した税務申告書は最終的に税理士がチェックし提出しますが、税理士の数が少ないとチェック業務ができる数にどうしても限界が生まれてしまいます。
そのため必ずしも規模が大きくスタッフの数が多ければクライアント数が多いとは限りません。
事務所全体における税理士の割合や規模感などをチェックしておくと安心です。
1人あたり15件~30件ほど担当することが多い
あくまで傾向ではありますが、抱えるクライアントの数は1人あたり15件~30件ほどのケースが多いです。
日常業務をこなしながらも必要に応じて決算業務も並行するためには、このあたりが限界と考えられます。
担当するクライアントは決算月が分散されるよう調整が入るケースがほとんどです。
たとえ担当件数が10件と少なめであっても、決算月が特定の月に集中されていては業務を進めるのが非常に難しくなってしまいます。
クライアントの難易度やボリュームも考慮されます。
また入所してすぐの頃や経験が浅い人は、最初は担当を持たず担当者の補助的立場に当たるケースも多いです。
確定申告時期のみ稼働する個人クライアントも
担当件数の目安を紹介しましたが、こちらは法人クライアントで考えられることが多いです。
個人クライアントは法人とは別で割り振られます。
個人クライアントの場合は確定申告時期に集中して業務をおこなうことになるため、法人クライアントの担当割り振りとは違った考え方になります。
法人クライアントとは別で個人クライアントの担当も請け負うことになる、と意識しておくと良いでしょう。
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税理士事務所の担当件数のみで能力の判断は難しい
税理士事務所における担当件数はイメージの助けになるかもしれませんが、求められる能力の判断までは難しいです。
その理由を解説します。
担当件数が多い税理士事務所は分業が多い
担当件数が多い事務所では、実際のところ担当者1人ですべてをおこなうとは限りません。
分業し、担当者とは別のスタッフが一部の業務を請け負うケースが多いです。
担当件数が30件前後と非常に多いとはいえ、必ずしも能力が高いわけではありません。
会計入力は別のスタッフがおこない担当者はあくまで窓口や決算申告書作成のみをおこなうこともあります。
任される担当件数が多いから高い能力が求められるというわけではないのです。
担当件数が少ない税理士事務所は1人が一貫するケースが多い
担当件数が少ないと聞くと業務負担が少ないイメージがあるかもしれませんが、この場合は1人がすべての業務を一貫しておこなうケースが多く見られます。
そのため税理士事務所業務をすべてこなせるだけの能力が必要です。
ボリュームが大きく業務負担が大きいため、担当件数を少なくせざるを得ないケースもあります。
軽いボリュームのクライアントを多く抱えている人に比べて逆に忙しいことも考えられるため、やはり担当件数のみでは能力を測ることは難しいでしょう。
クライアントが法人メインか個人メインかも大きく影響
クライアントが法人メインか個人メインかによっても負担は異なります。
一般的に、法人クライアントのほうが業務内容が難しい傾向です。
法人のほうが税務的な面で複雑なうえ、法人によって異なる会計処理が求められることも多いため幅広い知識を求められます。
ボリュームという面でも負担が大きいでしょう。
個人クライアントでも複雑な会計処理が見られることはあるものの、あくまで個人のためボリュームはそれほど大きくなりにくいです。
個人クライアントを担当件数としてカウントしている税理士事務所の場合は、法人と個人の比率についても確認しておきましょう。
税理士事務所の担当件数からわかること
税理士事務所における担当件数から予想できることもあるため紹介します。
入所後のイメージをより具体的にしたいときにぜひご利用ください。
自身が任されると考えられる仕事内容
税理士事務所で請け負う担当件数は、自身が任されると考えられる仕事のおおまかなイメージを持つのに役立ちます。
もし担当件数が多ければ、きめ細かなサービスの提供や親密な関係づくりが難しくなると考えられます。
法人クライアントの場合は多くの担当を1人で担当することは難しく、サポートスタッフや共同で業務を進める担当者などと分業になるケースが多いです。
ただし自身の得意業務をメインで請け負える可能性は高くなります。
個人事業主などの小さなクライアントが多い場合は、分業ではなく1人で担当することになります。
しかし数が多く煩雑になってしまうため、結果としてこちらも細やかさや親密さの実現は難しいでしょう。
ただし1人で担当するため、幅広い業務を請け負うことができるというメリットも存在します。
法人・個人関わらず担当件数が少なければ、クライアントとの日常的なやり取りや記帳代行・税務申告書の作成補助まですべて1人で進めるケースがほとんどです。
クライアントとの関係づくりに意識を向けやすいですが、苦手な業務もおこなう必要があります。
事務所が抱えるクライアント数や1人あたりに任される担当件数は、入所後の業務イメージを浮かべるのに役立ちます。
クライアントの傾向
担当件数やクライアント数から、クライアントの傾向が大まかに予想できます。
ボリュームが重く業務負担が大きいクライアントが多いと数をこなすのは難しいです。
そのため事務所規模のわりにクライアント数が少なければ、負担が重くなりがちなクライアントが多いと予想できます。
逆に事務所の規模が小さいにも関わらずクライアント数が多い・1人あたりの担当件数が多い税理士事務所の場合は、個人クライアントや負担の少ないクライアントが多いでしょう。
数をさばくのは大変かもしれませんが、難易度は低いケースが考えられます。
あくまで傾向のため一概にはいえませんが、予想のひとつとして役立てられます。
担当件数は面接時に確認すると安心
スタッフの担当件数の平均や自身が請け負うクライアント数について、面接時に確認できると安心です。
入所後に体制が変わる可能性もありますが、少なくとも入所してすぐ大きなギャップを受けることは避けられます。
しかし担当件数だけを告げられても、会計事務所未経験者や転職をしたことがない人はイメージできないこともあるかもしれません。
このような場合は数字ではなく、クライアントの傾向やボリュームなど具体的な質問をしたほうが良いでしょう。
業務に対するイメージをより明確にするためにも、気になる点はなるべく質問するようにしましょう。
まとめ
税理士事務所でどれほどの担当件数を任されるかというのは、入所後のイメージを明確化するのに役立ちます。
担当件数を大まかにでも把握しておくだけでも、入所後のギャップを防ぐことが可能です。
本文中で説明したように、担当件数が多いから求められる能力も高いとは限りません。
むしろ案件ごとの負担は小さい可能性も高いです。
担当件数の情報がイメージを持つのにわかりやすいとはいえ思い込みは逆に危険なため、ボリュームや負担なども併せて質問できるとより安心できます。
税理士事務所で理想的な働き方ができるよう、担当件数をはじめ入所後の具体的なイメージに役立つ質問は積極的にしていきましょう。
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