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会計監査に使う監査六法とは
①会計監査六法とは
会計監査六法とは、監査業務を行う上で必要なルールや会計の基準、法律などが記載された文章です。
会計監査六法は、日本公認会計士協会が毎年発行しています。
記載内容が大幅に変わることはありませんが、会計基準や税法などは毎年改正が行われています。
特に、上場企業の場合は、有価証券報告書などによりステークホルダーに開示をする義務があります。
よって、会計基準等が改正したたことを知らなかったでは済まされないため確認が必須となります。
②会計監査六法は誰が使うの?
会計監査六法は、監査業務に必要で非常に重要です。
よって、会計監査六法を使用するのは公認会計士が一番使うことが多いです。
具体的には、公認会計士の業務は監査業務がメインとなり、企業が作成した財務諸表や有価証券報告書の内容に誤りがないかを監査します。
監査業務では、会計基準に沿った会計処理が行われているか、税法に沿った税金計算がされているかなどを確認します。
また、会計監査六法は公認会計士だけでなく、上場企業の経理担当者も多く活用します。
経理担当者は、有価証券報告書などを作成する側の立場であり、会計監査六法に記載された内容に基づいて資料を作成します。
③会計監査六法の重要性
会計監査六法の重要性は、会計監査に必要な基準や法律が監修されていることにあります。
会計監査六法に記載されている会計基準や法律、税法に沿って上場企業は会計処理を行います。
仮に、会計監査六法を無視して会計処理を行った場合、有価証券報告書等の虚偽記載として、株主から訴訟をされる可能性もあるため、非常に重要な内容が記載されています。
また、会計基準や税法の情報が一冊に集約されていることにより、情報が一元化され非常に使いやすくなっています。
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会計監査六法の主な記載範囲
①財務諸表規則
財務諸表規則とは、財務諸表に記載される用語や様式、作成方法に関する内容を記載した規則になります。
財務諸表規則は、上場企業が準拠すべき規則が記載されているため、中小企業が財務諸表規則を意識することはありません。
財務諸表は、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、キャッシュ・フロー計算書を指します。
この財務諸表に記載する勘定科目名や勘定科目の順番などを記載しているのが財務諸表規則になります。
また、金額的重要性により勘定科目を表示しなければならないことを別掲といい、別掲のールについても記載があります。
②会社法
会社法とは、会社に関わる設立や運営、解散までありとあらゆるルールと法律がまとめられてたものです。
例えば、会社法に記載されている内容の中で、会社の種類は、「株式会社」「合資会社」「合名会社」「合同会社」とされています。
その他に、M&Aに関する事項、定款に関する事項、新株予約権など記載範囲については多岐に渡ります。
以前は、有限会社などがありましたが、新会社法となってからは有限会社を設立することはできなくなっており、現状の有限会社は特例有限会社となっています。
なお、特例有限会社は一定の手続きを行うことにより株式会社に変更することができます。
③会計基準
会計基準とは、財務諸表を作成するために決められてたルールの事です。
財務諸表を作成する際には、決算という工程で損益計算書、貸借対照表、株主資本等変動計算書を作成します。
決算は、日々の仕訳が蓄積された結果になります。
よって日々の仕訳を計上する際には会計基準に基づいて仕訳が計上されなければなりません。
会計基準を無視して仕訳を計上したとしても、結果集計された売上や仕入の計上基準がばらばらであれば、なんの意味もない数字の集計となってしまいます。
そのため会計基準は常に最新の情報を取得しておく必要があります。
④開示関係
会計監査六法には、開示関係のルールについても記載があります。
開示とは、基本的に有価証券報告書を株主などへ公表することを開示と言います。
その開示に必要なルールが会計監査六法には記載されています。
実務的には、会計監査六法と有価証券報告書の記載例を参考にして有価証券報告書を作成します。
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監査六法の実務上の使い方
①会計基準の確認
会計監査六法の会計基準を確認することは非常に重要です。
例えば、直近の会計基準で改正が予定されているのが「新収益認識基準」です。
新収益認識基準は、2021年4月1日以後開始する事業年度から適用されています。
新収益認識基準は、売上の計上基準が変更される会計業界としては非常に大きな変更です。
このように、最新の会計基準を確認することは非常に重要です。
②財務諸表の記載要領
会計監査六法には、財務諸表を作成する上で必要なルールが記載されています。
前述に記載した別掲についても具体的なルールが記載されています。
例えば、流動資産のうち総資産額の5%を超える科目については別掲するなどが記載されています。
よって、別掲の基準以下の勘定科目であればその他という区分で包括しても良いことになります。
③開示関連の業務
会計監査六法には、開示に関するルールも記載されていると説明しました。
開示に関するルールとは、有価証券報告書を作成する上でのルールなどが記載されています。
例えば、有価証券報告書にはセグメントという事業の分類を指す言葉があります。
有価証券報告書では、セグメント毎に売上高や営業利益を記載して開示を行います。
実務上では、基本のルールは会計監査六法に記載されており、具体的な記載のフォーマットは記載例を参考にしながら作成する手順となります。
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まとめ
以上が、会計監査六法の解説となります。
会計監査六法は、一見公認会計士だけが使用するものと思われがちですが、上場企業の経理部であれば必須アイテムとなります。
会計監査六法の中で記載されたルールや法律の解釈や、重要性の判断を加味して監査法人は有価証券報告書の内容を監査します。
よって、上場企業の経理部として有価証券報告書を作成する立場から会計監査六法を使用して常に会計基準や税法のルールに合った処理をしているかを確認することは非常に重要です。
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