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業務を効率的かつ確実に進める方法のひとつに、マニュアル化が挙げられます。
マニュアル化をすることでルールや業務の進め方が明確になり、人に聞くことなく自身で進められるようになります。
もちろんすべての業務がマニュアル化できるわけではありませんが、部分的に進めるだけでも効果的でしょう。
そんなマニュアル化ですが、会計事務所における業務は対応できるのでしょうか。
複雑な業務が多い会計事務所において業務をマニュアル化できれば、よりスムーズに進められるようになるでしょう。
この記事では、会計事務所業務のマニュアル化や仕事の進め方について解説します。
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会計事務所業務はマニュアル化できるのか
会計事務所業務のマニュアル化が可能なのかを解説します。
マニュアル化をするための条件や注意点などを取り上げました。
明確なルールが存在する業務が多い
会計事務所業務はマニュアル化できる場合が多いです。
その理由として、会計事務所では明確なルールが存在する業務が多いことが挙げられます。
- 会計事務所の主な業務例は以下のとおりです。
- クライアントから届く領収証などの会計資料整理
- クライアントの記帳代行
- 決算申告書の作成補助
- 税務署などへ提出する書類作成
会計資料の整理や記帳代行などは自由裁量の余地が少なく、基本的には会計基準や簿記のルールなどに従っておこなわれます。
決算申告書や書類の作成においても明確なルールが存在します。
このように会計事務所の業務には、明確なルールが存在するものが多いです。
ルールがある業務は進め方ややり方などを言語化しやすいため、マニュアルを作れます。
すべての業務がマニュアル化できるとまではいえないものの、マニュアル化できる業務が多いのは事実です。
クライアントごとに特殊事項がある場合はマニュアル化すると安心
社内全体で利用できる共通マニュアルだけでなく、クライアントごとのマニュアルがあると便利です。
クライアントの個別マニュアルを用意したほうが良い場合として、たとえば以下のような例が挙げられます。
- 記帳の際、摘要欄への入力内容に特殊なルールが存在する場合
- 医療法人や外国法人など、一般法人には見られないルールが存在するクライアント
- 費用科目などにおいて、同じ取引であってもクライアントによって使用する勘定科目が異なる場合
- 即時償却や一括償却の適用有無がクライアントによって異なる場合
すべてのクライアントが共通ルールに則って記帳されるとは限りません。
他のクライアントと混ざる・引き継ぎが困難になるなどの事態を防ぐためにも、クライアントごとのマニュアルも用意すると安心です。
クライアントマニュアルの有用性に関しては、後ほどさらに詳しく解説します。
法改正が多いため定期的なマニュアル更新が必要
会計事務所業務は明確なルールが存在するものが多いためマニュアル化しやすいですが、一度作ったマニュアルをずっと使い続けられるわけではありません。
定期的な見直しや修正が必要とされます。
会計事務所業務は会計基準や税法などの法律関連が大きく関わっています。
そのため法改正がおこなわれれば業務のやり方も変更が必要です。
古いマニュアルを使い続けてしまうと法改正などが反映されないままになってしまうため、誤った方法での業務になってしまう可能性が高いです。
なお法改正が多いためその分定期的なマニュアルの見直しや更新が必要ですが、マニュアルを整備することで法改正に関する情報共有がしやすくなるともいえます。
多少の手間が発生するものの、情報共有がしやすいという意味ではやはりマニュアルは非常に有用です。
会計事務所でマニュアル化できる業務
会計事務所においてマニュアル化できる具体的な業務を紹介します。
できる部分についてはなるべく適切にマニュアル化を進め、よりスムーズな業務が進行できるよう整えておきましょう。
会計ソフトなどの使用法
仕訳入力で使用する会計ソフトや、申告書の作成で使用するソフトなどの使用法はマニュアル化しやすい部分です。
ソフトの使い方はクライアント問わず統一したルールに基づくため、例外なども起こりにくく比較的容易にマニュアル化できるでしょう。
ソフトの使用法についてマニュアル化するときには、以下のポイントについて触れるようにしましょう。
- 基本的な入力方法
- ソフト自体のマニュアルでわかりにくい部分の補足
- 仕訳のコピーなど業務時間短縮に便利な機能
- データ復元など大切な対応方法
ソフト側が提供するマニュアルも存在しますが、実務で使用するにはややわかりにくい部分があるケースが多いです。
そのため実際に使ったうえでの感想をもとに、補足的な説明を加えると良いでしょう。
業務時間を短縮するために便利な機能なども、普通に使っているだけでは気付けないケースもあるためマニュアル化するとより親切です。
クライアントごとの特殊事項
クライアントごとの特殊事項についても、マニュアル化すると便利です。
引き継ぎや情報共有のほか、上席がおこなうレビューの助けにもなります。
同じような取引であっても、クライアントによって使用する勘定科目が異なるケースは多いです。
過去の仕訳を見ればわかるものの、遡るのは手間になります。
マニュアルがあると時間短縮につながります。
スムーズな業務のためにも、クライアントごとのマニュアルがあると安心です。
社内ルール
社内ルールは口で共有するのは手間になるため、マニュアル化が便利です。
社内規則に似ていますが、よりカジュアルなものといえます。
こちらは責任者が厳格に決めるというよりは、社内全体で気づいたことを出し合ってまとめるのが良いでしょう。
快適な業務のためにあった方が良いと感じるルールを各自提案したうえで作成します。
ある程度規模の大きい会計事務所なら、社内ルールを作成するのがおすすめです。
経験則による事項もマニュアル化できる場合がアリ
経験則によって気づいた事項もマニュアル化できるものがあるでしょう。
たとえば以下のような内容です。
- クライアントへ資料を催促するときの伝え方
- 万が一ミスがあったときの謝罪方法
- よりスムーズに申告書を作成するための順番
これらは明文化されたものというよりは、経験から掴めるものです。
しかし応用できる場面が多いためマニュアルにまとめておくと役立ちます。
何か気づいたことがあればメモしておき、必要に応じてマニュアル化するようにしましょう。
会計事務所のマニュアル作成で注意するべきポイント
会計事務所のマニュアル作成で注意するべきポイントを紹介します。
せっかく作成したマニュアルが無駄にならないよう、ポイントを押さえましょう。
古い情報を載せ続けない
もっとも大切なこととして、古い情報を載せ続けないというものがあります。
前述した法改正のほか、記帳方法の変化やルール変更などもあります。
せっかくマニュアルを用意しても、内容が古いものだと意味がありません。
それどころかマニュアルを見ながら業務をしたことが原因で間違いを犯してしまう可能性もあります。
何か変更があったとき、自身が頭に入れればそれで良いと思ってはいけません。
すぐにマニュアルの修正をおこない、古い情報を載せ続けないようにしましょう。
誰が見てもわかるよう明瞭に記載する
マニュアルは業務をスムーズに進めるためにまとめるものです。
そのためわかりやすく記載してあることが大前提となります。
にも関わらず内容に省略や前提知識を有する情報があっては、マニュアルとしての意味が小さくなってしまうでしょう。
冗長な文章は避けるべきですが、かといって簡素すぎる文章も逆効果です。
必要な情報は明瞭に記載し、少し詳しすぎるかと思うぐらいのマニュアルにします。
知識量や経験を問わず、誰でもわかるようなマニュアルを作るよう心がけることが大切です。
画像を多く使用すると視覚的でわかりやすくなる
少し手間となってはしまいますが、画像を使用することでわかりやすさがアップします。
特にソフトの使い方などは、実際の画面を載せると視覚的なマニュアルになります。
画面のスクリーンショットとペイントソフトさえあれば、マニュアルに必要な画像が作成可能です。
それほど凝ったものにする必要はなく、矢印や丸などの記号・色付けなどをする程度で十分です。
ただしソフトはアップデートにより画面が変わることもあります。
画像があると便利ではありますが、アップデートの都度用意し直すのは大変なため状況を見て判断するようにしましょう。
まとめ
会計事務所業務は明確なルールが多く文章にまとめやすいため、マニュアル化が進めやすいといえます。
マニュアルがあれば引き継ぎがしやすくなるのはもちろん、新しい人が入所したときも教えやすくなります。
わからないことがあったときも、マニュアルを見て自力で解決できる場面も増えるでしょう。
もちろん、マニュアルを作ったらずっと使い続けられるわけではありません。
ルールが変わったら都度修正しないと古い情報が載ったままになってしまい、マニュアルが原因で誤った対応をしてしまうこともあります。
定期的な更新の手間はありますが、トータルで見たときの業務の負担は小さくなる可能性が高いです。
会計事務所でマニュアルを上手く活用し、よりスムーズに業務を進められるようにしましょう。
Profile レックスアドバイザーズ
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