転職お役立ち情報
CSO(最高サステナビリティ責任者)と呼ばれる役職があります。
持続可能性を意味するサステナビリティが重要視されつつあり、今後CSOの重要性が増していくといわれています。
ここでは、CSOの概要と仕事内容や役割、また求められていることやキャリアについて説明していきます。
CSOについて
①CSOとは
CSOとは最高サステナビリティ責任者と呼ばれる、組織における役職の1つです。
英語ではChief Sustainability Officerと呼びその頭文字を取ってCSOと表記します。
CSOは最高サステナビリティ責任者のほか、Chief Strategy Officer(最高経営戦略責任者)を指す言葉としても使用されますが、ここではCSOを最高サステナビリティ責任者として扱います。
②CSOの役割
CSOの役割は企業が有するサステナビリティ部門を総括し、サステナビリティを自社の戦略に統合することです。
コンプライアンスの観点からは自社のあり方を見直したり、自社において再生可能エネルギーの導入を検討、実行したり、CSOの立場からサステナビリティに関する広報を担当したりします。
CSOの仕事について
①CSOの仕事内容
CSOの仕事内容についてははば主に下記があげられます。
- Core Business and Operations(事業オペレーションや製品・サービス、調達の改善など)
- Internal Engagement(経営陣とのコミュニケーションや従業員エンゲージメント、組織内部への活動報告など)
- External Engagement(外部ステークホルターの対応、活動報告など)
- Developing Strategy(課題の特定・分析およびサステナビリティ戦略の立案)
CSOはサステナビリティを経営戦略に統合するための経営陣とのコミュニケーションや、実際に戦略を実行する各事業部門や他部門への研修、エンゲージメントなどを行っています。
②CSOとCEO、COO、CFOとの違い
CEO、COO、CFOの特徴については以下の通りです。
CEO(Chief Executive Officer)とは経営全体のトップマネジメントを担当し、経営責任を担う役割をもちます。
各事業・部門ごとにレポートラインを設け指示出しなどを行い、企業全体の長期的な経営戦略を策定します。
COO(Chief Operating Officer)とは企業におけるCEOに次ぐナンバー2ポジションであることが一般的です。CEOが企業の全体戦略を練る役割だとすると、COOはその戦略を具体的な戦術に落とし込み、業務オペレーションを確立・管理する役割を担います。
CFO(Chief Financial Officer)とは企業にとって最も重要な財務・経理を担当し、適切なコスト管理を行う役割です。資金調達や運用も担当します。
企業のトップであるCEOやCOO、財務責任者であるCFOは短期・長期的な経営戦略を重視する傾向にありますが、CSOは、中長期的視野から企業のサステナビリティ戦略を策定、実行する役割をもちます。
CSO増加の背景
CSOを設置する企業の数が増えていることに加え、その役割の重要さが認知されるにともないCSOの責任範囲も拡大しています。
サステナビリティが、ビジネスモデルに付随する一要素ではなく、ビジネスモデルそのものの基盤にすべき要素だといった価値観が強固になりつつあるからです。
そのため、多くのCSOは環境保全・社会活動に重きを置いてこそいるものの、それらの活動に終始することはありません。
ステークホルダー(利害関係者)に対する価値提供について考え、自社がサステナビリティへコミットメントしながら経営と社会問題の両面における課題をどのように解決していくのか、内外問わず意思共有を進めることも役割の1つです。
CSOの拡大が必然的なものであることは、消費者の意識からも読み取れます。
一般消費者の半数以上環境や社会への影響を考えて商品購入を行うといった調査もあり、このようなサステナビリティを意識する状況を考慮して、多くの企業がCSOのポジションを設ける動きが進んでいます。
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CSOに求められること
CSOには自社の事業全体に対する深い理解、強固な従業員エンゲージメント、戦略的なビジョンとストーリー、コミュニケーションスキル、情熱・忍耐、そして長期的な視点などさまざまなものが求められます。
サステナビリティ活動の多くはすぐに成果が上がるものもありますが、長期的な視点に立って活動の成果を図る必要があるものも多くあります。
長期的に見れば投資期間として将来的に大きな企業価値となり跳ね返ってくる取り組みも多くあり、これらを達成するために自社に対する理解に加えてそのビジョンを達成するためのスキル、そして情熱や忍耐も求められるのです。
CSOのキャリア
①CSOに求められるスキル
CSOに求められるスキルは、サプライチェーンを含むビジネスモデル全体の理解と、サステナビリティに対する知識や志です。
また、サステナビリティの発想が、既存の企業の風土とマッチしていないケースもあるため、社内に変革をもたらすための忍耐力が必要ともいわれます。
サステナビリティ部門の存在はマーケティング部門や財務部門に比べて新しい存在です。
そのためサステナビリティ部門が扱うことは他の部門に比べて自社における方針やノウハウが確立していないケースも多く、新たなルール作りを行うための発想力と柔軟性も求められるでしょう。
サステナビリティの最高責任者とはいいますが、サステナビリティに関するものだけではなく自社に対する総合的な知識も求められます。
②CSOに向いている人
スキルを有しているだけで、CSOに向いているとは限りません。
CSOに向いている人物像は、サステナビリティとビジネスモデルの統合に対する高い情熱や志をもった人材だからです。
すでにサステナビリティに関心の強い国の企業では、サステナビリティとビジネスは共存可能なものであり、サステナビリティを追求することが営利活動にとってコストにはならないという価値観が広まりつつあります。
これは、いち早くサステナビリティに向き合い始めた企業のCSOが、サステナビリティに対する理解を社内外に促し、積極的な啓発に努めてきたからです。
しかし、現時点では日本にこのような考え方が根付いているとはいえません。
そのため特に日本では既存の社風を一変させてサステナビリティを企業理念の中枢に組み入れられるほど、強い情熱を持った人材こそCSOに適しているといえるでしょう。
同時に社内だけでなく社外に対して自社がサステナビリティの実現に積極的であることを示し、同時に利害関係者の利益最大化も担保できるよう目指すことを理論立てて説明できることも重要であるといえます。
まとめ
CSOの概要と仕事内容や役割、また求められていることやキャリアについて説明していきました。
CSOの導入について海外企業が一歩進んでいる印象ですが、今後は日本企業のなかでも一般的なポジションとして確立されていくでしょう。
CSOになるためには自社のビジネスモデルとサステナビリティの重要性を偏りなく理解し、またサステナビリティに対する強い情熱や志を持つことが求められます。
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