転職お役立ち情報
M&Aコンサルティング業務は、M&Aの成立に向けて依頼主であるクライアントに対して総合的なアドバイスをすることや、相手先の選定、相手先との交渉およびM&Aの実行管理をサポートすることまで多岐に渡っています。
M&Aアドバイザリー業務も、M&Aコンサルティング業務と同様、依頼主であるクライアントの利益の最大化を目指したものです。
M&Aは高度なスキルと専門性を必要とする取引であるため、アドバイザリーとして採用されるためにはかなり高いハードルがあり、基本的には経験者を優先する採用傾向があります。
年収は規模の大きなM&A対応事業者(例えばBig4系の会計事務所、外資系金融機関等)になるほど非常に高くなる傾向があり、数千万円に至るケースもあります。
1.M&Aのアドバイザリーとは
M&Aはその手続きが成立するまでの過程で、売り側の事業価値やリスクを評価するためのデューデリジェンス業務、買い側が事業統合後に実施するべきマーケティングの戦略策定など、様々な作業が発生します。
これらの多くは、財務、税務、法務など専門性を必要とする業務であることが特徴的で、多くの企業ではこれらを監査法人、会計事務所、コンサルティングファーム、M&A仲介会社等に委託しています。
そして、このM&Aに関するアドバイザリー契約は、売り手側または買い手側が契約成立に向けた助言や提案を目的としています。
成果主義による報酬体系となっていることが殆どですので、M&A専門業者やコンサルティングサービス事業者が進めている内容が、適切なものかどうかをクライアントの立場に立って検証することもあります。
年収は所属する企業、部門、役職によりますが、別途M&Aの成果報酬が加算される場合は、2,000万円、3,000万円を超えるケースも見られます。
2.M&Aアドバイザリーになるには
M&Aアドバイザリーになるには、M&Aの当事者企業外で経験を積むかどうかにもよります。
当事者企業外では、コンサルティングファームで働いて即戦力を身に着ける、監査法人で働くことで幅広い視点と専門性を持つことで、M&Aのアドバイザリーとして必要な経験を身に着けます。
また、企業内部において、事業の多角化やM&Aを仕掛ける側の立場から実践的なキャリアを積むことでもアドバイザリーとして有用な経験です。
コンサルティングファームに入社するためには、中途入社の場合はファームが求める専門的な経験があることが必須で、外資系であればある程度の若年齢層(20代から30代)が中心になります。
学歴も重視される傾向があり、世界的な大学(ハーバード等)でMBAを取得することで選考に有利となる場合があります。
監査法人で働くためには、公認会計士やUS-CPAなどの資格が必要になります。
これらの資格がなくても入社することは可能ですが、アドバイザリーとして専門的な経験を積むために十分な機会に恵まれない可能性があります。
一般企業でM&Aの担当者あるいは責任者として必要な経験を積むことができれば、実践的で有益なものとして高い評価を受けることでしょう。
特に上場企業の経理や財務の責任者クラスでマネジメント経験もあれば、評価の対象として加点要素になることが期待できます。
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3.アドバイザリーの年収事情は
M&Aに関する案件は近年増加傾向にあり、対象企業規模も大企業だけではなく、中小企業でも事業承継を背景に活発化しているため、クライアントからの受注が比較的多い職種です。
アドバイザリーとして期待される年収は、アドバイザリー会社の規模(例えば大手のコンサルティングファームで働いているかどうか、外資系金融機関かどうか)、これまでの経験、資格(公認会計士等)によって大きな幅が見られます。
例えば会計事務所のスタッフレベルでは年収600万円前後~、シニアスタッフレベルあるいはマネジャーレベルでは年収1,000万円前後~、シニアマネジャークラスになると1,500万円以上になるケースがあります。
このように、アドバイザリーの年収事情は、M&A特有の特殊性、難易度、勤めている事業所の規模の大きさ等により相当の幅があります。
金融機関のアドバイザリー業務の場合
金融機関のアドバイザリーは、M&Aという取引のみに着目せず、企業に関わるあらゆる手段・手法を用いてクライアントに最適化のアドバイスをしています。
例えば資金調達の支援では社債の引受け、増資の引受けのような金融業の強みを生かした業務があり、M&Aでクライアントが必要とする資金を調達する(シンジゲートローンのように主幹事として他の金融機関の引受分を取りまとめるケースもあります)機能もあります。
あるインベストメントバンキングでは、中堅から中小企業が抱える潜在的な事業承継のニーズに向けて、企業買収および企業売却の仲介を行う業務(営業要素を含む)があり、初年度で年収2千万円以上となっています。
外資系金融機関、日系金融機関の違いによっても年収に大きな開きが見られます。
基本的に外資系金融機関の方が、年収が高い傾向にあり、大型案件のM&Aに関与できた場合には、通常の年収に加えインセンティブとしてかなりの金額が発生することがあります。
なお外資系金融機関では、非常に高い英語力とバックグラウンドが求められており、例えば英語力はネイティブと交渉ができる水準、MBA、あるいはCPAの資格がある等などが求められています。
日系金融機関では、採用時のポジション(マネジャークラスかどうか)、経験により年収に幅があります。
ほとんどが経験者採用となっています。
Big4などの会計事務所系
Big4等の大手会計事務所では、世界的なネットワーク(アーンストアンドヤング、プライスウォーターハウスアンドクーパーズ、デロイト、およびKPMG)を背景に、世界中の様々な地域で多様なクライアントを持っており、M&A対応、業務コンサルティング、内部体制支援等、企業経営に関わるあらゆることを対応できる情報力と総合力が強みです。
会計事務所系では、特に経営戦略のコンサルティング機能や、ファイナンス関連を強みとしており、M&Aの成立までに向けた多様なアドバイスのほか、PMI(Post Merger Integration)というM&Aにとって最も重要とされる業務領域の支援が可能です。
また、Big4クラスになると、誰もが知る企業を監査等のクライアント対応があり、M&Aの案件は大型を中心に実行することが多くなります。
会計事務所系での年収水準は、役職に応じた年収(マネジャークラスで1千万円台、シニアマネジャークラスで1,500万円から2,000万円前後等)およびインセンティブ体系に応じます。
会計事務所の希望により年収水準が変わってくることが多く、傾向として、最大手のBig4の平均年収が 最も高いと言えるでしょう。
会計事務所系での採用は、経験者採用が一般的であり、例えば公認会計士、M&Aの経験者等になるため採用のハードルは低くありません。
このような経験を持つ公認会計士等の専門家は転職市場においても高い評価を受けています。
一般事業会社のM&A担当や管理職、あるいはCFOを目指すことで、将来高い年収を期待することができるかもしれません。
IPOを目指す企業においては、ストックオプションを付与することが多く、上場が成功すれば、会社での地位、年収に加えて、多額の資産を形成できる場合もあります。
M&Aディールアドバイザリー
M&A、事業再編・事業再生等に関する戦略の策定と実行管理をサポートする業務です。
M&Aでは、財務デューデリジェンス、ITデューデリジェンスなど 買収企業の潜在的なリスク評価を行っています。事業再編・事業再生等に関しては、企業の統合プロセスの管理、統合後の包括的な仕組みの統一化(例えば、 会計制度の一元化、システム統合、人事マネジメント)に関わります。
この業務はそれぞれの個別案件に対して専門的な対応能力が必要となり、多くは会計事務所で引き受けていますので、年収はその会計事務所の制度次第となります。
4.まとめ
M&Aコンサルティング業務とM&Aアドバイザリー業務は、ともにM&A案件について、アドバイスを通じてクライアントの目的達成を支援していく近似していますが、それぞれのゴールやアプローチが異なります。
報酬体系は主にM&A成約時の成功報酬型であり、その計算方法は一般的にレーマン方式が採用されています。
レーマン方式とは成立金額に応じて手数料段階的に設定しているもので、例えば5億円以下では5%、100億円超では1%となっています。
このように成功報酬が非常に大きな金額になる傾向があるため、M&A案件の担当者も多額の収入を得ることができる場合があり、人気職種のひとつとなっています。
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