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「税理士法人に勤めている人の平均年収が知りたい」「税理士法人に勤務する人の平均年収ってどれくらいなの?」「自分の年収が平均なのか知りたい」
難関国家資格である税理士は年収が高いといわれます。
自分の年収が平均かどうか、気になってしまうという人も多いでしょう。
税理士法人に勤務する人の平均年収について解説します。
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税理士の年収:法人に勤務する税理士の年収
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると税理士法人に勤めている税理士の平均年収は約892万円です。ちなみにデータは会計士と税理士が合わせたものになっています。
年代 | 平均年収 |
全年齢 | 892万円 |
20~24歳 | 479万円 |
25~29歳 | 733万円 |
30~34歳 | 772万円 |
35~39歳 | 933万円 |
40~44歳 | 932万円 |
45~49歳 | 1,106万円 |
50~54歳 | 1,135万円 |
55~59歳 | 759万円 |
60~64歳 | 985万円 |
65~69歳 | 491万円 |
引用:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(2018年)
このデータには全ての税理士法人が含まれています。そのため大手の税理士法人と中小の税理士法人が混ざっている状態です。
一般の企業でもいえることですが、大手の税理士法人と中小の税理士法人とでは年収がかなり違います。
どのくらいの差があるのかを次に紹介します。
大手税理士法人の勤務税理士の平均年収
大手の税理士法人の年収は500万円前後です。
この数字はあくまで平均で、稼いでいる人は年収1,000万円以上という人もいます。
もちろん大手の中でも待遇の差があるので、平均よりも低い人がいるのも事実です。
しかしBIG4と呼ばれる税理士法人、「PwC税理士法人」「デロイト トーマツ税理士法人」「KPMG税理士法人」「EY税理士法人」は出世を重ねると年収1000万円以上、さらには共同経営者(パートナー)になると年収1500万円以上といわれています。
この規模になると顧客が大手の企業や外資系企業が中心になるので、英語力も必須です。
求められる能力も高くなるので、年収が上がるのは当然といえるでしょう。
ちなみに大手の定義は税理士を含めたスタッフ数が40~50人以上の規模です。
中小税理士事務所の勤務税理士の平均年収
中小の税理士法人の年収は300万円前後です。
何十年も勤めているベテランになると、年収600~800万円ほどになりますが、その水準を大きく超えることはほとんどないようです。
中小の税理士法人では、記帳の代行や企業がおこなう経理の下請けも担当します。
いわば税理士でなくともできる仕事も担当するので、報酬が上がりにくいのです。
規模が小さいところになると、経験が浅い場合の月収は20万円前後でスタートということもあります。
ですが、少数精鋭で大手企業のコンサルをする「ブティック型」と呼ばれる事務所の存在もあるので、全ての中小事務所の年収が低いわけではありません。
このブティック型は高い値段で業務をおこなうので、かなりの額をもらえるところもあります。
会計業界は個人経営の事務所が多く、実はほとんどが中小事務所でもあります。
会計事務所の選び方についてはこちらもご覧ください。
税理士の年収:社員税理士と所属税理士の平均年収
税理士事務所で働く税理士には主に二つのパターンがあります。
税理士法人で「社員」として働くのが社員税理士です。
ここで気をつけたいのが「社員」の意味は、一般企業の従業員として使われる一般的な「社員」ではなく、役員のような位置づけと考えてください。
もう一つは所属税理士になります。
こちらが一般的な従業員に近い立場になります。
補助税理士は、クライアントから直接仕事を受注して税務申告などの税理士業務を行うことができませんでした。
法改正により、税理士として直接顧客の業務を行えることになったのが所属税理士です。
例え同じ事務所に所属していても役職によって年収は変わります。
その違いについて紹介します。
社員税理士の平均年収
年収 | 割合 |
500万円以下 | 16.76% |
700万円以下 | 20.20% |
1,000万円以下 | 27.06% |
1,500万円以下 | 21.18% |
2,000万円以下 | 6.57% |
3,000万円以下 | 1.67% |
5,000万円以下 | 0.29% |
1億円以下 | 0.10% |
無記入 | 6.18% |
引用:日本税理士会連合「第6回税理士実態調査報告書」(2015年発表)
社員税理士の全国平均の年収は888万円です。
所属している税理士法人の大きさによってかなり年収が変わります。
所属税理士の平均年収
年収 | 割合 |
300万円以下 | 12.03% |
500万円以下 | 28.09% |
700万円以下 | 31.69% |
1,000万円以下 | 18.81% |
1,500万円以下 | 6.00% |
2,000万円以下 | 0.78% |
3,000万円以下 | 0.57% |
5,000万円以下 | 0.02% |
1億円以下 | 0.02% |
無記入 | 1.98% |
引用:日本税理士会連合「第6回税理士実態調査報告書」(2015年発表)
所属税理士の全国平均の年収は597万円です。
役員待遇の社員税理士と比較すると、所属税理士の年収は低いことがわかります。
会計事務所のの年収についてはこちらの記事もご覧ください。
税理士法人の男女別の平均年収を紹介
年齢 | 男性平均年収 | 女性平均年収 | 男女平均年収 |
全年齢の平均 | 914万円 | 804万円 | 892万円 |
20~24歳 | 504万円 | 332万円 | 479万円 |
25~29歳 | 757万円 | 580万円 | 733万円 |
30~34歳 | 802万円 | 652万円 | 772万円 |
35~39歳 | 958万円 | 791万円 | 933万円 |
40~44歳 | 952万円 | 864万円 | 932万円 |
45~49歳 | 1,163万円 | 945万円 | 1,106万円 |
50~54歳 | 1,173万円 | 1,081万円 | 1,135万円 |
55~59歳 | 783万円 | 723万円 | 759万円 |
60~64歳 | 1,034万円 | 393万円 | 985万円 |
65~69歳 | 491万円 | 494万円 | 491万円 |
70歳~ | 616万円 | - | - |
引用:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(2018年)
税理士法人の年収について紹介をしてきました。次は男女別の年収について紹介をしていきます。
厚生労働省「賃金構造基本統計調査」によると男性の平均年収は914万円、女性は804万円です。
やはり女性の方が低い構造になっています。
結婚や出産なども影響するのが大きな要因です。
そうはいっても他の職種や業種に比べて、女性の平均年収は高水準といえます。
税理士の平均年収を紹介
厚生労働省が報告した「令和2年賃金構造基本統計調査」によると、税理士の平均年収は約958万円です。
他業種の平均年収が約308万円なので、全体的に高い水準であるといえます。
その要因は税理士は国家資格であり、非常にニーズのある独占業務を担っていることがあげられます。
税理士は資格を得るために難関試験を突破しなければいけませんが、その分、他の職種よりも年収が高いともいえます。
年齢別の平均年収
年代 | 平均年収 |
20~24歳 | 約364万円 |
25~29歳 | 約506万円 |
30~34歳 | 約913万円 |
35~39歳 | 約1,009万円 |
40~44歳 | 約1,158万円 |
45~49歳 | 約1,107万円 |
50~54歳 | 約813万円 |
55~59歳 | 約755万円 |
60~64歳 | 約416万円 |
65~69歳 | 約681万円 |
年齢が上がるにつれて年収が上がるのは、出世はもちろんですが、独立によって大幅に上がった人がいることが要因です。
また、長年の付き合いによってクライアントが離れないのも理由の一つといえます。
都道府県別の平均年収
都道府県 | 年収 |
北海道 | 558万円 |
宮城県 | 824万円 |
東京都 | 1,164万円 |
神奈川県 | 926万円 |
愛知県 | 766万円 |
大阪府 | 662万円 |
福岡県 | 654万円 |
沖縄県 | 700万円 |
引用:賃金構造基本統計調査より
税理士に関しては、都道府県別のデータが少ないのが現状です。
そのため偏りはありますが、人の多い東京や神奈川、大阪は年収が高くなっています。
しかし、大都市圏の場合は顧客の獲得競争があるため、地方の方が安定して顧客を確保できるという側面もあり、それほど大きな差はないともいえます。
開業した税理士の平均年収を紹介
税理士として独立をした場合の年収は700~1,000万円前後です。
平均に関してのデータはいろいろありますが、所属税理士として勤めているよりも稼げている人がたくさんいます。
中には3,000万円以上を稼ぎ出す開業税理士もいるそうです。
とはいえ、顧客を獲得しなければ報酬を受け取ることはできないので、うまくいかずに年収が低下してしまうケースもあります。
経営次第、努力次第といえます。
激しい競争やAIの進歩など、環境は決して甘くはありませんが、活躍次第では青天井というわけです。
年収が高い税理士の特徴とは?
平均の年収について解説をしてきましたが、その中でも年収が高い人には特徴があります。
それが以下の4つです。
- 得意分野がある
- 信頼関係を築ける
- 開業している
- 税理士以外の資格を持っている
得意分野があるとその人に頼もうと考えるので、年収が上がっていきます。
そのときに信頼を得られると長期的に稼ぐことができるので、収入も安定して高くなっていくのです。
そのため勉強とコミュニケーションができると年収も上がっていきます。
税理士以外にも資格を持っておくと仕事の幅が広がり、結果として年収アップにもつながります。
社会保険労務士、中小企業診断士、不動産鑑定士などをめざす方が多いようです。
まとめ
税理士法人の年収について解説をしてきました。
平均年収は約892万円です。
これは働いている税理士法人によって変動があります。
大手では1,000万円以上というケースも多くあります。
社員税理士と所属税理士という立場によっても異なりますので、今後のキャリア形成をどのように進めていくかを考える際のポイントとなります。
ぜひ、この記事を参考にしてみてください。
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