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「税理士法人に勤めている人の平均年収が知りたい」「税理士法人に勤務する人の平均年収ってどれくらいなの?」「自分の年収が平均なのか知りたい」
難関国家資格である税理士は年収が高いといわれます。
自分の年収が平均かどうか、気になってしまうという人も多いでしょう。
税理士法人に勤務する人の平均年収について解説します。
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税理士の年収:法人に勤務する税理士の年収
まずは、税理士法人に勤めている税理士の年収についてです。
一般の企業でもいえることですが、大手の税理士法人と中小の税理士法人とでは年収がかなり異なります。
どのくらいの差があるのかを次に紹介します。
大手税理士法人の勤務税理士の平均年収
大手の税理士法人の年収は500万円前後です。
この数字はあくまで平均で、稼いでいる人は年収1,000万円以上という人もいます。
もちろん大手の中でも待遇の差があるので、平均よりも低い人がいるのも事実です。
しかしBIG4と呼ばれる税理士法人、「PwC税理士法人」「デロイト トーマツ税理士法人」「KPMG税理士法人」「EY税理士法人」は出世を重ねると年収1,000万円以上、さらには共同経営者(パートナー)になると年収1,500万円以上といわれています。
この規模になると顧客が大手の企業や外資系企業が中心になるので、英語力も必須です。
求められる能力も高くなるので、年収が上がるのは当然といえるでしょう。
ちなみに大手の定義は税理士を含めたスタッフ数が40~50人以上の規模です。
中小税理士事務所の勤務税理士の平均年収
中小の税理士法人の年収は300万円前後です。
何十年も勤めているベテランになると、年収600~800万円ほどになりますが、その水準を大きく超えることはほとんどないようです。
中小の税理士法人では、記帳の代行や企業がおこなう経理の下請けも担当します。
いわば税理士でなくともできる仕事も担当するので、報酬が上がりにくいのです。
規模が小さいところになると、経験が浅い場合の月収は20万円前後でスタートということもあります。
ですが、少数精鋭で大手企業のコンサルをする「ブティック型」と呼ばれる事務所の存在もあるので、全ての中小事務所の年収が低いわけではありません。
このブティック型は高い値段で業務をおこなうので、かなりの額をもらえるところもあります。
会計業界は個人経営の事務所が多く、実はほとんどが中小事務所でもあります。
会計事務所の選び方についてはこちらもご覧ください。
税理士の年収:社員税理士と所属税理士の平均年収
税理士事務所で働く税理士には主に二つのパターンがあります。
税理士法人で「社員」として働くのが社員税理士です。
ここで気をつけたいのが「社員」の意味は、一般企業の従業員として使われる一般的な「社員」ではなく、役員のような位置づけと考えてください。
もう一つは所属税理士になります。
こちらが一般的な従業員に近い立場になります。
補助税理士は、クライアントから直接仕事を受注して税務申告などの税理士業務を行うことができませんでした。
法改正により、税理士として直接顧客の業務を行えることになったのが所属税理士です。
例え同じ事務所に所属していても役職によって年収は変わります。
その違いについて紹介します。
社員税理士の平均年収
年収 | 割合 |
500万円以下 | 16.76% |
700万円以下 | 20.20% |
1,000万円以下 | 27.06% |
1,500万円以下 | 21.18% |
2,000万円以下 | 6.57% |
3,000万円以下 | 1.67% |
5,000万円以下 | 0.29% |
1億円以下 | 0.10% |
無記入 | 6.18% |
小数点第二位を四捨五入
出典:日本税理士会連合「第6回税理士実態調査報告書」(2015年発表)
社員税理士の全国平均の年収は888万円です。
所属している税理士法人の大きさによってかなり年収が変わります。
所属税理士の平均年収
年収 | 割合 |
300万円以下 | 12.03% |
500万円以下 | 28.09% |
700万円以下 | 31.69% |
1,000万円以下 | 18.81% |
1,500万円以下 | 6.00% |
2,000万円以下 | 0.78% |
3,000万円以下 | 0.57% |
5,000万円以下 | 0.02% |
1億円以下 | 0.02% |
無記入 | 1.98% |
小数点第二位を四捨五入
出典:日本税理士会連合「第6回税理士実態調査報告書」(2015年発表)
所属税理士の全国平均の年収は597万円です。
役員待遇の社員税理士と比較すると、所属税理士の年収は低いことがわかります。
会計事務所の年収についてはこちらの記事もご覧ください。
税理士の求人
税理士の平均年収を紹介
厚生労働省が報告した「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、税理士の平均年収は約746万円です。ちなみにデータは会計士と税理士を合わせたものになっています。
他業種の平均年収と比較しても全体的に高い水準であるといえます。
その要因は税理士は国家資格であり、非常にニーズのある独占業務を担っていることがあげられます。
税理士は資格を得るために難関試験を突破しなければいけませんが、その分、他の職種よりも年収が高いともいえます。
次に、様々な切り口でより詳しく税理士の平均年収をご紹介します。(以下のデータも全て会計士と税理士を合わせたものになっています。)
年齢別の平均年収
年代 | 平均年収 |
全年齢の平均 | 約746万円 |
20~24歳 | 約449万円 |
25~29歳 | 約589万円 |
30~34歳 | 約682万円 |
35~39歳 | 約828万円 |
40~44歳 | 約877万円 |
45~49歳 | 約837万円 |
50~54歳 | 約930万円 |
55~59歳 | 約622万円 |
60~64歳 | 約870万円 |
65~69歳 | 約722万円 |
70歳~ | 約686万円 |
年齢が上がるにつれて年収が上がるのは、出世はもちろんですが、独立によって大幅に上がった人がいることが要因です。
また、長年の付き合いによってクライアントが離れないのも理由の一つといえます。
男女別・年齢別の平均年収
年代 | 男性平均年収 | 女性平均年収 |
全年齢の平均 | 約781万円 | 約611万円 |
20~24歳 | 約433万円 | 約477万円 |
25~29歳 | 約629万円 | 約482万円 |
30~34歳 | 約748万円 | 約504万円 |
35~39歳 | 約836万円 | 約675万円 |
40~44歳 | 約901万円 | 約662万円 |
45~49歳 | 約886万円 | 約720万円 |
50~54歳 | 約1,006万円 | 約844万円 |
55~59歳 | 約609万円 | 約648万円 |
60~64歳 | 約1,040万円 | 約736万円 |
65~69歳 | 約729万円 | 約440万円 |
70歳~ | 約686万円 | - |
やはり女性の方が低い構造になっています。
結婚や出産なども影響するのが大きな要因です。
そうはいっても他の職種や業種に比べて、女性の平均年収は高水準といえます。
都道府県別の平均年収
都道府県 | 年収 |
北海道 | 約450万円 |
宮城県 | 約786万円 |
東京都 | 約767万円 |
神奈川県 | 約736万円 |
愛知県 | 約906万円 |
大阪府 | 約719万円 |
福岡県 | 約657万円 |
沖縄県 | 約449万円 |
偏りはありますが、人の多い東京や神奈川、愛知は年収が高くなっています。
しかし、大都市圏の場合は顧客の獲得競争があるため、地方の方が安定して顧客を確保できるという側面もあり、それほど大きな差はないともいえます。
開業した税理士の平均年収を紹介
税理士として独立をした場合の年収は700~1,000万円前後です。
平均に関してのデータはいろいろありますが、所属税理士として勤めているよりも稼げている人がたくさんいます。
中には3,000万円以上を稼ぎ出す開業税理士もいるそうです。
とはいえ、顧客を獲得しなければ報酬を受け取ることはできないので、うまくいかずに年収が低下してしまうケースもあります。
経営次第、努力次第といえます。
激しい競争やAIの進歩など、環境は決して甘くはありませんが、活躍次第では青天井というわけです。
年収が高い税理士の特徴とは?
平均の年収について解説をしてきましたが、その中でも年収が高い人には特徴があります。
それが以下の4つです。
- 得意分野がある
- 信頼関係を築ける
- 開業している
- 税理士以外の資格を持っている
得意分野があるとその人に頼もうと考えるので、年収が上がっていきます。
そのときに信頼を得られると長期的に稼ぐことができるので、収入も安定して高くなっていくのです。
そのため勉強とコミュニケーションができると年収も上がっていきます。
税理士以外にも資格を持っておくと仕事の幅が広がり、結果として年収アップにもつながります。
社会保険労務士、中小企業診断士、不動産鑑定士などをめざす方が多いようです。
よくある質問
最後に、税理士の年収についてよくある質問4つを紹介します。
税理士の年収は企業規模や年齢をはじめとした様々な要因によって変わります。
そのため様々な指標での平均年収を知ることで、税理士の年収についてさらに理解が深まるでしょう。
所属税理士の年収はどれくらい?
所属税理士の年収は企業規模によって以下のように異なります。
企業規模計(10人以上)
決まって支給する現金(A) |
506.4千円 |
年間賞与その他特別給与額(B) |
1,390.5千円 |
合計(A×12ヶ月+B) |
7,467.3千円 |
企業規模10~99人
決まって支給する現金(A) |
496.5千円 |
年間賞与その他特別給与額(B) |
1,105.3千円 |
合計(A×12ヶ月+B) |
7,063.3千円 |
企業規模100~999人
決まって支給する現金(A) |
476.8千円 |
年間賞与その他特別給与額(B) |
1,464.6千円 |
合計(A×12ヶ月+B) |
7,186.2千円 |
企業規模1,000人以上
決まって支給する現金(A) |
583.2千円 |
年間賞与その他特別給与額(B) |
2,224.5千円 |
合計(A×12ヶ月+B) |
9,222.9千円 |
出典:令和5年賃金構造基本統計調査「職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」
35歳の税理士の年収はどれくらい?
同じ35歳でも、経験年数や勤務先によって年収は大きく異なるため一概にはいえません。
参考として「男女別・年齢別の平均年収」と「年齢別の平均年収」で掲載した表から、35歳とその前後の平均年収を再掲します。
男女別の平均年収
年代 |
男性平均年収 |
女性平均年収 |
30~34歳 |
約748万円 |
約504万円 |
35~39歳 |
約836万円 |
約675万円 |
40~44歳 |
約901万円 |
約662万円 |
年齢別の平均年収
年代 |
平均年収 |
30~34歳 |
約682万円 |
35~39歳 |
約828万円 |
40~44歳 |
約877万円 |
35歳税理士の年収は、700万円~800万円程度と考えられます。
正社員の税理士の年収はどれくらい?
税理士の年収について、雇用形態別と明記された統計資料は公開されていません。
そのため正確な金額は不明ですが、これまで紹介した様々な指標における税理士の年収目安から、大まかな金額の推測は可能です。
大手税理士法人の勤務税理士の平均年収 |
500万円前後 |
中小の税理士法人の平均年収 |
300万円前後 |
所属税理士の平均年収 |
597万円 |
正社員として勤務する税理士の平均年収は300万円〜600万円といえるでしょう。
昇格して役職に就く、社員税理士になる、独立開業をする等の場合に比べると、年収目安は低めとなります。
日本一年収が高い税理士は?
勤務税理士が最も高年収を得やすい職場はBIG4税理士法人と考えられます。
税理士の年収ランキングは公開されていませんが、BIG4税理士法人に勤務する税理士はトップクラスの年収を誇るでしょう。
BIG4税理士法人それぞれの平均年収 は以下の通りです。
1位 |
PwC税理士法人 |
801万円 |
2位 |
デロイトトーマツ税理士法人 |
756万円 |
3位 |
EY税理士法人 |
741万円 |
4位 |
KPMG税理士法人 |
738万円 |
まとめ
税理士法人の年収について解説をしてきました。
平均年収は約746万円です。
これは働いている税理士法人によって変動があります。
大手では1,000万円以上というケースも多くあります。
社員税理士と所属税理士という立場によっても異なりますので、今後のキャリア形成をどのように進めていくかを考える際のポイントとなります。
ぜひ、この記事を参考にしてみてください。
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