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法定監査とは?内容や請け負う人などを解説

更新日:2023.08.31

会計士の転職お役立ち情報

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企業運営を進めていくうえで、法定監査を受けることがあります。

法定監査は通常、大企業に義務付けられている会計監査を指すことが多いです。

しかし法定税務調書の内容が正しいかの監査も、法定監査という言葉で示されることがあります。

 

法定監査の場面で戸惑わないためには、事前に法定監査について知っておくことが大切です。

ふたつの意味があるため、それぞれの内容について理解しておくとより安心でしょう。

会計監査および法定税務調書の監査、ふたつの法定監査について紹介します。

法定監査とは

まずは法定監査がどのようなものかを解説します。

法定監査の対象となる企業についても取り上げました。

法定監査①会計監査

法定監査という言葉は多くの場合、会計監査のことを指します。

会計監査とは企業が作成した財務諸表が、金融商品取引法や会社法に則って適切に作成・表示されているかの監査です。

公認会計士によって実施される監査で、監査結果を「独立監査人の監査報告書」において意見として公表します。

意見は以下の4種類です。

 

  • 無限定適正意見 財務諸表に問題がない、適正である
  • 限定付適正意見 財務諸表の作成・表示に一部誤りがある
  • 不適正意見 財務諸表の作成・表示が不適正である
  • 意見不表明 監査が実施できないなどの理由により、財務諸表の適正が判断できない

 

企業は監査報告書を財務情報や有価証券報告書において必ず表示する必要があります。

会計監査を受ける企業とは

会計監査はすべての企業に義務付けられているものではありません。

会計監査を受ける必要があるのは、次のいずれかに当てはまる企業です。

 

  • 資本金が5億円以上もしくは負債合計額が200億円以上の大会社
  • 監査等委員会または指名委員会等を設置している会社
  • 会計監査人の任意設置をしている会社

 

委員会の設置有無に関わらず、大会社には会計監査を受けることが義務付けられています。

資本金や負債が基準に達しているかは、貸借対照表に記載された金額をもとに判断します。

 

大会社に当てはまらない会社であっても、委員会や会計監査人を設置している場合には会計監査が必要です。

健全な会社運営を証明するため、大会社でなくても会計監査を希望する会社が存在するのです。

法定監査②法定税務調書の法定監査

法定監査は大会社などの会計監査だけでなく、法定調書の税務調査を指すこともあります。

会計の世界における法定調書は、「法定調書合計表」を指す用語です。

法定調書合計表とは、年末調整の結果をもとに作成して税務署へ提出する書類です。

法定調書は納税義務者の給与状況を正しく把握するために求められます。

適正かつ公正な課税のために法定調書に関する調査が必要と判断された場合、税務署から法定監査がおこなわれます。

前述したように、会計監査を意味する法定監査が義務付けられているのは大会社などです。

そのため中小企業において法定監査という言葉が出てきた場合には、法定監査に対する税務調査を示すケースが多いです。

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法定監査①会計監査を請け負うのは?

法定監査を請け負う人や機関について解説します。

まずは会計監査についてです。

監査法人

会計監査は多くの場合、監査法人によっておこなわれます。

監査法人とは会計監査を主な業務とし、5人以上の公認会計士によって構成されている法人です。

 

大規模な企業など人手が必要とされる監査の多くは監査法人によっておこなわれます。

会計監査だけでなくコンサルティング業務など、非監査業務を請け負う監査法人も多いです。

ただし監査においては独立性が必要なため、監査クライアントに非監査業務の提供はできません。

大会社に当てはまる会社の法定監査は、監査法人が請け負うケースが多いです。

独立した個人の会計士も

監査法人だけでなく、独立した個人の会計士が監査をおこなう場合もあります。

 

監査業務は公認会計士であれば1人でも可能ですが、大規模になるとどうしても手が足りなくなってしまいます。

会計監査を受ける会社の多くは大規模な大会社であるため、監査=監査法人がおこなうものという印象が強くなりがちです。

しかし中小規模の会社であれば、個人の会計士が監査をおこなうことも少なくありません

独立して中小規模の監査を中心に業務を請け負う公認会計士も存在します。

公認会計士について

会計監査をおこなう公認会計士という職業について簡単に解説します。

な業務内容な以下のとおりです。

 

  • 会計監査
  • コンサルティング業務

 

会計監査は公認会計士の独占業務であることが公認会計士法で定められています。

公認会計士は日本三大資格のひとつで、資格取得までの道が非常に険しいです。

 

勉強時間は最低でも3,000時間は必要ですが、この倍以上の時間がかかることも珍しくありません。

最短でも2年は必要と考えるべきでしょう。

資格取得は非常に難しいですが、その分得られる年収は非常に大きいです。

初任給でも月給30万円以上、年収にすると550万円ほどが実現可能です。

法定監査②法定税務調書の法定監査を請け負うのは?

続いては法定監査のうち、法定調書の税務調査を請け負う人について解説します。

会計監査とはまったく異なる意味を持つため、請け負う人も違います。

税理士

法定調書の税務調査は、税理士が請け負うことがほとんどです。

多くの場合は顧問税理士がおこないます。

複数人が業務にあたることが多い会計監査と違い、税務調査は顧問税理士1人で担当するケースが多いです。

税務調査をおこなうのはあくまで税務署の担当者であり、税理士に求められるのは質問への対応やクライアントのサポートなどです。

税理士側に求められる業務量が極端に多いわけではないため1人でも問題なく対応できます。

法定監査に限らず、税理士の業務は比較的個人もしくはごく少数で捌ける内容が多いです。

税理士について

法定調書の税務調査を請け負う税理士という職業についても解説します。

税理士は税務の専門家で、主な業務は以下のとおりです。

 

  • 税務代理
  • 税務相談
  • 税務署類の作成
  • 記帳代行業務
  • コンサルティング業務

 

上の3つが税理士の独占業務です。

税務業務が中心ではありますが、税理士事務所の多くは記帳代行や経営コンサルティングといった業務も請け負います。

日本三大資格には入りませんが、税理士も取得が非常に困難な資格です。

会計学2科目と税法3科目の計5科目に合格する必要があり、どの科目も合格率は10%~20%程度と低めです。

 

ただし一度の試験ですべての科目に合格する必要はなく、一度合格すれば期限もありません。

合格まで年単位での勉強が必要な試験ではありますが、難関資格の中では比較的働きながらでも勉強しやすい資格です。

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まとめ

法定監査は主に大会社が受けるような会計監査と、中小企業が受ける法定調書の税務調査を指す言葉です。

それぞれ請け負う人や機関・内容がまったく異なります。

会計監査は監査法人や公認会計士が対応します。

公認会計士の独占業務であり、大会社は必ず監査を受けなければなりません。

法定調書の税務調査は税理士が対応します。

税務調査はそれほど頻繁におこなわれるものではないため、税理士を含め聞き慣れない人が多数です。

いずれの場合も、法定監査は企業運営において非常に重要な意味を持ちます。

 

法定監査がどのようなものか把握しておくことが、慌てずスムーズに対応するために大切です。

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