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50代の公認会計士は転職できるのか?

更新日:2023.08.30

会計士の転職お役立ち情報

公認会計士 男性 50代

公認会計士は、一生役に立つ国家資格です。

ただ、試験が難関なために、平均年齢は高い傾向にあります。

 

公認会計士ならば、50代でも転職はできるものなのでしょうか。

一般的な50代の転職事情と比較しながら見ていきましょう。

一般的な転職事情は?

20代の場合

まずは公認会計士に限らず、一般的な転職市場における年代別の転職事情をみていきましょう。

20代~40代までのキャリアでどのようなことが求められているかが見栄てきます。

20代の転職は第二新卒も含みます。

第二新卒は入社から3年未満の求職者を指し、四年制大学卒業と仮定すると25〜26歳になります。

第二新卒も含め、20代の転職ではポテンシャルも考慮され、未経験でのキャリアチェンジの成功率も高く、挑戦することができます。

 

20代のうちに、30代・40代、そしてキャリアの集大成のことを考えることはいいことです。

実現するかどうかではなく、将来をイメージしてスキルや経験を積むことが大事です。

30代の転職

次に30代となるとどうなるのでしょうか。

30代になると、転職市場では経験を重視されるようになります。

 

経験に基づいたうえで未経験の業務にステップアップすることはもちろん可能ですが、キャリアチェンジ・ジョブチェンジでの未経験チャレンジはハードルが高くなります。

不可能ではないのですが、年収が下がってしまうなどのデメリットがあります。

30代の転職で成功するには、20代をどのように過ごしているかが重要です。

新卒で会社に入ると、基本的はその後の転職は想定せず、長く活躍しようという夢をもってている人がほとんどです。

そのため、20代のタイミングで「転職のためにもしっかりと経験を積んでおこう」と考えている人は珍しいでしょう。

 

しかし、転職をするしないに関係なく、一社で長く勤めるにしても、転職をするにしても、20代で何をすべきかというところはキャリアにおいてポイントです。

30代での転職では、入社直後からそれまでに何をしてきたかをしっかりと整理し、成長してきたこと、実績、個人として積んだスキルなどをアピールすることが成功につながります。

40代の転職事情

40代での転職も見ていきましょう。

40代になると、知識や経験はもちろん、仕事上の実績は当然ながら評価されます。

そのうえで、管理能力(マネジメント力)が問われることになります。

 

40代になると管理職になっている人もいますし、管理職手前の人も多数います。

ここで求められるのは、部下を管理しながら、チームをどうマネジメントするのかというところがポイントとなります。

これらのポイントをアピールできるように整理しておきましょう。

ここまで見てきたのは一般的な転職市場における年代別の評価ポイントですが、公認会計士への評価もこれはベースになっています。

そのうえで、会計士の特徴などをふまえて見ていきましょう。

公認会計士の転職事情は

公認会計士の転職市場はどのような状況でしょうか。

公認会計士は試験合格後、監査法人に就職します。

ほとんどの会計士のキャリアは監査法人からスタートするため、転職の最初のステップは監査法人からの転職ということになります。

監査法人でキャリアを積むと、独占業務である監査に関連する経験や知識はもちろんのことですが、内部統制や組織など会社全般のことも理解することができます。

 

また、クライアントを複数担当すれば、業界特有の特徴なども把握することができるでしょう。

監査法人以外の主な転職先

監査法人からの転職先としては選択肢は多数あります。

他の監査法人、会計系のコンサルティングファーム、会計事務所、事業会社などがあります。

監査業務は続けたいが、働き方やクライアントなどを変えたいという場合他の監査法人を選べます。

監査業務は法人によって手順などは異なりますが、基本的には同じ業務ですので、スムーズに転職することが可能です。

監査よりももっと会社に近い立場で専門的知識を生かしたければ、会計系のコンサルティングファームを選ぶことができます。

 

企業それぞれの課題に対し、M&A、IPO準備、事業再生など、さまざまな解決方法を提示して実践していきます。

また、監査やコンサルティングは、企業の外から指摘したり課題解決をしたりしていきますが、実際に当事者になりたいという場合は事業会社を選択します。

会社の立場で有価証券報告書の作成をしたり、会社をどう成長させていくか検討して実践したりすることを当事者として行うことができます。

公認会計士は税理士登録もできますので、会計や税務を通して企業の会計面のサポート、そこから発展して経営の成長をサポートしたいというのであれば、会計事務所(税理士法人)を選択すると良いでしょう。

 

選択肢それぞれで内容が異なるので、やりたいことを見つけて転職先を選びましょう。

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50代での転職は可能?

一般的な50代の転職に求められていること

ここで、あらためて50代の転職について考えていきましょう。

一般的に50代といえば管理職の中でも最終決定者というような会社にとって重要な立場になっています。

20代、30代、40代という時代を過ごし、その中で経験を積んで重要なポジションについているでしょう。

 

50代での転職となると、このようなポジションにつけるような経験や知識が求められることになります。

やはりなかなかハードルは高いです。

また、このようなポジションは会社の中でも限られた数しかありませんし、基本的には社内で経験を積んだ人がつくポジションのため、転職市場に出てくる求人も少なくなってしまいます。

 

外部から採用する場合、例えばスタッフレベルであれば多少スキルが足りなかったり、経験が異なったりしても、今後の成長に期待して採用を決めることがあります。

しかし、管理職クラスの採用は今後の企業経営にも直結するため慎重ですし、条件と完全に一致していなければ採用しない傾向があります。

選考のハードルもどうしても上がってしまいます。

以上のことから、50代の転職は簡単ではありません。基本的に難しいと考えましょう。

突破するためには20代、30代、40代での積み重ねが重要です。

 

50代を迎えるにあたってどのような経験が必要なのかを見ていきましょう。

50代での転職を成功させるには:積んでおくべき経験

では、50代を迎えるまでにどのような経験をしているのが重要なのでしょうか。

単刀直入にいって、50代では管理能力と判断力が求められます。

ここまで見てきた通り、50代は会社でも重要なポジションになっています。

部下の管理をしながら、部下が進めた仕事に対して判断していくということが多くなってきます。

 

管理能力と判断力をどこまで身につけているかが転職のポイントとなります。

 

仕事の基本となる専門能力は、30代までには身につけておきましょう。

そして40代で会社ではしっかりと実績を残し、管理能力を身につけましょう。

 

このような積み重ねをしておけば、50代での転職によるステップアップの可能性が高まります。

 

50代で転職を考える人は少ないかもしれませんが、着実にステップアップをしていなければ、転職ができないだけならまだしも会社でもどんどん抜かれているという状況になる可能性もあります。

そのためにも、転職の有無に関わらず、しっかりとキャリアを積んでいくことが重要です。

50代公認会計士の転職事情

以上のことを踏まえ、50代の公認会計士の転職について考えていきましょう。

50代の公認会計士の転職希望先は、圧倒的に事業会社が多くなっています。

この段階でほかの監査法人へということもないですし、コンサルティングファームの高い専門性をこの年代からチャレンジすることはハードルが高く、また、会計事務所の場合は年収が大幅にダウンする可能性があります。

「これまでの経験を活かしたい」と事業会社を希望する会計士が多いのですが、成功の可能性はどうなのでしょうか。

基本的に簡単ではないことは一般的な転職市場と変わりはありません。

特に監査法人のみで働いた公認会計士が50代で事業会社へ転職しようとする場合、事業会社はリスクを感じる面が多くなります。

監査業務と、決算を作成する事業会社側の実務はまったく異なりますので、公認会計士といえど実務を知らない50代を重要ポジションに迎えて大丈夫だろうか…と考えてしまうのは当然でしょう。

このケースでは、管理能力や判断能力ではなく、専門スキルの不安があるということになります。

 

監査法人に勤務していても、アドバイザリー業務で企業の実務に近いところにいたり、出向を経験していたりする場合は、有利に働くことがあります。

大切なのは専門的なスキル

いっぽうで、上場準備会社などから「ぜひ来てください」と呼ばれるケースもあります。

これは上場準備会社にとっては専門知識を持っている公認会計士は貴重な存在であること、上場にあたって社内の公認会計士がいることが対外的にも強みになることが理由です。

この場合でも、やはり専門スキルは重要です。

上場準備会社の監査経験があったり、IPO準備アドバイザリー業務の経験があったりすることがポイントとなります。

50代の公認会計士にとって重要なのは、専門スキルの習得であることがわかります。

管理能力、判断能力は監査法人で磨くことができますが、監査業務が主であるため、なかなかほかの業務を経験し、専門スキルを身に着けるのは難しい環境です。

しかし、事業会社では「監査する」というこれまでの経験をそのまま活かすことはできません。

 

監査で指摘され、それをどう修正するか、会社内でどう調整してまとめていくかが必要です。

将来的に転職を考えている会計士は、価値の高い国家資格を有しているからと油断せず、20代・30代のうちからキャリアについてしっかりと考え、必要な経験やスキルを積んでいってください。

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まとめ

ここまで50代の公認会計士の転職について見てきました。

一般的な転職市場の傾向と公認会計士の転職とでは、多少の違いはありますが、重要なポイントは変わりありません。

監査法人での監査業務は、公認会計士の独占業務であり、非常に重要な仕事で高い専門性を有していますが、監査法人以外でそのまま活かすのは難しいものです。

 

転職をするためには、監査以外の専門性を高めていくことを意識し、キャリアを積み重ねていってください。

Profile レックスアドバイザーズ

公認会計士・税理士等の有資格者をはじめとする会計人材専門特化した人材紹介会社。
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