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会計事務所の離職率はどれくらい?高いと言われる理由を解説!

更新日:2023.05.23

税理士の転職お役立ち情報

退職願を持っている人

会計事務所については一般企業と比較して離職率が高い業界と言われています。

なぜなのでしょうか。

離職率の高さは、一概にネガティブな側面だけでもないのです、

このような会計事務所の離職率についてみていきましょう。

 

会計事務所の離職率は高いのか?

一般企業の離職率は厚生労働省のデータによるとおおよそ15%程度ですが、会計事務所では一年未満の短期離職を繰り返してしまっている方も多くおり、会計事務所の離職率は一般企業の離職率に比べて高いと言われています。

なぜならばそもそも独立開業を目的に税理士を目指す人が多いこと、閉鎖的な事務所空間で人間関係に行き詰まる人が多いこと、会計事務所経験者は同業への転職がしやすいこと等がその理由です。

会計事務所の離職率が高い理由

①会計事務所の規模

日本における会計事務所の数は、総務省・経済産業省の経済センサス基礎調査データによると全国で約31,200社あります。

そのため、会計事務所と言っても事務所の規模や業務の取扱内容によって大きく違いがあるのです。

一般的に、国内の会計事務所の90%以上が個人事務所だと言われていますが、小さな事務所になればなるほど所長の意向が組織風土に強く反映されることになります。

そのため、自身と所長との相性が合わず、離職を決意される人も多いです。

②繁忙期と閑散期の差が大きい

会計事務所は、クライアント企業の毎月の決算申告業務や月次業務のほか、年末調整や年次税務申告などを行います。
事業会社の決算月は一般的に3月・9月とすることが多いため、必然的にクライアントの決算月近辺の時期は繁忙期となります。

そのため、繁忙期における長期の残業が理由で離職を決意される方が多くなります。

なお6月以降秋口を超えるまでは、通常業務のみの閑散期となり、気持ち的にも余裕を持って仕事できる期間になります。

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離職率が低い会計事務所の特徴は?

①働き方の管理

会計事務所業界は、税務申告等の期限がある業務が多くあります。
季節性のある業務でもあり、繁忙期がどうしても発生する業界とも言えます。

繁忙期が過ぎれば業務が落ち着く、というイメージが持てる会計事務所の人材定着率は決して悪くないのですが、常に業務過多で人材不足で慢性的に残業が発生する事務所も多いのが現状です。

そういったタイプの会計事務所の人材定着性は低い場合が多く、長期就業がし難い事務所という見方をすることができるかも知れません。

しかし、忙しくても給与水準が高い、スキルアップにつながるような業務に従事できるといったメリットを提供できている事務所に関しては、その限りではないでしょう。
計画性がなく、効率化も図ることなく残業が多いような事務所は、結果的に人材の管理も行き届かず、離職率の高さにつながっているのです。

②福利厚生

残業時間の多さは人材定着率の低下を導き易い傾向にあるのですが、仮に多忙な事務所であったとしても、それに見合う福利厚生が提供されている事務所においては、高い人材定着率を維持できる会計事務所もあります。

また、残業をした分だけしっかりと時間外手当が支給されるように適切な労務管理をしている事務所の人材定着性も高い傾向にあります。

あわせて産前産後休暇・育児休業・時短勤務といったような働く女性を支援する姿勢が強い事務所も、人材定着性が高い事務所である場合が多くなります。

③経営方針

人材の定着率の高い会計事務所は、事務所の経営方針がしっかりとしている事が多いです。

提供している業務のボリュームや特性をしっかりと理解し、それにあわせて必要な人員計画を立てており、モチベーションを下げさせないための配慮があり、ライフイベント等で従業員が今まで通り働けなくなった場合にも備えた福利厚生制度が充実しているわけです。

従業員に対して適切な配慮を行うには、これらにつながる経営方針をしっかりと持っていることが重要です。

④所長

確固たる経営方針を持ちながら会計事務所を経営している所長は、人格的にも長けている傾向が強いです。
つまり、自身の理念や経営に対する考え方がしっかりとしているので、それに基づいた経営方針を立てることができ、単純な損得勘定を抜いて意思決定ができるのです。

よって、その事務所がまだ発展途上の段階で、高い給与や充実した福利厚生を提供できなかったとしても、事務所のトップがその考えをしっかりと従業員に伝え続けることができる方であれば、それを信じている従業員達はトップについていく選択をしてくれるということなのではないでしょうか。

そう考えると、転職活動を行うに際し、離職率が低い会計事務所で働きたいという希望があるならば、何よりも所長の考えと共感できるかを最重要視するのが良いでしょう。

離職率が低い会計事務所に転職するポイント

①会計事務所の転職者の定着率

会計事務所の平均勤続年数は約10年と言われていますが、売り手市場になりその期間は短くなっている傾向にあります。

また採用できても定着せず、常に人を募集している会計事務所も少なくはなく、転職者の定着率が極端に低い会計事務所は注意した方がよいでしょう。

ただし離職率が低いほどいいのかというとそういうわけではなく、会計事務所のフェーズや個人のキャリアプランにより、離職があるのはむしろ健全な事務所であり、採用・育成力が高い会計事務所ほど一定の離職率は維持されています。

また、離職率が低いということは、長く在籍する会計事務所スタッフの方の割合が多く、転職組にとっては馴染みにくいケースもあります。
実際の転職者の定着率については一般に公開はされていないですので、転職エージェントなどを利用して確認してみてください。

②年齢構成

年齢構成について平均年齢だけで判断しないように注意が必要です。
所長に近い年齢のベテランスタッフが数人いて、後は若いスタッフだけという場合、平均年齢は下がります。

しかしそのような事務所では、中堅層が育たないためにその年齢層が抜けてしまい、常にベテランと新人だけの人員構成になっている可能性があります。
そのような状況ですと人を育てられず、数年勤めた新人が全員辞めてしまう事務所のおそれもあります。

たとえば所長が50代なら40代、30代、20代とバランスよく人数がいるというように、所長の年齢を基準として、10歳区切りで人材が揃っているのは理想的な年齢構成ともいえます。
年齢構成については面接や転職エージェント経由で確認するといいでしょう。

③有資格者や未経験者の採用数

有資格者については日本税理士会連合会のホームページで、所長だけでなく事務所所属の登録税理士まで検索できますので、その事務所の有資格者数も分かります。
全従業員数のうち登録税理士数の割合を知ることで、その会計事務所がどれほど資格を重視しているかが分かります。

なお検索方法は、税理士情報検索のページから「条件を指定して検索したい場合」の「税理士」を選択します。

そして「事務所名」の欄に事務所名を入力すれば調べられます。


未経験者についてはホームページの従業員紹介だけで、税理士業界の未経験者が多いかどうかは判明しませんが、若い従業員の人数を見ればおおよそ判断できるでしょう。


また、未経験者は転職時に事務所の教育体制を気にすることが多いので、求人ページにそのような記載がある事務所は、未経験者の採用に積極的だと判断できます。

若い従業員が多い事務所は、教育体制がある程度しっかりしていると推測できます。

④残業時間

クラウド会計ソフトの浸透により、少しずつ業界全体で業務効率化の流れになってきているものの、会計事務所全体としてまだまだ労働集約の側面が強く、残業時間が多い会計事務所も少なくないです。

特に会計事務所の場合、繁忙期(確定申告期や決算期など)が明確であり、残業時間もそれに応じて繁忙期とそれ以外では大きく差があります。

よって一般企業で開示されることの多い月平均残業時間だけではなく繁忙期残業時間についても別途確認するとよいでしょう。

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まとめ

会計事務所は離職率が高いといわれていますが、その中でも離職率も低く働きやすい会計事務所もあります。

情報を収集したり、転職エージェントに相談したりするなどして自分にあった会計事務所を探してみてはいかがでしょうか。

Profile レックスアドバイザーズ

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