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会計監査において、監査法人を交代することが時おりあります。
近年では大手から準大手の監査法人に移行することが多いようです。
監査法人交代におけるポイントや注意点を解説します。
監査法人交代の傾向と理由
①監査法人交代の傾向
会計監査人の異動に関して、合併による異動の影響を除き、過去5年で最多の142件を記録しました。
といっても昨年は、138件で大幅な増加ではありません。
近年は、大手監査法人から準大手監査法人以下への異動傾向が見うけられます。
大手から大手への異動は、28件(前年は25件)にとどまりました。
②監査法人を交代する理由
異動理由については、今まで「任期満了」がもっとも多く、実質的な理由は記載されていませんでした。
しかし東京証券取引所の改訂版「会社情報適時開示ガイドブック」において、交代理由の開示が求められた結果、2020年では皆無となっています。
現在では、交代理由としては大手監査法人が「監査報酬」で最多。次いで「継続監査期間」「会計監査人からの辞任等」が続きます。
一方で、準大手監査法人及び中小規模監査事務所は「会計監査人からの辞任等」、「監査報酬」、「グローバルな監査体制」が、異動理由として挙げられています。
③監査法人交代の推移
このような状況で、新たな監査報酬の算出方法を検討する動きが起きています。
しかし報酬面だけではなく、ITの活用による1人当たり労働時間の短縮などの働き方改革や、新型コロナウイルスの影響による在宅勤務の実施など、業界全体で新しい環境変化への対応が求められているのが実情です。
会計監査人の働き方だけではなく、監査業務におけるAIやITの利用、サイバーセキュリティ対策など、IT・最新技術への投資が盛んになっています。
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クライアントを引き継ぐ際のポイント
①クライアントへの事前調査
監査法人の変更に伴いクライアントを引き継ぐ場合、クライアントがどのような企業であるかを調査する必要があります。
内容は、有価証券報告書などで開示されているため、事業規模や会社規模、事業内容など多岐に渡ります。
②クライアントが監査法人を変更する理由
クライアントが監査法人を変更する場合、監査人の変更は安易にできるものではないため、相応の理由があって交代となります。
よって、どのような理由で監査法人を交代するのか、何を求めているのかなどを確認する必要があります。
③クライアントの経理体制
事前にクライアントの経理体制を確認することも非常に重要です。
クライアントの経理体制を確認することで、クライアントが経理体制に重きを置いているかがわかります。
クライアント契約までに確認すべきポイント
①クライアントが認識している自社課題
これは、経営者へのヒアリング時にも確認すべき事項ではありますが、クライアントが抱えている自社課題を事前に把握しておくことは重要です。
②監査法人に対する認識
監査法人と上場企業はWINWINの関係である必要があります。
ただし、企業によっては監査法人を人の粗さがしと認識しているクライアントも少なからず存在します。
このように事前に監査法人に対する認識を確認することも重要です。
③経営者へのヒアリング
事前準備として、経営者へのヒアリングは一番重要な事項と言えます。
やはり経営者は会社の顔であるとともに、会社の方針を決定する最高責任者です。
その最高責任者の考え方などをヒアリングすることは非常に大切です。
まとめ
以上のように、監査法人を交代するということは頻繁に行われることではないため、交代する際は相応の準備が必要となります。
ただし、近年では上場企業の監査人交代も決して珍しい事ではないため、クライアントを引き継ぐ際は、安易に契約をするのではなく、きっちりとした事前準備を行うようにしましょう。
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