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内部監査に将来性はある?その仕事内容やキャリアパスについて解説

更新日:2025.03.07

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内部監査に将来性はある?その仕事内容やキャリアパスについて解説

内部監査は、企業の健全な運営に欠かせません。
しかし、その仕事内容と、内部監査の将来性については知らない、という方も多いのではないでしょうか。

内部監査の仕事内容と将来性について解説します。

内部監査には将来性がある

内部監査は、経営を円滑に行い発展に寄与していくため、ニーズが高く将来性のある職業です。
専門性の高い仕事なので、年齢に関係なく知見を深めてきた人が、内部監査人として活躍しています。

日頃より内部監査に関する専門性を身につけていけば、会社において重要な存在となり、有用なキャリア形成を行っていくことが可能です。

内部監査とはどんな仕事か

1.内部監査とは

内部監査とは、組織の内部の人間が行う監査のことで、業務上の不正の防止や、業務の効率化目的で実施します。
2006年の会社法の改正により内部統制整備の義務化が制定され、大企業では内部監査の設置が必須となりました。  


業界団体である一般社団法人日本内部監査協会では、内部監査の意義・目的を以下のように定めています。

組織体の経営目標の効果的な達成に役立つこと
合法性・合理性の観点から公正かつ独立の立場で実施すること
客観的意見や助言・勧告をする監査の品質保証(アシュアランス)に関する業務と経営諸活動の支援をするアドバイザー業務であること

2.内部監査の仕事内容

内部監査は、企業の監査役や社内担当者が、経営者に命じられて行うものです。
具体的には、社内規定が正しく文書に記載され、社内で正しく運用されているかなどをチェックします。
内部監査の結果は経営者に報告され、経営改善のために役立てられます。

内部統制と内部監査の内容や重要性における違いについて知りたい人は、こちらの記事を参考にしてみて下さい。
関連リンク:内部統制と内部監査の違いと内容およびその重要性

3.内部監査に必要なスキル

企業の不祥事の防止や業務効率のチェック、または売上向上を目的として、合法性・合理性に基づき経営諸活動に対するアドバイスを行います。
健全な経営を維持し、問題点を改善するための制度といえます。

ちなみに内部監査専任の部門が設けられていない企業の場合、監査を受ける部署とは別の部署の社員が内部監査を行います。

4.外部監査との違い

内部監査は、企業内部における監査組織によって任意で行われるのに対して、外部監査は公認会計士や監査法人により行われます。
外部監査は、財務諸表や計算書類に対して一般に公正妥当と認められた企業会計の基準に準拠して、適正に表示しているかを監査人の立場から意見として表明することです。

外部監査によって、利害関係者は専門性の高い財務諸表や計算書類について専門家の意見を参考に、具体的な意思決定を行えるようになります。

内部監査の重要性

1.上場企業における不正会計の傾向

上場企業の不正会計は、株価に影響し、ひいては日本経済に影響を及ぼします。

2023年度に「不適切な会計・経理」(以下、不適切会計)を開示した上場企業は、58社(前年度比5.4%増)でした。
また、件数は62件(同10.7%増)。
3年連続で社数、件数ともに前年を上回るという結果でした。

 

市場別では、

  • 東証プライム……27社(構成比46.5%)
  • 東証スタンダード……18社(同31.0%)
  • 東証グロース…11社(同18.9%)

2008年度に集計を開始したこのリサーチは、2019年度の74社・78件がピークです。
近年は減少傾向にありましたは、ここ数年ゆるやかな増加を続けています。

2.不正会計があった場合の影響

社会的なペナルティでいくと「会社の信用を失うこと」です。
特に取引先や銀行からの信用を失えば、事業の継続自体が困難になります。

また銀行から融資の一括返済を求められることや、上場企業であれば上場廃止になるのもペナルティといえるでしょう。
粉飾決算は企業にとって「一時的なメリット」をもたらすかもしれませんが、同時に、はるかに深刻なデメリットをもたらすものです。

数年前にニュースでも大きく取り上げられた東芝のケースでは、企業経営を揺るがすほどの事態には発展しませんでしたが、それでも社会的な信用や企業イメージは大きく傷つきました。
日本やアメリカでは、いくつもの訴訟が現在も進行中です。

どのような規模の企業であれ、粉飾決算は絶対に避けるべき「危険なテクニック」といえるでしょう。

3.内部監査の重要性

一般社団法人の日本内部監査協会が定める「内部監査基準」では、内部監査の必要性として、「組織体が、その経営目標を効果的に達成し(中略)社会的な信頼性を確保することが望まれる」と掲げられています。


企業などの組織が経営目標を達成して、対外的な信頼度を高めていくためには、内部監査部門によって業務や財務の状況を適切に把握する必要があるとしているのです。

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内部監査の転職市場から見る将来性

内部監査の市場価値の傾向

内部監査は、企業におけるリスクを事前に把握して対策を講じていくことで、経営を円滑に遂行するために行われています。
業務の有効性や効率性、事業活動に関わる法令等の遵守が重要とされている昨今において、内部監査を行える人は経営のキーパーソンです。
経営におけるリスクは、早期に発見して改善していかなければ、重大な問題に進展してしまうことも少なくありません。

大企業など設置義務のある企業は、限定されているので専門性のある人材は少ないと言えます。
内部監査における経験のある人材が、転職市場に出回らないため、市場価値が非常に高くニーズがある職業です。

経験を積んでおくと、転職をする際に有利に進められる可能性は高いですが、求人数も少ないので注意しなければなりません。
転職する際には、内部監査での経験を具体的にまとめておき、積極的にアピールしていくのが大切になってきます。

市場価値が高いので、キャリアを形成していきやすく、専門性が自分の武器になるので有益です。

内部監査の転職市場の傾向

内部監査は、転職市場において大会社や上場企業など、設置が強制されている企業で特にニーズがあります。
転職市場において、内部監査の求人で重要視されるのは、専門性がどの程度身に付いているかです。

内部監査は、企業において経験が豊富にある人材が行うため、実務経験が伴った専門性が最も重要と言えます。
デジタル技術の発展やグローバル経済に伴って、経営における問題は複雑で多様化してきており、企業は市場の動向に対応していかなければなりません。

内部監査においても、経営の問題に伴って発生が予見されるリスクに応じて、コンプライアンスやガバナンス体制を強化していく必要があります。
内部監査でも、専門性の高い業務に従事していた経験がある場合には、適合した求人に応募する際に有利です。

一方で、実務経験がない場合には内部監査を行っていけないわけでもなく、専門性をアピールしていけるかが鍵を握ります。
会計や財務、法務における実務経験があり、知識が豊富な場合には内部監査として転職できるかもしれません。

内部監査のキャリアを考えるポイント

内部監査におけるキャリアパスを考えていく場合には、企業内でのキャリアの実績を見ていかなければなりません。
内部監査は、経営における大切なポジションのため、社内の人材から任命する場合だけではなく、実績のある人材を中途採用する場合も多いです。

過去に社内より内部監査室長などに任命された人材がいない場合には、外部より中途採用する方針の可能性があります。
日々内部監査における業務を遂行しても、方針によってキャリアアップできない場合もあるので注意しなければなりません。

理想とするキャリアが形成できない場合には、経験を適切に評価して貰える企業への転職も検討していくのが賢明です。
また、CIAなどの資格を取得すると外資系企業や海外で内部監査を行うことも可能であり、キャリアプランを具体的にしておく必要があります。

経営企画・内部監査の求人

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内部監査の仕事内容の変化

1.内部監査とIT

情報技術(IT)はすでにビジネスの一部となっており、内部監査人もビジネスとITの両方の高度化・複雑化・グローバル化の影響を大きく受けています。

ガバナンス・リスクマネジメント・内部統制や内部監査の専門グローバルコンサルティング会社であるプロティビティでは、内部監査人の能力・スキルに関する調査「内部監査に必要な能力のサーベイ」を日米で毎年実施しています。

2.内部監査とAI

内部監査の専門家は、次のデジタル領域フロンティアになり得る人工知能に後れを取ることはできません。
内部監査人はこれに備えてAIの基本、内部監査が果たせる役割と果たすべき役割、およびAIのリスクと機会を理解しなければなりません。

内部監査人はこれらの課題を乗り切るために『フレームワーク』を活用して、AIに関連するリスク・マネジメント、コントロール、ガバナンスの各プロセスの有効性を評価し改善するために規律ある姿勢で体系的な手法を使用すべきでしょう。

内部監査に向いている人

内部監査に向いている人は、以下の要件に該当する人です。

  • 業務プロセスを理解している
  • 論理的な思考ができる
  • コミュニケーションに長けている
  • 正義感が強い
  • 独立した立場を保持できる

内部監査は、多様な部門における業務プロセスを理解していると、円滑な監査を遂行できるようになります。
監査の実施過程において、多くの人と接する必要があるので、コミュニケーションに長けていると有利です。
一方で、独立した立場で物事を論理的に考えながら監査を行い、時に毅然とした態度でいる必要があるので、正義感が強い人は内部監査に向いています。

内部監査で求められるスキル

内部監査では、監査計画の立案から改善策の提案まで専門性の高い業務なので、多様なスキルを身につけていなければなりません。

内部監査で求められるのは、以下のスキルです。

  • 内部統制や監査に関する知識
  • コミュニケーション能力
  • 文章力
  • 財務や会計、法律の知見
  • 洞察力

 

内部監査では、内部統制や監査に関する知識は当然必要ですが、財務・会計や法律の知見があると予備調査や監査の実施、分析をする際にも活きてきます。
監査の結果より、現状を分析して客観的に判断する洞察力があると、潜在的なリスクを把握できるので有益です。

報告書の作成、改善策の提案時においてソフトスキルである文章力があれば、より具体的に結果を周知できるので生産性向上に役立ちます。

 

内部監査の求人についてはこちらの記事もご覧ください。
内部監査の求人とは

内部監査の仕事に活かせる資格

内部監査では、専門性に関して正しい知識を獲得していくと仕事に活用していけるようになります。

内部監査の仕事に活かせる資格は、以下の資格です。

  • 公認会計士(CPA)
  • 公認内部監査人(CIA)
  • 公認不正検査士(CFE)
  • 公認統制評価指導士(CCSA)
  • 情報システム監査専門内部監査士

 

内部監査を行う際には、内部統制や情報システム、不正リスクなどの専門性を高めていくと有効な監査に繋がります。
リスクを適切に評価して、内部統制を強化していくためには、正しい知識を獲得して知見を深めていかなければなりません。

資格を取得する過程で、講習を受講したり論文を執筆することで、専門性に磨きがかかり仕事に活かせる知識を獲得していけます。

 

関連リンク:内部監査に資格は必要?CIAなどおすすめの資格を解説

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まとめ

内部監査の目的は6つの要素のうちの「モニタリング」で、内部統制がきちんと機能しているかどうかのチェックを行うために実施しています。
さらに内部監査のニーズが高まるにつれて求められるようになったのが、知識の専門性です。
例えば企業内でのインターネット利用が一般的になった昨今、IT監査やシステム監査なども求められており、そのような専門知識を持った人材も求められています。

コーポレートガバナンスが重視される現在において、内部監査の重要性は増しています。
将来性があり、やりがいのある仕事だといえます。

Profile レックスアドバイザーズ

公認会計士・税理士等の有資格者をはじめとする会計人材専門特化した人材紹介会社。
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