転職お役立ち情報
全国の税理士の人数はどれぐらいだと思いますか?
またどのような会計事務所で働いていると思いますか。
税理士の登録者数は、2021年で7 万9千人程度で、地域別に見ると東京都で2万3千人程度、近畿で1万5千人程度、名古屋では4千人程度となっています。
ちなみに比較をすると、医師は30万人程度、弁護士は4万人程度ですので、他の「士業」といわれる専門職と比較して、多いと感じる方も少ないと感じる方もいらっしゃるでしょう。
では、税理士登録されている方はどのような規模の会計事務所で働いているのでしょうか。
以下で解説していきます。
人数の規模ごとの会計事務所の分類と特徴
会計事務所に関し、規模ごとの明確な定義や分類はありません。
つまり、例えば小規模会計事務所と中堅会計事務所で厳密に人数ごとに分類がなされるわけではありません。
しかし、規模に応じてある程度の特徴があります。
所長が1名のみの個人事務所と四大(BIG4)税理士法人では、雰囲気はもちろんのこと、業務内容、人事評価、得意とする分野など様々な点で異なることでしょう。
個人をクライアントとするか、法人をクライアントとするかでも異なるでしょうし、法人をクライアントとする場合でもグローバル展開している日系上場企業か、それより規模の小さい地域に根付いた企業かなど様々な点で異なることでしょう。
また、コンサルティング業務を展開しているかどうか、といった点でも異なります。
このように、会計事務所の規模ごとに、一定の特徴や違いがありますので、以下で解説します。
【税理士・税理士科目対象】
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①超小規模会計事務所
厳密な定義はありませんが、1人の所長がいて、親族を中心として数名の手伝いが社内にいるような会計事務所です。
全国各地にこのような会計事務所は多く、事務所数でも相当な割合を占めます。
自宅を会計事務所としているところも多く、もちろんビルの1室を借りているようなケースもあります。
所長1人がクライアント対応を行い、あとは社内で書類整理や電話対応などを行います。
クライアントは個人や中小企業の経営者などが多く、報酬もそこまで多くありません。
そのため、給与水準も低めで、職員の教育制度が整っていないこともあります。
家族経営のため、所長のワンマン経営となっているところも多く、社内の雰囲気は所長に大きく左右されます。
また、顧客対応や決算書の作成は所長が自ら行う場合が多いため、経験が積みにくくキャリアアップにつながりにくい可能性があります。
しかし、近年は所長が高齢な会計事務所も多く、後継者を探しているところもあります。
そのような会計事務所だと、全ての業務を任され、多くの経験を積むことができたり、
事務所経営にまつわる全てのことを経験できる可能性があります。
また、稀な事例ですが、会計事務所をクライアントごと引き継がせてもらえることもあります。
そのため、超小規模会計事務所を転職先として検討する場合は、所長はどのようなタイプか、任せてもらえる業務はどのようなものか、など可能な限り具体的に確認しておくことが重要です。
②小規模会計事務所
先述した超小規模会計事務所では、家族経営を前提としていますが、この小規模会計事務所では家族経営を脱し、家族以外のスタッフを10名前後雇っているケースを想定しています。
家族以外も雇っているため自宅ではなく、小規模なオフィスビルに事務所を構えていることが多いです。
超小規模会計事務所と違って、所長がすべてを掌握するのではなく、自分で担当クライアントを持てるケースも多いです。
小規模会計事務所の場合は勤務制度やルールがまだ整っていないケースもあります。
試験勉強との両立を考えていても、大事な時期に業務が重なってしまい、うまく時間を作ることができないということもあり得ます。
小規模会計事務所を選択する場合は、自分のやりたいことができるかどうか、制度などもよく確認しておきましょう。
③中堅会計事務所
この中堅会計事務所では、小規模会計事務所よりさらに人数が増え、スタッフが10名強~40名ほど働いており、比較的立地のいいオフィスビルに会計事務所を構えているケースを想定しています。
この規模だと業界でも知られる程度の規模になっています。
会計事務所の形態ではなく、税理士法人としているケースも多くなってきます。
また、給与水準は業界平均を上回ることが多いため、優秀な人材も集まりやすく、新卒採用を行っているところもあります。
特徴的な強みを持っている事が多く、規模拡大につながった理由を知ることが大事です。
この規模の会計事務所になると様々な業種のクライアントを有しているため、多様な経験を積むことが可能です。
また、クライアントを任せてもらえるため、成長のスピードは早いといえるでしょう。
自分の意欲次第で良質な経験がたくさん積めます。
一方、仕事量は多く、残業が増える可能性があります。
④大規模会計事務所
中堅会計事務所よりさらに規模が大きくなり、スタッフが100名程度の事務所を想定しています。
この規模になると数はかなり少なく、国内に数えるほどしかありません。
全国に支店を有し、転勤もあります。
人数が多いため、福利厚生は一般企業並みに揃っており、産休育休も取れるなど制度も充実しています。
また、教育研修制度が充実しています。
社内に残り続ける人もいれば、経験を積んで独立をする人もいます。
給与は業界平均より大分高い水準にあります。
未経験で入社すれば体系的に一通りのことが学べるようになるでしょう。
⑤四大(BIG4)税理士法人
BIG4とは、世界的に展開する4つの大規模な会計事務所グループのことで、日本では主に上場企業や外資系企業の会計を監査する監査法人を指し、この監査法人が併設している各社税理士法人を四大税理士法人と呼んでいます。
上場企業並みの福利厚生があり、社内の教育研修制度も充実しています。
また採用においては、基本的に資格取得者しか採用されません。
3月決算会社が多く、忙しさに大きな季節変動ありますが、繁忙期は非常に忙しくなります。
クライアントの規模が大きいため中小企業の税務の経験を積むには難しいこともあります。
そのため、将来的に独立し、中小企業経営者をクライアントとした業務を行いたいと考えるのであれば、ここでの経験が活かされることは限定的です。
⑥その他会計事務所
近年、専門に特化し、例えば相続や医療のみを行うという会計事務所も増えています。
利益率の高さなどで専門に特化しているケースもあり、仕事はそこまで忙しくないものの、給料は業界平均より高いところもあります。
人数の規模ごとの会計事務所のよさ
それでは人数の規模ごとの会計事務所のよさはそれぞれどのようなところでしょうか。
以下に解説します。
①規模の小さい会計事務所のよさ
規模の小さい事務所は所長との距離が近いのが最大の魅力です。
業務内容でも経営面でも独立を見据えた場合に勉強になるところも魅力といえるでしょう。
②規模の大きい会計事務所のよさ
規模の大きい事務所はクライアントが多く経験できる仕事が多く、給料が上がりやすいところでしょう。
また組織として仕事をするので、企業と同様、仕事の管理の仕方なども学べます。
前述の通り、福利厚生や研修制度も充実しており、会社としての安定感もあるため、働くには良い環境でしょう。
まとめ
規模の小さい会計事務所も大きい会計事務所もそれぞれよさがあります。
大事なことは自分の目指すキャリアや求めている働き方に合う会計事務所を選ぶことです。
転職会社などから情報を収集し、自分に合っている職場を見つけてください。
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