財務職の資格～難易度やおすすめ～

財務職は専門的な知識を必要とします。
そのため、財務職に就く際、資格が役に立ちます。
とはいえ、どんな資格が財務職に役立つのかよくわからない方も多いかと思います。

そこで今回、財務職に就職する際に役立つ資格をご紹介します。
財務職におすすめの資格と難易度、より財務職のエキスパートとなるためのさらに難易度が高い資格について解説します。

財務職として社内でキャリアアップしたり、よりよい会社に転職するために資格を取得することはメリットが大きいでしょう。
資格を取得することで社内のアピールにもつながり出来る業務も増えます。

また対外的にも知識を証明することのできる資格を取得することで転職を有利に進めることが出来ます。

この章では、財務職として働く際に役立つ資格を3つ紹介します。

財務職として働く際に役立つ資格を紹介する前に、財務の仕事内容につき解説します。
財務とは、銀行からの借入や株式の発行による資金調達、予定されている支払いと売上の金額を回収するタイミングを見計らって手持ちの金額の動きを確認する資金繰りの管理、年間の資金計画を管理する予算管理、などの業務を担当する仕事です。

なお、経理職と混同されることがありますが、経理職は、日々の記帳や決算書の作成が主業務となりますので、業務内容は異なります。

以下に、財務職の主な仕事である、資金調達、資金繰りの管理と予算管理につき詳細に説明します。

• 資金調達
  企業が営業活動を行う際には、在庫など運転資本が必要になります。
  また、新規の事業を立ち上げるために大規模な設備を導入することもあります。
  また子会社を買収するときなどは巨額な資金が必要となります。
  決算書上、現預金が潤沢であっても、一時点では資金調達が必要になることがあります。
  また、必要になった際に備え、余分に現預金を手元に持っておく必要もあるでしょう。
  そのため、普段から銀行借入や社債発行を活用していることが珍しくありません。企業の活動に必要な資金を調達するのが財務職として重要な役割です。

• 資金繰りの管理をする
  資金繰りとは、予定されている支払いと売上の金額を回収するタイミングを見計らい、手元資金の動きを確認することです。具体的には、売掛金の回収や買掛金の支払タイミングの管理、借入金の返済条件や金利の見直しなどの業務をはじめ、過剰在庫の処分・仕入れの調整なども行うこともあります。
  例えば製品を作るにはお金がかかります。
  製品を販売したときに製品の販売代金の受領より製品の材料仕入や人件費の支払が先行すれば、一時的にお金が不足することになります。
  企業では多くの事業活動をしているので、これらの入金や支払のタイミングを総括的に把握しておかないと、手元資金が足りなく支払いができないなど大きな問題につながりかねません。
  また、少しでも有利な条件で金融機関から借入を行うのも財務職の仕事です。
  借入の際の金利など返済条件は金融機関ごとに異なります。
  少しでも有利な条件で調達することが財務職の重要な仕事になります。
  また、過剰在庫の処分や仕入れの調整は工場で行うこともあれば、財務職で行うこともあります。
  財務職が工場と連携し、過剰在庫の処分など働きかけることで、工場だけで管理するよりさらに無駄をへらすことができます。

• 予算管理をする
  予算管理は、会計情報を経営管理者の意思決定や組織内部の業績測定・業績評価に役立てることを目的としています。
  企業外部の利害関係者に対する情報提供を目的とする制度会計とは、性格が異なり内部管理用として利用されます。経営者が将来の戦略の意思決定を行うための判断材料としての情報を整理する予算管理は、将来の会社の道しるべとなる重要な業務です。

簿記検定は様々な仕事で活かせる資格の一つです。

どの業界でも求められ、財務職だけでなく経理職でも求められます。
資格を取っておいて損はないでしょう。
日商簿記は1級から3級までありますが、社内でのアピールにつながるのは日商簿記1級もしくは日商簿記2級がいいでしょう。

また、転職の際も、有利になるのは日商簿記2級以上からといわれています。

ビジネス会計検定の資格は、企業の経営状況を分析できるスキルを見につける事が出来る資格です。

学習範囲が狭い為、資格取得の難易度は低く、取りやすい資格といえるでしょう。
なお、ランクは1級から3級まであります。

FASS検定は簿記検定やビジネス会計検定とは少し違いがあります。

FASS検定には合否はなく、代わりに受講者のレベルをAからEの5段階で、評価した結果が通知されます。
スキルを評価するための試験となります。

合否はないものの、FASS検定でランクAを取得しているといえば、アピールにつながるでしょう。

財務だけでなく経理の実務スキルを客観的に診断できる検定なのでおすすめです。

財務に関する資格を解説しましたが、ここではさらに財務職のエキスパートとして活躍するために有効である、公認会計士、税理士の資格について解説します。

公認会計士という資格を取得すると、監査法人やコンサルティング業での活動など、活躍できる幅がかなり広がります。
難易度の高い国家資格なので、社会的地位も高く、収入面でもかなり期待ができるでしょう。
また、転職時にもかなり有利になります。

税理士資格を取得する事で、会社を会計・税務などの面でサポートすることができます。
財務職なら会社のタックスプランニングなども可能ですし、税理士資格を取ることで金融機関などの取引先にもいい影響を与えることができます。

人事関連の税務業務などにも役立ち、社内で頼りにされることでしょう。
公認会計士同様、財務職で働くには、非常に有利になる資格です。

しっかりと勉強を行う必要がありますが、可能であれば取得しておきたい資格の1つです。

平均学習期間は2年～5年ですが、科目合格も可能であり、時間をかけて合格をめざすことが可能です。

資格を取得する事で転職にかなり有利になるでしょう。
スキルアップの為にも資格を取得するのは、非常に有効な手段です。

大手の財務職に転職する場合、30代未満なら未経験でも十分転職できる可能性があります。
30代を超えるとこれまでの実務経験がないと厳しい場合が多いです。

また、大手だと総合予算などを1人で作成できる程度のスキルが求められる場合があります。
他にも難易度の高い資格が必要になるところも多いでしょう。

外資系会社で、財務職として働くには財務職としての知識や経験、資格のほか、英語などの語学力が必須になります。

日常会話レベルではなく、ビジネス英語が必要ですので、TOEICなどでも高いスコアが求められます。
英文経理に関係する資格を取得すると転職の際は有利となります。

財務職がとっておくと有利となる資格はたくさんあります。

資格を取得すると、活躍できる場面も増えるので、自身のキャリアアップの為に資格取得を目指すのも、有効であるといえるでしょう。