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【STEP3求人探し&応募編】税理士の転職

更新日:2021.09.09

転職マニュアル

光

いざ、転職活動を始めるにあたって重要なのが、求人探しと言えるでしょう。
ただ単純に探しても、良い条件の求人に巡り合えるとは限りません。
転職を成功に導くためにも、求人探しの段階から注意しておきたいポイントがあるのです。


そこで今回は、税理士業界で転職をする際、求人探しから応募までの過程で、チェックしておきたいポイントをご紹介します。

【税理士】求人を探す前の準備

転職を始める理由は人によって異なりますが、「やりがいのある仕事に就きたい」「今までの職場よりも良い環境に移りたい」といった抽象的な希望では、転職活動が難航してしまうかもしれません。
もっと具体的な希望や条件を考えておくことが大事です。
もちろん転職活動に至った経緯や目的はひとつとは限らないでしょう。
給与や待遇、福利厚生など、複合的な理由が関係していることが一般的です。


しかし、これらの希望条件をすべて満たす求人を見つけるのは至難の業……。
転職活動を続ける中で、当初の予定とは異なる状況に陥る恐れもありますし、考えが変わって希望や条件も変更になることがあります。

このような状況になると、決定までに迷走してしまい、本来自分が求めているものはなんだったのかがわからなくなってしまいます。
迷走の事態を避けるためにも、事前にあくまで優先すべき条件はどれなのか、変更する場合は変更前と変更後がわかるようにしておくと良いでしょう。


まずは求人情報を探す前に、転職の目的を明確化し、希望や条件をより具体的に言語化しておくことが重要です。

転職活動を左右する「求人票」とは?

転職活動を左右すると言っても過言ではない「求人票」ですが、その役割をきちんと理解できていますか?
ここでは改めて転職活動に重要な求人票について解説します。

「求人票」について

そもそも「求人票」とは、新たに社員の採用を予定している企業や事務所が、募集にまつわる概要や労働条件を記載した書類(紙ではなく、WEB上の明示のケースもあり)のこと。
求人票はハローワークを始め、人材紹介会社や人材派遣会社、さらには大学・短期大学・専門学校の就職課などさまざまな機関が提出先となっています。


求人企業にとって求人票とは、自社のほしい人材を採用するために必要不可欠なものであり、求職者にとっては自分にピッタリな就職先・転職先をさがすために非常に重要なものです。

改正職業安定法に基づく記載事項

求人を探す前に、職業安定法の改正についても確認しておきましょう。

改正の施行は3段階で実施されますが、多くは平成30年1月1日にすでにスタートしています。


求人サイト・求人情報誌などにより求人・求職の情報を提供する事業を行う場合のルールが、新たに職業安定法や指針に定められました。
企業は労働者を求人・募集するに当たって、労働条件を明示する義務があります。
このルールが改正され、求職者にとって探しやすく、また、募集時の条件と入社後の条件が違うようなことがないようになっています。


しかし、やはり最終的には求職者が注意深く確認することが重要です。
どのポイントをおさえるべきか、ぜひ知っておきましょう。

「求人票」で見るべきチェックポイント&注意点

転職活動をするうえで、より良い求人を探すために役立つ求人票ですが、具体的にどのようなポイントを意識して確認すべきなのでしょう?
いざ転職活動をする際の求人票の見方や注意点についてご紹介します。

項目を見るときの順番

求人票を見るとき注意したいのが“順番”です。
さまざまな情報がまとめられている求人票ですが、どこから見ればよいのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。

求人票を見る際は、業務内容→年収等の労働条件→会社概要と確認していくのがおすすめです。
多くの求人をチェックする中で、まずは気になった求人をピックアップし、それぞれの会社概要を企業の公式サイトでも確認していくとスムーズでしょう。

求人票から読み取れる情報

先述した『職業安定法』に基づき、明示すべき項目が挙げられています。
(職業安定法第5条の3)

  1. 業務内容
  2. 契約期間
  3. 就業場所
  4. 労働時間
        始業・終業時間
        所定労働時間を超える労働の有無
        休憩時間
        休日
  5. 賃金
  6. 社会・労働保険の加入状況
  7. 企業等の氏名または名称
  8. 試用期間
  9. 派遣労働者として雇用する場合はその旨
  • 固定残業代を採用する場合は求人票に①~③の内容を全て記載
     1.固定残業代を除いた基本給の額
     2.固定残業代に関する労働時間数と金額等の計算方法
     3.固定残業時間を超える時間外労働、休日労働及び深夜労働に対して割り増し賃金を支払う旨
  • 試用期間に関する事項
     試用期間の有無
     試用期間があるときはその期間
     試用期間中と試用期間終了後の従事業務が異なる場合、それぞれの業務内容明示

上記の項目は、求職者が求人の内容を読み取り、希望する職業を選ぶうえで必要不可欠な情報と言えるでしょう。
求人票では、これらの項目をより具体的に記載するよう求められています。

たとえば税理士業界では繁忙期と閑散期で働き方にも差があり、変形労働時間制を採用していたり、フレックス制度を設けていることもあります。

また、ボーナスの査定やインセンティブ支給などの制度もあります。


これらは求人票でチェックできることですので、ぜひしっかりと確認しておきましょう。

求人票にはタイムラグが発生している

求職者にとって適切な求人を選ぶために役立つ求人票ですが、注意すべきポイントがあります。
実は、求人票に明記されている内容にはタイムラグが発生していることがあります。


なぜなら、求人票へ記載し、サイトへ掲載した後に制度や組織構成が変わっていることがあったとしても、なかなか求人票の更新には手がまわっていないことが多くあります。
いくつも事業所や支店がある場合は、募集している勤務地が変更になってしまうケースもあります。


このようなトラブルを避けるためにも、求人票にはタイムラグがあるということを理解し、面接等でよく確認することが大切です。

一概に応募条件が必須とは限らない

税理士業界における転職活動でよく耳にするのが、「経験やスキル」の条件をまず求人票で確認するという意見です。
なかには求人票に記載のある条件に自分が合致していないため、応募を見送るという方も多いよう……。


しかし、求人票に明記されている応募条件を満たしていないからといって諦めてしまうのは、時期尚早と言えます。


実は、求人票に書かれている応募資格に合致していないケースでも、応募可能な場合があるのです。
税理士を募集する求人票には、

  • 税理士有資格者
  • 5年以上の法人税務の経験
  • 3年以上の相続税務の経験

このような条件を明記していることがあります。
法人税務も相続税務も十分な経験を求めている求人ですね。


しかし、このような経験を持っている税理士が転職市場に多くいるわけではありません。
記載している条件は、あくまでも「理想像」だと考えていいでしょう。


求人票に書かれている応募条件は必須ではなく、あくまで目安のひとつとして提示しているケースもあるということを覚えておきましょう。

相続税務の経験が1年であっても、法人税務の経験が4年であっても、チャンスはあります。
諦めず、ぜひチャレンジしていきましょう。

【転職軸】求人票で確認すべき項目とは

それでは実際に、優先したい転職軸ごとに、求人票でチェックすべき項目についてまとめます。

1:高収入も!年収アップが目標

まずは、転職軸が“年収”にある方の場合、求人票では「賃金・手当」の項目を確認しましょう。
特定の職位を求める求人でも、幅のある給与レンジを設定しているケースが多いはず。


転職をすると、この給与レンジの下限年収からスタートすると思い違いをしている方も多いのですが、これは違います。
これまでの経験やスキル等に合わせ、提示している給与レンジのどこの年収からスタートするか、選考を通して相談となる場合が一般的です。


また、今までよりも高い給与で働きたいと考えているのであれば、初年度だけでなく、2年目以降の賃金・手当についても確認しましょう。


このように、求人票だけで判断できない情報に関して、面接等で念入りに確認することが大切です。
もし「給与のことについて、自分からは聞きにくい」と感じているのなら、転職エージェントを通して活動することをおすすめします。

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2:キャリアアップにチャレンジしたい

続いて、“キャリアアップ”に転職軸がある方のケースをご紹介します。
税理士としてどのような業務に携わっていきたいのかビジョンが明確な方は、「業務内容」をチェックしましょう。

加えて企業や事務所の公式サイトをチェックし、詳しい事業&サービス内容や特色等についても確認できると、より業務内容のイメージが膨らみます。


公式サイトに採用ページを設けていることもあり、社員インタビューやキャリアパスの情報を掲載していることもあるでしょう。
このような情報は、キャリアアップを転職軸に掲げている方にとって、有意義な情報と言えます。

3:ワークライフバランスが整う環境

転職活動で重視する方も多いのが「ワークライフバランス」を始めとした、働く環境についてです。
ワークライフバランスが整う環境かどうかを見るためにチェックしたいのは、求人票の「休日や休暇」「福利厚生」の項目です。
基本的な働き方がわかります。


休日や福利厚生については、企業や事務所ごとに差があり、ご自身の求めるワークライフバランスに合致するかの確認が必要です。
産休・育休制度の取得実績があるのかどうか、時短制度や在宅ワーク・リモートワークが可能かどうか等もあわせてチェックしたいところです。


さらに求人票には特色やポイントが記載されていることがほとんどで、独自の働き方や制度については多くの企業や事務所がアピールをしていますので、ぜひチェックしておきましょう。

4:より専門分野に特化できる職場を目指す

税理士業界の転職で特徴的なのが「専門分野に特化できる」という転職軸です。
キャリアアップやスキルアップにも似ていますが、自分のキャリアをしっかりと見定めた方の転職に多くあります。
このような転職軸の場合は、求人票の「業務内容」をまず確認してください。

その後、必ず企業や事務所の事業やサービス内容も確認してください。


たとえば求人票には「資産税コンサルのみ」と記載していても、事務所が法人クライアントに力を入れている場合、異動などで違う業務に従事しなければならないことがあります。
もしも専門分野に特化し、その業務だけに専念したい場合は、業務内容と事務所のサービスがイコールになっているほうが安全です。

5:将来独立を視野に入れた土台作り

最後は「独立」を目指す方に向けた求人票の見方です。
税理士はご自身で独立開業をめざす方が多く、「独立支援制度がある」もしくは「独立志向の方を歓迎」と記載していることがあります。


けれど、これはやはり多くありません。
せっかく採用した方が数年後に独立してしまうのは、採用する側にとってはあまり歓迎する状況ではないのでしょう。
もしも独立歓迎の事務所があれば、のれん分けや、独立時にクライアントの譲渡の制度があるかもしれませんので、ねらい目です。


独立開業をめざす場合、こういった制度などを求めるよりも、ご自身のキャリアを磨き、思い描く独立に近づけるような経験ができることを重視して探すのが良いでしょう。

求人情報はどこで探す?

ここでは求人情報を見つける方法についてまとめます。
自分に合った方法で求人情報を探しましょう。

求人ポータルサイト

求人ポータルサイトとは、自分で求人を検索してエントリーし、求人企業や事務所と直接やり取りするようなサイトです。
大手の有名サイトがいくつもありますね。

ネット環境を利用する求人ポータルサイトのメリットといえば、自分で簡単に求人を調べることができ、気軽に自己応募ができるという点にあります。
働く場所、給与、仕事内容などさまざまな条件を設定し、多くの求人の中から絞り込んでいきます。
たくさんの公開求人がありますので、求人情報を探すには良い方法です。

しかし、実際に応募をする際は、採用側からだけの限られた情報になってしまうので注意が必要です。

転職エージェント

一方、転職エージェントでは、求職者と求人企業の双方の希望や条件を詳しくヒアリングし、合致する求人・合致する求職者を双方に紹介します。
情報も潤沢ですし、第三者としての公平な視点を持っています。

実際に求人情報を得るまでには、登録してヒアリングを受けなければいけないので、すこし面倒に思うかもしれませんが、転職というのは人生においても大きなイベントですから、しっかりと情報収集し、入社後のミスマッチを防ぐことができるのはとても心強いことでしょう。


求人ポータルサイトで気になる求人を検索し、より詳しい情報を転職エージェントで教えてもらって応募するなど、うまく利用している求職者の方もいます。

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ハローワーク

『公共職業安定所』と呼ばれるハローワークは、厚生労働省が全国各地に設置しています。
ハローワークを訪れ、相談すれば簡単に求人を探すことが可能です。
地域と密着した求人情報を多数取り扱っているのが特徴なので、比較的探しやすい傾向にあるでしょう。

しかし、高年収人材の採用や、長く働いてくれる人を探したいという企業や事務所は、転職エージェントや求人ポータルサイトを利用するケースがほとんどです。

また、ハローワークの求人票は無料で掲出できることから、あまり情報が充実していないこともありますし、アップデートが遅れて古い情報になっていることもあります。
利用の際には注意が必要です。

税理士業界に見る求人&応募傾向

税理士採用の年収は高止まり

税理士業界は長らく売り手市場が続いていますが、コロナ禍においてもやはり売り手市場が継続中です。
一時期、「人手不足」ということで転職市場での年収が大きくアップしたことがありました。
年収が50万円~100万円アップしたり、経験のないポジションに就いて年収がアップしたりしていました。

しかし、これではもともと勤めていた方の不満につながり、無理なポジションに就いてしまったことで期待される成果が出せないケースもあり、結果として早期退職や、事務所のほかの従業員の退職を招いてしまうことがありました。
このようなことがあったため、無理やりな高年収・キャリアアップ転職は少なくなりました。


年収が低くなったわけではありません。
高止まりで安定し、採用に時間をかけ、その年収に合致した人材をしっかりと採用するという傾向が強まっています。
経験やスキルを積み上げた方にとっては、実力を正当に評価してもらうチャンスでもあります。


求人情報を実際に見てみると、現在自分がやっている業務と変わりがないのに、年収が高いなと感じることも多いのではないでしょうか。
「今の自分の年収は低いのではないだろうか」と感じた方は、転職を検討してみてもいいでしょう。

税理士の転職年齢

税理士の方から、「何歳まで転職できますか?」という質問をよく受けることがあります。
転職においては、かつて「30歳限界説」「35歳限界説」「40歳以上は無理」ということが言われてきました。


これは税理士というよりも、一般的な転職で言われてきたことですが、すべて事実とは違います。
どの年代でもチャンスはあり、転職は可能です。


とくに税理士は税務という独占業務を持ち、経済活動にとってなくてはならない職業で、年齢はまったく関係ないと言って良いでしょう。

何歳でも転職できる、年齢は関係ないということはまぎれもない事実ですが、年齢によって求められる経験やスキルが高くなるのもまた事実です。


20代では税理士試験の勉強をしながら経験を積む段階ですが、30代半ばになると税理士の資格を取得し、担当クライアントに対して単なる税務サービスを行うだけでなく、適切な助言をするなどの信頼を得ることが求められます。

40代になると、マネジメント力が求められ、部下の育成をしたりレビューをしたりします。
新たなクライアントを獲得するなど、営業力を求められることもあります。

50代になると、事務所の経営にも携わるようになります。

事務所をより成長発展させ、場合によっては後継者として期待されることもあります。
転職でも同様のことが求められます。


求人情報を見ると、あっさりと「〇年以上の経験」と応募条件が書かれていることがあるかもしれませんが、その裏には多くのことが求められています。
各年代にとってどのようなことが求められているかを読み取ることが必要です。


もちろん求人ポータルサイトでも情報収集はできますが、キャリアアップや高年収を期待する場合、自分の年齢に求められている役割を知りたい場合は、ぜひ転職エージェントを利用してください。

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転職軸を定めて方向性に合った求人を見つけよう

求人を探す前に、まずは自分が優先したい条件が何かよく考えることから始めましょう。
転職軸が定まれば、希望する求人を見つけやすくなるはずです。
転職軸にあわせて、求人票のどこをチェックすべきかがわかるので、より適切な求人情報を得られるでしょう。


転職活動をどのように進めるべきか悩んでいる方は、ぜひ一度レックスアドバイザーズへご相談ください。

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Profile レックスアドバイザーズ

公認会計士・税理士等の有資格者をはじめとする会計人材専門特化した人材紹介会社。
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