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【経理職必見】経理職が知っておくべき法律

更新日:2021.12.22

経理の転職お役立ち情報

パソコン、引継ぎ書類のイメージ

経理職は、会社のお金を正しく管理する大切な仕事です。

ただし、管理すると言っても、勝手にルールを作って管理をしてはいけません。

会社運営には様々な法律があり、その法に則った上で管理をしていかなくてはならないのです。

もしその法に違反をすると、重い罰則が課されてしまうケースもあるのです。

今回は、経理職の人ならば必ず知っておきたい法の数々をご紹介していきます。

 

経理について知る

経理職は、会社を運営するにあたって発生するあらゆるお金の流れを管理します。

売上や経費、仕入材料費の管理・記帳は、誰もが想像する基本的な業務でしょう。

その他にも、従業員の給与計算、所得税や法人税などの税金の計算・支払い、社会保険や労働保険の計算・支払いなど、その範囲は多岐に渡ります。

 

もし経理が管理や記帳を誤ると、本来支払うべき税額を払わなかったり、逆に払いすぎてしまう可能性もあるのです。

また、従業員の給料が正しく振り込まれなかったり、支払わなくていいお金を天引きしてしまうと、企業の信用にも関わります。

経理職は、従業員全員が安心して業務に取り組めるよう、裏から皆さんを支えている仕事なのです。

経理職の基本業務

経理は会社の経営に関わるあらゆるお金を管理しています。

一言に経理と言っても、その仕事内容は業界や会社規模によって異なってきます。

まずは会社規模の違いから見てみましょう。

 

・中小企業の場合

中小企業の経理は、総務や労務の仕事を兼任しているケースが少なくありません。

経理の基本業務に加え、社会保険や住民税等の加入及び停止の手続き、来客対応などが挙げられます。

会社の規模によっては、現場の従業員が経理職を兼任するケースもあるようです。

 

・大企業(関連会社等なし)の場合

この規模になると、経理は独立した部署として存在することがほとんどです。

上場している企業の場合、有価証券報告書や四半期報告書(財務諸表)の作成が必須になります。

企業内で複数の事業部を有している場合は、事業部ごとに決算書を作成する必要もあります。

中小企業と比べてもその仕事量は膨大ですので、経理職に専念する為に独立した部署として存在しています。

 

・大企業(関連会社等あり)の場合

関連会社等のない大企業の経理業務に加え、関連会社等の財務状況を把握する必要が出てきます。

特に親会社の場合は連結決算処理が求められるので、あらゆる関連会社、子会社の財務諸表を一つにまとめ、グループ全体の経営状況をまとめなければなりません。

 

これが会社規模による経理の仕事の違いです。

次に、業界による違いを見てみましょう。

業界の数は膨大ですので、今回は代表して3つの業界についてご紹介します。

 

・小売業

小売業では売上や仕入の管理が主な仕事になってきます。

小売業の特徴として、現金以外にもクレジットカードによる取引の処理が必要になることも多く、売上発生と現金入金のタイムラグも正しく処理していかなければならないのも特徴です。

 

・製造業

製造業では、原価計算が必要になってくるという特徴があります。

原価計算では、製品作成に関わるお金を全て「原材料費」として計上します。

製品を製造している従業員の「人件費」、製造ラインで発生した「水道光熱費」なども原材料費に含むという特殊な処理が必要になります。(通常は販売費及び一般管理費で処理します)。

 

・不動産業

会社が土地や建物などの不動産を保有している場合、経理はその不動産の資産価値を正確に計算しなければいけません。

不動産は場所や立地、経過年数などで大きく資産価値が変わってきます。

評価の仕方を誤ると税額も大きく変わってくる可能性があるので、慎重で正確な資産評価の能力が問われるのです。

 

経理職に必要な能力

これまでご紹介してきたように、経理と言っても仕事内容は会社規模や業界によっても異なってきます。

しかし、どの業界でも共通して求められる能力として

 

  • 細かいところまで正確に確認する几帳面さ
  • 管理能力
  • 財務諸表を読み解くデータ分析能力
  • 分析結果を分かりやすく伝えるプレゼン力

 

これらの能力が求められるのです。

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経理が意識するべき法律・規則

次は経理が知っておくべき法律についてです。

 

経理職の仕事内容は業界や会社規模によって変わってくることがあります。

その場合、所属する会社によって遵守する法も少しずつ変わってきます。

今回は、どの業界・会社規模の経理でも必ず知っておくべき法律や規則についてご紹介していきます。

 

会社法

会社法とは、平成18年から施行されている法律です。

それまでは商法、商法特例法、有限会社法などに法が分かれていました。

この会社法が施行されたことにより、分散していた法が一本化され、より簡潔になったのです。

 

会社法は会社の設立、解散、資金調達、役員の規定、組織運営など、会社経営に関わる全ての事柄について規定をしています。

特に有名なのは「資本金が1円でも会社設立が出来る」という点でしょう(従来は株式会社で1,000万円以上、有限会社で300万円以上が必要でした)。

 

会社法の中でも特におさえておきたいのが次の点です。

 

【株式会社の決算書類作成について】

株式会社は、必ず事業年度の終了時に

 

  • 損益計算書
  • 貸借対照表
  • 株主資本等変動計算書

 

  • 個別注記表

を作成しなければいけません。

また、これらの資料は10年間保管し、税務調査等で開示請求があった場合にはいつでも確認できるようにしなければいけません。

 

他にも、会社法では役員報酬の変更は事業開始日から3ヶ月以内でしか認められていません(12月決算法人の場合、事業開始日は1/1、役員報酬の変更が可能なのは3/31まで)。

もし仮に経営者が事業の途中で役員報酬を増額した場合、その金額は会社経費に算入することは出来ません。

その場合、経理は会社法に則り、その旨を経営者に進言し、適切な処理をしなければいけないのです。

 

ここで紹介した以外にも、会社法には会社経営に関わるあらゆる規定が存在します。

一つ一つをしっかりと確認し、経営者や従業員が誤った処理を行ってしまったときの歯止め役になれるよう、会社法に一度目を通してみるのはいかがでしょうか。

 

企業会計原則

企業会計原則は、1949年に施行された「企業会計実務の中で特に守るべき原則」です。

これは法ではなく、あくまで「原則」なので、法的な拘束力はありません。

ですが、企業会計を行うに当たっては必ず心がけたい原則ですのでご紹介します。

 

企業会計原則は

 

  • 一般原則
  • 損益計算書原則
  • 貸借対照表原則

 

の3つから成り立っており、中でも「一般原則」は他の2つにも適用される最高原則と言われています。

 

一般原則は、次の7項目で構成されています。

 

  • 真実性の原則
  • 正規の簿記の原則
  • 資本取引、損益区分の取引の原則
  • 明瞭性の原則
  • 継続性の原則
  • 保守主義の原則
  • 単一性の原則

 

その内容をまとめると、次のようになります。

 

  • 企業会計では、嘘の申告をしてはいけません。
  • 帳簿は複式簿記方式で記帳し、なるべく分かりやすく資料作成をする必要があります。
  • 1度決定した会計方式を途中で変更すると分かりにくくなるため、出来るだけ会計方式は変えないようにしてください。
  • 収益は少なめに見積もり、費用は多めに見積ることを心掛けてください。

法人税法

株式会社は、法人税法に則って税額を計算し、納税する義務があります。

経理はこの法人税法に定められた基準に沿って会社の税額を計算していかなければいけません。

 

ところが法人税について何も勉強しないまま納税資料作成をすると、正しく税額が計算できないどころか、それぞれの資料が持つ意味すら理解が出来ない可能性があります。

特に法人税の税額計算に使用する資料は数も多いので、実際に税額計算を行う前に、1度法人税法について勉強することをオススメします。

 

経理が法律や規則を破るとどうなる?

これまで様々な原則や法をご紹介してきました。

もしこれらの規則を破るとどのような罰則があるのでしょうか?

次はその内容を確認してみましょう。

 

罰則の具体的な内容

会社法に違反する項目は、次のようなものが挙げられます。

 

  • 取締役等の特別背任罪
  • 代表社債権者等の特別背任罪
  • 未遂罪
  • 会社財産を危うくする罪
  • 虚偽文書行使等の罪
  • 株式会社超過発行の罪
  • 贈収賄罪 etc


つまり、不正な取引を行ったり虚偽の資料を作成するなどをした場合に罰則が課されるのです。

これらに該当した場合、懲役刑や罰金刑、またはその両方が課されることがあります。

 

 

法人税法に違反するケースには次のようなものが挙げられます。

 

  • 期限までに税金を納めない
  • 申告自体を行わない
  • 過少な税額計算をして申告していた


これらのケースが認められると、加算税を追加で支払う必要があります。

また、故意にこれらを行っていた場合、更に重加算税が課されることになります。

重加算税が課されるケースのうち、特に悪質だと認められるケースになると、刑事訴訟に発展することもあります。

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まとめ

今回は、経理職が知っておきたい法律や違反した場合の罰則をご紹介していきました。

この他にも、上場企業であれば金融商品取引法などの理解が必要です。

これらの法を違反することのないよう、経理に関わるものとして法令を遵守し、正しく会社のお金を管理していきましょう。

Profile レックスアドバイザーズ

公認会計士・税理士等の有資格者をはじめとする会計人材専門特化した人材紹介会社。
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