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公認会計士は経理を担当することもあります。
ただ、公認会計士と経理は明確に違います。
会計や経営分野におけるトップクラスの資格であり、高い専門知識を有する公認会計士。
経理は公認会計士と関連性のあるイメージが強い職種でしょう。
両者が違うことは知っていても、具体的な違いについてはイメージしにくい部分もあるのではないでしょうか。
本記事では、公認会計士と経理の具体的な違いについて解説します。
公認会計士と経理の違い ー概要編ー
まずは公認会計士と経理の大まかな違いです。
資格の有無や業務対象、さらには年収などを取り上げました。
公認会計士は資格が必要、経理は不要
前述したように、公認会計士として働くためには公認会計士の資格が必要不可欠です。
公認会計士試験に合格し、必要な要件を満たした上で登録をおこないます。
以上の過程を経てようやく、公認会計士の業務ができるようになります。
一方で経理は特別な資格は必要なく、だれでも働ける職種です。
職場によって転職や昇進に資格保有を条件としているケースもありますが、基本的に経理に必要不可欠な資格はありません。
経理に資格が必要かどうかは、最初に押さえておきたいポイントです。
公認会計士は業務の対象がクライアント、経理は自社
公認会計士と経理は、業務の対象が大きく異なります。
公認会計士は、クライアントから依頼を受けて業務をおこなうのが一般的です。
主な仕事内容は後述しますが、クライアントの課題解決などのために業務を請け負います。
一方で経理は主に自社に関する業務をおこないます。
自社の円滑な運営のために必要であり、外部クライアントとの関わりはほぼありません。
なお業務の対象は外部と内部で異なりますが、どちらも社会にとって必要不可欠である点は同様です。
公認会計士と経理の年収比較
公認会計士と経理の平均年収を紹介します。
まずは公認会計士の年齢別平均年収です。
公認会計士の勤務先・年齢を問わない平均年収は900万円台とされています。
20代であっても500万円以上の年収が実現可能であり、かなりの高年収を得られる職業です。
一方で経理の平均年収ですが、雇用形態を問わない平均年収は300万円台後半です。
正社員に限定すると400万円を超えますが、公認会計士と比較すると大きな差があるとわかります。
なお参考までに、日本の平均年収は400万円台前半といわれています。
こちら国税庁による、民間給与実態統計調査の結果を基にした金額です。
過去10年ほど400万円台の前半となっているため、基準にして良いでしょう。
公認会計士の年収は日本全体の平均を遥かに上回っています。
そして経理の年収は日本の平均と同程度です。
このように公認会計士と経理は、年収が大きく異なります。
公認会計士と経理の違い ー仕事内容編ー
公認会計士と経理について、続いては仕事内容の違いです。
同じ分野に関する業務が求められますが、実際の仕事内容には相違が見られます。
公認会計士の仕事
公認会計士の主な仕事は、独占業務である法定監査です。
クライアントである企業が作成した財務諸表が正確かを確認し、監査意見という形で発表します。
公認会計士として登録してしばらくの間は、監査法人で監査業務を実施するケースが多いです。
ほかにも会計や経営の知識を活かしたコンサルティング業務や、高度な経理業務をおこなう公認会計士もいます。
また公認会計士は税理士登録もできるため、独立開業して税務業務を請け負うケースも多いです。
公認会計士は監査業務というイメージが強くなりがちですが、知識が活かせる場面はさまざまです。
幅広い仕事ができるため、理想のキャリアプランを進みやすい職業ともいえます。
経理の仕事
経理は公認会計士と異なり、クライアントではなく自社が対象です。
したがって経理の仕事内容は、公認会計士が請け負う業務とまったく異なります。
経理の主な仕事は、日々の入出金の記録、記帳内容を基にした財務諸表などの作成です。
また支払管理や売掛金請求なども経理に求められます。
給与計算や経費精算といった、従業員のお金に関する業務も経理の仕事です。
経理は企業などの組織において、過去のお金を管理する役割を担います。
公認会計士と違い特別な資格は必要ないものの、強い責任感が求められる職種です。
共通点はある?
公認会計士と経理の仕事は異なるように見えますが、同じ分野ということでいくつか共通点も存在します。
主な共通点は以下のとおりです。
- 会計や経理に関する知識が必要
- 数字を扱う機会が非常に多い
- スピードや責任感が求められる
専門性の高さに違いはありますが、どちらも会計や経理に関する知識が求められます。
またどちらも数字を扱う機会が非常に多いため、ある程度数字に強い方が有利でしょう。
そして公認会計士業務と経理業務は、どちらも納期が厳しい上に強い責任感も必要です。
仕事内容そのものは大きく異なりますが、共通点に目を向けることで関連性を感じられます。
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公認会計士と経理の違い ー適性・キャリアプラン編ー
公認会計士と経理は、適性やキャリアプランにも違いが見られます。
どのような道を進みたいかという点で、公認会計士と経理のどちらかを選ぶのも良いでしょう。
それぞれの適性
公認会計士と経理の適性について紹介します。
まず公認会計士の適性に当てはまる人の例は以下のとおりです。
- 勉強が好き、勉強が苦痛に感じない
- コミュニケーション能力が高い
- クライアントなど外部の人と関わる機会を多く持ちたい
経理においても上記のような要素は有用ですが、適性として挙げられる内容は少し異なります。
- 細かい部分まで丁寧に対応できる
- デスクワークなど一人でおこなう業務が好き
- 内部の人を支える立場にいたい
公認会計士は扱う金額が大きい分、多少の誤差については意外と目を瞑るケースが多いです。
一方で経理はかなり細かい部分まで正確性が求められます。
また業務の進め方や対象が異なるため、その点でも適性に違いが生まれます。
公認会計士は独立開業するべき?
公認会計士は経理などさまざまな職種と比べ、独立開業の道を選びやすいです。
では公認会計士の資格を有する人は、最終的に独立開業をするべきでしょうか。
確かに公認会計士として独立開業するケースは多いですが、必ず独立開業するべきというわけではありません。
監査法人や一般事業会社などで昇進し、高いポジションとして役割を果たす人も多くいます。
最初は独立開業を目指していても、公認会計士として勤務を続けるうちに違う道を選ぶケースも珍しくないです。
経理よりも独立開業をする人の割合は断然高いことも事実ですが、すべての人が独立開業するわけではないと押さえておきましょう。
経理としてキャリアアップする方法とは
経理は公認会計士と違ったキャリアパスを進むケースが多いです。
経理職を続ける場合のもっとも効率的なキャリアアップの方法として、資格取得が挙げられます。
日商簿記検定やビジネス会計検定など、経理としての実力をアップできる資格はさまざまです。
職場によっては資格保有が昇進の条件というケースもあるため、キャリアアップのためには勉強をおすすめします。
また経理と関連性の高い、FP(ファイナンシャルプランナー)という資格を取得して独立するケースも見られます。
経理として働くために必要な資格はありませんが、キャリアアップのためには資格取得が効率的です。
まとめ
公認会計士と経理の大きな違いとして、働くうえでの資格の必要性が挙げられます。
業務対象も公認会計士は外部のクライアント、経理は自社内部とまったく別物です。
年収にも大きな差があることがわかります。
仕事内容にも違いがあり、公認会計士は監査やコンサルティングなどコミュニケーションが必要な仕事が多いです。
一方で経理は入出金管理や給与計算など、一人でおこなうデスクワークの割合が高くなっています。
このように仕事内容自体は大きく違いますが、必要な知識や扱うデータなどに共通点が見られます。
公認会計士と経理は共通点もありますが、適性という点で見ると細かな違いが多いです。
またキャリアプランについてですが、公認会計士なら必ず独立開業するわけではありません。
そして経理としてのキャリアアップには、資格取得が効果的といえます。
似たようなイメージのある公認会計士と経理ですが、具体的な違いを押さえることで理解が深まります。
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