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公認会計士の起業とは

更新日:2023.12.07

会計士の転職お役立ち情報

スタートアップ

起業する公認会計士が徐々に増えつつあります。

公認会計士は会計のプロフェッショナルとし、て様々な選択肢を選ぶことができます。

 

例えば監査法人で経験を積み上げていき昇進を繰り返して、シニアマネジャークラスに到達すれば年収1千万円以上を目指すことが可能でしょう。

あるいは一般企業に勤めて、経理部門などの責任者として経験を積み、将来のCFOを目指すこともあります。

年収は企業規模や業種にもよります。

経理部門の責任者クラスで1千万円以上、CFO等の経営層クラスでは数千万円(ストックオプションを含む)なども不可能ではありません。

どちらのキャリアプランでも、組織の中でマネジメント能力を発揮していくこと、そして経営活動を拡大できるように内部から支援していくことにあります。

 

このような組織で経験を積み、自らの裁量で自分の人生を切り開いていきたいと起業意欲の高まった公認会計士もいます。

公認会計士法では第1条で公認会計士の使命を定めています。

「監査及び会計の専門家として、独立した立場において、財務書類その他の財務に関する情報の信頼性を確保することにより、会社等の公正な事業活動、投資者及び債権者の保護等を図り、もつて国民経済の健全な発展に寄与することを使命とする」としています。

 

この理念に沿えば、公認会計士が正しく業務を遂行できるのは「独立した立場であること」です。

監査法人はクライアントから独立し、監査手続きを実施して監査意見を表明します。

 

監査報酬は監査対象のクライアントから得ているものです。

しかし、監査手続きにおいて不透明な取引が発見された場合は独立した立場で是正措置を促し、意見を表明しなければなりません。

 

公認会計士はどのような場所で働くにしても、一定の独立性を保ちながら、クライアントや自社の利益を最大化しなければなりません。

このような原則に立ったうえで公認会計士が強みを発揮して活躍するのは、「会計」「税務」そして「経営等のコンサルティングサービス」に分けることができます。

 

公認会計士が専門性を強みとして起業していくためには、どのようなキャリアを積んでいくべきかなどをお話しします。

1.公認会計士のキャリアプランは

公認会計士のキャリアプランはさまざまです。

具体的にどんなキャリアの道筋があるかみていきましょう。

監査法人でキャリアの頂点を目指す場合

公認会計士は、試験合格後の最初のキャリアとして、大半の方が監査法人に就職します。

そこで様々な企業の監査実務を経験し、働きつづけることで、スタッフからシニアスタッフに昇格、その後数年間でマネージャーになることを目指すことができます。

 

マネジャークラスになると、監査チームのメンバーのアサイン、監査計画の立案、クライアントとの意見交換など、多くの場面で監査法人を代表するような立場で企業と接する機会が増えます。

この監査の経験は非常に有用なものです。

様々な企業のビジネスモデルに触れ、いかにしてリスクを低減させ、効率的な経営を目指しているのかを理解することができます。

また、予算実績等の企業の経営情報に数字面で関与することで、企業の成長性や事業の運営状況を間接的ながらも早くすることが可能だからです。

 

こうした経験を積んでいくことで、経営の視点を学び、監査法人内部でマネージャーからシニアマネージャーへと昇格を果たすことができるかもしれません。

監査法人の組織で事実上のトップに当たる「パートナー」が目前になります。

 

「パートナー」は業務執行責任者として一般企業における経営者と同じ立場になります。

監査法人で働く公認会計士のキャリアプランのゴールとして、「監査法人で経営者になる」という選択肢です。

 

「パートナー」クラスになると、大手企業の経営者とも接する機会が増え、様々な会合にも顔を出すようになり、社会的なステータスも格段に向上します。

CFOへのキャリア

監査法人の「パートナー」は、監査の専門家としての実力だけではなく、組織のマネジメント能力、クライアントの獲得能力など総合的な能力があることを条件として、長い間監査法人に勤めることで目指すことができるキャリアです。

独立起業する意欲が高い公認会計士、一般企業のCFOとして頑張りたいと考える公認会計士は、監査法人でのキャリアアップを目指すことはあまり目的としません。

監査法人で必要な経験を積んでから、自らの道を歩むことを選びます。

 

近年は、新規上場の件数が増えてきたこともあり、公認会計士はスタートアップ企業や、有望なベンチャー企業からCFO(最高財務責任者)のオファーを受けることも増えました。

それらの会社へ転職することも選択肢です。

 

公認会計士の専門性は、将来上場を目指す企業にとって非常に有望です。

公認会計士にとっても転職というリスクを取って、見事に株式上場を果たすことができれば、経営層のひとりとして満足のいく報酬を得ることが期待できますし、ストックオプションなどで多額の資産を形成する方もいます。

上場をすることがなくても、企業の成長に合わせて得られる報酬が高くなっていくことが期待できるかもしれません。

こうした企業へ転職できる可能性を高めるために、監査法人で勤務している間に、できる限りIPO準備企業の監査に関わるように上長に相談しましょう。


CFOをめざしている公認会計士は増えてきているでしょう。

独立やコンサルティングファームをめざす場合も同じです。

監査法人以外の道を選択する場合、監査以外に何か強みを持つための経験を持てるように働くことが大切になります。

 

例えば、アドバイザリー部門へ異動する。

クライアントの経営課題や利益の最大化を目指してクライアントに寄り添った立場で働くことで、アドバイザリーの経験を得ることは有用です。

あるいは、監査法人内で税務を扱う部門に異動願を出して税務の経験積む、同じグループの税理士法人に出向を希望して、様々な税務を専門的に経験するなども選択肢のひとつです。

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2.公認会計士の起業:会計事務所

公認会計士が監査法人から独立して自らの会計事務所を立ち上げる場合、最初のうちは中小企業の法人クライアントや、一部の富裕層などを対象に案件を獲得するケースが多くなります。

事務所の収入源は、需要が多い税務業務(申告書作成、税務相談等)と、会計あるいは経営コンサルティング業務が中心になります。

経験が少ない段階でも、税務申告書の作成代理等は実務を経験しながら対応することが可能です。

しかしクライアントからは様々な税務案件の相談があります。

高度な税務案件が届いた場合には、他の会計事務所と連携して対応する等、自分一人で対応するのではなく、普通の同業者や専門家と共同で業務の対応にあたることが大切です。

 

こちらから依頼することもあれば、同業者からの相談も受けることがあります。

独立してからは早い段階で数多くのクライアントを獲得することで、事務所の経営が安定するようになります。

 

営業力は重要な経営能力の1つであり、様々なネットワークを作り上げることでクライアントの紹介を受けることもあります。

積極的に外へ出て、人脈とネットワークを拡大させていくことが大切です。

3.公認会計士の起業:コンサルティングファーム

独立を目指す場合でも、会計事務所で会計や税務のサービスを展開するだけではなく、企業からの依頼を受けて、会計のコンサルティングを受注するケースもあります。

企業から依頼を受けるコンサルティングは、CSR(企業の社会的責任)やガバナンス(企業統治)組織の構築、コンプライアンス(法令遵守)の整備に関する助言、特命による企業再生の計画立案や実行支援、M&Aや組織再編に関する助言等があります。

 

公認会計士は監査法人での業務経験を活かして、これらのような難易度の高い業務を対応するほか、その専門性から、主に企業の会計制度に関する助言もあります。

 

例えば国際会計基準の導入をめざす企業に対しては、IFRSの導入コンサルティング、財務諸表の作成支援、IFRSの基準に基づいた固定資産の減損判定や、M&Aによる多額な「のれん」に関する減損テスト等の特定の分野のサービスが有望です。

 

これの他にも、M&Aの案件対応があります。

企業価値の評価、財務・税務デューデリジェンス、経営統合方針の作成支援等、専門性の極めて高い業務です。

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4.まとめ

公認会計士の資格や税理士の資格を保有することで、それぞれに認められている法定業務を独占して対応することができます。

起業した公認会計士にとっては収入を安定化をねらえるでしょう。


しかし、これらの業務をクライアントが依頼してくるかどうかはまた別のところにあります。

 

「この人だから案件をお願いしたい」と指名を受けるようになるには、独立する前からの周囲の評価と、人脈の広さ、そして何より人間性の高さがなくてはなりません。

もちろん、ライバルより一歩抜きんでた強みを持たなければ多くの同業者の1人として埋もれてしまいます。

日頃よりクライアントに有益な業界情報を取得し、クライアントに寄り添った質の高いアドバイスができるよう努力を継続することが大切です。

 

全国にはおよそ32,000人の公認会計士と78,000人の税理士資格の保有者がいます。

その多くは監査法人や会計事務所、一般企業で勤めている方ですが、同業者として無視できない程の数です。

 

強力なライバルですが、親交を深めることでクライアントを紹介してくれる強い味方にもなります。

Profile レックスアドバイザーズ

公認会計士・税理士等の有資格者をはじめとする会計人材専門特化した人材紹介会社。
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