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米国公認会計士(USCPA)に将来性はある?

更新日:2024.11.28

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米国公認会計士(USCPA)に将来性はある?

米国公認会計士という資格の有用性

米国公認会計士(USCPA)に将来性はあるのでしょうか。
米国公認会計士を目指すことは、単に会計監査人になることではありません。
いくつかの国で公認会計士として仕事をすることも可能です。
資格という武器を持つことで、様々なフィールドで活躍できるチャンスが広がるでしょう。
 
米国では、米国公認会計士の仕事は大きく分けて、会計事務所や監査法人に勤務して監査あるいは税務等の業務(Public Accounting)と、一般企業等でファイナンス業務(Private Accounting)の選択があります。
ファイナンス業務(経理・財務)の経験を土台に経営企画部門で活躍する方もいます。

 

米国公認会計士(USCPA)に将来性について解説します。

会計のプロフェッショナルとしての将来性

米国公認会計士は、世界各国と相互協定を結んでいます。

アメリカの資格ですが、

  • カナダ
  • オーストラリア
  • ニュージーランド
  • メキシコ
  • 南アフリカ
  • アイルランド

でも、公認会計士として業務に従事することができます。

 

また、世界的に会計制度の標準化・統一化が進む可能性があり、US.GAAP(米国会計基準)とIFRS(国際会計基準)に大きな差が見られなくなってきました。

アメリカの会計基準を熟知している米国公認会計士は、世界中で重宝される会計の専門家となるでしょう。

米国公認会計士の役割とは

米国公認会計士の役割は、 日本の公認会計士と異なります。

会計に特化した専門家というよりもファイナンス全般のプロフェッショナルとして、監査業務や税務(アメリカの場合)業務を対応します。

あるいは外資系事業会社等でCFOのような地位を目指すことができる有望な資格とされます。

米国公認会計士の制度について

米国公認会計士の正式名称は「U. S. Certified Public Accountant」で、米国における公認資格です。

試験問題はAICPA(米国公認会計士協会)によって作成され、試験の管理はNASBA(全米州政府会計委員会)が実施しています。

 

4科目の試験に合格すると米国公認会計士の「Certificate(資格証明書)」を取得できます。

試験合格後、各州で定めた実務要件等を満たすことで、米国公認会計士のLicenseホルダーとなり、名刺に記載することができます。

米国公認会計士の試験科目は

米国公認会計士は4つの試験科目で構成されます。

2024年から試験制度が変更になり、必須3科目と選択科目から1つ受験しする仕組みになりました。

それぞれ4時間の試験です。

 

  • Financial Accounting & Reporting (FAR)

財務会計のこと。

その試験範囲はIFRS(国際会計基準)を含み、企業会計と公会計(政府・非営利組織会計)となっています。

 

  • Regulation (REG)

ビジネスに関連する諸法規に関する試験。連邦税法を含むのが特徴です。

 

  • Auditing & Attestation (AUD) 

監査及び証明業務という意味を持つ試験です。

監査業務と証明、会計士の責任に関する内容が出題されます。

 

選択科目はDisciplinesと呼ばれ、3つのうち1つを選択します。

  • BAR:Business Analysis and Reporting(ビジネス分析と報告)
  • ISC:Information Systems and Controls(情報システムと統制)
  • TCP:Tax Compliance and Planning(税法遵守と税務計画)

こちらに関しては、どれか1科目合格すればOKです。

 

USCPAの新制度試験についてはこちらの記事もご覧ください。

USCPA(米国公認会計士)新制度試験を解説!日本で受験する際の注意事項

米国公認会計士と公認会計士(日本)の違い

米国公認会計士と公認会計士の違いは、日本において「公認会計士」として監査証明書にサインができるかどうかです。

また、日本の公認会計士は監査業務の他にも、税理士として登録することが可能ですが、米国公認会計士には認められていません。

 

逆に、日本の公認会計士は日本でのみ「公認会計士」として業務に就くことができます。

米国公認会計士は、MRA(国際相互承認協定)参加国において、米国以外の国でも「公認会計士」として業務にあたることが可能です。

ただし、日本で公認会計士の独占業務は行えません。

 

また、それぞれの試験に合格した方のキャリアの進め方も日米で異なる傾向があります。

日本では、公認会計士試験の合格者は、ほぼ全員が監査法人に入所し、実務経験を積んで、「公認会計士」登録を目指します。

 

一方、米国では、公認会計士合格者の半数近くは監査法人へ、あるいは一般企業のファイナンス部門等で働いています。

米国公認会計士の試験の難易度

公認会計士の合格難易度は、日本の公認会計士よりも低く、科目合格制を採用していることから、仕事を持っている社会人でも合格を目指すことができる人気の資格のひとつです。

NASBA(全米州政府会計委員会)が公表した2024年度Q1,Q2累計の合格率は、どの科目も40%を超える合格率でした。

米国公認会計士の受験者のほとんどがアメリカ人または英語圏の方のため、合格率は概ね半数以上となっています。

 

一方、日本人の合格率は概ね3割程度です。

特に英文論述が含まれるBECと、独特の言い回しがあるAUDの合格率が他の科目より低い傾向にあります。

参考までに、2014年のデータはこちらです。

 

  • FAR 38.4%
  • BEC 28.1%
  • REG 36.4%
  • AUD 28.6%

 

(出典)NASBA

 

USCPA(米国公認会計士)取得の難易度はについてはこちらの記事もご覧ください。

USCPA(米国公認会計士)取得の難易度は?試験内容ごとに解説

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米国公認会計士の将来性を需要から考える

続いて、米国公認会計士の将来性を需要から考えてみましょう。

ここでは、監査法人・事業会社でUSCPAがどんな需要があるかを見てみます。

監査法人の需要

大手Big4監査法人、中堅規模の監査法人、外資系クライアントを持つ監査法人等で 米国公認会計士の需要があります。

米国公認会計士はアサインされたプロジェクトベースで働くことが多く、外資系企業を担当することが多くなります。

監査メンバーが外国人スタッフで構成されるような場合は、米国公認会計士が積極的にアサインされることがあります。

 

特に、クライアントと英語で対応し、監査調書も英語記載でき、監査メンバーともコミュニケーションを取ることができることが要求されます。

また、海外に本社を持つ在日子会社について、海外の監査人から日本の監査法人に対して実施するべき手続をまとめる業務もあります。

 

日本には数多くの外資系企業があります。

日系企業がグローバル化していることもあり、監査法人において引き続き米国公認会計士の需要は継続していくものと考えられるでしょう。

 

USCPAの転職についてはこちらの記事もチェック

米国公認会計士(USCPA)の転職市場での価値は?未経験でも目指せるのか

事業会社の需要

一般的な日本企業では、同じ会計の専門家であっても、公認会計士が優先して採用される傾向にあります。

大企業やグローバル日系企業であれば、米国公認会計士の評価は高く、経理部門や財務部門において、マネジャー候補として採用されることは少なくありません。

 

日本にある外資系企業のファイナンス部門であれば、米国公認会計士の評価は高く、転職要件としてMust(必須)あるいはPreferred(好ましい)とされているケースがほとんどです。

米国公認会計士という資格を所持していることで、その先のキャリアとして昇格を目指す、転職でより良い待遇を目指す可能性があることは間違いありません。

 

このように米国公認会計士は、外資系企業において本来のパフォーマンスを最大限に発揮することができると考えられるでしょう。

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まとめ

米国公認会計士は、その試験制度から日本人でも受験しやすくかつ、比較的難関な日本の試験(公認会計士や税理士)と比べ、合格しやすい資格として有名です。

ファイナンス業務に携わる場合、日本に限らず世界中で活躍できる可能性がありますので、グローバルを目指す方にとって、必須の資格といっても過言ではありません。

 

米国公認会計士はまた、国内外企業のアドバイザリー業務や、M&Aのデューデリジェンス業務のような高度な案件に関わることも多いです。

実力次第で日本の公認会計士と同等以上のパフォーマンスを発揮していくことも可能でしょう。

Profile レックスアドバイザーズ

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