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【公認会計士】就職・転職に学歴は関係ない?キャリアと合格者データを徹底解説

更新日:2025.07.02

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【公認会計士】就職・転職に学歴は関係ない?キャリアと合格者データを徹底解説

公認会計士の就職・転職において学歴は本当に不要なのでしょうか?

結論から言うと、学歴は関係ありません。

監査法人でのキャリアアップに必要な能力、そして最新の合格者データから見る学歴の傾向を詳しく解説します。

監査法人へ就職するために学歴は関係しない?

公認会計士試験に合格した後には、監査法人へ就職する人がほとんどです。

公認会計士試験は受験資格がない資格であり、最終学歴も年齢も関係ありません。

最終学歴が高校卒業者もいれば、大学院修了者もいます。

もちろん、高校卒業者が就職しづらいなんてこともありません。

学歴は大きくは関係せず、それ以上に就職活動には必要なものがあります。

 

公認会計士の就職で学歴以上に評価される要素

監査法人に就職する際に必要なものは、コミュニケーション能力や熱意などの人物評価が重視されます。

これは4大監査法人にも共通しています。

まず監査法人が求めている人材は、公認会計士の試験に合格しており、協調性のある人です。

ではなぜ、ここに学歴が入ってこないのでしょうか。

それは、公認会計士試験という国家資格を合格しており、能力としては担保されているからです。

 

そのため、その能力を生かすことができる人物かどうか、仕事を行う上で問題がない人間なのかを判断するために、人物評価を重視しています。

出世にも学歴は関係ない

監査法人に就職した後に気になるのは、「出世」や「昇進」ではないでしょうか。

就職に学歴が関係しなくとも、就職した後に学歴が関係し出世や昇進ができないと困ります。

これについても学歴は大きく関係はしません。

 

もちろん、学歴を生かして先輩や上司にアピールをできれば、多少のプラスになることもあると思いますが、直結はしません。

学歴よりもキャリアアップに大切になるものは、行ってきた仕事の成果やマネジメント能力です。

公認会計士業界は実力主義であるため、仕事ができる人は、たとえ最終学歴が高校卒業者であっても、大学院修了者であっても、関係なく職位をアップしていくことができます。

また、中堅クラスまで昇進した後には、仕事の成果だけではなくリーダーシップも重要になってきます。

仕事ができるだけではなく、チームを統率する能力があると、より早く出世・昇進できるでしょう。

公認会計士合格者の学歴の傾向

公認会計士試験は、学歴に関わらず誰もが挑戦できる公平な資格です。そのため、「特定の学歴がなければ合格できない」といったことは一切ありません。しかし、実際の合格者データを見ると、どのような傾向があるのか、気になるところでしょう。

ここでは、公認会計士・監査審査会が発表した令和6年の最新データを基に、合格者の学歴別構成比と合格率を詳しく見ていきましょう。

学歴

合格者数 (人)

構成比 (%)

合格率 (%)

大 学 院 修 了

60

3.7

5.6

会計専門職大学院修了

28

1.7

3.8

大学院在学

14

0.9

8.0

会計専門職大学院在学

21

1.3

10.1

大学卒業(短大含む)

747

46.6

7.7

大学在学(短大含む)

605

37.7

8.8

高校卒業

102

6.4

4.5

その他

26

1.6

4.6

合計

1,603

100.0

7.4

出典: 公認会計士・監査審査会「令和6年公認会計士試験合格者調」

上記の表から、公認会計士試験合格者の学歴について、いくつかの重要な傾向が見えてきます。
まず、「大学卒業(短大含む)」と「大学在学(短大含む)」の合格者が全体の約84.3%を占め、合格者の数としては大学出身者が多数を占めています。

しかし、注目すべきは学歴別の「合格率」です。「大学院在学」が10.1%と最も高く、次いで「大学在学(短大含む)」が8.8%と高い合格率を示しています。

これらは全体の合格率7.4%と比較しても決して低い数字ではありませんが、特定の学歴が極端に高い合格率に直結しているわけではないとわかります。

この事実は、学歴そのものが合格の決定要因ではないことを強く示唆していると言えるでしょう。
このデータは、「大学卒業・在学中」の層が合格者の大半を占めるのは、学歴が提供する「学習環境や機会」が合格者数のボリュームに影響しているという関係性を示唆しています。

つまり、大学出身者が本質的に優れているから合格しやすいのではなく、大学という環境が「資格勉強の時間が取りやすい」、「公認会計士試験に向けた学習に力を入れている」といった、学習機会やリソースの面で有利に働くことに起因すると考えられます。


この分析は、もしあなたが現在の学歴に不安を感じていたとしても、「環境を整えれば、自分にも十分チャンスがある」という希望を与えてくれるはずです。

重要なのは「どこで学ぶか」ではなく、「どのように、どれだけ学ぶか」という学習の質と量が、公認会計士試験合格の鍵であることを強調します。


また、高校卒業者からも102人(構成比6.4%)の合格者が出ている点は注目に値します。

これは、公認会計士試験が学歴を問わない公平な試験であることの明確な証拠といえるでしょう。

重要なのは、学歴ではなく、試験に向けた「学習努力」と「専門知識の習得」です。

多様なバックグラウンドを持つ人々が公認会計士を目指せる公平な資格であることが、これらのデータからも判断できます。

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転職時にも学歴は関係しない?

では、公認会計士が転職する際には学歴は関係するのでしょうか。

こちらも学歴は関係しません。

公認会計士が転職する際にも、資格者であることに加えて経験が重視されます。

監査法人転職に必要なものは学歴ではなく経験

監査法人の定期採用ではなく、ほかの監査法人やコンサルティングファームからの転職する際に重要視されるのも、学歴ではなく経験です。

監査法人への転職で、学歴が判断材料となることはほとんどありません。

具体的な転職先の選択肢や選び方については、「監査法人からの転職先はどんな選択肢がある?キャリアパスと転職先の選び方を解説」で詳しく解説しています。

新卒採用に近い定期採用とは異なり、監査法人への転職活動では即戦力を求められているため、これまでの公認会計士としての経験が重視されるのです。

また、経験の他にも、なぜ転職をするのかについても判断材料とされます。

経験と転職の理由についてはしっかり自己分析を行い、具体的に答えられるようにしておくと良いでしょう。

例えば経験については、どのくらいの規模の会社の監査をどのくらいやったなどです。

転職理由については、年収の面や仕事内容について自分の意見を述べるようにします。

 

公認会計士のキャリアプランの立て方については、監査法人勤務の会計士が進む次のキャリアは?キャリアプランの立て方を解説もご参考ください。

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監査法人以外に転職する場合には?

監査法人以外に転職する場合には、学歴は関係するのでしょうか。

こちらも、関係しません。

監査法人以外の転職先には、会計事務所や一般企業、コンサルティングファームなどがあります。
これらも学歴よりは、公認会計士としてどのような経験があるのかが重視される傾向にあります。


会計事務所であれば、中小企業などの会計のチェックや指導を行うため、公認会計士としてやってきた経験は重要な判断ポイントになります。


一般企業であれば経営企画や経理などに転職することが多いと思いますが、その会社の内部統制をすることになるので、監査法人での経験の内容は重要です。

コンサルティングファームであれば、一般企業にコンサルティングを行うこととなるので、監査法人で行なった指導の経験が判断材料とされます。

 


また転職先のほとんどで、コミュニケーション能力や協調性などの人間性も重要視されます。

監査法人以外への転職においても、学歴は参考程度になります。

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監査法人で学歴以上に必要なもの

監査法人では学歴は重視されていないことを説明してきました。

では、監査法人で働く上で学歴以上に必要なものはなにがあるのでしょうか。

 

必要なものとして、「英語力」「ヒアリング力」「コミュニケーション能力」があげられます。

国際化が進み必要となる英語力

企業のグローバル化などから、公認会計士にも「英語力」が求められます。

ここでいう英語力とは、英語を話し、書き、聞いて理解することを言います。

国内の会計基準ではなく、国際的な会計基準を採用する企業が増えてきていることが、英語力が必要となる理由です。

国際会計基準を採用している企業の財務諸表は英語で記載されているため、英語が使えないとそもそも仕事にならなくなってしまいます。

新卒で入ってすぐに求められる能力ではないので、入社後英語力を高めるので間に合うでしょう。

ヒアリング力とコミュニケーション能力

監査法人で働く上で重要な能力として、ヒアリング力とコミュニケーション能力があります。

このヒアリング力は、監査体制の企業担当者から財務に関する情報を聞き出す能力を言います。

ヒアリング力は、監査業務を行う上では最重要の能力と言ってもいいでしょう。

なぜなら、監査の中で監査対象の担当者から情報を聞き、正しく認識することが必要になるためです。

ヒアリング力がないと、提出された以外の情報を入手することができず、正しい監査が行えないことになります。

コミュニケーション能力は、意思疎通をスムーズに行う能力です。

コミュニケーション能力は業務の相手だけでなく、監査法人の同僚や上司など全てにおいて大切です。

まず、相手先との会話でヒアリング力を活かすためには、コミュニケーション能力も必要になります。

ヒアリング力が高くても、コミュニケーション能力が低いと、相手から最低限の情報のみしか聞き出すことができないです。

情報を聞き出す際に少しの雑談を入れることができると、相手から情報を聞き出すこともより円滑進められるでしょう。

 

また、社内において同僚や上司と話す力は、仕事を円滑に進める上でも出世する上でも、とても大切です。

コミュニケーションをうまく取ることができないと、仕事が円滑に進まず、最悪の場合失敗につながることもあります。

また、雑談などで社内の人と多く話をしておくことで、様々な情報を得ることができますし、上司からの評価も良くなり出世も叶うかもしれません。

このコミュニケーション能力は、相手の話を聞くことも大切になります。

自分が多く話せるだけではコミュニケーション能力が高いとは言えないことに注意してください。

 

関連コラム:監査法人の仕事内容とは?公認会計士の主な業務や年収・Big4について解説

まとめ:公認会計士のキャリアは学歴ではなく「実力」と「人間性」

公認会計士の就職や転職、キャリアアップにおいて、学歴が決定的な要因ではないことは、これまでの解説と最新データからも明らかです。

重要なのは、公認会計士試験合格で証明される専門能力に加え、監査法人で真に求められる「人間性」にあるといえるでしょう。

英語力、ヒアリング力、コミュニケーション能力といった実践的なスキルは、この専門職で活躍するために不可欠です。

公認会計士のキャリアはまさに実力主義の世界です。学歴に左右されず、個人の成果、マネジメント能力、リーダーシップが正当に評価されます。転職においても、経験と人間性が重視され、多様なキャリアパスが拓かれています。

学歴にとらわれず、これらのスキル習得と地道な学習努力こそが成功への鍵です。

努力次第で誰もが公平にチャンスを掴めるのが、公認会計士というプロフェッショナルな道。今磨くべきはあなたの「実力」と「人間性」なのです。

 

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公認会計士・税理士等の有資格者をはじめとする会計人材専門特化した人材紹介会社。
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