転職お役立ち情報
公認会計士の職務と需要
公認会計士は現代においても社会的需要の高い職業です。
金融庁は、公認会計士試験の合格者等の活動領域を拡大させるため、平成18年に公認会計士の試験制度を変更しました。
多様な受験者の獲得と受験者数の増加を目指しています。
そして、試験の合格者や公認会計士が、監査業界のみならず、企業の内部でその専門知識を生かして活躍する等、幅広い分野での活躍を期待しています。
財務情報を監査する(法定業務)公認会計士
公認会計士には監査業務という法定独占業務が認められています。
その高い専門性から、様々な業種・業態から安定して仕事を得ることができる職業とされます。
財務諸表の監査には「法定監査」と「任意監査」の2種類があります。
「法定監査」は、会社法や金融商品取引法等の適用を受ける企業が、これら法律の求めに応じて監査を受ける仕組みです。
公認会計士は、上場企業や大企業等が作成した貸借対照表や損益計算書を含む財務諸表を独立した立場から監査します。
不正な会計処理が内在していないか、虚偽の報告をしていないかを確認した上で、結果を「監査報告書」によりステークスホルダーに報告します。
上場企業はこの監査報告書で「適正意見」の維持を求められています。
もし「不適正意見」や「意見の差し控え」となる場合は、証券取引所に一定の裁量の余地があるものの、上場維持が危うくなることもあり得ます。
公認会計士の責任は非常に重いと言えるでしょう。
この法定業務は、監査法人または会計監査人(公認会計士)が実施するため、監査法人において、常に一定の採用数があります。
財務情報を監査する(任意業務)公認会計士
「任意監査」とは、例えば企業が上場準備の過程で、内在する会計上の問題を明らかにするための目的等で行われます。
公認会計士による財務諸表の監査を受けることで、企業の財務諸表の信頼性を高められます。
その監査済み財務諸表により、利害関係者が財務状況を正確に把握できるようになる、社会的にも大きな意義のある業務です。
通常、「任意監査」を依頼するクライアント企業は、監査法人に仕事を依頼します。
なお、監査法人において「任意監査」向けの採用需要はほとんどみかけることはありません。
コンサルタントとして期待される公認会計士
経済環境がめまぐるしく変化する中で、企業が正しい戦略の下で柔軟に適応していかねばなりません。
公認会計士には、専門性を活かして企業の経営方針づくりに参画する、あるいは経営状況を適切に把握し、課題の抽出・課題を解決するためのプランの実行管理を行うといった業務があります。
経営戦略の立案、的確なアドバイスの他にも、資金繰り状態をチェックし、資金調達を含む財務戦略を提案することもあります。
最近ではクラウドコンピューティングの普及により、会計システムのIT化を推進する、システム・コンサルタントとして活躍する場面も多くなりました。
会計系コンサルタントとして公認会計士に対する需要は、主に会計事務所、コンサルティングファーム等でです。
会計事務所で活躍する公認会計士
公認会計士は、税理士登録により税務業務を行うことができます。
税務業務は税理士法により定められた独占業務です。
- 税務代理(税務署への申告等、税務調査対応、税務署等への主張若しくは陳述につき、クライアントを代理し、又は代行
- 税務署類の作成
- 税務相談(法人税や所得税のような、法人・個人に関する税務相談)
の3つが挙げられます。
会計事務所では、クライアント企業等に対して、会計及び税務の両面を一体としてサービスすることが多いです。
公認会計士は、会計知識・監査経験・税務業務を活かして、クライアントが求めるアドバイスや指導を行います。
主に大手から中堅規模の会計事務所で、会計士の需要があります。
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公認会計士の職種別の需要
公認会計士の強みは会計、企業経営、ファイナンスと多岐に渡ります。
これらの強みを最大限に活かす場は、監査法人、会計事務所、一般企業のファイナンス部門、M&A等を行うコンサルティングファーム等です。
最も需要が高い(採用数が多い)のは、監査法人と一般企業のファイナンス部門となっています。
監査法人の公認会計士の需要
現在は、引き続き高水準となる新規上場企業数や、グローバル化を目指す企業の増加等により、監査法人の業務が増えています。
公認会計士の転職事情は売り手市場といえるでしょう。
繁忙期の閑散期のメリハリがあるものの、監査業務の厳格化に伴い、監査工数が増えていることも、公認会計士の慢性的な不足要因となっています。
監査法人で監査経験がある公認会計士が、別の監査法人を目指す場合は、即戦力として採用されやすいでしょう。
会計事務所の公認会計士の需要
大手から中堅規模の会計事務所、税理士法人等では、少子高齢化により企業の後継者問題や、企業再生、M&A案件が増えています。
これら専門領域を対応できる公認会計士の需要があるのです。
また、取引の多様化、インターネットを活用して海外進出を目指す企業が増加していることもあり、国際取引に関する会計や税務案件も増えています。
M&Aの実務経験が乏しい場合であっても、ポテンシャル採用もありますので、転職のハードルは決して高くありませんし、英語スキルはビジネスレベルであれば十分と判断されることが多いようです。
事業会社の公認会計士の需要
大企業や上場企業では、「新収益会計基準」の採用や、IFRS(国際会計基準)の任意適用等において、あるいはM&Aや新規海外進出を目指すようになり、経理部門や財務部門で公認会計士の需要があがっています。
新規上場を目指すベンチャー企業では、会計基準や内部統制水準を上場企業レベルに達するために、豊富な監査経験がある公認会計士を積極的に採用しているケースも見られます。
また、公認会計士が入社時からCFOとして採用されることもあり、上場準備を一手に引き受けてキャリアを磨く方もいます。
コンサルティングファームの公認会計士の需要
コンサルティングファームでは、公認会計士が得意とするファイナンス領域に関して、M&Aのターゲット企業の財務内容をレビューし、企業価値の毀損がないかどうかを調査する「デューデリジェンス」があります。
M&Aの買収価格に影響し、取引そのものを左右することもある「デューデリジェンス」は極めて専門性が高く、まさに公認会計士の能力が求められています。
また、公認会計士は中小規模のM&Aでは、買い手と売り手の交渉の場において、双方の意見を調整する役を担当することもあります。
会計分野のプロフェッショナルである公認会計士ですが、企業の経営戦略を策定し、企業価値の向上を提案する「戦略系コンサルティング」に携わる機会はあまり多くないようです。
まとめ
公認会計士になるためには、膨大な学習時間をかけて試験に挑戦し、合格した後も一定の実務経験を経て「修了考査」に合格する必要があります。
その道のりは長く険しいことで有名ですが、実力次第で高い年収を得ることも可能な魅力的な資格です。
監査法人で引き続き働き、さらに上を目指して邁進することや、自分自身のキャリアを多面的に開発する目的で転職し、様々な業種で活躍していくこともできます。
将来、予期せぬ景気変動により、採用数の抑制や希望する職務に付けなくなる可能性はありえますが、専門性が高い公認会計士に対する需要は引き続き高いままであると考えられるでしょう。
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