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公認内部監査人(CIA)は独学で取得できる資格でしょうか。
公認内部監査人(Certified Internal Auditor)は内部統制と内部監査のスペシャリストです。
試験は世界でおよそ190の国と、800を超える会場で試験が実施される、国際的な資格と言えます。
また、内部監査業務に活かせる資格として、公認内部監査人(CIA)の他にも、日本内部監査協会が主催する「内部監査士」等があります。
こちらは日本国内の資格になります。
公認内部監査人の資格をお持ちの方が、内部監査に携わる「内部監査士」等も目指すことで、より一層のスキル磨きや、キャリアアップに役立つ資格となるでしょう。
公認内部監査人(CIA)の資格試験について解説します。
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公認内部監査人(CIA)と関連資格
まずは、公認内部監査人(CIA)がどんな資格なのか、関連する資格について知っておきましょう。
公認内部監査人(CIA)とは
内部監査に携わる方が持っている関連資格で有名なものには、公認会計士や米国公認会計士(USCPA)のような会計に関する資格と、内部監査業務に特化した「公認内部監査人(CIA)」や「内部監査士」等があります。
公認内部監査人とは、内部監査に関する国際的な資格です。
内部監査業務に精通したプロフェッショナルとして、経営者からの信頼を置かれた立場で働き、国際社会でそのキャリアが認められています。
出典:日本内部監査協会
公認内部監査人制度の背景は
企業を取り巻く経済環境の変化、経営環境が刻一刻と変わっていく状況下。
企業の不祥事が目立つように伴い十分な内部監査の必要性が高まり、内部監査をしっかりと対応できる方が必要になっています。
アメリカにあるThe Institute of Internal Auditors(IIA)に所属する日本内部監査協会(IIA Japan)は、1999年から公認内部監査人(CIA)の資格認定試験を日本語でも受験できるようにしました。
現在も、公認内部監査人の普及に努めています。
また、The Institute of Internal Auditorsの役割は、公認内部監査人等の資格認定の他に、内部監査の実務基準の制定、内部監査という職業の啓発活動を世界的に進めています。
関連資格:内部監査士
内部監査士は、日本内部監査協会が主催する、内部監査士認定講習会を修了した方に与えられる資格です。
所定の講習を受ける必要がありますが、専門学校等に通学する必要はないため、独学で取得できる資格といえます。
内部監査士は、日本内部監査協会が認定する3種類の内部監査の資格の中で最もオーソドックスです。
認定講習会は、主に内部監査の理論と実務の体系によっています。
内部監査士になるためには、講習会で所定の課程を修め、さらに修了論文を提出しなければなりません。
以下は、認定講習会の主なカリキュラムを一部抜粋したものです。
- 内部監査の基本知識、監査技術、実施手順
- 内部統制の理解と評価・監査の方法
- 内部統制システムの構築と運用
- リスクマネジメントと内部監査
- 品質管理監査のポイント
- 子会社・関連会社監査のポイント
- 情報システム監査のポイント
出典:日本内部監査協会
関連資格:情報システム監査専門内部監査士
「情報システム監査専門内部監査士」とは、日本内部監査協会が主催する、情報システム監査専門内部監査士認定講習会を修了した方に与えられる国内資格です。
情報システム監査専門内部監査士の資格を得るためには、内部監査士と同様に、所定の課程を修め、修了論文を提出しなければなりません。
カリキュラムは主に、内部監査を行う上で必要になる情報システムや、情報セキュリティ、個人情報の保護を対象にしています。
主なカリキュラム
- 情報システム監査のフレームワーク
- 情報システム監査の実施手順
- 情報システムの戦略性・有効性
- 情報システム外部委託の管理と監査
- 情報システムに係るBCMの管理と監査
出典:日本内部監査協会
関連資格:金融内部監査士
「金融内部監査士」とは、日本内部監査協会が指定する団体等で行っている研修を修了した方に与えられる国内資格です。
現在は、経済法令研究会で開講している「金融内部監査士養成コース」か「金融内部監査士養成コース【保険版】」になります。
主なカリキュラムは以下となっています。
- TEXT1 金融内部監査論
- TEXT2 経営管理・統合的リスク管理態勢
- TEXT3 コンプライアンス 顧客保護等管理態勢
- TEXT4 信用リスク管理・資産査定管理態勢
- TEXT5 市場リスク管理・流動性リスク管理態勢
- TEXT6 オペレーショナル・リスク管理態勢
- TEXT7 自己資本管理態勢・ファイナンス論
公認内部監査人の試験に合格するには
公認内部監査人は、実務担当者に向けた資格の特性上、多忙なビジネスパーソンでも無理なく取得できる資格となっています。
公認内部監査人の2019年度の試験では470名強が合格し、累計では9,400名を超える数となりました。(日本内部監査協会より)
関連書籍により自力で学習して試験に挑むことはできます。
ただ、短期間の学習で合格を確実にするのであれば、専門学校に通学するか、通信学習がおススメです。
公認内部監査人の試験合格までの想定勉強時間
公認内部監査人の試験勉強では、内部監査・内部統制という概念を理解し、具体例を持って個別事例を把握することが大切です。
内部監査の実務経験がない方でも、約400時間~500時間の学習で合格が可能とされています。
目安として、社会人であれば約6ヶ月の期間、学習を継続すれば合格水準になるでしょう。
公認内部監査人の試験制度
試験は3つのPartで構成され、それぞれのPart毎の合格制となっています。
- Part1 内部監査に不可欠な要素 4択問題 125問
- Part2 内部監査の実務 4択 100問
- Part3 内部監査のためのビジネス知識 4択 100問
公認内部監査人試験のスコアは、各Partが250~750ポイントの範囲で換算され、75%の正答率とされる600ポイント以上が合格基準とされています。
日本内部監査協会から合格率は公表されていません。
米国公認会計士の取得者は公認内部監査人の試験勉強にも有利
米国公認会計士(USCPA)は監査手続きにより企業の内部統制状況を確認することもあります。
その出題範囲が公認内部監査人の試験でも出題されています。
米国公認会計士の資格をお持ちの方であれば、公認内部監査人の試験をより短期間で合格することが可能でしょう。
公認内部監査人の将来
大企業や上場企業では、内部監査の結果を外部監査人が評価する仕組みとなっているため、内部監査業務に携わる方の責任は重大です。
特に上場している事業会社では、外部監査のみならず、内部監査の手続きにおいても、より一段と高い実効性が求められています。
公認内部監査人の企業需要
内部監査業務を社内ローテーションの一環で対応している企業は少なくなく、専門性の高い内部監査人の需要は増々高まっています。
外資系企業では、公認内部監査人や、監査人が高い年収でヘッドハンティングされる事例があります。
世界的に認められている公認内部監査人の将来性は高いといえるでしょう。
まとめ
専門性の高い内部監査を実施できる公認内部監査人の需要は年々高まっており、将来も同様の傾向が続くことが予想されます。
公認内部監査士はまた、国際的な資格でもあり、海外で活躍したいと考える方にも有用な資格です。
もちろん独学でも取得は可能です。
しかし忙しい社会人はまとめて勉強時間を取ることが難しいので、専門学校の通信教育等を活用して、効率的に学習することが合格への最短ルートになるといえます。
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