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公認内部監査人とは、どのような資格で、偏差値は必要なのでしょうか。
また試験の難易度はどの程度なのか、解説していきます。
公認内部監査人の難易度は?偏差値はどれぐらい?
まず、公認内部監査人とはなにか、資格の概要について、解説します。
公認内部監査人とは?資格の概要について
公認内部監査人は、CIAとも呼ばれます。
Certified International Auditorの略語で、内部監査に関する指導的な役割を担っている内部監査人協会が認定する国際的な資格です。
この試験は、内部監査人の能力や専門性を証明するため、1974年よりアメリカの内部監査人協会により開始され、日本のみならず、世界各国で実施されています。
日本では1999年より日本語受験が可能となり、毎年資格保有者の人数は増加しています。
日本内部監査協会が公表している情報によると、2004年では1000名にも満たない人数でした。
その後順調に増加し、2019年末時点では9,000名以上がこの資格を保有しています。
世界全体を見ると、2020年時点で160,000名程度の資格保有者がいます。
なお、有価証券報告書において、内部監査部門にCIA資格保有者が在籍していること、資格取得に向けて積極的に取り組んでいることを開示している上場企業もあります。
対外的に監査の品質を証明することを明らかにするためにも有効なものとなっています。
公認内部監査人の試験科目
公認内部監査人の試験科目を以下に解説します。
- 試験科目
CIAを受験するためには、下の3つの教育要件のうちいずれかを満たし、勤務先の上司や教授などの第3者からの推薦が必要となります。 - 教育要件
①4年制大学を卒業している
②短期大学または高等専門学校を卒業しており、5年以上の実務経験を持つ(受験申請時点で最低2年)
③7年以上の実務経験を持つ(受験申請時点で最低4年)
上の要件を満たした場合、受験資格が得られます。試験は、以下の3科目となり、いずれも四肢択一となります。
- 内部監査の基礎 125問・150分
- 内部監査の実務 100問・120分
- 内部監査に関連する知識 100問 120分
各Partいずれもおおむね75%の正答率が合格基準とされています。
最初の受験登録から4年以内に全科目合格しなければいけないこととなっています。
なお、1度に全科目合格する必要はなく、1科目ずつ受験することも可能です。
CIA資格取得のためには上の科目の合格のほか、外部監査や監査役監査など、所定の実務経験が2年以上必要となります。
公認内部監査人の試験のスケジュールと受験料
公認内部監査人の試験のスケジュールと受験料は以下の通りです。
- 試験のスケジュール
試験はコンピュータ試験であり、ピアソンVUEが指定する世界約500か所のテストセンターで好きな日程で受験することが出来ます。
日本では、東京、札幌、仙台、横浜、名古屋、大阪、広島、松山、福岡、沖縄にて受験が可能です。 - 受験料
内部監査人協会の個人会員であるかにより受験料が異なりますが、各Partで以下となっています。(税込)
登録料/ Part 個人会員 個人会員以外
登録料 12,000円 25,000円
Part1 31,000円 44,000円
Part2 25,000円 38,000円
Part3 25,000円 38,000円
公認内部監査人の合格率、難易度
CIAの合格率は残念ながら公表されていませんが、択一式の試験ですので、難易度はそこまで高くないといわれています。
しかし、出題範囲は広く、出題論点が300程度あり、なおかつ出題傾向がつかみにくいという特徴があります。
通常、簿記検定などのあらゆる資格試験では、主催者団体は試験対策用の公式テキストを発行します。
受験生はそこに記載されている出題範囲を学習し、試験対策を行うケースが多いですが、CIA試験では、公式なテキストや過去問が公表されていません。
そのため、公式テキストをベースとした試験対策が困難だと言われます。
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偏差値の高い公認内部監査人の標準学習時間と試験対策
公認内部監査人の標準学習時間と試験対策は以下の通りです。
公認内部監査人の標準学習時間
一般的には500~600時間程度と言われています。
働きながら資格を取得するケースが大半かと思いますので、1日1.5時間~2時間程度勉強した場合、およそ1年程度かかることとなります。
公認内部監査人の受験対策
前述の通り、公式テキストがなく、独学の場合は公表されているCIA試験のシラバスよりトピックを学習したり市販の問題集にて対策をすることとなります。
一方、出題論点は非常に多いので、効率的に勉強するならば、予備校に通う方法もあります。
予備校に通った場合は、費用はかかるものの講義や問題演習なども充実しており、対策しやすいといえます。
予備校に通うコストや得られるメリットなどを考慮し、自身に合った方法で対策するのがいいでしょう。
偏差値の高い公認内部監査人の将来性
次に公認内部監査人の将来性について、解説していきます。
公認内部監査人の将来性
企業が内部監査人に求めることはたくさんあります。
不正や不祥事があれば、会社の信頼を損ないます.
不正や不祥事を見つけることはもちろんのこと、自社内における非効率な部分を発見し、成長につなげることも期待されています。
公認内部監査人の資格は基本的には既に内部監査に従事している人を対象としています。
資格を取得することにより、社内でより実効性のある監査が実施され、今の会社をよりよくすることが期待されるでしょう。
また、近年、企業が国際化や複雑化しています。
社内の不正や不祥事の発見、業務改善のため、内部監査の役割をより高めるという需要が増えてきているのです。
また、国際的な資格ですので、グローバル企業への就職にも有利になり、海外での活躍の機会が得られるかもしれません。
転職先としては、国際的に事業を展開する大企業の内部監査部のほか、コンサルティング会社や監査法人にて内部監査の専門家として従事するケースもあるでしょう。
公認内部監査人の偏差値と同程度の他の資格
なお、CIAと比較される資格として、CISAとCFEがあります。
CISAとは公認情報システム監査人、CFEは公認不正検査士であり、いずれも監査系の国際資格です。
- CISAは内部監査の情報システムに対する各論的な資格で、システム監査のグローバルスタンダードを体系的に学ぶことが出来ます。
- CFEは不正の防止から、不正発覚後の処理まで不正に関しての総合的な対処方法のグローバルスタンダードを学ぶことが出来ます。
いずれも資格取得のために相当程度勉強する必要がありますが、CIAとあわせ複数取得するケースもあります。
まとめ
公認内部監査人について、解説しました。
勉強時間の確保や費用など、資格取得のハードルは高いですが、資格を取得することで、不正や不祥事の発見だけでなく、業務改善などにおいてもより会社に貢献することが出来るでしょう。
資格取得をきっかけとして転職の機会も得られるかもしれません。
ぜひ、取得を検討してみてはいかがでしょうか。
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