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【STEP1事前準備編】公認会計士の転職

更新日:2021.11.12

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会計士

公認会計士の転職時期はいつがおすすめ?

公認会計士が会計業界で転職をする際、注意しなければならないのが転職時期です。
ただ闇雲に転職活動をしても、思うような結果にはつながらないかもしれません。

とくに会計業界では繁忙期と閑散期があり、これらの状況を鑑みながら転職時期を考える必要があるでしょう。


また、転職活動において重要なのが、今後のキャリアプランでもあります。
転職を開始する年齢や将来のビジョンにあわせて転職の方向性を検討しましょう。

ここでは、気になる会計業界の年間業務スケジュールについて解説します。

【年間業務スケジュール】会計士業界の流れ

年間業務スケジュール

公認会計士が多く在籍し、メインの活躍の場といえる監査法人について見ていきましょう。

監査法人の年間業務スケジュールは7月から開始となります。
監査法人においては決算期が6月というケースもあるため、7月始まりと考えるとわかりやすいのです。
3月決算企業に対する本決算の一連の対応が終わるのも6月なので、新たな年度がスタートすると覚えておきましょう。

それでは以下に、1年間の業務スケジュールを詳しくまとめます。

【年間業務スケジュール】

7月

監査法人で働く公認会計士の多くが、3月決算企業の第1四半期のレビュー業務に携わるため、多忙な日々を過ごす。

8月(閑散期)

会計士業界にとって、年間業務の中で最も余裕のある時期。
ほとんどの監査法人がお盆休みをとるため、あわせて長期休暇を取るケースもある。
公認会計士はメリハリをつけて働く人が多く、多忙なときは多忙ですが、閑散期にはゆっくりと羽を休めています。

9月

監査計画の立案作業が本格化したり、内部統制の整備状況の検証作業を行なったりする時期。

10月

監査法人に勤務する会計士にとって、3月決算企業の第2四半期期末にあたり、半期でもあることから、第1四半期よりも残業時間も増加傾向に。

11月

第3四半期決算と年度末決算を見据え、打ち合わせが増え始める時期。
年度監査における監査計画の更新作業をはじめ、内部統制の運用状況の検証作業なども実施する。

12月(閑散期)

8月と同様に会計士業界では余裕のある時期。
年末年始もパートナーが挨拶回りを行なう程度。

1月

3月決算企業の第3四半期監査。レビュー業務や、年度決算に向けてクライアントとの打ち合わせなども増える。

2月

年度末監査のための準備を行う時期。監査計画の更新・内部統制の検証作業のやり残しへの対応・確認状関連の手続きの実施など、年度監査に向けて忙しくなる。

3月

内部統制の検証手続や確認状の差異調整の検証手続などを終わらせるため尽力する。

4月(繁忙期)

年度監査の業務を行う。

5月(繁忙期)

年度監査の業務を行う。会社法監査の監査報告書が発行される5月中旬頃には落ち着く傾向に。

しかし、追って、年度監査以外の業務に追われる可能性もある。

6月

忙しさもひと段落し、主に開示書類のチェックや新年度の監査計画の立案を行う。

公認会計士業界の繁忙期と閑散期とは?

繁忙期と閑散期

膨大な数の求人情報の中から最適な転職先を探し出すには、今後のキャリアプランなどをよく検討する必要があるでしょう。
そして、理想の転職先に合った転職時期を見極めることが大切です。

まずは転職スケジュールを計画するためにも、会計業界における繁忙期と閑散期について詳しく解説します。

繁忙期

公認会計士にとって、繁忙期と考えられているのは監査が集中する4~5月でしょう。ここでは、四半期の業務も集中するため、最大の繁忙期として知られています。

このように監査業務では、クライアントの決算期に合わせてスケジュールが決まるのが一般的です。


4~5月に繁忙期となるのは、3月決算の企業が多いことが関係しています。
決算期は企業が自由に決めることができ、最近はグローバルで一般的な12月決算も増えてきています。


企業規模と決算期に相関関係もないため、監査法人の規模で繁忙期が変化するというわけでもありません。
BIG4監査法人でも中小の監査法人でも、最大の繁忙期は4~5月だといえます。

しかし決算期と関係なく業務が発生するのがIPOの監査やデューデリジェンスなどです。
そのため、業務内容や部署によっては、繁忙期が異なるケースも見られるでしょう。

閑散期

会計監査の集中する4~5月までの繁忙期を乗り切ると、6月に閑散期を迎えます。

ここでお盆休みや夏休みなどを楽しむ会計士も多いようです。


しかし、中には3月以外を決算月に設定している企業もあります。
前述のとおり海外企業との取引や連結の関係から、12月を決算としている企業も増加しています。


このように、変則的な決算月を設定しているクライアントを担当している場合は、いわゆる閑散期においても監査業務を行う必要があるでしょう。
そのため、監査法人で働く公認会計士にとって、受け持つ企業の決算月をチェックすることは重要です。

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【公認会計士】人気の転職先と転職時期

それでは、具体的に会計業界における人気の転職先を例に、おすすめの転職時期をご紹介しましょう。
今回はとくに人気を誇る4つの転職先をピックアップします。

1:監査法人

まず公認会計士の転職先としてメインとなる監査法人です。
論文試験の合格発表後に行われる定期採用は11月~12月の短期間に行われますが、これはいわゆる「新卒採用」のようなものにあたります。
すでに会計関連の仕事に就いている方の転職、中途採用についてみていきましょう。


監査法人はクライアントとなる企業の会計監査業務を担当するのが主な業務内容です。
解説したとおり、3月決算企業の監査をする最繁忙期は、どこの監査法人も4~5月、6月にかかる時期になります。
3月以外の決算期クライアントが多かったり、監査ではないアドバイザリー業務が多かったりする場合は繁忙期は他にも生じますが、最繁忙期はほぼ一致するといえます。


転職活動をする場合は、最繁忙期を避けるのが良いでしょう。
監査法人の採用面接では、人事やパートナーの他に、現場のマネージャーなども参加するケースがあります。
業務内容を聞いたり、働き方を確認したりできるので、求職者にとってもメリットがあります。


しかし、最繁忙期では現場メンバーが忙しいために参加できないこともありますし、そもそも面接に時間が取れずに活動が長引いてしまうこともあります。
最繁忙期は避けるのが良いでしょう。
その他の時期については、通年で積極的に採用をしていますので、自分の現職の都合にあわせて転職活動をすることができます。


もう1点注意しておくべきことは入社時期です。
現在仕事をしている場合、内定承諾をしてから退職を告げるので、入社は1~2ヶ月後ということになります。
入社のタイミングが最繁忙期になるのも避けるようにしましょう。

2:一般事業会社

続いて、公認会計士の転職先に注目されているのが一般事業会社です。
会計士の専門知識やスキルは事業会社でも歓迎され、経理・財務・経営企画といった部署での募集があります。


現在はグローバル化やIT化が加速しているため、ますますニーズが高まっています。
多くはありませんが、CFO候補などのハイクラスの募集もあります。


会計士ということで、上場企業や外資系企業はもちろんですが、上場をねらっているIPO準備企業にも活躍の場があります。
最近は若手の公認会計士がベンチャー企業の上場準備室に入り、会社とともに成長と成功をめざすというケースも多くあります。
転職時期については、経理や財務のポジションであればその企業の決算期と関係してきます。


監査法人と同じく、本決算のタイミングが最繁忙期になるため、この時期にはやや求人が少なくなる傾向があります。
ただし、会計士を募集する場合は決算実務の経験者とは異なるニーズがあるため、極端に転職活動がしづらいわけではありません。
経営企画や上場準備室、そしてCFO候補などのポジションは、決算期とはあまり関係がありません。


1年中チャンスがあるといえますので、転職エージェントなどに登録しておき、良い求人が出てきたら連絡をもらうようにしておくのもおすすめです。

3:コンサルティングファーム

即戦力を募集している求人も多いほど、会計士の転職先として採用のハードルが高いのが、コンサルティングファームと言えるでしょう。
とくにコンサルの領域によって求められる人材に幅があり、知識やスキルにも専門性の高さがうかがえます。
これは、コンサルティングファームという業種が、クライアント企業の経営に関わり、課題解決に向けて提案・運営を担っていることに関係しているでしょう。


公認会計士を積極的に募集しているのはFAS系のコンサルティングファームです。
総合系コンサルティングファームでも募集がありますが、監査法人の次に公認会計士の数が多いのはFAS計コンサルティングファームだといえます。
FAS系コンサルティングファームにもさまざまな業務がありますが、M&Aに携わることが多くあります。
M&Aはプロジェクト単位で業務が進み、ゴールや締め切りによって繁忙期が異なります。


また、長期プロジェクトも多いため、あまり繁閑が採用に響くことはないといえます。
転職を目指す場合は、コンサルティングファームからの求人がいつ出ているかというよりも、現在の自分の業務とのバランスなどを考えて活動すると良いでしょう。

4:会計事務所(税理士法人)

公認会計士は税理士登録ができるため、転職先として会計事務所(税理士法人・税理士事務所)もメジャーです。
会計事務所はクライアント企業の会計や税務を担うので、監査法人のスケジュールと似ているといえます。
監査法人は主として上場企業を担当しますが、会計事務所の場合は中小企業や個人事業主など多種多様なクライアントを同時に抱えることが異なる点になります。


そのため、12月ごろには年末調整を担当したり、2~3月には確定申告を担当したりするため、12月から半年程度の繁忙期が続くことになります。
会計事務所(税理士法人)の転職時期としては、上記の半年程度はあまり採用が活発であるとはいえません。
その後の6月~初冬にかけてが積極採用の時期なので、ここを狙ってみると良いでしょう。


しかし、個人クライアントを持っていない事務所であれば1~3月はそれほど忙しくはありませんし、企業クライアントが少なければ、4月以降も繁忙期であるとはいえません。
事務所によって異なり、いつでも採用は行っています。
常に情報収集を心がけ、良い求人があれば応募していくと良いでしょう。

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キャリア×年齢で考える公認会計士の転職

公認会計士の転職を考える上で重要なのが、思い描くキャリアプランと年齢の関係です。
ここでは、世代別にキャリアプランのイメージをご紹介しましょう。

社会人経験あり×第二新卒

さまざまな業界で少子化の影響により、人材不足が懸念されています。
会計業界においてもその傾向が見られ、新卒や第二新卒の世代は引く手あまたです。


公認会計士の場合はまずは資格を取得しなければいけませんが、論文式試験合格者の多くは20代です。
学生も多いですが、第二新卒も非常に多くいます。


監査法人の採用も非常に積極的で、会計系の経験の有無は問われません。
新卒入社した企業を退職し、数年をかけて資格取得した第二新卒者にとっては、公認会計士としてさまざまなキャリアの選択肢があります。
まずは監査法人に入社し、監査の実務経験やアドバイザリーの経験を積みながら、10年後・20年後に何をしたいかを考えていきましょう。

会計業務に携わっていた×20代後半

続いて、社会経験が数年程度ある20代後半の例をご紹介しましょう。
企業の経理部門で会計に携わり、働きながら公認会計士試験に挑む人も多くいます。


この場合、会計の実務があれば監査法人の定期採用ではなく中途採用のほうが良いケースもあります。
例えばこれまで従事してきた業界を担当する部署に行きたかったり、M&Aを経験したことがあるのでアドバイザリー業務をやりたかったりと、経験があるからこその希望もあるでしょう。


エージェントなどにキャリアを相談し、どのような転職先が最適かをじっくりと話し合って選択すると良いでしょう。

キャリアアップを狙う×30代前半

実は、転職市場において、注目株と言えるのが30代前半の公認会計士です。
実務経験もあり、多くの業務内容に柔軟に対応できる30代は、一般事業会社でもコンサルティングファームでも求められるでしょう。
現在監査法人にいる場合、マネージャーの一歩手前、あるいはマネージャーになっているかもしれません。

このまま監査でキャリアを積むか、他の場所で活躍するかを選択する時期です。


公認会計士の先輩や仲間の話をまずは色々と聞いてみると良いでしょう。
自分が魅力を感じるのはどんな仕事か、将来どうなっていたいかを考えたうえで、転職エージェントなどに相談をし、実際にどのような求人があるかの情報収集をしていきましょう。
年収1,000万円を超える求人も存在しています。

マネジメント経験の有無がポイント×30代後半

30代後半の会計士の転職では、管理職の経験があるかどうかがポイントとなるでしょう。
監査法人やコンサルティングファームであればマネージャー以上、事業会社であれば作業者ではなくとりまとめやレビューをする立場、経営陣への提言をする立場であるかどうかが重要です。


もし管理職は未経験であれば、一般事業会社の財務・内部監査などを担う専門職への転職がおすすめです。
管理職の経験があれば、自分の描く公認会計士としての最終ゴールに近い転職先をさぐっていきましょう。


注意しなければならないのは、監査法人の経験しかない場合です。
監査業務は公認会計士の独占業務であり、メインの仕事ではありますが、他の場所ではなかなか活かせません。
コンサルティングファームは近しい業務だといえますが、未経験の場合はスタッフでの入社となるケースがあり、年収が著しく下がってしまいます。
監査法人でキャリアを重ねている方は、転職を視野に入れているのであれば、監査以外の業務にも積極的に携わるようにしましょう。

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【転職成功事例】公認会計士の転職

それでは実際に、年代別・転職成功事例をご紹介しましょう。

20代:「海外で働きたい!」という夢を叶えた転職

20代後半・男性 大手監査法人→ブティック系コンサルティングファーム


「海外で働いてみたい」というキャリア希望の方。
もともと英語が好きで短期/長期留学の経験もあり、以前から「いつかは海外で」と思っていたとのこと。
海外で何をしたいのか、どの国で働きたいのか、ずっと海外にいたいのか、日本に戻ってきたいのか……。
大手監査法人の場合、海外拠点への異動を希望することもできますが、それではいけないのか?


さまざまなキャリアを考えながら転職活動をスタートしました。

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30代:BIG4監査法人から常駐型会計支援コンサルへ!将来のCFOをめざす転職

30代・男性 BIG4監査法人→会計系コンサルティングファーム


企業経営に携わる立場になりたいと考えて公認会計士になった方。
BIG4監査法人で会計士のキャリアをスタートし、シニアになったところで事業会社への転職活動をスタート。
しかし、数か月経ってもなかなか結果が出ず……。


ポイントは3つ。

  • 事業会社に転職したい。業界にこだわりなし
  • 将来はCFO・経営幹部として活躍したい
  • 年収は維持したい

続きはこちら

40代:監査法人の経験を活かして企業のリスクコンプライアンスポジションへ

40代前半・男性 BIG4監査法人→事業会社


BIG4監査法人の責任ある立場で活躍中の方。
新卒入社の事業会社の営業ポジションを経て公認会計士試験に合格し、監査業界に入ったそうです。
会計士のキャリアとして、最後は事業会社に戻りたいというプランを持っていました。
会計士としての知識、監査法人での経験を活かしてどのような転職ができるかを相談し、希望などをふまえ、内部監査、経営企画、リスクコンプライアンスのポジションを目指すことになりました。

続きはこちら

公認会計士の転職:成功の鍵を握るのは転職エージェント

公認会計士の活躍の場はどんどん増加しています。
今まで以上に公認会計士に要求されるスキル・経験なども、職場ごと変化しているのです。


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Profile レックスアドバイザーズ

公認会計士・税理士等の有資格者をはじめとする会計人材専門特化した人材紹介会社。
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