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監査法人の役割とは何なのでしょうか。
公認会計士として、仕事内容について解説監査法人の役割や業務内容を知ることは大切です。
監査業務を目的として公認会計士で構成された法人を監査法人といいます。
監査自体は公認会計士1人でも行うことができます。
しかし、大規模な監査となると複数人ではないと行えません。そこで、大規模な監査を行う際には監査法人が必要となります。
監査法人にはどのような役割があり、どのような業務を行なっているのか解説します。
監査法人の役目とは?
まず、監査法人について知っておきましょう。
監査法人は、その名の通り、企業を監査する法人です。
経済が正しく機能するためには、ひとつひとつの会社が適正な会計処理及び決算を行っていなければなりません。
監査を通じて、会計処理や決算が適切かどうかを証明する役割を担います。
法定監査は、公認会計士の独占業務です。
監査法人の選び方についてはこちら
監査法人の役割:業務内容
監査法人の役割は、監査業務による財務諸表や計算書類の内容の確認、証明をすることです。
会計業務は公認会計士の独占業務であるため、公認会計士しか行うことができません。
監査法人が行う業務内容は、監査業務と非監査業務があります。
では、それぞれの業務内容について解説します。
監査業務
監査業務には、法定監査と法定監査以外の監査があります。
法定監査は、金融商品取引法やその他の政令などで定められた企業の監査を行うことを言います。
法定監査以外の監査は、法定監査のように監査が定められている企業以外の監査を行うことです。
監査業務は、投資者などの利害関係者の保護を目的としています。
監査を行うことで、その企業の財務諸表や計算書類に不正がないことを証明され、投資者などの利害関係者は安心して投資の判断をすることができます。
ここでは、監査業務の流れを説明します。
主な流れは、
- 予備調査
- 監査契約
- 実際に監査を行う
- 監査報告書を作成
となります。
1.予備調査
まず、監査は予備調査から始まります。
依頼が来た後、契約を締結する前に顧客を事前に調査する業務です。
予備調査の目的は、監査を受ける企業の事業の内容や実施体制、決算書や株主、役員を確認することです。
この時点で、契約をしても問題がないのかを確認しなければなりません。
もちろん、予備調査の結果、監査契約ができませんとなる場合もあるようです。
2.監査契約
予備調査で問題がないと判断された場合には、監査契約を締結をし、実際に監査を行うことになります。
実際の監査を行うためには、まず監査計画の立案が必要です。
監査計画の立案は「リスク・アプローチ」を行うことから始まります。
企業の分析やリスクをまとめ、監査に着手します。
3.実際に監査を行う
実際の監査で、全ての業務や内容を確認することは不可能です。
間違いの可能性がある項目を事前に抽出しておくことで、監査をスムーズに行うことができます。
その後監査を行い、監査意見を形成します。
監査はチームで行うものです。各担当者ごとに監査結果をまとめ、それらを基に監査責任者が監査意見を形成します。
その後、監査に携わっていない公認会計士が監査意見を審査。
これで、実際の監査が終了です。
この監査意見の審査とは、客観的な視点で監査意見が適切なのかを判断するものです。
監査に主観が入りすぎると問題があるため、この監査意見の審査は大切な手順の一つになります。
4.監査報告書を作成
最後に、監査報告書を作成します。
この監査報告書があることで、監査を受けた企業の財務諸表や計算書類の正当性を証明できます。
それゆえに、監査法人の責任は大きく、ミスは許されません。チーム一丸となって取り組みます。
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非監査業務
非監査業務は、独占業務である監査業務以外の業務であるため、その内容は幅広いです。
具体例としては、株式公開支援やM&A関連のコンサル業務、内部統制監査などがあります。
これらは公認会計士の独占業務ではないため、公認会計士以外も行うことができます。
ただし、監査法人に所属する公認会計士は会計の専門家であるため、非監査業務ついても需要があります。
また、公認会計士は税理士登録をすることができるため税務業務を行うことができますが、監査法人では税務業務を行うことができないため非監査業務には含まれません。
非監査業務も監査業務と同じくらい、社会的に重要な役割を担っています。
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監査法人の役割:監査とは
監査には法定監査と法定監査以外があることを前述しました。
法定監査を受けないといけない企業には、どのような企業があるのでしょうか。
また、監査を受けなかった場合にどうなるのかを解説します。
監査を受けないといけない会社
監査を受けないといけない会社には、金融商品取引法や会社により監査を受けなければいけない会社と特定の業種の会社があります。
金融商品取引法により監査を受けないといけない会社は、簡単に言うと上場企業です。
投資者保護のため監査が義務付けられています。
会社法により監査を受けないといけない会社は、大企業です。
大企業とは、資本金5億円以上若しくは負債の部の合計額が200億円以上である株式会社を言います。
大企業は株主や利害関係者が中小企業に比べると多いです。
その株主や利害関係者の判断を誤らせないために、財務諸表や計算書類を監査法人が確認をし、判断に有用な情報であることを証明する必要があります。
特定の業務の会社には、保険相互会社や投資会社、学校法人や地方公共団体等があげられます。
これらの会社は、社会的に重要な役割を担っていることから監査が義務付けられています。
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監査を受けないとどうなるのか
では仮に上記のような会社が監査を受けなかった場合には、どうなるのでしょうか。
まず法定監査は、法律で監査を受けることが定められているため、罰金があります。
会社法に基づいた監査では、監査を受けなかった場合には100万円以下の罰金が課されることになります。
また、監査を受けなかったことによる1番の問題は、その会社の社会的信用が失われることです。
上場企業であれば、たとえ業績がよくても社会に貢献していたとしても、法律で定められたことを行なっていないため信用はなくなってしまいます。
最悪の場合上場廃止となることもあるので、法定監査は必ず受けるべきです。
監査法人の役割:非監査業務とは
非監査業務には、株式公開支援やM&A関連のコンサル業務、内部統制監査などがあることを前述しました。
これらを見ただけでは、どのような業務を行うのかわかりづらいと思います。
それではこれらの業務の内容について解説します。
IPO・株式公開支援
株式公開支援は、非上場企業が上場するための支援を行う業務をいいます。
株式を上場させることは、申請すればどの企業でもできることではありません。上場するための基準はかなり厳しいものとなっています。また、その上場するための基準には監査を受けるというものもあります。
ただし、上場しようとしている会社の監査だけを行うことは多くなく、実際には上場するための基準をクリアするために何を行えば良いのかを助言することも、監査法人で行います。
M&A関連のコンサル業務
M&A関連のコンサル業務の中で重要な役割を持つものが、「財務デューデリジェンス」です。
「財務デューデリジェンス」は、売り側企業に入る場合には売り側企業に対して行い、買い側企業に入る場合には買収する予定の会社に対して行います。
これにより、その企業の財務面の検証を行い、企業の価値やリスクを明らかにすることができます。
M&Aにおいてはとても重要な役割を担っています。
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内部統制監査
内部統制監査とは、監査法人が上場企業などの財務の内容ではなく、内部統制の評価を行う業務をいいます。
通常の監査とは異なり、監査対象となるのは企業の内部統制です。
この内部統制監査を行う目的は、監査対象の会社が事業活動や財務諸表を作成するための内部体制を構築することです。
内部統制が充実することにより業務の効率化を図ることができ、企業内での問題を軽減することができるでしょう。
監査法人の役割:まとめ
監査法人には社会的に重要な役割があることを説明してきました。
監査法人が行う業務内容には法定監査と法定以外の監査があり、法定監査は金融商品取引法や会社法その他の政令により義務付けられています。
監査以外にも監査法人の行う業務には非監査業務があります。
非監査業務の幅は広く様々な業務がありますが、そのほとんどが社会的に重要な役割を担っているものばかりです。
監査法人は監査業務、非監査業務を行い、社会的な重要な役割を果たしています。
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