転職お役立ち情報
公認会計士として働き始めるとき、転勤の有無が気になるかもしれません。
公認会計士試験は合格率10%の難関国家資格です。
晴れて合格すれば、公認会計士としてのキャリアをスタートとなります。
銀行や商社などでは転勤は付いて回るものです。
果たして公認会計士はどうなのでしょうか。
今回は、公認会計士の転勤事情について考察します。
公認会計士と転勤の基礎知識
公認会計士にとしてのキャリアを歩むためには、まず監査法人に入社することになります。
まずは監査法人の仕事から考察してみましょう。
主要顧客は東京に集中!
監査法人は、その名の通り上場企業の監査をするのが主な仕事です。
となると、顧客の多い都市部に監査法人も多いということが分かりますね。
ここで全国の上場企業の本社所在地を確認してみましょう。
- 北海道 48
- 青森県 4
- 岩手県 4
- 宮城県 20
- 秋田県 2
- 山形県 5
- 福島県 11
- 茨城県 12
- 栃木県 17
- 群馬県 21
- 埼玉県 68
- 千葉県 49
- 東京都 2,029
- 神奈川県 179
- 新潟県 36
- 富山県 23
- 石川県 27
- 福井県 15
- 山梨県 9
- 長野県 32
- 岐阜県 29
- 静岡県 51
- 愛知県 222
- 三重県 20
- 滋賀県 10
- 京都府 63
- 大阪府 434
- 兵庫県 106
- 奈良県 4
- 和歌山県 9
- 鳥取県 45
- 島根県 3
- 岡山県 20
- 広島県 45
- 山口県 13
- 徳島県 5
- 香川県 15
- 愛媛県 10
- 高知県 6
- 福岡県 82
- 佐賀県 4
- 長崎県 0
- 大分県 8
- 宮崎県 6
- 鹿児島県 9
- 沖縄県 5
参考:会社四季報オンライン 47都道府県別「上場会社の本社数」リスト最新版 | 会社四季報オンライン
これを見ると、監査法人の顧客は東京に集中し、その約1/9の数で大阪、愛知、神奈川…と続いていくのが分かります。
監査法人の主な顧客は上場企業
監査法人の主な顧客は上場企業ですから、必然的に監査法人も東京を中心とした大都市に集中することになります。
とは言っても、上場企業は全国にありますから、もちろん東京以外にも監査法人は存在します。
ここで、BIG4と呼ばれる監査法人の全国支店の分布を見てみましょう。
デロイト トーマツ |
EY |
KPMG |
PwG |
|
北海道 |
あり |
あり |
あり |
なし |
東北 |
宮城,岩手,福島 |
宮城,福島 |
岩手,宮城 |
|
東京 |
あり |
あり |
あり |
あり |
関東 |
埼玉,群馬,千葉,神奈川 |
群馬.埼玉,神奈川 |
||
中部 |
静岡,愛知,長野,石川,富山,新潟 |
愛知,長野,富山,石川,新潟,静岡 |
愛知,岐阜,三重,新潟,石川,富山,福井,静岡 |
愛知 |
関西 |
京都,大阪,兵庫 |
大阪 |
大阪,京都,兵庫 |
大阪 |
中国 |
岡山,広島 |
広島 |
岡山,広島,山口 |
|
四国 |
香川、愛媛 |
香川 |
愛媛 |
|
九州 |
福岡,熊本,大分,宮崎,鹿児島 |
福岡 |
福岡 |
福岡 |
沖縄 |
あり |
あり |
なし |
なし |
参照:
オフィス一覧|グループ案内|デロイト トーマツ グループ|Deloitte
数の大小の差はあれど、どの監査法人も全国に支店を持っていますね。
公認会計士の転勤事情
では、監査法人では転勤を行うことがあるのでしょうか?
答えは「ほぼない」です。
公認会計士は、基本的にその土地の事務所を受けたらそのままその土地の事務所に就職をします。
就職後に配属決定、という形ではありません。
ですから、メガバンクや商社のように「突然辞令が出て転勤することになった」という事態になることもないと考えても良いでしょう。
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公認会計士になったら転勤はできないの?
公認会計士には転勤は殆どありませんが、中には全国の様々な土地で働くというキャリアパスに憧れている人もいるでしょう。
そんな人にとっては、転勤のない公認会計士は少し物足りないかも知れません。
しかし、そんな公認会計士でも転勤をするケースはもちろん存在し
ます。
それでは、そんなケースを実際に見てみましょう。
本人希望で転勤するケースはある
会社からの辞令によって転勤することは少ないですが、本人の希望によって転勤することはもちろんあります。
「大都市で経験を積んでから地元に帰って再就職をしたい」と考えてる人も少なくないでしょう。
このような場合、地元と大都市に拠点があるのが前提になりますが、希望をすれば受け入れてもらえるケースも多いようです。
公認会計士は、基本的には転勤はなく、希望をすれば転勤も可能な「転勤を考えている人への融通は効きやすい仕事」とも言えるでしょう。
会社都合で転勤になるケース
ただ、公認会計士が「絶対に転勤がない」ということも言い切れません。
中には転勤を命じられるケースも存在します。
近年では「地方事務所を強化したい」という気持ちから、大都市から転勤を命じられるケースもあるようです。
もちろん本人への確認はしっかりと取りますが、地方事務所を多数持つ監査法人では地方への転勤がある、ということは念頭に置いておいた方が良いかも知れませんね。
不祥事を起こしたら……
もし社内で何かしらの問題行為を起こした場合、または監査に重要な問題が発覚した場合、転勤となるケースもあるようです。
ただしこのような問題行為が起きた場合、降格や減給、最悪の場合解雇になるケースもあります。
当然ですが社内での行為や仕事の質には問題がないように心がけてください。
転勤・転職事情から公認会計士と税理士を比べてみる
公認会計士と並んで比べられることの多い仕事に税理士があります。
同じ「会社のお金」を扱う仕事でありながらその仕事内容は大きく異なる公認会計士と税理士、今回は「転職」という観点から比べてみましょう。
立地から選ぶ場合
最初に記載したとおり、監査法人は東京に集中しています。
地方にも監査法人は存在しますが、大都市に比べると地方ではどうしても上場企業が限られるため、必然的に門戸は限られてくるのが現状です。
大手監査法人に就職すれば転勤も可能ですが、必ずしもそこに就職できる人ばかりでもありません。
大都市で仕事をしたいと考えている人なら問題はありませんが、地方で働きたい、将来的には地元に帰りたいと考えている人にとっては難しいと言わざるを得ないでしょう。
一方税理士事務所の場合、上場の有無や企業の規模に関係なく、そこに会社があれば税理士事務所の仕事が必要になります。
つまり、上場企業を主な顧客とする監査法人に比べて、会社そのものを主な顧客とする税理士事務所は、地方での仕事もそこそこあり、就職もしやすい傾向にあります。
東京を中心とした大都市で仕事をしたい場合は監査法人、地元や地方での就職を考えている場合は税理士事務所で就職した方が良いと言えるでしょう。
将来引っ越す予定がある場合
結婚などで将来遠方に引っ越す予定がある、将来的には地元に帰って働きたいと考えている場合、税理士事務所で働くほうが良いと言えるでしょう。
監査法人は地方に事務所があると言っても、やはり数は多くはありません。
その点税理士事務所は数の大小はあれど、どんな地方にも必ず存在します。
特に地元に根付いたサービスを提供する事務所で働きたいと考えている場合、税理士事務所の方が融通は効きやすいと言えるでしょう。適していると言えるでしょう。
多彩なキャリアを積みたい場合
監査法人や税理士事務所に勤務してから転職すると、主な転職先は「金融や財務、税務に関するコンサルタント職」や「企業の経理職」になってきます。
特に公認会計士資格や税理士資格を持っていると、クライアントからの信用も得られやすいため、コンサル職では求められることも多くなってくるようです。
公認会計士、税理士、ともにその後のキャリアステップは多彩に歩むことが可能なため、一度自分のライフプランを考えてみて、それに合った方を選べると良いですね。
公認会計士の転勤:まとめ
今回は公認会計士という職を「転勤」という視点から考察してみました。
今までとは違う視点が得られたでしょうか。
この記事が、皆さんのキャリアの参考になれば幸いです。
Profile レックスアドバイザーズ
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