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監査と聞くと公認会計士が実施する会計監査をイメージする人が多いのではないでしょうか。
さまざまな種類の監査がありますが、監査とだけ表現された場合、会計監査を指すケースが多いです。
監査を実施する公認会計士は、得られる年収が非常に高いといった話を見聞きする場面が少なくなりません。
実際のところ、監査を実施する人が得られる年収は高いのでしょうか。
本記事では監査の年収について詳しく解説します。
監査に興味のある方、年収アップの方法を知りたい方はぜひお読みください。
監査の年収を見る前に
監査の年収について見る前に、監査に関する基本的な情報を紹介します。
前提知識を押さえることは、年収をイメージする上で役立ちます。
監査とは
監査とは作成書類や実施した対応などに問題がないか調査・確認などをすることです。
公正な実施のために、直接的な利害関係のない中立的な立場の人がおこなうケースが多いです。
監査にはシステム監査や内部監査などさまざまなものがありますが、単に監査と呼ぶ場合、多くの場合は前述したように会計監査を指します。
会計監査では企業が作成した財務諸表が正しいかをチェックし、監査結果を意見という形でまとめます。
なお法律で定められている会計監査は、公認会計士の独占業務です。
以降の文章では、単に監査と表現している場合、会計監査を意味するものとして扱います。
監査を実施する職場
会計監査を実施する主な職場は次の2か所です。
- 監査法人
- 個人の会計事務所(公認会計士)
監査法人とは社員のうち5名以上が公認会計士で構成されている法人です。
会計監査が主な業務ですが、アドバイザリー業務など幅広い会計業務をおこないます。
個人で運営する会計事務所で会計監査を実施するケースもあります。
ただし規模の大きい企業の場合、監査対応に多くの人員が必要です。
そのため個人事務所では、比較的小規模の会計監査が実施される傾向です。
監査を必要とする場所とは
会計監査は法令によって、特定の性質を持つ会社に義務付けられています。
会計監査には金融証券取引法に基づくものと、会社法に基づくものがあります。
金融証券取引法により監査の実施が義務付けられている会社は以下のとおりです。
- すべての上場企業
- 有価証券報告書の提出が必要な非上場企業
また以下の会社は、会社法により監査が義務付けられています。
- 会社法上の大会社
- 監査等委員会を設置している会社および指名委員会等を設置している会社
- 会計監査人を任意で設置した会社
なお監査の義務がなくても、社会的信頼の獲得や正当性証明などの目的で監査を依頼するケースもあります。
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監査業務を実施する人が得られる年収
監査業務を実施する人が得られる年収の紹介です。
所属する法人や事務所の特徴によって平均年収に相違があります。
大規模監査法人の場合
BIG4(四大監査法人)や準大手監査法人と呼ばれる大規模の監査法人では、比較的高年収を得やすい傾向です。
年収はポジション・役職によって大きく異なり、それぞれの年収目安は次のとおりです。
- スタッフ(入社〜3年ほど):450~650万円
- シニアスタッフ:600~850万円
- マネージャー:1,000万円前後
- パートナー:1,500万円〜
ポジション問わない平均年収は800万円ほどとなります。
昇進次第で1,000万円を超えるケースも珍しくありません。
中小規模監査法人の場合
続いては中小規模の監査法人で得られる年収額の紹介です。
こちらもポジション・役職別に平均年収を紹介します。
- スタッフ:400~550万円
- シニアスタッフ:500~650万円
- マネージャー:800~1,000万円
- パートナー:1,300万円~
ポジションを問わない全体での平均年収は600万円台後半です。
大規模の監査法人と比較して、やや低くなる傾向にあります。
会計事務所の場合
個人もしくは4人以下の公認会計士によって運営される会計事務所でも、監査を行うケースがあります。
会計事務所での監査実施により得られる年収は、事務所やクライアントによって差が大きいです。
独立で上手くいけば平均を遥かに上回る年収が期待できますが、その真逆も起こり得ます。
会計事務所に属する公認会計士については、平均年収に関するデータの収集が難しいため、具体的な金額の紹介を割愛します。
年収の幅が大きく、安定性に欠けるというのが事実です。
監査でより高年収を得るためのポイント
監査でより高年収を得るためのポイントを紹介します。
工夫次第でさらなる年収アップを実現できるケースがあります。
業務で役立つ知識を身につける
業務で役立つ知識を身につけることで、年収が上がる可能性が高いです。
特に高度な専門知識や特殊な分野の知識など、突出した知識が年収アップにつながりやすいです。
知識量が豊富でレベルも高い場合、対応できる業務が広がる上、こなせる業務の難易度も上がります。
より報酬単価の高い業務を担当できるようになれば評価が上がり、結果として年収アップにつながるでしょう。
監査で必ず求められる会計の知識以外として、たとえば業界特有の知識や、会計以外の専門知識などが挙げられます。
知識をつければこなせる業務のレベルが上がり、結果として年収アップが実現するでしょう。
語学力を高める
英語などの語学力も、年収アップに効果的な要素です。
単純に対応できる仕事の幅が広がるだけでなく、語学力の高さそのものが評価される可能性も有り得ます。
語学力が高い人は、それだけで一目置かれるケースが多いです。
英語を使う業務がそれほど多くないとしても、対応できるか否か自体が、評価をする上で重要な指標となります。
監査法人に限らず、昇進・昇格などの条件にTOEICでの一定スコア以上を定めている法人も珍しくありません。
監査は日本の法令や基準に則って実施するもので、日本語で対応できるものがほとんどです。
しかし近年はグローバル化が著しいスピードで進んでおり、英語の資料を目にする機会も増えています。
したがって語学力が監査で活かせる可能性が高く、結果として年収アップにつながると期待できます。
転職するのも有用な手段
より高い年収が実現しやすい法人・事務所へ転職するのも有用な手段です。
職場によって得られる年収の違いが大きく、転職をキッカケに大幅な年収アップを実現できる人も多くいます。
年収アップを目的に転職をする場合、初任給だけでなく、期待できる昇給額やスピードも確認が必要です。
転職直後は年収にそれほど変化がないとしても、大きな昇給が実現できればトータルでの年収が高くなります。
今いる職場でのスキルアップや昇進に限らず、転職を視野に入れるのも良いでしょう。
選択肢が広がるため、自分にとってより良い職場が見つかる可能性もあります。
まとめ
監査とは作成された資料や対応などに問題がないかを第三者がチェックすることであり、単なる監査という表現は会計監査を意味するケースが多いです。
会計監査をおこなう職場は、監査法人もしくは公認会計士による個人の会計事務所となります。
監査は法令で定められた特定の会社に義務付けられていますが、監査の必要がない場合でも任意で依頼・実施が可能です。
大規模の監査法人の場合、監査をおこなう人が得られる年収は平均で800万円ほどです。
規模が小さくなると年収も下がり、平均年収は600万円台後半となります。
個人の会計事務所では金額の幅が大きく、かなりの高年収を実現できるケースもあれば、監査で得る報酬は少ないケースも存在します。
監査でより高年収を得るためには、業務で役立つ知識の習得が効果的です。
英語などの語学力を高めることでも、年収アップが期待できます。
より高年収が期待できる職場へ転職するのも有用な手段です。
監査の年収についてイメージの助けになれば幸いです。
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